月別アーカイブ: 2013年5月

日本におけるイタリア2013

今、ラファエロ展が西洋美術館で開催されています。

《大公の聖母》が来ているようで、
お時間のある方は見て損はないと思います。
作品リスト(PDFファイル)
を見ると、まとまってラファエロの作品が見られることが分かります。

ただ、イタリアがよく国外に出したな、
と思ってイタリア文化会館のサイトを見たら、
今年は「日本におけるイタリア2013」という
プロジェクトが進行中。

ミケランジェロレオナルド・ダ・ビンチの展覧会もあり
イタリアルネッサンスが堪能出来る年なのですね。
ミケランジェロは福井展もあるようです。

ルネッサンスの作品は、有名な画家がいるわりに
日本に来ることがないのは、
それらがどれも世界遺産級である事もありますが、
壁にかかれたフレスコ画であることが大きな理由です。
建物に組込まれているから移動出来ないのです。

例えば、先日新ローマ法皇が選ばれましたが、
あの選挙(コンクラーベ)はバチカンのシスティーナ礼拝堂
で行われます。
ミケランジェロの描いたシスティーナ礼拝堂の天井画や壁画も
あまりに有名で、写真や図版で見たことがない人は
いないほどでしょう。
システィーナ礼拝堂のヴァーチャル映像はこちらから
ご覧になれます。(音声に注意)
あれらもすべて「フレスコ」という技法で描かれています。

フレスコ画って何?って思う人は、
少し前に話題になったスペインでおばあさんが
修復した絵の話を思い出して下さい。

フレスコという技法は最も一般的な壁画の技法で
石灰を主成分とするモルタルを壁に塗って
乾かないうちに絵の具で絵を描く方法です。
そうすると、絵の具の水分とモルタルの水分が連結して
絵の具がモルタルの表面と一体化します。

そのとき壁の表面では化学反応が起きています。
モルタルの中を通った水が石灰水となって、
空気中の炭酸ガスに触れると炭酸カルシウムの膜を作ります。
壁が乾くにつれて壁の表面でこの化学変化が起きて
顔料は堅牢な保護膜に包み込まれる為に
絵が壁の一部になります。

炭酸カルシウムの皮膜は半透明の白色をしているために
フレスコ画は全体的にパステル調になります。

スペインのおばあさんの件は、
あの元の絵は、フレスコ画で描かれていて
おばあさんは、油絵の具で修復したようです。
美術関係者からするとかなり勇気ある行動だったと思いますけど。(笑)
その後どうなったのでしょう。

イタリア、アレッツオの街灯

イタリア、アレッツオの街灯


フレスコは漆喰(モルタル)が乾くまでに描いてしまわなければならないので、
一度に30センチ四方くらいづつ描き進めていきます。

ミケランジェロはあの広大な壁画を一人で描いています。
天井画なんて足場も怖いし上を見て描かなければいけなくて、
目に絵の具が入るわ、で大変だったようですけど、
30センチずつくらい描き進めながら、
前人未到のことをやり遂げてしまいます。

一方、レオナルド・ダ・ビンチのミラノにある「最後の晩餐」は
フレスコを用いてないために損傷が激しいのです。

さて、ラファエロの「アテネの学堂」も有名です。
ラファエロはダヴィンチが67才まで、
ミケランジェロが88才まで生きたのと違って
37才という若さで亡くなります。

一説によるととても女性にもてたそうで、
筋骨隆々のミケランジェロの女性や
浮世離れした女性を描くダビンチに比べて、
ふくよかで優雅なマリア像は、
そんな女性への愛の讃歌かもしれません。

ラファエロ展の作品リストを見ると、
やはり多少なりともキリスト教の知識が
あった方が楽しめると思います。

ところで、
ルネッサンスというと日本語では「文芸復興」と訳して
暗黒の中世から光の当たる芸術の時代って感じですけど、
いわゆる「魔女狩り」の嵐が吹き荒れたのは、
意外にもルネッサンス時代からなんですね。

また、ルネッサンスの末期のフィレンツェでは、
サヴォナローラというドミニコ会の修道士が現れ
「贅沢は敵だ」みたいな事を言い出して、
影響を受けた「春」を描いたボッティチェリは
絵を描かなくなります。
いつの時代も、絶頂期にこそ退廃や荒廃の芽を
孕んでいるものなのでしょう。
このあたりは、辻邦生の「春の戴冠」で描かれています。
ご興味のある方は是非。

