カテゴリー別アーカイブ: アトリエ日記

6月の記録/田植えの絵など

以前田植えの報告はしたのですが、
田植えの様子をようやく描きましたので、アップします。

20130702

子供たちが植えやすいように水を抜いた田んぼ。
田んぼの泥が見えています。
手も足も真っ黒になりながら2、3株ずつ植えて行きます。
コテを持っている右側の男の子は「クロ塗り」と言って、
あぜから水が抜けないように、あぜを泥で固めているところ。

左手前にいるのはカルガモ。
子供たちから離れた遠くの方で見守っています。(絵では手前だけど)
このあと水を再度引いた田んぼで泳いでいました。

そして小さな田んぼの主役オケラ。
20130702b

オケラはモグラのような手で土に穴をあけます。
昆虫というのは、幼虫から成虫まで、
まるでSF映画のキャラクターを集めたかのような
イマジネーションの宝庫。
必要があって作られた昆虫の身体ですが、
創造主のイマジネーションには驚くばかり。
鳥もそうですね。
その羽の美しさ、造詣は完璧。

しかしその創造主も恐れぬ人間は、自然界を脅かします。
2日には、国際自然保護連合(IUCN)が
世界で絶滅する恐れがある動植物を列挙した「レッドリスト」を更新し、
新たに715種を絶滅危惧種に追加しました。
「絶滅危惧」715種を追加=レッドリストを更新-IUCN
このニュースでは、ニホンウナギがリストに加えられたら
「もう、ウナギが食べられなくなる!?」という言説が
飛んでいました。
2月の記事ですが、こちらのサイト
2013/02/01 (Fri) ■[環境]ウナギが絶滅危惧種!? レッドリスト指定について
がよく調べておられるので、
興味のある方はお読みください。

生き物がいなくなる事には誰もが反対だと思いますが、
しかし、突き詰めると、この問題の多くは人類の「貧困」に
突き当たることに気づかされます。
私は英語版のナショナルジオグラフィックを定期購読していて、
この問題の特集は年に一回はあるので読みます。
貧困と格差。
象牙やフカヒレなどはその象徴です。
牙やヒレだけを切り取られたゾウやフカは死ぬしかありませんが、
それは、それを捕って先進国に売ればお金になる貧しさがあるからです。

ナショジオでは、よく中国が槍玉に挙がるのですが、
しかし、アフリカを搾取の対象としか見ないような歴史を作ったのは
中国ではありませんからね。

今も先進国はアフリカの資源獲得にしのぎを削っています。
私たちの生活も多いに関係があるのですが
その繋がりが意識されることはほとんどありません。

しかし、省エネを考える。そしてフンデルトヴァッサーで述べたように、
明らかに地産地消というのは、
自分たちを守るだけではなく、海の向こうの人々も守ることになるのです。
少しでもそういう方向を私自身もがめざせればいいな、
と思って田んぼ作りに参加しています。
もちろん、一番の動機は「楽しいから」なんですけどね。
そして人間だって自然の一部。
そのことは忘れたくないです。

雑草という名の草はない

この季節、少しの緑のあるところなら、
ちょっと手入れをしないと草ぼうぼうになってしまいます。
最近は、草むしりが面倒だから、という理由で
庭にコンクリートを打つお家もあるようです。

確かに草むしりは大変ですが、
この水と太陽の光だけで上へ上へと伸びる植物の力強さは
偉大ですらあります。
結局、我々人間を含む動物は、植物がなければ生きて行けないのですから。

そして世界には砂漠化が進んでいる地域も少なくありません。
東京も今年は例年に比べて降雨が少ないようです。
庭の土も一時サラサラの砂のようになりました。

しかし、このところの雨で植物たちの元気さが甦ってきました。
この草ぼうぼう状態を見ると「描きたい!」と思う私がいます。。
そこには赤や黄色の花があるわけでもないし、
緑しかないのに、何故か、「きれいだ」「描きたい」
と思ってしまう私は、変わり者でしょうか。

やはり日本は、雨が多いから、草の緑がきれいに見えるのでしょうね。
特に何気ないどこにでもあるシダの雨上がりの翌朝の美しさは格別です。

日本には600種類以上のシダがあります。
イギリスには200種類くらいしか無いことを鑑みると
驚きです。
南半球のちょうど反対側のニュージーランドも
シダで有名です。
ニュージーランドはラグビーが盛んで、
オールブラックスのマークはシルバーフェーンです。

シルバーフェーンはほんとうに銀色に光って見えます。
日本では、イヌワラビという種類の一種でニシキシダ、
と呼びます。
「錦羊歯」と書きます。
ほんとうに金銀糸を織り出したように見えます。
意外に身近にあるので、是非気をつけて見て下さい。
実は我が家の近くにもあり、前を通るたびに楽しみにしているのですが
ほとんどの人は気がつかずに通り過ぎてしまいます。
指差して教えて上げたいくらいですねえ。

