月別アーカイブ: 2013年8月

中東の歴史を聖書から読んでみた

シリア情勢が緊迫していますね。

イギリスは下院で軍のシリア派遣が否決され、
国民もダウニング街に「NO, ATTACK」のプラカードを掲げて
デモが行われ、キャメロン首相は「議会と国民の決定に従う」
と表明しました。

米仏がどうなるのか。
石破幹事長は、証拠があればアメリカ支持と表明していますが、
なんだかなあ、と思います。

というのも、中東の歴史を少しでもかじると
欧米のやりたい放題が結局今の混乱を招いているんだな、
ということに気づかされるからです。

5年くらい前に、イスラエルとパレスチナ問題が全然分からなくて
3ヶ月くらいかけてざっとですが、聖書の時代から数冊の本を読みました。

けっこう大変でした。
聖書には、似た名前の人が入れ替わり立ち替わり出てくるので、
下のような系図を作って読んでいました。

stem

これはアダムとイブからモーゼまでのおおざっぱな系譜。
最初は色違いにして分かりやすくするつもりだったけど、
読み進むうちに、あまりに複雑で、途中から鉛筆書きだけになっています。
時代が下ると、2枚目3枚目にダビデやソロモンが出てきます。

実は私がここまでやったのには、
西洋絵画の理解にも聖書の知識は必要なので、
一度は概要だけでも掴んでおこうと思ったからです。
特に、2008年に夫とイタリア旅行に行って、
久しぶりにシスティーナ礼拝堂などを見学した後でしたので、
画集などを見ながら楽しく読み進めることが出来ました。

システィーナ礼拝堂の天井画には旧約聖書の予言者が何人か出てくるのです。
その役目なども知っておきたいとも思いました。

ところで、この9月6日からはミケランジェロ展が西洋美術館で開かれます。
重要な素描の数々や、レリーフも見られるようですね。
今年は「日本におけるイタリア2013」で、その一環のイベントです。

さて、話を中東の歴史に戻しますが、
聖書から読むのは大変だけど、
西洋文化の理解は格段に進むと思います。
結局ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も
異父兄弟みたいなものです。
それに私達の今の生活も、
ほとんどキリスト教文化から生まれたものばかりです。
そしてキリスト教はユダヤ教がなければ生まれなかったわけで、
池澤夏樹は
「ぼくたちが聖書について知りたかったこと」という本のまえがきで

キリスト教の前にはユダヤ教がある。その後にはイスラム教が生まれた。ユダヤ人のいない西洋史はあり得ない。文化に対して、あれほど少数の人々があれほど大きな影響を与えた例は他にないし、それは今も続いている。イスラエルなき現代史は意味をなさない。」

と述べています。

今は「イスラム=テロ」みたいな認識が広まっていますが、
なぜそうなったのか、テレビやネットだけでは分かりずらいです。
イスラエルとの関係も複雑です。

参考までに私が読んだ本の幾つかを紹介しておきます。
下に紹介した以外にもドレの絵に山室静氏が文章をつけたバージョンが家にあったので
ドレの劇的な絵を見ながら読み進めました。

ちなみに、我が家では、夫の方が圧倒的に社会問題については詳しいですが、
こと中東の歴史と聖書に関しては、最近は私がかなり新聞などと違う意見を言うので
煙たがられています。

聖書に関してはいろんな本が出ています。
私は探していた時に、たまたま本屋さんでこの本を見つけました。
分かりやすさ重視です。

↓エルサレムの問題に特化した本。
結局旧約聖書の時代から出てくるので
聖書の知識は必須。
地図も入って、エルサレムとはどういう街なのか
がよく分かる本です。
私は上のムック版を読みましたが、新書判も出ているようです。