今日の私のイラストは、
イタリアのアレッツォという街を訪ねた時に
描いた街灯です。
風景全部を描くのが大変な時は
こういう風に街灯だけ描いて集めるというのも
楽しいかもしれませんね。

ラファエロの《大公の聖母》が表紙の聖書入門。
聖書入門版はたくさん在ります。
これは図解もあって、私は読みやすかったです。

何と、法皇や領主様まで魔女狩りに荷担。
人間とは何か考えさせられる「魔女狩り」の実態を
多くの引用とともにえがく好著。

「春」「ビーナスの誕生」の画家サンドロ・ボッティチェリの生涯を描く
愛と失意の美しい物語。
私はこれを読んでからフィレンツェを訪ね、
500年前にこの広場で何が起きたのか、
などと思い出して感無量でした。

シンプル時間管理術

スティーブン・コヴィーの「七つの習慣」は
ハウツーものとして古典の部類でしょうが、
私は読んだことはありません。

ただ、彼の時間管理の概念を取り入れたと
名うっている手帳を使っています。

たまたま自分の探していた手帳が
フランクリン・コヴィーという会社が
出しているもので、
5年くらい前に見つけてから、
気に入って、以来それを愛用しています。

それまでは、気に入った手帳がなくて
ずっと小さなカレンダーを手帳替わりに使っていたので、
持ち運びが不便でした。

私が使っている手帳はこれと、この年間フォーム

ちなみにこのサイトでは、
オンライントレーニングが受けられます。

このオンライントレーニングにも掲載されていますが、
この手帳の後ろに書いてある、時間管理方法が
シンプルでとても分かりやすいので、
私は物事の優先順位を決める時に
参考にしています。
今日はその話しを書きます。

ほんとうにシンプルです。
自分のやるべきこと、目の前のやるべきことを
①重要である か ②重要でない か
③緊急である か ④緊急でない か

と問い、
以下の4つのマトリックスに当てはめるのです。

A) ① + ③ → 重要かつ緊急である
B) ① + ④ → 重要だが緊急でない
c) ② + ③ → 重要でないが緊急である
D) ② + ④ → 重要でもないし緊急でもない

20130519

具体的に見て行きましょう。
A)重要かつ緊急である
○明日のプレゼン
○危機管理対応
○原稿の締切り

B)重要だが緊急でない
○日頃の勉強
○危機管理予防
○人間関係作り
○計画の見直し
○価値観の構築
○真の趣味

C)重要でないが緊急である
○一部の電話やメール、報告書など
○一部の会議
○雑事/片付け

D)重要でもないし緊急でもない
○テレビを見る
○ダラダラ電話
○内容のない仕事

となっています。

なおこの内容は
前述したようにフランクリンコヴィーのサイトにものっているものですが、
多少言葉は私なりの解釈に変換してあります。

「人生は時間で出来ている」とよく言います。
特にアメリカ式のタイム管理の考え方が広く知られるようになってきて
いかに時間を上手く使うか、が人生の命題みたいにすらなっています。

確かに時間は大切だし、時間は誰にも平等だけれど、
あんまりキッチリ管理した時間を生きると言うのも
「こなしている」感じで、私はあまり好きではありません。

でも、上に掲げたマトリックスだと、
重要かそうでないか、緊急かそうでないか、
をチェックするだけですし、
そしてなるべく自分が重要と思える時間を増やす。
位だったら、時間の奴隷になっている感じはしないでしょう。

特に重要なのが、B)重要だが緊急でないの部分でしょう。
A)が重要であることは誰にも分かりますが、
多分、B)の部分の充実が将来に響いてくると思います。
そのためにも、実行したことは忘れずに「記録」しておきたいですね。

で、なるべく一日のうちの頭の冴えてる時間に
B)を組み込んでおくことも大切です。

私は、テレビは見ないけど、ツイッターとかやっている時間が
結構長くてね。
へへへ……。

時間管理と言えば、セネカの「人生の短さについて」という
古典本があります。

セネカはローマ「ストア派」の哲学者で、皇帝ネロの先生となった人です。
ストア学派は「ストイック=禁欲的」の言葉の語源ともなっています。
こういう古典を読めば
ハウツー本のもとになる多くの理念がのっているような気がします。
特に、セネカはおすすめです。

これも、森有正の「木々は光を浴びて」と同じように、
本屋で出会ったもの。
岩波文庫版では題名が、「人生」ではなく「生」になっていますが、
私が買ったのは薄い単行本の岩波クラシックスでした。
字が小学生の教科書のように大きく、
一時間もあれば読めてしまうのですが、
とても大切なことの詰まった本でした。
中古で買えるようですね。

