カテゴリー別アーカイブ: 里山活動

中秋の名月に

今日は中秋の名月。

すっかり晴れて、今夜はいいお月様が見られそうです。

気候も凌ぎやすくなってきました。
暑さ寒さも彼岸まで。

今週に入って、私がよく行く東京港野鳥公園で、
田んぼの畦にヒガンバナが咲き始めました。

ヒガンバナは、花が咲く時、葉はありません。
その鮮烈な赤い花が群れて咲く様子は
初秋の典型的な風景で、「ああ、もう秋だな」
とちょっとため息をついたりします。

田んぼの畦に植えられるのは、
ヒガンバナが他の植物の成長を阻害するアレロパシーを
出すために、雑草が生えにくいからだそうです。
実際、球根は有毒です。

田んぼから少し離れた雑木林では、キノコがあちこち
顔を出し始めています。

中秋の名月というと、やはり、ススキとウサギさんでしょうけど、
私は、公園で見たヒガンバナとキノコという題材を
月に配してみました。

moon001

これはテングタケのような気がしますが、
だとすれば、やはり有毒だそうです。
自然も自分たちの身を守るのに懸命です。

ところで、中秋の名月は満月とは限らないようです。
でも、今年はちょうど満月だとか。
満月の光量は太陽の46万5千分の一だそうです。

このわずかな満月の光だけで写真を撮っている写真家がいます。
石川賢治さんという方で「月光浴」シリーズとして発表されています。
宙の月光浴: Space of Spirit

京都月光浴

サイトはこちら↓
http://gekkouyoku.com/index.html
月の光のブルーが本当にキレイですね。

では、素敵なお月見になりますように。

実るほど、頭を垂れる稲穂かな

実りの秋です。

いよいよ、稲穂もたわわに実ってきました。
今月の終わりには稲刈りです。

まさに、
「実るほど、頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」
の図です。

ああ、最近の偉い人たちに聞かせたい言葉ですね。

紙に顔料ボールペン

紙に顔料ボールペン

稲の下のキノコはカラカサタケ、
バッタはショウリョウバッタです。
畑をポーンポーンと飛んでいました。

ではでは。

スケッチ わたのはなしべひらく

世の中,変なことばかりですが、
どれほどおかしな世の中でも、
キチンと見据えて行かなければならなのと同時に、
しっかり自分の時間や空間は確保しておきたいものです。

自然に親しむ,というのはそのためにとてもいい方法のひとつです。
幸いなことに、季節が移ると自然の様相も
様々に変化して,尽きること無く楽しめます。

二度と同じ自然,二度と同じ夏,二度と同じ人生のひとコマはないのです。

今日は,3日の記事「わたのはなしべひらく」のスケッチです。

綿の花、水彩・色鉛筆

綿の花、水彩・色鉛筆

まだふわふわの綿ははじけていませんが、
花が落ちると、シソの葉のようなひらひらの咢の中で、
まず白い実が生まれ,それが緑に大きくなって行きます。
この絵では、左の一番下に白い実,その上に少し大きな緑の実が見えます。

花の下では、ハナムグリがエッチラオッチラ花をめがけて登って行きます。
このあとナハムグリは,花の中に潜ってしまいました。

いつはじけてコットンボールになるのでしょう。
その時見られるかな?
今から楽しみです。

田んぼ、8月の様子

この四月から参加している「田んぼ作り」。
昨日久しぶりに見てきました。

この4ヶ月を振り返ってみます。

まず種もみ巻き。
これは4月14日でした。
20130415
前もって発芽させた種もみを柔らかく耕した田んぼの一角に捲きました。

この種もみが一ヶ月半で、↓ このくらいの苗になりました。
20130821001

6月2日に田植えをしました。
20130702

その後、順調に育つ稲。
トンボ達のすみかです。
20130728

そして、昨日はこんな感じ。
絵は昨年のものですが、ほとんど同じです。
20130413

ただ、今年はやはり雨が少ないことが気になります。

来月終わりの収穫までに順調にいってくれることを祈っています。

ところで…………、

ふくいちではこんなことが起きているようです。
福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れについて(続報2)