イスラム問題の流れが分かる本。
911以降に買って積んどいたものでした。
これは少しデータが古いので、読んでいませんが同じ著者の本をもう一冊上げておきます。

シリアの化学兵器を誰が使ったのか分かっていません。
誰が使ったにせよ、他国が攻撃すれば、罪のない市民の犠牲者が出ます。
その事が一番悲しいです。

私がおばさんマネなら

以前、高齢者より若者の食事の方を心配してほしい。
という記事を書きましたが、
今日は話題のドワンゴの「女子マネ弁当」
について、私がおばさんマネなら
どうするか、を書いてみます。

以下の記事を読んですごく不思議だったのは、
ドワンゴには社員食堂はないのか、という点でした。
ドワンゴ「助けて! エンジニアが朝出社しないの!」→ 女子マネージャーが弁当を手渡してくれる「女子マネ弁当」システム導入で生活習慣改善へ

正直言って、ドワンゴがどの程度の規模の会社か知らなかったので、
会社のホームページを見たら、
歌舞伎座タワーの12階にオフィスを構える、
千人弱の一部上場企業ではないですか。
資本金も106億1,630万円(2012年9月30日現在)。

え、今は、この程度の規模の会社でも
社員食堂無いの?

もし、本当に社員食堂ないのだとしたら、驚きです。
それとも社員食堂はあるけど、みんな起きられないから
こういうイベントにしているの?

20130329b

さて、「食」は人生の基本です。
この至極当たり前の概念が、日本社会では近年希薄になって来ているな、
と気になっています。
ある面、人は「食べる」ために生きるのです。
何故なら、食べなければ生きられないから。
でもそれは、ただ空腹を満たすためだけではないのです。

人間は自分の身体の中で自分のための栄養を作れないから、
食べなければならないのです。
植物は太陽のエネルギーと水があれば、
自分の中で栄養を作って大きくなります。
動物はそうはいきません。
だから、三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)とかミネラルなどを
を含む食品を食べることで、エネルギーを得て活動したり、
細胞分裂を繰り返して生きながらえるわけです。

こういうことは義務教育で習うでしょ?

上の記事では、エンジニアが朝起きられない、とありますが、
キチンと栄養のある食事をとらなければ、
キチンとした生活も送れないでしょう。

また、「女子マネ」がお弁当を渡していますが、
そのお弁当も、お金はかかっているのでしょうけど
栄養的には十分でしょうか?

記事からの想像ですが、忙しさにかまけて、食べるものも食べずに
生活が不規則になり、能率も落ちていませんか?

「女子マネ」も良いけど、
もっと根本的な社員の健康管理のための方策、例えば、
ないのなら社員食堂を作る、とか管理栄養士による栄養相談の日を設けるとか
という次元の話のような気がするのですが……。

タニタ食堂の栄養士さんとかに相談されたらどうでしょうね?

IT業界には詳しくないので、上の記事からの推察ですが、
もしかしてこういう会社、増えているんでしょうか?

ま、実は、上の「女子マネ」の記事は、
性による役割分担にも関係すると思うので、
上場企業として、問われる気もしますが、
今日は「食」の問題として取り上げてみました。

オペラアイーダ、キャンセル騒動

9月に東京ドームで開催が予定されていた、
「オペラアイーダ」のキャンセルが話題になっています。

私も今朝の新聞を見てビックリ。

10万人動員予定が4000枚しか売れなかった、
ということのようですが、
ネットニュースでは韓国企業が絡んでいた、
という記事もあり、謎が謎を呼ぶ雰囲気。

実は私、このヴェローナ野外円形劇場で実際にオペラを見た事があるのです。
なので、その時の思い出も交えながら、
この話題について書いてみます。

まず、検索してみてビックリしたのが、値段の高さ。
すでに公式のHPは払い戻しの画面しか残っていないのですが、
こちらの案内によると(これもリンクがすぐ切れそうですね)
VVIP席 一般価格:70,000円
VIP席 一般価格:50,000円
R席 一般価格:30,000円
S席 一般価格:18,000円
A席 一般価格:8,000円

実は東京にはオペラやダンスなどのパフォーマンス系の劇場「新国立劇場」があります。
そこを使わずに、東京ドームにしたのは、多分、ヴェローナ野外劇場をそのまま持ってくる、
という規模のためでしょうが、
そもそもそれが無理筋だったなあ、と思います。

