カテゴリー別アーカイブ: 里山活動

処暑。末候 禾乃登る(こくものみのる)

二十四節気「処暑 」七十二候は「末候(第四十二侯) 禾乃登る 」。
「こくものみのる」と読みます。
期間はだいたい9月2日から6日くらいまで。

「禾」は「のぎ」とも読み、「芒」とも書きます。
イネやムギなどイネ科の植物の持つ細いヒゲのような部分のことです。

ということで今日はイネつまりお米や日本の食料事情について書いてみましょう。

20160905_m

6月の田植えの時は二十四節気では「芒種」にあたります。
そして、いよいよ9月に入り稲刈りの季節になると「禾乃登る」(こくものみのる)
というわけです。

東京だと今月末くらいに、
東京港野鳥公園の自然生態園の稲刈りが行われます。
今年は私はほとんどお手伝いできなかったけど
昔ながらの天日干しと足踏み脱穀は
見る価値があるでしょう。

ところで、台風10号は、北海道に深い爪痕を残しました。
先の台風ではタマネギが、今回の台風ではジャガイモが
根こそぎやられたみたいです。

そして実は北海道はお米の産地でもあります。
本当に日本の食料庫なのです。

残念なことに日本の食料安全保障は万全ではありません。
エネルギーや埋蔵資源が少なくとも
豊かな水と温暖な気候で作物がスクスク育つ気候なのに、
工業国としての優位性ばかり尊重されています。

現在の食料自給率はカロリーベースで39%.
台風や災害も多いので、もっともっと食料自給率あげたいところです。

では、世界の主な国はどうなっているでしょう。
例えばフランスは自給率129%、イギリスでも日本の倍の72%もあります(2011年)。
★世界の食料自給率:http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html 

農林水産省の食料事情のページ
このページの中に「国産を食べる国民運動」というページがあるのですが、
実は現在自民党が締結を急いでいる「TPP」は
この国産を「食べにくくする」条約なのです。

というのも、安い外国のものが入って来るので
どうしても国産は不利になるのです。

TPPによるお米の影響について説明されているサイト
サルでもわかるTPP大筋合意 

あまり知られていませんが、
農業というのは実は先進国は補助金で成り立っています。
先のフランスもイギリスも日本もそうです。

というのは、
第一に、何よりも食料安全保障は国家の根幹であるからです。
農業は工業と違って、作物の成長に時間がかかり、
効率化や時間短縮ができないのです。

1993年日本は大冷害でお米が取れず(備蓄米も足りず)、
タイ米などを食べざるを得なかったことは、
忘れたくないです。

第二に、農業は治水、環境保全など美しい国土を守る役割を担っているからです。
同時に地域の職と伝統文化保全、そして
持続可能な地域づくりには欠かせません。

主にこの2点から、先進国では当然のように農業には補助金が出ます。
(しかし、輸出を促進する補助金はWTOで禁止されています)。

★WTO交渉について(2016年5月)
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kousyo/wto/pdf/160530_wto.pdf 

自民党は農家を守る、と言っていますが、
TPPで日本の食料安全保障が脅かされないでしょうか?
災害が続く日本。
私たちも食料安全保障について真剣に考えたいものです。

さて、お米は、炊飯器で炊く人が多いでしょうが、
実は普通のお鍋で調理コンロで炊けます。
我が家では昔からそうです。

メリットはその早さ。30分もあれば炊けること。
最近、ネットでもその事が広まって
様々なサイトで炊き方が紹介されています。

白ごはん.com のページ
鍋炊きご飯の炊き方/レシピ

クックパッドでもたくさんレシピがあるみたいです。
お試しあれ。
ご飯 炊き方 鍋 のレシピ 18品

  

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スマホブロガー、と名乗ろうかと思うくらいスマホの写真で便利してます

iPhone使って、楽しいブログ生活
という記事にも書きましたが、
スマホ写真を使うことで、
格段に、ブログの更新が楽しく、且つ簡単になりました。

スキャナーやパソコンに取り込むことなく、
メールで送るだけ。

また、 解像度も72dpiなので、ネット用に修正する必要もなく、
そのままアップできます。

ふた手間も三手間も省けるのです。
しかも、夕方の時間帯になっても、問題なく写ります。
なんという技術進歩!

というわけで、今日のお題ならぬ、
今日のスマホ写真。

はて、これは何でしょう?
20150822-2

これは、「クズ(葛)」の茎で編んだ籠です。
2年前の冬、人に教わりながら自分で作りました。
出来た当時は重かったのですが、
すっかり乾燥して、色も渋みが増してきました。

8月の終わりの今、ちょっとした木の生い茂っている場所には
クズが大繁殖しているところがあるかもしれません。
繁殖しすぎて大迷惑、という人も多いかも。
実際、定期的に刈らないと、
他の植物に悪影響が出かねないみたいです。

