ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ

いわゆる「ゴスロリ」の雰囲気を
制作に取り入れてみようと思い、
バラ園へスケッチに行ってきました。

もともと、ゴシックやアールヌーボーに限らず
装飾やオーナメント、レース模様は好きで、
本を見つけては買って来たり
自分の作品に取り入れています。
シダが好きなのも、
まるで生きた緑のレースだからです。

「ゴシック」+「ロリータ」が
若い人の間で「ゴスロリ」として人気が高い、
というのはごく最近知ったばかり。
チュチュやレースと黒の組み合わせは
豪華さと可愛さを兼ねています。

レースやオーナメントの本はあるし、
知らない世界じゃないし、
おばさんも、
「流行の、ゴスロリなるものに挑戦してみよう」
と思い立ち、
「ゴスロリなら、やっぱり薔薇よね〜」
「今、ちょうど薔薇の季節ね」
というわけで、昨日はバラ園に行ってきました。

薔薇は、品種によっては世話が大変で、
怠け者の私は育てたことはないですが、
実家には深紅のビロードのような薔薇があったし、
デッサンや作品にもしています。

20130511

またご近所の家では、この季節になると
つるバラや野バラのような小さな白い薔薇が
一斉に咲き出します。

実家ではその薔薇の消毒などしていませんでしたが
特に問題無く咲いていました。
ご近所の薔薇もそれ程、虫対策などしている様子はなく
それでも毎年きれいに咲いています。

・・・・

バラ園は見事でした。
一面、種々の薔薇が咲いていて、
ご婦人のグループやご夫婦で
日がな散策されていました。
きっと週末は人で溢れることでしょう。

その園ではバラコンクールの薔薇なども育てており
業者の人たちが丁寧に見て歩いていました。
私は一通り見て歩いたあとで
昼食をはさんで、一日スケッチをしていました。

しかし、描きだして2時間くらいしてから
ふと気がついたのです。
……なにかが違うのです。
例えば二週間くらい前に行ったレンゲ畑などを描いている時
徹底的に何かが違うのです。

とにかく静かなのです。
……、ああそうか、と思いました。
見せるためのバラだし、品種がいっぱいあり
多分消毒を頻繁にしているためなのか
あまり昆虫やチョウチョを見かけないのです。

これほどきれいに花が咲いているのに
虫たちがひっそりとしている、
そのために妙に静かだったのだと思います。
世話をしている園丁さんに尋ねたら
やはり、徹底して消毒を行っている、という事です。

キレイに手入れされてて
見た目はとてもきれいなんだけれど
本来の自然とは少し違う。
里山を描き慣れているからか、
不思議な静けさに感じてしまいました。

それでも、
ムクドリが私のまわりを走ったり飛んだりして
楽しませてくれました。
スケッチを夢中で描いていると、
気配がなくなるのか、ふと気がつくと
虫やチョウチョや鳥たちに
囲まれていることが、よくあります。

私は虫もチョウチョも鳥もいる「ゴスロリ」
を描いてみようと思いながら、家路につきました。
家に着く頃、ぽつぽつと雨が降ってきました。

今日の絵は、実家のバラを花瓶にさして描いたもの。
背景は金箔を用いています。
大きさはF12号。(たて60.6cm x よこ50.0cm)
この絵のもとのデッサンはこちらからご覧頂けます。
(リンク先の一番下にあります)

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