カテゴリー別アーカイブ: わかりやすい絵の話

プロもアマもすなる LINEスタンプ といふものを、私もしてみむとてするなり

タイトルの通り、
LINEスタンプ、なるものに挑戦していました。

いや〜、正直、参りました。
3月の終わり位から始めて本日やっと審査に回したところ。
40個も作るなんて、皆よくやるよなあ。
ほんと四苦八苦でしたよ〜。
宣伝用、ということで息も絶え絶え頑張りましたけど。

だいたい、
キャラクターなんて作ったこと無いし、
単に可愛いだけっていうのもなんだかなあと思ったし、
かといって差異化なんて簡単に出来ないし。

おまけに、もうすぐアニメスタンプも出るらしいので、
出遅れ感否めないし。

でも今一番の宣伝媒体なんですよね〜。
ってなわけで、審査に通るのか否か分らないけど、本日審査のリクエストだん。

どんなキャラクターかは販売始めるまでお待ちください。

そもそも、テレビだけではなく流行とか全く興味のない私が
ラインスタンプを作ろう、と思ったきっかけは
昨年のクリエイターEXPOで、斜め前で出展していらした
クリエイターの方と話をしたことです。

その方は、マーケティングプランナーもしていて
「宣伝になるからラインスタンプも考えた方が良いですよ」
というアドバイスを頂いたのです。

で、去年の夏から少しずつ考え始めたのだけれど
全然出来ない。
ま〜ったく、考えつかない。

もう既にいいものは出尽くしている感がある上に
独特なキャラクターなんて作れるはずが無い。

動物にするか、鳥にするか、
家に猫は二匹いるけど、猫のスタンプは山のようにあるし……。

おまけに、視認性の問題もあって、
どうしても漫画風にならざるを得ないけど
漫画なんて描けない。

漫画のなにが描けないかって、
あるキャラクターをいつも同じ人に見えるように描くということ。

私自身小さい頃、漫画もそれなりに読んだし、
絵も描けるわけだから、漫画家という選択肢も全く考えなかった
わけではないけど、二つの理由で私には出来ないと思った。

まず漫画は絵より「物語」である、ということ。
自分でお話し作るなんて無理。

そして最大の問題が上に書いたとおり、
「あるキャラクターをいつも同じ人に見えるように描く」
ということ。
読んでいるだけだと分らないことかもしれませんが、
これが実に難しいのです。

飛んでも跳ねていても、泣いても笑っていても
その人である、と分るように描くことの難しさ。

で、今回は、結局動物のようなカワイイ系のキャラクターはやめて
人間にしました。
それも悩んで悩んで、全然出来ない。

ところがほんの少しのきっかけで、ブレークスルーします。

それが先の記事に書いた「立体制作」でした。

そうなんです。
立体を作れば、上下左右いろんな角度から同じ人間を見て描くことができるんですね〜。

ほんと、
人生無駄が無いな、って思いましたよ。

というわけで、
今年の一大プロジェクトがひとつ成し遂げられそうです。

審査が通れば目一杯宣伝していきますので
よろしくお願いします。

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立体を作り、3D感覚をみがく

今年に入って私が作った立体作品です。

20160603_3

去年の7月に「片桐裕司彫刻セミナー」で立体を少しかじり、
今年に入って3月下旬に経験者クラスに参加。
その前後で作って来た人体です。

時系列に並んでいて左の方が過去になります。
一番左のスカル(頭骨)が3月はじめ。
男性胸像は3月中旬。

3月下旬の彫刻セミナーで真ん中の全身像を制作。

4月に入って、右側の女性の胸像と男性の顔を作りました。

上から見たところ。

20160603_2

去年の作品はこれですが、実はこれには片桐さんの神の手がかなり入っています。
20150727_2

これは既に粘土に戻してしまいました。

さて、今ネットを見れば、人体デッサンの描き方ハウツーサイトが
たくさんあります。
漫画やアニメの人間を描くにはデッサンが重要、
であると信じられているからです。

もちろんデッサンは重要です。
ただし、それは、実物を見て、という話だと思っていました。
ところが漫画やアニメの場合は、ハウツーがあって
それをもとに描くのですね。

