ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ
で記事にしたように、
先週は、バラ園の薔薇をスケッチしてきました。
画像は、「アリゾナ」という名前の品種です。
実は「薔薇の名前リスト」と検索をかけてみたら、
薔薇の名前は数えきれないほどあって、
花屋さんのリストにもなかったのですが、
旧古河庭園で咲く薔薇の中に
「アリゾナ」の名前を見つけました。
この旧古河庭園は一度行きたいと思いながら訪ねたことのない洋館です。
ここの日本庭園もいいですね〜。
同じ洋館で、超お薦めの旧朝香宮邸を美術館にした
東京都庭園美術館本館は今改修中ですね。残念。
さて、薔薇の名前と言えば、「薔薇の名前」という映画がありました。
ウンベルト・エーコというイタリアの記号論学者の原作です。
中世の修道院で連続殺人事件が起きて、
それを解決する修道士役のショーンコネリーがはまり役でした。
おどろおどろしい中世のイメージを実に巧みに映像化していて、
特に迷路のような図書館はよくセットを作ったものです。
私がフランスの世界遺産モンサンミッシェルに行った時、
ああ「薔薇の名前」の修道院ってこんな感じだったのだろうな、
と思いながら見学したものです。
純粋に推理映画として見られるので、
特に中世や宗教的な知識がなくても問題無いですけど、
中世ってどんな時代だったんだろう、
と興味のある方には、
ヨーロッパの中世美術―大聖堂から写本まで (中公新書)
をお薦めします。
中世美術、というとぱっと思い浮かばないかもしれませんが
フランスのシャルトルの大聖堂のステンドグラス、
は有名かもしれません。
本来「ゴシック」は中世の建築様式をさす言葉です。
18世紀になると、中世の修道院や邸宅を舞台にした怪奇小説が
イギリスで生まれ「ゴシック・ロマンス」と呼ばれたところから
怪奇風幻想的なものを「ゴシック」と転用するようになったので、
「ゴスロリ」の「ゴシック」は実は本家とは関係ないのね。
以下ネタバレ注意。
さて、映画の話しに戻すと、
この先は映画のネタバレになりますが、
修道院の中での連続殺人事件は、
笑いを知ったものは殺されるというストーリーでした。
え、なんでー? って感じですが、
「笑い」=快楽、と捉えたのかもしれません。
今の時代,笑っただけで殺される事はありません。
しかし、本来「笑い」にはそのくらいの力があるということでしょう。
なんだかテレビのバラエティーに代表される今の笑いに
それ程のパンチはないだけではなく、
ほんとうの笑いも奪っている気がします。
ま,実際のところは「笑ってる場合ですか?」
と思う社会状況は続いているわけです。
原発の汚染水は溜まる一方だし。
アベノミクスで円安が加速すれば、
様々なものを輸入に頼っているから物価は上がるだろうし、
だけど,名目景気がいいと,消費税は上がるだろうし、
従軍慰安婦発言で世界に恥をさらした政治家もいるし、
自民党は改憲で国民の人権を奪おうとしているし、
(うっそ〜と思う人はかさこさんのブログが詳しいです。是非一読を)
・・・・。
今はちょっと大変だけど、
この先心底笑うためにも、
バラエティー程度の笑いで誤摩化されないようにしたいものです。