このリンクには、

「(略)……、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断いたしました。

とあります。

つまり、気体ではない核燃料物質等が漏洩したという意味は
単純に考えて、核燃料が外に漏れている、ってこととも取れます。
官僚の作った法律用語らしく、実態はよく分からないものの、
核燃料である、という可能性も否定出来ません。

別のニュースでは
「汚染水の水たまりで100ミリシーベルト 福島第1」とあります。

さらり、と書いてありますが、
相当とんでもないことが、ふくいちサイトでは、起きているようです。
本来ならば、首相が視察に行って、状況を判断することではないでしょうか?

私自身、甘かったな、と最近感じています。
どこかに「もう2年経ったから」という気持ちもあったし。

これから、本当に過酷な時代が来るのかもしれません。
経済的にもそうですが、
海や土壌の汚染など、どれほどひどくなるのか
想像もつきません。

……、しかし、しかしです。
こういう時代は、まさに人間としての「力」が
試されることになって行く気がします。

どんな状況でも、情報を探して自分で考え判断する。
人生におけるプライオリティーを精査して、
意味のないことには時間を使わない。
理不尽なことには目をつぶらない。
なんとか楽しみを見つけ出して、生き抜く。

生き抜く力、というのは自分で何かを生み出す力でもあると思います。
今、何から何まで他者の用意したもので生活している都会の私。
これからは、すべては出来なくても、
出来ることはやって行きたい。

今年はファーストステップとして、お米の作り方は学びました。
すぐ出来るようにならなくても、試したことあるのとないのとでは
雲泥の差です。

お米を作るシチュエーションはよほどの時でしょうが
少なくとも、次に大きな地震が来ても
買いだめに走るようなことはしないで、
日頃から備えておきましょう。
水、食料、簡易トイレ、乾電池、家族との連絡方法等々。

こういう国に54基の原発を作った自民党。
危機感ゼロで首相もゴルフ三昧だそうです。
呆れてものも言えません。
これ以上汚染がひどくなると、
海外から突き上げが来るような気がします。

6月の記録/田植えの絵など

以前田植えの報告はしたのですが、
田植えの様子をようやく描きましたので、アップします。

20130702

子供たちが植えやすいように水を抜いた田んぼ。
田んぼの泥が見えています。
手も足も真っ黒になりながら2、3株ずつ植えて行きます。
コテを持っている右側の男の子は「クロ塗り」と言って、
あぜから水が抜けないように、あぜを泥で固めているところ。

左手前にいるのはカルガモ。
子供たちから離れた遠くの方で見守っています。(絵では手前だけど)
このあと水を再度引いた田んぼで泳いでいました。

そして小さな田んぼの主役オケラ。
20130702b

オケラはモグラのような手で土に穴をあけます。
昆虫というのは、幼虫から成虫まで、
まるでSF映画のキャラクターを集めたかのような
イマジネーションの宝庫。
必要があって作られた昆虫の身体ですが、
創造主のイマジネーションには驚くばかり。
鳥もそうですね。
その羽の美しさ、造詣は完璧。

しかしその創造主も恐れぬ人間は、自然界を脅かします。
2日には、国際自然保護連合(IUCN)が
世界で絶滅する恐れがある動植物を列挙した「レッドリスト」を更新し、
新たに715種を絶滅危惧種に追加しました。
「絶滅危惧」715種を追加=レッドリストを更新-IUCN
このニュースでは、ニホンウナギがリストに加えられたら
「もう、ウナギが食べられなくなる!?」という言説が
飛んでいました。
2月の記事ですが、こちらのサイト
2013/02/01 (Fri) ■[環境]ウナギが絶滅危惧種!? レッドリスト指定について
がよく調べておられるので、
興味のある方はお読みください。