ところで、先月東京都美術館で「若冲展」が開かれ大混雑の人気ぶりでした。
実は若冲のあの迫真の絵は「実物」を見ることなしには
成し遂げられませんでした。

若冲は絵を始めた当初、模写を恐ろしい数を描いたそうですが
絵を真似ている間は絵を越えられない、と気づき、
鶏を買って来て庭に放ち3ヶ月間観察したのち
ようやく絵筆を握った、と言います。

私が311以降、長い休眠のあと絵を再開した時、
とにかくブランクを埋めるには急がば回れだと思い、
「実物を見てのデッサン」に励んだのも、
この若冲の鶏を庭に放ってひたすら見る行為、
に通じるものです。

漫画家の手塚治虫も「絵から絵を描いてはいけない」
と言っています。
彼はまた、写真から描くこともやめた方がいい、と書いてます。

しかし、人物は、本物のモデルを雇うのは大変です。
といっても、実物や立体を見ないと分らないことはある。
ハウツーのサイトを見ると、上手に描いているけれど、
実物を見ていない人の描くものは小手先の作業、という感じが拭えない。

出来ることなら見ないで人物も描けるようになりたいものだし、
と思って美術解剖学で骨格を学びなおしたり、
確認の為にクロッキー会に参加したり

そんな風にあれこれやっていた時、
ジェームス・ガーニーというイラストレーターのこの本を知りました。

ガーニーは空想の動物や建物を描く時にマケット(小さな立体)を作って
光の具合などを確認するのだそうです。
本にはかれの作ったマケットも掲載されていて、
「こういう方法があるのか!」と、私は目からウロコでした。
ガーニーも言っていますが、誰でも見たことの無いものは描けないのです。

そこで私も立体でモデルを作る練習を始めました。
しかし立体作りは分からないことだらけ。
大学の授業でやったのは遥か昔。
材料もよく分からない。
最近は樹脂系の粘土があることはネットで調べたら分って来た。
そこで去年の7月片桐セミナーに参加し概要を掴み、
今年に入ってから自分で本格的に作り始めました。

とにかく
最初は四苦八苦。当たり前ですが、最初に作ったスカルは
片桐さんの本では6時間を目安に、と書かれているのに
とんでもなくて30時間くらいかかってしまいました。

しかし、あれ不思議、二作目の男性の胸像はほぼ丸一日12時間くらいで完成。

そしてこの胸像を作っている時に、
立体の見方や作り方のコツのが掴めた気がしました。

そこで、3月の経験者クラスでは全身像に挑戦。
顔の部分などは家に帰ってから手を入れましたが
人間のモデルを作れる感触はしっかり把握。

右側の女性の胸像は、エミリー・ブラウニングをモデルにしたもので
これはほぼ6時間くらいで作りました。

右下の男性の顔は、パートナーがモデルです。
これは顔の部分だけなので、隙間時間を見つけていじっていたら出来てしまいました。

いま人間を描いていて、何か分らないことがあるときは
これらのモデルを見て確認しています。

想像で描くには限界がある。
そんな時3Dのモデルが側にあることはとても助けになります。

おまけに、立体像を造ることもとても楽しい。
楽しいことは続く。
続く限り上達する。

今は猫が頭をかいているポーズを隙間時間に作っています。

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手作りの額縁と、ボッティチェルリの模写。

今日は、少し前に作った手作りの額縁をご紹介します。
額の中の絵は、あの誰でも知っている
ボッティチェルリの代表作「春(プリマヴェーラ)」の三美神の真ん中の人。
絵も私の模写で、テンペラという、ボッティチェルリが用いた方法で
作製したものです。

20150904

この金ぴかの額は中の絵を選びますから、
ルネッサンスの模写、という無難な線で纏めてみました。
何かと模倣が話題のこの時期ですが、他意はないです。(笑)