ただ、昔から葛粉や葛根湯の原料として、
また布や籠作りにも利用されて来ました。
前者はともかく、後者は、現在は観光用に作られるだけのようですが。

で、その自然のエネルギーを生活に取り込む先祖の知恵を少しだけ真似て、
籠作りに挑戦した結果が上の写真。

クズはもうすぐ赤紫色の房状の花を咲かせます。

このクズを描いた有名な絵が、酒井抱一の『風雨草花図』(左隻)

野分(のわき)の風に揺れる、草々。
野分とは、二百十日前後に吹く暴風のこと。今の台風ですね。
クズは蔓(つる)性ですから、風に吹かれてもたゆたうように揺れる様が
酒井抱一の絵心を刺激したかもしれません。
蔓(つる)性植物ラブ、の私にはすごく分ります。(笑)
実はクズは、秋の七草でもあるのです。

えーと、春の七草はすぐ、
せりなずなごぎょうはこべらほとけのざ、すずなすずしろ、春の七草

と口をついて出て来るのですが、秋は覚えていなかったので、調べてみたら、
山上憶良が万葉集で歌っていました。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」

だそうです。

<関連記事>
スマホで写真散歩、夏の花図鑑

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この度、ウェブ制作会社のサイトで、マダムかよこをご紹介頂きました。
株式会社 オフィス友惠様のサイト 

上記制作会社の作製による私の絵が使われたサイトがオープンしました。
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麦秋、至る。

wheat

麦が収穫されるこの時期を「麦秋」(ばくしゅう)と言います。
むぎあき、と訓読することもあるようです。

いい言葉ですね。

二十四節季(にじゅうしせっき)では、この時期、五月の下旬から6月4日くらいまでを
「小満」と呼びます。

二十四節季はさらに各節季が、初候、次候、末候、の5日ごとに分かれていて、
「麦秋、至る」は「小満」の末候。

麦の穂が金色になるから「秋」とも言うのでしょうが、
もともと「秋」という言葉には実りの時、という意味もあるそうです。

6月の梅雨に入る前、この時期はまさに実りのときでもあるのです。
ウメやアンズの実もこの時期です。
↓アンズの実。
20130610

3月に、昆虫の少ない時期、メジロがセッセと
アンズの花の間を飛び回っていました。

20150601mejiro

麦の秋が終わると、いよいよ田植えです。

海辺と観察会

夏真っ盛り。
そして夏休みも、真っ盛り。

今日は海辺での観察会などのご案内です。

★2014年8月24日(日) 干潟のカニを調べよう
★2014年8月29・30・31日(金・土・日) 野鳥公園のうみべであそぶ日

20140807
この絵は、4月29日の干潟の観察会の様子。
午前10時58分に11センチという大干潮の日でした。

上記の案内の日の潮の満ち引きはどうなっているでしょう。

気象庁/潮位表のページ

8月24日は午前10時23分に41センチですね。

カニは、砂の中に潜ったり、岩の陰に隠れていて、
身近で観察するのはなかなか難しいです。

しかも横歩きなのに、その素早いこと!
ササササッー、って移動します。

カクベンケイガニ、クロベンケイガニ、コメツキガニなどの他に
ボラが跳ねていたり、シギ類も見られるかもしれません。

鳥を描けるようになりたくて、野鳥公園に行くようになりましたが、
様々な自然を楽しんでいます。
自然は多様ですね〜。

実は4月の観察会の時には
干潟の浄化力の実証実験もしたのです。
牡蠣類を入れた水槽と何も入れずに海水だけを入れた水槽を
放置して2時間。。。

牡蠣を入れた水槽は透き通るようにきれいになりました。
干潟の実力はたいしたものなのです。

実物が持つチカラ

タケノコ

タケノコ

個展まであと一ヶ月になりました。
ぜひ,実物の持つ力を見に来て下さい。

いま私たちは歴史上、空前絶後の量の創作物に囲まれて暮らしています。
その創作物は意識するしないにかかわらず、
ほとんどが複製です。

雑誌の広告から、美術雑誌の作品の写真、
クマモンのようなキャラクター、
絵師と呼ばれる超絶級のイラストレーターの作品が
ネットに、紙媒体に、街に溢れています。

古典で言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」を知らない人は
いないはずですが、ルーブル美術館に行ったことのない人は本物を見たことがありません。

例えば、自分の部屋に絵が欲しいなと思った時
好きな有名な画家の作品の写真を額に入れて飾るだけでも雰囲気が出ます。
だとしたら、世界に一枚しかない本物を飾るのは
もっとステキなことではないでしょうか?

たとえそれが無名の作家のものでも、
あなた自身が気に入って買ったものであれば、
値千金です。
やはり本物には、複製にない存在感というものがあるのです。
イタズラ描きのような作品にすら、作者の息づかいがこもります。
これはスキャンや写真のデジタル画像では再現しにくいものです。

デジタル画像を印刷したものをジクレー版画、と言います。
3Dプリンターも精巧になって来たので、
そのうちマテリアル感なども出るようになるかもしれません。
その時は、データでやり取りするのでしょうか?