フランクリンコヴィーのサイトにも
哲学者セネカが紹介されています。

旅鳥と干潟のカニ

今日は、先日干潟で見たキョウジョシギ(京女鴫)
という旅鳥の絵をアップしておきます。
鳥の絵、久しぶりです。

シギやチドリはこの時期、
オーストラリアからシベリアめざして行く途中、
日本の干潟に寄って、小休止。
8月から9月には逆にシベリアの方から
オーストラリアに戻る途中で、また日本に寄るのね。
詳しくはこちらのサイトで見てみてね。
シギ、チドリ展

あの小さな身体で年に二回も地球を半周するのはすごい、
と思うけど、鳥は気流とか風に乗って上手に飛ぶのね。
省エネ体質。空飛び功者。(笑)
トビがキレイに螺旋を描いて上昇気流にのって
アッという間に空高くまで登る姿は見事です。

20130517

絵の中で
キョウジョシギが見ているのは
ヤマトオサガニ、と
小さなチゴガニ。
ほんとは両方ともキョウジョシギと比べて、
もう少し小さいけどね。

干潟のカニって、
ウェービングと言われるダンスをして可愛いんですよ〜。
どんなものか見たい人はこちらからどうぞ。

キョウジョシギの頭の上の蝶はアオスジアゲハ。
ほんとはレンゲ畑とかにいるけど、
チゴガニの甲の色と響いてキレイでしょ。

干潟の鳥を見に行く時は
双眼鏡を忘れずにね。

ではでは。

春から初夏へ

3月からほぼ毎週、花を追ってスケッチをしてきました。
まだ3月は寒く、
登山用の折り畳めるダウンジャケットが
必要でした。

しかし、先週、バラを描きに行った時は
サンバイザーと日よけ帽子をかぶり
手には日焼け防止の手袋をして
日陰を探して、スケッチをしていました。

人間がどれほど愚行を繰り返していても
季節は巡り、花は咲き、カエルは卵を産み
渡り鳥は北へ向かい、
虫たちは蜜や花粉を求めて
営みを続けます。

今日はこの2ヶ月間にブログに載せた花たちです。
記事もよろしければお読みください。

ツバキ

ツバキ

季節の先取り

コゴミ(クサソテツの芽)

コゴミ(クサソテツの芽)

ヒメオドリコソウ

ヒメオドリコソウ

花を愛でる

シャクナゲと自然遺産の屋久島

セイヨウシャクナゲ

セイヨウシャクナゲ

ボタン

ボタン

一年で、庭が大変身!

ボタン

ボタン

週末に向けて

タケノコ

タケノコ

週末の一枚

オオジシバリ

オオジシバリ

私のIT発信、独学法。取説は役に立つ。

ムラサキサギゴケ

ムラサキサギゴケ

レンゲ畑がなつかしい

レンゲソウ

レンゲソウ

「木々は光を浴びて」森有正

イロハモミジ

イロハモミジ

ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ

バラ

バラ

ただ,残念な事に、
ほとんど報道されませんが
福島では動植物に放射能の影響が
出ているようです。
福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ

このくらいで済むのか
あるいはもっと深刻になって行くのか、わかりません。

天気の長期予想によると,この夏は大変暑くなるようです。
今既に東京では電車で空調をしています。
原発事故も風化しています。
いつでもどこでも暑くても寒くても
快適さを求めることへの反省も風化して来ているかもしれません。

これから先も,春になるたびに、
花や虫たちの姿に感動出来る自然を残したいものです。
美しいだけではなく、
それらは私たちの明日の姿だからです。

猫特集はこちら。
連休最後の夜に、リラックス

薔薇の名前

ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ
で記事にしたように、
先週は、バラ園の薔薇をスケッチしてきました。

20130515

画像は、「アリゾナ」という名前の品種です。

実は「薔薇の名前リスト」と検索をかけてみたら、
薔薇の名前は数えきれないほどあって、
花屋さんのリストにもなかったのですが、
旧古河庭園で咲く薔薇の中に
「アリゾナ」の名前を見つけました。

この旧古河庭園は一度行きたいと思いながら訪ねたことのない洋館です。
ここの日本庭園もいいですね〜。
同じ洋館で、超お薦めの旧朝香宮邸を美術館にした
東京都庭園美術館本館は今改修中ですね。残念。