というのも、かのヴェローナ野外劇場は、確かに野外劇場なのですが、
音響がとても素晴らしい劇場なのです。

私がヴェローナに行ったとき、最初からオペラを見るつもりはなかったので、
当日の午後に空いている一番安くて一番空に近い席しか残っていませんでした。
つまり、野球場の外野のセンタ奥一番上の席。
値段は三千円くらいだったと思います。

ちなみにこのヴェローナはシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台の街で、
またロマネスク美術の宝庫です。

で、全く舞台から遠い席で、期待もせずに見たのです。
演目は「カルメン」でした。
円形劇場の大きさは、ローマのコロッセウムに比べたらずっと小さく、
イタリア国内3番目の大きさをだそうで、収容人数は2万5000人とか。

イタリア、アレッツオの街灯

イタリア、アレッツオの街灯

席に座ると、自分の手のひらくらいに舞台が見えました。
武道館の一番上より舞台が小さいのですから、
あまり期待はしませんでした。
あくまでも話の種、という感じ。

しかし、始まってビックリしたのが、音の良さ。
歌手の囁くような歌も(何を言っているかは分からないけど)
ハッキリと聞こえました。
もちろん生のオーケストラの音の素晴らしさ。
どうやら、すり鉢状になっているので、
音が這い上がってくるようでした。

席はほぼ満席ですし、夏とはいえ、アリーナ席は盛装の男女で埋まっていて
音の吸い込みもあるのでしょうが、
魔法のように良く聞こえました。
そして、さらにド肝を抜かれたのは、舞台に4頭立ての馬車が出て来たことです。
スペクタクルとしても申し分なく楽しませてくれました。

一方、一緒に行った友人は、オペラに興味が無く、最初は行かないと言っていたのですが、
結局最後はチケットを買って、席はオーケストラボックスの真下。
指揮者の背中しか見えなかったそうですが、
楽団員の譜面まで読めたので感激だったと言っていました。

もしこの規模の舞台を東京ドームで再現するとしたら、
まず、絶対的に音響が不備だったと思います。

日本でオペラを見たい、と思う人は、少なくないでしょうが、
でも、シルク・ドュ・ソレイユを見る層が行くには、
上記の値段は高すぎます。
また、夏休みやバイトロイト音楽祭やニューイヤーコンサートは
ツアーが組まれて、本場が見たい人は、7万円を東京ドームで払うなら
一年我慢して、現地に行くでしょう。

それに、絶対的に準備期間が少なかった感じです。
今年は、ヴェルディ生誕二百周年で、
ヴェローナ劇場が再び劇場として使われるようになってからも百周年、
ということで、「アイーダ」の1913年当時の美術舞台が再現される
企画もあるようです。

たとえ、東京ドームで舞台を再現出来ても、やはり音響のコストパフォーマンスは
問題を残したでしょうね。

舞台興行として内部にどんな問題があったのか
知る由もありません。

観客としては、今はネットでチケットが買える時代ですから、
来年の夏休みに現地に行ってみるのもいいかもしれませんね。

ベネツィア・サンマルコ広場

ベネツィア・サンマルコ広場

↓アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団・合唱団の「アイーダ」が出ているようです。

お薦め本〜辻邦生「背教者ユリアヌス」


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この記事は5月の連休用に4月26日にアップした記事なのですが、
最近、スパムのターゲットにされているので、
一端削除し、再掲します。

連休に限らず、是非読んで頂きたいお薦め本の一冊です。

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今日、羽田モノレールに乗ったら
大きなキャリーバックを引っ張っている人たちに
会いました。