ポール・スミザーというイギリスの園芸家がいます。
宝塚のガーデンフィールズなどを手がけたナチュラル園芸家です。
彼なども日本のその豊かな緑に魅せられた一人でしょう。

というわけで今日のスケッチはイヌワラビを中心とした草々。
20130701
雑草として片付けられてしまいそうですが、
彼らに絵として息を吹き込むのもなかなかチャレンジングです。

シダの絵はこちらからご覧頂けます。

ポールスミザーの「日陰でよかった!」は私の愛蔵ムックです。

パステルで描く/枇杷の実

枇杷は、種が大きくて食べた気がしない、
と家人などは申しますが、
この季節だけなので、
やっぱり年に一度は食べたいと思う果物です。

20130615

このスケッチはパステルを使っています。
パステルは色がきれいな画材ですが、
色が落ちやすく、保存が難しいです。
保存する時は、グラシンペーパーを上にかけておきましょう。
グラシンペーパーが挟んであるパステル用のスケッチブックもあります。
固定液(フキサチーフ)を使っても完全に固定出来ないし、
色が濃くなってしまうのでお勧め出来ません。
被覆力が強いので、色のついた紙をうまく使うと
いい感じに仕上がります。

パステルと言えば、ドガが踊り子を描いたスケッチが有名ですね。
ルノアールも輝くばかりの裸婦をパステルで描いています。

枇杷の日本画作品はこちらから。
こういう小さな日本画は、季節ごとに揃えておくと玄関や居間に
アクセントがつきますね。
ご注文があればこちらから、よろしくお願いします。
(価格はこちらからご覧頂けます)

来週いっぱい、毎日更新は難しいかもしれません。
なるべく絵やスケッチだけでも上げたいな、
と思っています。

では。

祝10000pv。歩くことの効用

昨晩、寝ている間に、10000pvを越えました。
皆様のおかげです。
ありがとうございます。

しかも一日を通して「タガメ女チェックシート」での検索で
お越しになる方が多数いらして、
望外のアクセス数を頂きました。

実はこのところ、大きな作品に取り組んでいて
夕方くらいになるとエネルギー切れで
ブログ、どうしようかなあ、休んじゃおうかなあ、
と思うこともしばしば。
実際英語のブログは一ヶ月更新せず。
でも忘れたわけではないのです。

実際英語の勉強は新たな教材を覚えはじめています。

教材も相性があって、このところDUO3.0の100回音読以降、
これだ、と思える教材に出会っていなくて、ウダウダ勉強していたのですが、
以前買って難しくて投げ出したこの「知識と教養の英会話」が
いまの私にピッタリだったようで、楽しくリスニング散歩も継続しています。

なぜ、作品の追い込みに入っているのに英語をやるのか、
と言うと、散歩をするためなのです。

春から初夏はスケッチで忙しかったのですが、
今はじっくりひとつの作品に取り組んでいます。
スケッチに行っている間は一日に2万歩くらい歩くので
夜もぐっすり眠れます。
ところが大きい作品に取り組み始めると、
ついつい家を出なくなり、運動不足になり、
肩凝りや腰痛がひどくなります。

そんなとき、聞くのが楽しい英語の教材があると、
散歩のモチベーションになるのです。

そして散歩に行って血の巡りも良くなって戻ってくると
身体もスッキリ頭もスッキリしているし、
さっきまで描いていた絵も新たな面が見えてくるし、
不思議とブログを書こう、という気になるのです。
運動不足の解消と英語で一石四鳥です。

20130611
昔から、いいアイデアが浮かぶ場所として、枕上 鞍上 厠上
「枕上(ちんじょう)・鞍上(あんじょう)・厠上(しじょう)」
と言います。
さしずめ私の散歩は鞍上(あんじょう)でしょうか。

仕事や作業に疲れた時の気分転換の方法は人それぞれだと思いますが、
歩くことは、文句無くお薦めです。
人間は400万年歩いてきているのですから、
脳の眠っている分野まで呼び起こしてくれそうですよ。

ブログを書いて思考方法を手に入れる(再掲)

この記事は、約一ヶ月前の2013年5月9日にアップしたものですが、
6月6日以来スパムコメントがすごいので、
いったん削除し、新しいパーマリンクで再掲します。

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最初にこのブログを始めた時の、
このブログの主な目的は、
こちらの記事に書いたように、

①美大を卒業以来、細々と描き続けて来た膨大な
スケッチやデッサンを多くの方に見て頂くため。
②読んだ本や見た映画を紹介し、本やパンフレットの現物は片付けるため。
③考えることが好きなので、その過程をメモ代わりに残すため。

の三つです。

基本的に、このスタンスは変わらないのですが、
最近は特に、③の部分を広げて行きたい、
と思うようになりました。

単純に言ってしまえば、
「書く事は考えること」だから、
ブログを書けば書くほど、
考えがまとまる時間が早くなるようなのです。

これは私にとっては思わぬ余禄です。
私は普通のおばさんですが、
昔から考える事が好きでした。
だからよく、「考えすぎよ」と言われたものですが、
疑問に思ったこと、考えていることを言葉にし、
文章にする事は、すごく「考えを纏める」のに有効なのですね。