生き物がいなくなる事には誰もが反対だと思いますが、
しかし、突き詰めると、この問題の多くは人類の「貧困」に
突き当たることに気づかされます。
私は英語版のナショナルジオグラフィックを定期購読していて、
この問題の特集は年に一回はあるので読みます。
貧困と格差。
象牙やフカヒレなどはその象徴です。
牙やヒレだけを切り取られたゾウやフカは死ぬしかありませんが、
それは、それを捕って先進国に売ればお金になる貧しさがあるからです。

ナショジオでは、よく中国が槍玉に挙がるのですが、
しかし、アフリカを搾取の対象としか見ないような歴史を作ったのは
中国ではありませんからね。

今も先進国はアフリカの資源獲得にしのぎを削っています。
私たちの生活も多いに関係があるのですが
その繋がりが意識されることはほとんどありません。

しかし、省エネを考える。そしてフンデルトヴァッサーで述べたように、
明らかに地産地消というのは、
自分たちを守るだけではなく、海の向こうの人々も守ることになるのです。
少しでもそういう方向を私自身もがめざせればいいな、
と思って田んぼ作りに参加しています。
もちろん、一番の動機は「楽しいから」なんですけどね。
そして人間だって自然の一部。
そのことは忘れたくないです。

田植え、水と土と太陽と……。

今日は田植えでした。

4月に種籾を蒔いていた苗代で、
苗が20センチくらいまで伸びてきました。
5月に田おこしをして水を入れた田の中に
キシュウスズメノヒエという同じイネ科の帰化植物が
蔓延ってきたので、
昨日は、水の張った田に長靴を履いて入って刈り取りました。

……が、
泥水の中がこれほどに動けないものとは、
想像以上でした。
今は機械でやるのでしょうが、
それでもお百姓さんに心から感謝したい、
と思いました。

そして今日は、まず代掻き(しろかき)をしました。
水の中でドロの塊をほぐしてやり、
レーキなどで掻いてやると、重い塊が下に沈み
苗を植える上の方がふわふわのドロになるのです。
しかも水の中なので、水平になるのです。

それから、クロ塗りと言って、畦(あぜ)に泥を塗って
水が漏れないようにします。
コテで泥を延ばして行くと、
まるで左官屋さんになった気分。

そして苗床の苗を取り分け、
3ー4本ずつ田に植えて行きます。
親指と人差し指と中指の三本の指で
稲の苗の根元を持って田のドロに指ごと入れると
水を含んだ泥がサッとまわりから苗をやさしく包んでくれるので
手を抜くだけできれいに苗が泥に突き刺さります。

水ってすごいですね。
水田考えた人、天才的です。
土だけだったらいちいち穴掘って埋めるわけですから。
稲が連作出来るのも、水のおかげだと聞いたことがあります。

そして、植えてしばらくすると、今日はお天気が良かったので
苗たちは太陽に向かってピンと背筋を伸ばします。
これにもビックリ。

最近は植物工場が増えていて、内部環境をコントロールして
計画的に野菜を出荷することも行われているようですが、
放っておけば、水と土と太陽が作ってくれるものを
わざわざエネルギーを使って人工的に光を当てたり、
ハウスなども石油が円安で上がってきても、
元が取れるのかと心配になるくらい、
水と土と太陽の力は「すごい」の一言です。

そしてむかしの人の知恵は時の試練をへているだけに
脱帽するくらい自然を利用して緻密かつフレキシブルです。

今日植えた小さな苗が、8月になるとこんな風になります。
20130413

楽しみですね。

水田には、オケラ、アメンボウ、タニシなどのほか
蜘蛛もいて、それがツツツーっと水面を走って行く様はニンジャのようでした。
またオケラは、前足がモグラを思わせるほど太く、
それで泥をかき分けるらしいです。
身体も、名前の響きよりずっとしっかりした大きさです。

そうそう、水田にいるというタガメは
残念ながら見ることはできませんでしたが、
『「タガメ女」を読んでみました』の記事は1100pvを越えました。

二日間の力仕事で今日はよく眠れそうです。

では。

似たような記事
一年で、庭が大変身!
庭の次は家庭菜園?

ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ

いわゆる「ゴスロリ」の雰囲気を
制作に取り入れてみようと思い、
バラ園へスケッチに行ってきました。

もともと、ゴシックやアールヌーボーに限らず
装飾やオーナメント、レース模様は好きで、
本を見つけては買って来たり
自分の作品に取り入れています。
シダが好きなのも、
まるで生きた緑のレースだからです。

「ゴシック」+「ロリータ」が
若い人の間で「ゴスロリ」として人気が高い、
というのはごく最近知ったばかり。
チュチュやレースと黒の組み合わせは
豪華さと可愛さを兼ねています。

レースやオーナメントの本はあるし、
知らない世界じゃないし、
おばさんも、
「流行の、ゴスロリなるものに挑戦してみよう」
と思い立ち、
「ゴスロリなら、やっぱり薔薇よね〜」
「今、ちょうど薔薇の季節ね」
というわけで、昨日はバラ園に行ってきました。

薔薇は、品種によっては世話が大変で、
怠け者の私は育てたことはないですが、
実家には深紅のビロードのような薔薇があったし、
デッサンや作品にもしています。

20130511

またご近所の家では、この季節になると
つるバラや野バラのような小さな白い薔薇が
一斉に咲き出します。

実家ではその薔薇の消毒などしていませんでしたが
特に問題無く咲いていました。
ご近所の薔薇もそれ程、虫対策などしている様子はなく
それでも毎年きれいに咲いています。

・・・・

バラ園は見事でした。
一面、種々の薔薇が咲いていて、
ご婦人のグループやご夫婦で
日がな散策されていました。
きっと週末は人で溢れることでしょう。

その園ではバラコンクールの薔薇なども育てており
業者の人たちが丁寧に見て歩いていました。
私は一通り見て歩いたあとで
昼食をはさんで、一日スケッチをしていました。

しかし、描きだして2時間くらいしてから
ふと気がついたのです。
……なにかが違うのです。
例えば二週間くらい前に行ったレンゲ畑などを描いている時
徹底的に何かが違うのです。

とにかく静かなのです。
……、ああそうか、と思いました。
見せるためのバラだし、品種がいっぱいあり
多分消毒を頻繁にしているためなのか
あまり昆虫やチョウチョを見かけないのです。

これほどきれいに花が咲いているのに
虫たちがひっそりとしている、
そのために妙に静かだったのだと思います。
世話をしている園丁さんに尋ねたら
やはり、徹底して消毒を行っている、という事です。

キレイに手入れされてて
見た目はとてもきれいなんだけれど
本来の自然とは少し違う。
里山を描き慣れているからか、
不思議な静けさに感じてしまいました。

それでも、
ムクドリが私のまわりを走ったり飛んだりして
楽しませてくれました。
スケッチを夢中で描いていると、
気配がなくなるのか、ふと気がつくと
虫やチョウチョや鳥たちに
囲まれていることが、よくあります。

私は虫もチョウチョも鳥もいる「ゴスロリ」
を描いてみようと思いながら、家路につきました。
家に着く頃、ぽつぽつと雨が降ってきました。

今日の絵は、実家のバラを花瓶にさして描いたもの。
背景は金箔を用いています。
大きさはF12号。(たて60.6cm x よこ50.0cm)
この絵のもとのデッサンはこちらからご覧頂けます。
(リンク先の一番下にあります)

↓人の手が入ることによって豊かになる里山の話しはこちらからお読み頂けます。
庭の次は家庭菜園?

↓似たような記事/虫と花の話し。
野草を描くと昆虫がついてくる