さて、薔薇の名前と言えば、「薔薇の名前」という映画がありました。
ウンベルト・エーコというイタリアの記号論学者の原作です。
中世の修道院で連続殺人事件が起きて、
それを解決する修道士役のショーンコネリーがはまり役でした。

おどろおどろしい中世のイメージを実に巧みに映像化していて、
特に迷路のような図書館はよくセットを作ったものです。
私がフランスの世界遺産モンサンミッシェルに行った時、
ああ「薔薇の名前」の修道院ってこんな感じだったのだろうな、
と思いながら見学したものです。

純粋に推理映画として見られるので、
特に中世や宗教的な知識がなくても問題無いですけど、
中世ってどんな時代だったんだろう、
と興味のある方には、
ヨーロッパの中世美術―大聖堂から写本まで (中公新書)
をお薦めします。

中世美術、というとぱっと思い浮かばないかもしれませんが
フランスのシャルトルの大聖堂のステンドグラス、
は有名かもしれません。

本来「ゴシック」は中世の建築様式をさす言葉です。
18世紀になると、中世の修道院や邸宅を舞台にした怪奇小説が
イギリスで生まれ「ゴシック・ロマンス」と呼ばれたところから
怪奇風幻想的なものを「ゴシック」と転用するようになったので、
「ゴスロリ」の「ゴシック」は実は本家とは関係ないのね。

以下ネタバレ注意。
さて、映画の話しに戻すと、
この先は映画のネタバレになりますが、
修道院の中での連続殺人事件は、
笑いを知ったものは殺されるというストーリーでした。
え、なんでー? って感じですが、
「笑い」=快楽、と捉えたのかもしれません。

今の時代,笑っただけで殺される事はありません。
しかし、本来「笑い」にはそのくらいの力があるということでしょう。
なんだかテレビのバラエティーに代表される今の笑いに
それ程のパンチはないだけではなく、
ほんとうの笑いも奪っている気がします。

ま,実際のところは「笑ってる場合ですか?」
と思う社会状況は続いているわけです。

原発の汚染水は溜まる一方だし。
アベノミクスで円安が加速すれば、
様々なものを輸入に頼っているから物価は上がるだろうし、
だけど,名目景気がいいと,消費税は上がるだろうし、
従軍慰安婦発言で世界に恥をさらした政治家もいるし、
自民党は改憲で国民の人権を奪おうとしているし、
(うっそ〜と思う人はかさこさんのブログが詳しいです。是非一読を)
・・・・。

今はちょっと大変だけど、
この先心底笑うためにも、
バラエティー程度の笑いで誤摩化されないようにしたいものです。

ツイッター時代だからブログが面白い

ブログ開設から100日あまりで、
おかげさまで総閲覧数が軽々と6000PVを越えました。
これもひとえに「タガメ女」のおかげです。
日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社プラスアルファ新書)

まずツイッターで安富歩教授に取り上げて頂き、
一晩で400PVを経験。
また10日(金)には日経ビズで著者である深尾葉子氏の
「タガメ女」のインタビューが取り上げられたから、
また一晩でアクセス数がばっと上昇。

今日もなんか多いなあと思ったら、
安富教授が「ツイッターまとめ」を作ってました。

この「タガメ女」の書評ひとつで、ばっと人が来てくれるのを体感すると、
トレンドのスゴさを実感するのと同時に
ネットって怖いな、と思います。

毎日1万も2万もアクセスがあるブロガーからすれば
痛くも痒くもないようなことでしょうが、
ふつうのおばさんは、ひとつの記事で750PVに
ビックリしています。

20130513

ただ、もしこれがツイッターがなかったら、
ここまでアクセス数は増える事はなかったでしょう。
ツイッター時代だからこそ、ブログは面白いのかもしれません。
かといってツイッターを単なるブログの宣伝、と考えるのは
これも、違うのですよね。
機能が違う、という気がします。

いずれにせよ
アクセス数はブログを運営して行く上で抗し難い魔力ではあるけど、
つくづく身の程は知っておかないと、と思います。

私も人の子、二匹目のどじょうを狙いたい気もしないでもないけど、
でもバブルに惑わされず、自分の書きたいことを書いて行かないと、
ブログは続かない気がします。

資本主義社会で、競争社会だから
売れる、読まれる、支持される、というのが
力になるのは当然ですが、
底力があってそういう状態になるなら良いけれど
一瞬の受けを狙うのは本末転倒です。