といってもまだまだ、そこまでには至ってないので、
「世界でただ一枚の作品」はその輝きを失いません。
もし、私の絵がちょっとでも気になったら、
ぜひ気軽にギャラリーに見に来て頂きたいと思います。

そのために場所は原宿駅竹下通り口目の前、
という好条件のギャラリー。
しかも、土曜日曜も開いています。
今回は月曜日が海の日で連休だと言うのも私にとってはラッキーです。
原宿積雲画廊

ブログでご紹介する以外の作品ももちろんあるので
掘り出し物があるかも、です。

さて、作品は40点くらいにのぼりますが、
その中には、東京港野鳥公園で自然保全や里山保全の活動を続けるグループ
「東京港グリーンボランティア」の出している「コアジサシ」という機関紙
の表紙があります。
これは2011年の12月から手がけています。

2009年に会のチラシをお手伝いして以来のご縁で
私から申し出て描いています。
一番の動機は様々な鳥を描けるようになりたいからでした。
そして、定期的に人様に見てもらうことがとても重要だと思ったからです。

絵も文章も、見てもらってナンボ、読んでもらってナンボ、です。
ひらすら作品を描き溜める、あるいは書き溜める、という事も必要ですが、
とにかく倦まずたゆまず描いて、見てもらう、
これがすごく大切。

ボランティアグループの機関紙ですから、リソーのリソグラフという印刷機で印刷されます。
モノクロですしオフセットなどのようにキレイには出ませんが
それはそれで、いろいろ工夫して作品を作るモチベーションになります。

作品を手がけるために
自然観察会や畑や稲作りの作業をお手伝いして
いろいろ教えて頂きます。
それも楽しみです。

始めた当時は、知らないことばかりで、
ついて行くのがやっと。
丸二年が過ぎたあたりから全貌が見えて来て
「もうすぐ、キンランが咲くから、デッサンにいこう」
とか
「去年の今頃に、キョウジョシギを見たけど、確認して来よう」
と,野鳥公園に出かけて行きます。

時期が来ると判を押したように咲く花。
毎年南と北をわざわざ往復する鳥たち。
それでいて、ひとつとして同じものがない自然。
つくづく、自然というのは偉大で愛らしいものだと思います。

ぜひそんな私の思いがこもった作品を
見て頂ければ幸いです。

今日の絵は2012年6月号のコアジサシの表紙です。

講演会のご案内 / 絵でこんなに変わる印象

今日の一枚

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講演会のご案内

今日は、
西洋中世哲学の専門家であると同時に
東京港野鳥公園で里山活動を続けている、
八木雄二さんの講演会のご案内です。

11月初め、八木さんに、市の提示したチラシデザインに関して
相談を受けたので、相談乗りついでにイラストを描いてみました。

既にあった文字の配列にあわせてイラストを描いたもの

既にあった文字の配列にあわせてイラストを描いたもの

市側のワードの文字配列は活かしたまま、
全く印象の違うものになりました。
市の担当者にも喜んで頂けたようで良かったです。

最初は講演会という文字の周りに
クリップボードにある小さなイラストを
配置して、淵に二重の囲みがあるシンプルなものでした。
ピクチャ 83
イベント案内サイト

まるっきりデザインを変えるのではなく、
文字情報はそのままに、全く違う印象のものを作ることができます。

八木さんには、ものの見方や考え方などを
教わることが多く、
たくさんの人に八木さんの独特の世界に触れてもらいたい
という気持ちがあったので、相談を受けたとき、
ボランティアで(まさにボランティアで)
イラストを描いたのです。

八木さんには生態系への確固たる思いがあり、
どんな生物を配置するかもアイデアをもらいましたが、
最終的には、私自身が日頃描き貯めたデッサンを駆使して
また、リスは描いたことが無かったので
見に行って描いてきました。

鹿は、以前、屋久島の風景を描いた時に描いたことを
思い出し、デッサンを引っ張りだし、
また新たに動物園に行って、見てきました。

このイラストを描いて、
いろいろ忘れていたことを思い出し、
あちこちからデッサンやら写真やらを引っ張りだして
新たな作品への意欲を暖めています。

人生無駄が無いです。

この講演会は場所が久喜市で、
市内在住、在勤、在校の方が対象です。

市外の方で、講演に興味のある方は
この里山活動を通して培われた
ボランティアの楽しみについての本、
あるいは生態系3部作に
たっぷり、エッセンスが詰め込まれていると思いますので
ご紹介しておきます。
↑ちなみに表紙は私の絵です。


3冊は多い、という方は
3部「生態系存在論の構築」だけならかなり読みやすいと思います。

冬枯れの木の上のノスリの図

今日の一枚

20140117

冬になると木々の葉が落ちて
鳥の姿がよく見えるようになります。
鷹や鷲類が高いところから左右を睥睨している姿が
見るものを引きつけます。

このノスリも、1時間くらい動かず首だけ動かしていました。

猛禽類は視力が非常によく2キロくらい遠くのものも見えるそうです。
他の鳥類も、目の光がすごいです。
このことは野生動物全般にいえることかもしれません。