……で、
「あ、連休なんだ」と思い出しました。

といっても、
私は混んでいるところに行くのが苦手なので、
連休中は家に居ます。

仕事のメールも来ないこういう時に
じっくり普段は出来ない事をする
のはどうでしょう。

休暇だからと旅行や買い物で終わってしまうと
又あたふたと仕事に戻ることになります。

一日くらい、ネットを完全オフにして、
缶ではなく、
コーヒーをゆっくり煎れ、
空でも眺めてみましょう。

時計替わりにテレビをつけるのも我慢ガマン。
最初は淋しいかもしれませんが、
半日もすると、外の鳥の声や
風の音が聞こえて来るようになるでしょう。

季節は気がつかない間に移り、
もう新緑が青々とした影を落とし、
花の色も濃くなっています。

もし、連休中に読む本をお探しなら、
まだ「文学」という言葉が人々を深く動かしていた
昭和の代表的な物語作家、
辻邦生の本はいかがでしょうか。
理知的な耽溺を味わうことができるかもしれません。

辻邦生は学習院大学で教鞭をとりながら、
膨大な量の作品を残しました。
その作品の多くは
日本やヨーロッパを舞台にした、
叙情溢れる大ロマン小説です。

特にお薦めなのが、文庫で3巻あり、
まとまった休みに読むにふさわしい長さの
「背教者ユリアヌス」。

題名は生硬ですが、正真正銘のロマン大河小説で、
深い深い愛の物語です。

一度読みはじめたら、寝るのも惜しくなるほど
その物語の世界にぐいぐいと引き込まれて行きます。
「物語を書き続けなければ」と言っていた
作家の面目躍如で、まさに金字塔の作品です。
そしてその筆致は的確でありながら豊穣です。

例えば、
愛する人を思ってユリアヌスが花の庭を散策するシーンなど、
まるで、読者がその隣でユリアヌスの息づかいを
聞いているかのような錯覚を起こさせるほどで、
読んでいると胸がドキドキしてきたものです。

辻邦生は、フランス留学の経験があり、
パリのアパルトマンを借りて日本と行き来していた時期もあるようです。
パリで客死した思索家の森有正とも親交があって、
ヨーロッパの歴史に造詣の深い知識人であると同時に
品のあるインテリ風のハンサムな人でしたが、
その日記などを読むと、「書く事」へのほとばしる情熱で
まるでアスリートが筋力トレーニングをやるように
毎日毎日原稿用紙に向かっていたようです。

奥さんで美術史家の辻佐保子氏は
「いつも書いている人だった」
と語っています。

20130426

平成に入って今年で25年。
四半世紀が過ぎようとしています。
辻邦生自身は平成11年に他界しますが、
昭和44年から47年まで、
昭和のど真ん中に発表された小説で、
昭和48年に毎日芸術賞を受賞した作品です。

そのスケールの大きな壮大な物語は
是非、平成生まれの人に読んでもらいたい一冊です。

物語が真の力を失いかけているような今、
ほんとうに「泣ける小説」とはどういうものなのかが
味わって頂けると思います。

深い感動と溢れる物語をあなたへ。

では、素敵な連休を。
私は連休中もボチボチ更新して行きます。


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最優先にすべきこと

テレビは見ないのですが、
相も変わらず「24時間テレビ」が放送されたようですね。
今進行中のふくいちでの汚染をキチンと報じないでも
やるべき放送なのでしょうか。

私達の社会は集団で行け行けドンドンの目標がある時には
とてつもない力を発揮するけど、
物事の後処理やら、
上手く行かない事態から撤退することや
途中で中止が決められない体質であることは、
先の大戦とか、バブル崩壊後の失われた20年とか、
残念ながら、歴史が証明しています。

怖いのは、崖っぷちまで行っても引き返すことより、
崖に落ちることを奨励するかのような時です。
先の大戦でも、神風特攻隊のような悲しい死がありました。

海が世界と繋がっている以上、ふくいちの汚染水問題は、
日本だけの問題ではないのは、誰が見ても明らかです。
もう東電はお手上げ状態みたいに見えるし、
国家プロジェクトを立ち上げ、
首相が世界にアナウンスして、
世界に助けを求めるべきことのように思えます。