冗談は別に、模写は古くから絵の勉強の一つです。
中国の、絵の制作態度の要点をまとめた
「画の六法」(がのりくほう)の最後に出てきます。

気韻生動(きいんせいどう)いきいきと描く
骨法用筆(こっぽうようひつ)描線にチカラがある
応物象形(おうぶつしょうけい)対象に似ている
随類賦彩(ずいるいぶさい)色が適切である
経営位置(けいえいいち)構図が良い
伝模移写(でんもいしゃ)古画を模写して勉強する

また海外の美術館では、実物の前での模写も許されるところが多いです。

さて、額縁は、角を45度にカットしなければなりません。
この金箔の額縁は、カットの設備のあるところで作ったものです。
しかし、家で自作するとなると、
45度にカットするのは至難の業。
で、ふと思い出して、油絵のキャンバス用の枠を見に行ったら
なんと!45度にカットしてあるではないですか。

あまり細かい細工は出来ないけど、
45度がきちんとできてないと貧相ですので、
転用することにしました。

20150904_2

この作品はサムホールという大きさ。
額は一つ上のサイズのF3でなんとかなりそう。
秋の夜長に作業していきます。

テンペラの制作方法や額の作り方についても、
追々記事に出来たらいいな、と思っています。

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画材の話し 鉛筆をいたわる 鉛筆の歴史

画材の話しをしましょう。
今日は誰にでもなじみのある画材、鉛筆です。

参考文献はこちら。

三菱UNiで有名な三菱鉛筆の鉛筆のサイトも参考になるでしょう。
<えんぴつの歴史>が載っていて興味深い。

これは、311以降私と一緒に、スケッチにエスキースにと、走って来てくれた鉛筆たち。短くなっても、ホルダーをつけて5センチくらいになるまで使います。
pencils1
5センチまでは、なんとか使えるけど、さすがに4センチになると難しい。
pencils2
供養して労をいたわってあげたい。

鉛筆は「鉛」とついているけど、
芯は黒鉛という炭素と粘土で出来ています。

三菱鉛筆のサイトから<えんぴつの歴史>を引用します。

 1560年代、イギリスのボローデール鉱山で良質の黒鉛(こくえん)が発見され、その黒くなめらかな性質が注目されて、こまかく切ったり、にぎりの部分をヒモで巻いたりして筆記具として使われるようになりました。(略)

1760年にカスパー・ファーバーというドイツ人が黒鉛の粉を硫黄などで固めた芯(しん)を作りました。(略)

1795年にニコラス・ジャック・コンテというフランス人が硫黄の代わりにねんどに黒鉛を混ぜ、これを焼き固めて芯を作り、さらに混合の比率を変えれば芯の硬度が変化することを発見しました。現在でも基本的には、このコンテの方法でえんぴつの芯は作られています。

森田恒之氏の本の103ページから鉛筆の項で、それによると、
現在の板にはさんだ形状を考案したのがイギリス、
そして、芯の改良に取り組んだのがフランス、ということみたいです。

イギリスで考案された板にはさんだ鉛筆は「アイデア商品」として
江戸時代にオランダを通して日本にも到来。
「木筆」として珍重されたとか。

画材で「コンテ」という場合は、四角いパステルのような
触ると手につくものです。
前出のニコラス(ニコラとも言うらしい)コンテさんが、1795年に特許申請。
黒鉛は自然のままでは雑物があってすべらかに描けないものを
工夫してスムースに描けるようにしたのだそうです。

それを先の鉛筆の形状にしたものが、今使っているもの、
ということですね。

この鉛筆に飛びついた画家が、ダヴィッドや、アングル。
自分もバイオリンを弾いたと言うアングルの描いたパガニーニの肖像は、鉛筆でこそなし得たものだったのかもしれません。

さて、カスパー・ファーバーが基礎を作ったファーバーカステル( Faber-Castell)社の色鉛筆も、コンテさんが作ったコンテ社のコンテも、現在私も使っています。

前者はわりと柔らかくてしっとりとした描き味。

onion

後者のコンテ鉛筆は、本当に真っ黒の線がかけます。鉛筆は面積を塗ると、どうしても光ってしまうのだけれど、コンテ社のコンテ鉛筆は真っ黒です。
blackcat

上2枚の写真の水色の鉛筆は、ドイツのステッドラー社製。
何が良いかっていうと、水色のボディ−が目だって、
すぐ見つかる点。
特に野外では、地面に鉛筆類を落すと探すのが大変だけど、
このステッドラーのターコイズ色は、すぐ見つかります。

