参議院で安倍首相の問責決議が可決され、
いくつかの法案が廃案になりましたが、
特に「生活保護法改正案」(正確には改悪案)が廃案になったことは
ホッと胸を撫で下ろします。
生活保護でパチンコに行くとはけしからん、とか
息子がタレントなのに親を養わないのはけしからん、とか
働けないのは自己責任だ、とか(そんなはずないのに)
いったようなことが問題であるかのように言われてきて、
アッという間に法案提出にいたりました。
霞が関は「省令で定めたものを法律にしただけ」
と説明していたようです。
しかし、この法案の核心はただひとつ
憲法第25条です。
①すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
憲法ではこう謳われているのに、
年間3万人もの人が日本では自殺しています。
電車に乗れば「人身事故の遅延」は日常茶飯事になりましたが、
みんな迷惑とばかりに無視を決め込みます。
しかし、どんな人でも、人間である以上
事故にあったり、病を得る可能性はゼロではありません。
何かのきっかけで明日から働けいない、という事は
誰にでも起こりうるのです。
「明日は我が身」なのです。
つまり、生活保護とは、不正受給などがあったとしても、
国民として絶対に確保しておかなければならない最後のセキュリティーネット、砦
なのです。
それをタレント問題で騒がれたからといって、あっさりと手放すなんて、
自分で自分の首を絞めるようなものです。
この問題だけではないです。
気がつけば、私たちの社会は、
自分で自分の首を絞めることを熱心にやってきました。
日本のサービスは世界一ですが、
「お客様は神様です」の名の下に、
横暴なまでのサービスすら強要し、
労働者の労働環境は悪化の一途を辿ってきました。
多くのお客様が、同時に労働者ですから
自分の労働環境を自分で悪化させているのです。
何かクレームがつくと、次からそのクレームを避けるために
事細かな管理システムが取り入れられ、
10秒で済む手続きが1分かかったりするようになり、
長蛇の列ができたりします。
事ほど左様に
行き過ぎて、結果的に
息苦しい社会を作り上げてきてしまったのです。
このように
結果的に自分で自分の首を絞めることになる
「何でも極めちゃう」日本人のメンタリティは諸刃の剣です。
でも、多分、「道を究める」のは自分に対しては良いけれど
他者に求めちゃいけないのですよね。
さて、今回の問責決議で
発送電分離法案も同時に廃案になりましたが、
この記事を読む限りでは、単に工程表を定める法律だったようです。
政府が電力改革法案を閣議決定、発送電分離など工程表
電力の自由化も実は既に霞が関は率先してやっているし、
一足先に「脱原発」!? 霞が関の電力は東電じゃない
電力を改革するなら、原発を避けて通らないでほしいです。
というわけで、
今回の問責決議は、生活保護法改悪案を阻止した事の意味の方が
大きいと、私は判断します。
今週は重たい話しが続きましたが、次回の更新は多分土曜日あたりです。
(イラストもスキャンする時間が無かったので悪しからず。)