海にながして薄めれば問題無い、
みたいなことを言う学者もいるみたいですが、
仮に、今までの分はそうであっても、
東電だけに任せておいたら、
確実に、燃料を取り出せるまで営々と
汚染水は海に流れることになって行きかねません。

もちろん、この汚染を公式に認め世界にSOSを出せば、
経済に良い影響はないでしょうし、
オリンピックなどもやっている場合じゃなくなるでしょう。

だから、国民も政治家も官僚も東電も、
事態を小さく見せてやり過ごしたいと思っているのかもしれません。

でも、やり過ごせることでしょうか。
燃料が地下水に触れているかもしれないのです。
ない事にしたくて、このまま積極的に対策をとらないと、
近づくことさえままならなくなるかもしれないのです。

つい最近だって、水たまりの空間線量で100mSv/hあったのです。
仮にこの場所で一日7時間十日間働くとほぼ半数の人が死ぬ線量です。

もう、誤摩化したり騙し騙し出来る状態ではないのではないでしょうか。

しかし、311以降に思い知らされたことがあります。
普通の人々の「今の生活を手放したくない」
という強固な意識の積み重ねが意外に大きく響く、
ということです。

原発事故後にローンを組んでマンションや家を
買った人も少なからずいます。
そういう人達は、「原発事故はたいしたことなかった情報」
を鵜呑みにしたのかもしれませんが、
どんな事があっても経済は落ち込んでもらいたくないはずです。

しかし、そういう人達に「騙された責任」はあるでしょうが、
先延ばしや安全情報で事実を隠蔽して来たことのツケが
今束になって押し寄せている感じで、
もし最初から本当のことを開示していれば
家を買う事はなかったかもかもしれません。

いつまでも負けを認めずに、沖縄の地上戦や
2発の原爆投下まで白旗を揚げずに
被害を拡大した社会の体質そのまんまです。

まだ誤摩化すのでしょうか。
改憲なんて言ってる場合じゃないと思うのですよね。

今日は311以降、読んだ原発関連の本をあげておきます。
311以降と今では状況のホットさはもちろん違うのですが、
結局、今も、事態は良くなっていないし、
もしかすると、想像もできない事態すら起きる可能性は
否定出来ないのです。
経済の落ち込みを考慮しても、私は、国を挙げて
この問題に取り組むべきだと思うのですが……。

参考になれば良いのですが。

まず推進派。
ブログ「金融日誌」の藤沢数希さんの本。
推進派の理論のほとんどが網羅されていると思います。
経済第一、と思う人は納得の内容。
人の命も経済がなければ助けられない、
というのはよく聞く論理で、この本でも言及しています。

ニュートラル本。推進派に読んでもらいたい。
題名よりずっとニュートラルな内容です。
反対派と推進派の話し合う公共の場が必要と説いています。
作者本人の考えというより、様々な立場の人に意見を聞く、
という内容で、特に哲学者の内山節さんの意見は、
推進派にもキチンと考えてもらいたい内容を含んでいます。

ご存知小出裕章本。
原発反対派の代表の本。

マダムかよこが一押しです。
分子生物学者の書いた本で、私はとてもしっくりきました。
著者自身が、科学者でありながら、
原因不明の病気に悩まされたことも関係するかもしれませんが、
科学も分からない事がある、というスタンスです。

原発報道についての本。
著者二人ともジャーナリストとしてはアクが強いですが、
海外の事情が分かりやすく書かれていて、読む価値ありだと思います。

放射能対策具体本。
放射能対策の家の目張りの仕方、など、
役に立つ情報満載。
私は、ふくいち事故後すぐ読みました。
地震国なので、目を通しておいて損はないです。

ふくいちの事故後、様々な人のメッセージを集めて出版されたもの。
作家の池澤夏樹氏、城南信用金庫の吉原毅氏、
大地を守る会の藤田和芳氏、元宇宙飛行士の秋山豊寛氏、
また、原発は安くないと計算する立命館大学の大島堅一氏
などが寄稿しています。