今、家の中をプチ断捨離、制作プチサバティカル中。
自分の部屋も家の中も片づいて、
秋風が吹き出したら、またこの鉛筆たちと一緒に、
スケッチの日々です。

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模倣あっての個性、パクリと言われない唯一の方法

佐野研二郎氏、オリンピックのエンブレムから、
様々なパクリ疑惑まで発展してしまいました。

<サントリー>佐野氏作の景品撤回…「絵柄酷似」指摘相次ぎ

佐野氏自身が何を考えていたかは忖度しようがないのですが、
出来てきたものを見れば、疑いようもなく「似ている」というのは、
サントリーのトートバックにも、オリンピックのエンブレムにもいえることです。

イラストやデザインなどが市場経済の中でこれほど大量に消費される時代は
人類史上かつて無かったことで、
毎度毎度「全くのオリジナル」を作ることの難しさは言うまでもありません。

何となく「どこかで見たことあるな」というモノが
出て来るのは仕方のないことです。

それでも、多少アイデアや手法が似ていても
「これは私のオリジナルです」と堂々と言える、唯一ともいえる方法があります。

それは、いうまでもなく、自分の目で見て自分の手で描くことです。

今回のトートバックの中に、フランスパンのバケットの絵がありました。
また、BEACHと書かれた矢印の看板のイラストがありました。
鳥の絵やムギの穂もネットの画像検索で出て来るくらいのものを使ったみたいですね。

これらを見た時に、私が思ったのは、ほんのちょっと手抜きして
馬鹿馬鹿しいほど残念な結果だな、と言うもの。

バケットなんて買ってきて自分で写真撮ればいいし、
さもなくば、バケットやクロワッサンをスケッチするくらいなら
2時間で出来るでしょう。

看板のイラストなんてクレヨンで工夫すれば1時間もあれば描けるだろうし、
鳥や小麦は描いたことが無ければ少し時間かかるかもしれないけど、
小麦はドライフラワーもあるし、小鳥は図鑑からでも描けるだろうに。

佐野氏くらいのデザイナーになれば、
報酬が見合わないから時間をかけない、なんてことは無いだろうから、
もし、自分で描けなければ、イラストレータに依頼すればいい事のはず。

クリエイティブな仕事というのは模倣から始まります。
それは好きな先人の作品の模倣(模写)かもしれないけど、
究極の模倣は実物を見て描くことです。
いわゆるデッサンとか、スケッチ、といったこと。

特に自然はそうですね。
花や鳥や動物もそうだし、人間だって、
実物を見て描けば、10人が10人違う絵になります。
特に『個性』なんて意識しなくても、
10通りの違うものが出て来ます。

いわゆる「パクリ」はぱくりと食べちゃってそのまま使うから
「パクリ」な訳ですが、
同じものを描いても、自分の視神経で見て
自分の手を通して描いたものは、それだけで「オリジナル」です。

実に簡単でプリミティブなこと。

私がこのブログでデッサンをアップして行くのには
そのプリミティブなことこそが基礎だし重要なのだ
と思っているからです。

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頭と体が繋がった時、見えないものが見えてくる

昨日の午後、数年ぶりにヌードクロッキーのデッサン会へ行ってきました。
あまりに久しぶりなので、描けるかな、とドキドキ。
20150614back

しかし、心配無用でした。
むしろ意外なことが起きたのです。
以前は見えなかったものが見えて来たのです。

これは5分間ポーズで描いたもの。
色のついた紙に、白いコンテで骨格と筋肉を捉え、
鉛筆で二次元の境界線、つまり線描を入れました。

そして面白いことに、以前見えて来なかった、肩甲骨や背骨や骨盤が
皮膚の上からぼんやりと見えて来たのです。

なぜならば、このところ時間を見つけては人間の骨格を
紙に描いて再現していたからだと思われます。
ボチボチやっていたら頭に入っていたのでしょう。
20141223d