とはいえ、ブログはやっぱり面白いです。
こちらのブログを書いて思考方法を手に入れるで書いたように、
「継続は力なり」を実感させてくれるのが
ブログです。

そして、今回アクセスバブルでも嬉しかったのが、
読みに来て下さった方が、ほかの記事もクリックして行って下さることです。
ブログを始めてから、一旦空になるつもりで、
次々と記事を書きました。

押し入れのデッサンも引っ張り出して来て
見て頂いています。
本家のホームページも見て頂けているようで
嬉しい誤算です。

今後も、自分の書きたいこと、
多くの方と共有出来たら良いと思う情報や本、考え方
を取り上げていきたいと思っています。
よろしければ今後もこのブログとマダムかよこの絵を
ごひいきによろしくお願いいたします。

本紹介や書評関連の記事
カテゴリー/本や映画、展覧会

本家HP
マダムかよこのアトリエ

英語ブログ
Diary of Madam Kayoko

ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ

いわゆる「ゴスロリ」の雰囲気を
制作に取り入れてみようと思い、
バラ園へスケッチに行ってきました。

もともと、ゴシックやアールヌーボーに限らず
装飾やオーナメント、レース模様は好きで、
本を見つけては買って来たり
自分の作品に取り入れています。
シダが好きなのも、
まるで生きた緑のレースだからです。

「ゴシック」+「ロリータ」が
若い人の間で「ゴスロリ」として人気が高い、
というのはごく最近知ったばかり。
チュチュやレースと黒の組み合わせは
豪華さと可愛さを兼ねています。

レースやオーナメントの本はあるし、
知らない世界じゃないし、
おばさんも、
「流行の、ゴスロリなるものに挑戦してみよう」
と思い立ち、
「ゴスロリなら、やっぱり薔薇よね〜」
「今、ちょうど薔薇の季節ね」
というわけで、昨日はバラ園に行ってきました。

薔薇は、品種によっては世話が大変で、
怠け者の私は育てたことはないですが、
実家には深紅のビロードのような薔薇があったし、
デッサンや作品にもしています。

20130511

またご近所の家では、この季節になると
つるバラや野バラのような小さな白い薔薇が
一斉に咲き出します。

実家ではその薔薇の消毒などしていませんでしたが
特に問題無く咲いていました。
ご近所の薔薇もそれ程、虫対策などしている様子はなく
それでも毎年きれいに咲いています。

・・・・

バラ園は見事でした。
一面、種々の薔薇が咲いていて、
ご婦人のグループやご夫婦で
日がな散策されていました。
きっと週末は人で溢れることでしょう。

その園ではバラコンクールの薔薇なども育てており
業者の人たちが丁寧に見て歩いていました。
私は一通り見て歩いたあとで
昼食をはさんで、一日スケッチをしていました。

しかし、描きだして2時間くらいしてから
ふと気がついたのです。
……なにかが違うのです。
例えば二週間くらい前に行ったレンゲ畑などを描いている時
徹底的に何かが違うのです。

とにかく静かなのです。
……、ああそうか、と思いました。
見せるためのバラだし、品種がいっぱいあり
多分消毒を頻繁にしているためなのか
あまり昆虫やチョウチョを見かけないのです。

これほどきれいに花が咲いているのに
虫たちがひっそりとしている、
そのために妙に静かだったのだと思います。
世話をしている園丁さんに尋ねたら
やはり、徹底して消毒を行っている、という事です。

キレイに手入れされてて
見た目はとてもきれいなんだけれど
本来の自然とは少し違う。
里山を描き慣れているからか、
不思議な静けさに感じてしまいました。

それでも、
ムクドリが私のまわりを走ったり飛んだりして
楽しませてくれました。
スケッチを夢中で描いていると、
気配がなくなるのか、ふと気がつくと
虫やチョウチョや鳥たちに
囲まれていることが、よくあります。

私は虫もチョウチョも鳥もいる「ゴスロリ」
を描いてみようと思いながら、家路につきました。
家に着く頃、ぽつぽつと雨が降ってきました。

今日の絵は、実家のバラを花瓶にさして描いたもの。
背景は金箔を用いています。
大きさはF12号。(たて60.6cm x よこ50.0cm)
この絵のもとのデッサンはこちらからご覧頂けます。
(リンク先の一番下にあります)

↓人の手が入ることによって豊かになる里山の話しはこちらからお読み頂けます。
庭の次は家庭菜園?

↓似たような記事/虫と花の話し。
野草を描くと昆虫がついてくる