昆虫おばさんの拾い物

以前はあまり気がつかなかったのですが、
里山風景に馴染むようになると、
普通に歩いているだけで、
いろんな拾い物をするようになります。

一昨日はアブラゼミの死骸が風に舞っていたので
持って帰って来てデッサンしました。
頭と羽しか残っていないものでした。

以前、トンボのひからびたのを見つけた時にもその羽の
構造に魅せられたものでしたが、
セミの羽も素晴らしい構造をしています。

どれほど細かくても、構造が十字になることはありません。
必ず少しずれていて、T字に交差するようになっています。

20130822001

一ヶ月ほど前には、家の近くの道路で
キラキラと玉虫色に光るカナブンを見つけました。
20130822002

こういう拾い物は、すぐ絵にしないと持たないので、
予定外で急に忙しくなります。
カナブンの美しい玉虫色も3日もすると鈍くなってきました。

明日は処暑。
朝晩はだいぶ風が涼やかになってきましたし、
日の入りもかなり早くなってきました。
秋の日はつるべ落とし。

早いもので震災から3回目の秋をむかえようとしています。

田んぼ、8月の様子

この四月から参加している「田んぼ作り」。
昨日久しぶりに見てきました。

この4ヶ月を振り返ってみます。

まず種もみ巻き。
これは4月14日でした。
20130415
前もって発芽させた種もみを柔らかく耕した田んぼの一角に捲きました。

この種もみが一ヶ月半で、↓ このくらいの苗になりました。
20130821001

6月2日に田植えをしました。
20130702

その後、順調に育つ稲。
トンボ達のすみかです。
20130728

そして、昨日はこんな感じ。
絵は昨年のものですが、ほとんど同じです。
20130413

ただ、今年はやはり雨が少ないことが気になります。

来月終わりの収穫までに順調にいってくれることを祈っています。

ところで…………、

ふくいちではこんなことが起きているようです。
福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れについて(続報2)

このリンクには、

「(略)……、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断いたしました。

とあります。

つまり、気体ではない核燃料物質等が漏洩したという意味は
単純に考えて、核燃料が外に漏れている、ってこととも取れます。
官僚の作った法律用語らしく、実態はよく分からないものの、
核燃料である、という可能性も否定出来ません。

別のニュースでは
「汚染水の水たまりで100ミリシーベルト 福島第1」とあります。

さらり、と書いてありますが、
相当とんでもないことが、ふくいちサイトでは、起きているようです。
本来ならば、首相が視察に行って、状況を判断することではないでしょうか?

私自身、甘かったな、と最近感じています。
どこかに「もう2年経ったから」という気持ちもあったし。

これから、本当に過酷な時代が来るのかもしれません。
経済的にもそうですが、
海や土壌の汚染など、どれほどひどくなるのか
想像もつきません。

……、しかし、しかしです。
こういう時代は、まさに人間としての「力」が
試されることになって行く気がします。

どんな状況でも、情報を探して自分で考え判断する。
人生におけるプライオリティーを精査して、
意味のないことには時間を使わない。
理不尽なことには目をつぶらない。
なんとか楽しみを見つけ出して、生き抜く。

生き抜く力、というのは自分で何かを生み出す力でもあると思います。
今、何から何まで他者の用意したもので生活している都会の私。
これからは、すべては出来なくても、
出来ることはやって行きたい。

今年はファーストステップとして、お米の作り方は学びました。
すぐ出来るようにならなくても、試したことあるのとないのとでは
雲泥の差です。

お米を作るシチュエーションはよほどの時でしょうが
少なくとも、次に大きな地震が来ても
買いだめに走るようなことはしないで、
日頃から備えておきましょう。
水、食料、簡易トイレ、乾電池、家族との連絡方法等々。

こういう国に54基の原発を作った自民党。
危機感ゼロで首相もゴルフ三昧だそうです。
呆れてものも言えません。
これ以上汚染がひどくなると、
海外から突き上げが来るような気がします。