まさに
「見えないものが見えて来る」感覚を味わったのです。

人体デッサンは若い頃からやっているし、
人体の骨格だって知らないわけではなかった。

しかし、
見て描いて、心でデッサンする
で記事にしたように、見ないで描く練習を時間を見つけてはやっています。
そうやって実際に紙に再現して描いていたことが、とても効果があったのだと思われます。
特に人間のヌードは、骨や筋肉が複雑に絡んでいますから。
頭で考えたことを紙に描いて再現する座学と、
モデルさんを前にして描く実践の両方が必要なことを痛感しました。

頭と体を繋げること。
それが出来た時、見えないものが見えて来るのでしょう。

私が使っている美術解剖学の本です。

<関連記事>
見て描いて、心でデッサンする

ピュアな色彩を支える重層の仕事。ムカイヤマ達也さんの個展

同時代のアーティストの紹介、
現在、個展と長野の高遠美術館での企画展の両方に出品されている
ムカイヤマ達也さんです。
今日、個展『黒箱を信じる』展 を見て来ましたのでご紹介します。

IMG_0387
↑会場の様子 ご本人に撮影して頂きました。

『黒箱を信じる』展 2015年5月20日〜6月12日 A・Corns Gallery

『高遠エフェクト』 2015年5月28日〜7月12日 信州高遠美術館

ムカイヤマさんの仕事は、
絵具がチューブから出たままの美しさを最大限に活かしています。
パレット上でほとんど混色されていないので、
油彩の透明感がストレートに出て、とにかく色が美しい。

そして、カラフルなのに浮ついていないのは、
描写する対象を自分で作り上げ、
さらにそれをキャンバスに描き上げる、
という二重の作業が作品の根底にあるからでしょう。

しかも、キャンパスに描いて行くときも
モチーフの立体性や空間性を意識して
スピード感を生かせるように、
緻密に細かいマスキングを施すのです。

この「マスキング」という技法、
非常に面倒なのですが、実は私もかなり多用します。

鳥の羽を描くようになった時、
全体では塊なのに、羽一枚一枚がミクロの薄さで独立して動くために
羽と羽の間に空気があって、
その空気感を出す方法としてマスキングにたどり着きました。

ムカイヤマさんのメインの作品は
100号(162センチ×130センチ)で、マスキングには相当の時間がかかるはず。
(というのも私が50号の作品でやった時は、特段に細かかかったのだけれど、
一日7時間やって10日くらいかかりました。)
しかも乾きの遅い油彩では、待つ時間が長くなり、
でも、その抑えた待ちの時間があるからこそ
一気に絵具が置かれ、独特の躍動感と立体感が生まれるのでしょう。

ムカイヤマさんは店舗の壁画なども手がけておられて
壁をつくる左官屋さんからも様々な技術のヒントをもらったそうです。
筆を使わない独特のタッチは、そういう職人さんたちとの
横断的な交流から生まれて来たようです。

で、今日は、そのマスキングの話しと、壁に絵を描くことについて話しに花が咲き、
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の話しにまで及びました。

そして、話しているうちに私も壁に絵を描きたい!って強烈に欲求が芽生えて来たのにはビックリ。

さて、高遠美術館の企画展の方は、
お仲間と企画を持ち込んだら採用されたそうで、
アーティスト自身がキュレーション的な感覚を持つことが
現在とても重要になって来ていて、ドンドン実行されていてすごいです。

私は、『黒箱を信じる』というなぞの言葉を残したまま、
エネルギーいっぱいもらって帰ってきました。
(写真に写っているのが黒箱です)

個展の方は、平日の10時から17時(18時くらいまでは大丈夫みたいだけど)だけのオープン
というのがお勤めしている方には少し残念かもです。

さて、色彩について書きましたが、なぜ混色しないと色がピュアなのか、
色彩に関しては以下の本がお薦め。

また、現代美術について本を読んでみたい方には以下の本を薦めます。

さらに、キュレーションに関しては最近出たこの本が分かりやすいです。