日別アーカイブ: 2013年8月25日

最優先にすべきこと

テレビは見ないのですが、
相も変わらず「24時間テレビ」が放送されたようですね。
今進行中のふくいちでの汚染をキチンと報じないでも
やるべき放送なのでしょうか。

私達の社会は集団で行け行けドンドンの目標がある時には
とてつもない力を発揮するけど、
物事の後処理やら、
上手く行かない事態から撤退することや
途中で中止が決められない体質であることは、
先の大戦とか、バブル崩壊後の失われた20年とか、
残念ながら、歴史が証明しています。

怖いのは、崖っぷちまで行っても引き返すことより、
崖に落ちることを奨励するかのような時です。
先の大戦でも、神風特攻隊のような悲しい死がありました。

海が世界と繋がっている以上、ふくいちの汚染水問題は、
日本だけの問題ではないのは、誰が見ても明らかです。
もう東電はお手上げ状態みたいに見えるし、
国家プロジェクトを立ち上げ、
首相が世界にアナウンスして、
世界に助けを求めるべきことのように思えます。

海にながして薄めれば問題無い、
みたいなことを言う学者もいるみたいですが、
仮に、今までの分はそうであっても、
東電だけに任せておいたら、
確実に、燃料を取り出せるまで営々と
汚染水は海に流れることになって行きかねません。

もちろん、この汚染を公式に認め世界にSOSを出せば、
経済に良い影響はないでしょうし、
オリンピックなどもやっている場合じゃなくなるでしょう。

だから、国民も政治家も官僚も東電も、
事態を小さく見せてやり過ごしたいと思っているのかもしれません。

でも、やり過ごせることでしょうか。
燃料が地下水に触れているかもしれないのです。
ない事にしたくて、このまま積極的に対策をとらないと、
近づくことさえままならなくなるかもしれないのです。

つい最近だって、水たまりの空間線量で100mSv/hあったのです。
仮にこの場所で一日7時間十日間働くとほぼ半数の人が死ぬ線量です。

もう、誤摩化したり騙し騙し出来る状態ではないのではないでしょうか。

しかし、311以降に思い知らされたことがあります。
普通の人々の「今の生活を手放したくない」
という強固な意識の積み重ねが意外に大きく響く、
ということです。

原発事故後にローンを組んでマンションや家を
買った人も少なからずいます。
そういう人達は、「原発事故はたいしたことなかった情報」
を鵜呑みにしたのかもしれませんが、
どんな事があっても経済は落ち込んでもらいたくないはずです。

しかし、そういう人達に「騙された責任」はあるでしょうが、
先延ばしや安全情報で事実を隠蔽して来たことのツケが
今束になって押し寄せている感じで、
もし最初から本当のことを開示していれば
家を買う事はなかったかもかもしれません。

いつまでも負けを認めずに、沖縄の地上戦や
2発の原爆投下まで白旗を揚げずに
被害を拡大した社会の体質そのまんまです。

まだ誤摩化すのでしょうか。
改憲なんて言ってる場合じゃないと思うのですよね。

今日は311以降、読んだ原発関連の本をあげておきます。
311以降と今では状況のホットさはもちろん違うのですが、
結局、今も、事態は良くなっていないし、
もしかすると、想像もできない事態すら起きる可能性は
否定出来ないのです。
経済の落ち込みを考慮しても、私は、国を挙げて
この問題に取り組むべきだと思うのですが……。

参考になれば良いのですが。

まず推進派。
ブログ「金融日誌」の藤沢数希さんの本。
推進派の理論のほとんどが網羅されていると思います。
経済第一、と思う人は納得の内容。
人の命も経済がなければ助けられない、
というのはよく聞く論理で、この本でも言及しています。

ニュートラル本。推進派に読んでもらいたい。
題名よりずっとニュートラルな内容です。
反対派と推進派の話し合う公共の場が必要と説いています。
作者本人の考えというより、様々な立場の人に意見を聞く、
という内容で、特に哲学者の内山節さんの意見は、
推進派にもキチンと考えてもらいたい内容を含んでいます。

ご存知小出裕章本。
原発反対派の代表の本。

マダムかよこが一押しです。
分子生物学者の書いた本で、私はとてもしっくりきました。
著者自身が、科学者でありながら、
原因不明の病気に悩まされたことも関係するかもしれませんが、
科学も分からない事がある、というスタンスです。

原発報道についての本。
著者二人ともジャーナリストとしてはアクが強いですが、
海外の事情が分かりやすく書かれていて、読む価値ありだと思います。

放射能対策具体本。
放射能対策の家の目張りの仕方、など、
役に立つ情報満載。
私は、ふくいち事故後すぐ読みました。
地震国なので、目を通しておいて損はないです。

ふくいちの事故後、様々な人のメッセージを集めて出版されたもの。
作家の池澤夏樹氏、城南信用金庫の吉原毅氏、
大地を守る会の藤田和芳氏、元宇宙飛行士の秋山豊寛氏、
また、原発は安くないと計算する立命館大学の大島堅一氏
などが寄稿しています。