実はブログの記事を書く時、
最初から結論が決まっていて記事を書いていることもあるのですが、
書いているうちに、考えが纏まって来て、
言いたい事が纏まる、
という事が結構あります。

20130320

書評を書くというのも、
そういうところがあって、
「タガメ女を読んでみました。
の時に、書いているうちに、
何を書くのか見えて来て、
結果、本に興味のある方たちに多少の助けになったかもしれないのと同時に、
自分の中で、本の位置が確定する、
という事を経験しました。

ところで、今、本の読み方として「多読」が流行中ですね。
一日一冊読み続けるブログも大人気で、管理人の情熱には頭が下がります。
本を読む醍醐味には、いくつかあって、

例えば小説は、
到底味わうことの出来ない体験が出来たり、
物語に引き寄せられてカタルシスを得たり、と多様です。
辻邦生の「背教者ユリアヌス」を読んだときは感動のあまり茫々と涙を流したものでしたし
吉川英治の「三国志」や「水滸伝」は夜寝るのも忘れて読みふけりました。

今なら、東野圭吾やハリーポッターのエンターテインメントに
引きつけられる、という事でしょう。

いっぽう経済や科学分野、ビジネスでは
新書やハウツーものが次々と出て、
手軽に専門的な知識を専門家が授けてくれます。

ハウツーは確かに役に立ちます。
今までで一番役に立ったのは野口悠紀夫の「「超」整理法」でした。
これは初版で読んでいますからもう二十年くらい前です。
この時、私はモノは積まずに立てにして保存すると片づく、
という普遍性を学びました。

それから松岡正剛という読書の達人がいます。
「千夜千冊」というサイトは有名です。
この人には、自分で歴史年表をつくる事を学び実践しています。
どの分野でも歴史を知る事はモノの見方ををがらりと変えてくれます。

でも、自分にとっての究極のハウツーは
結局自分の人生をかけて探すしかないと感じていて、
私はある分野を集中的に読む事によって、
物の本質にどのように迫るか思考方法をを学べる事が、
読書の面白さのひとつだろうだとも感じています。

研究者というのは、このある分野の本を纏めて読んで
その分野の思考方法を手に入れることを最大化して
深化させている人たちですよね。
そしてその分野で新理論なりを打ち出して、研究者としての地位を確立するわけです。

それは「ハウツー」と言うより「シンクウェイ」。
「どうやるか」と同時に「どう考えるか」という事です。

ブログを続けることは大変だけれど、
もしかすると、自分の思考方法を手に入れられるかもしれないし、
読者とともにそれをライブで経験出来る方法かもしれません。

もうひとつ。
絵を描くのも早くなりました。
人生はなかなか自分で選べないことばかりだけれど、
自分で選んだことは、
実行すれば自分に帰って来るものなのですね。

では。

忙しい時には端から片付ける、6月をうまく使おう

小さな法人のお手伝いをしているので
5月6月は忙しいです。
忙しい時は、
あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ、
と焦りがちです。
しかし、焦って良いことはありません。
普段ならやらない判断ミスや、つまらない見落としをしがちです。

シンプル時間管理術で記事にしたように
物事を「緊急か、緊急でないか」「重要か、重要でないか」に分けて
プライオリティーを決めますが、
もし、緊急で重要なことばかりが溜まってしまったらどうしましょう。

一にも二にも、「端から片付けて行く」
に限ると思います。
この場合はとにかく、緊急性を重視します。
締切りの迫っている順に片端から片付けるしかないと思います。

ノートに緊急度の高いもの順に箇条書にして、
終わったらチェックをつけていきましょう。
予定を立てたり時間配分を計算することもやめましょう。
そういうことをする時間があったら
着手してしまった方が早いのです。

それから意外に時間を食うのが、ネットのチョロ見。
これが積算するとバカにならない長さになります。
スマホは電源を切った方が良いかもしれないです。

実は、私はスマホを持っていません。
まず重いこと。(最近はかなり軽くなってきたけど)
そしてなにより持ったが最後
自分の時間がさらに減りそうだからです。

仕事で電源が切れない人もいるとは思いますが、
ケータイやスマホは集中力を切らします。
出来るだけ工夫をして、
自分が目の前の仕事に集中出来る状態を作りましょう。
鞄の奥にしまいこんでも良いかもしれません。

20130606

2013年もあと24日で半分過ぎます。
この半年にやろうと思っていたことの多くを達成しましたが
まだ目標に届いていないものもあります。
皆さんはいかがでしょうか。

実は一年は8月が過ぎるとアッという間に12月になります。
それは、秋から冬にかけて昼間の時間が短くなること、
秋は行事が多いこと、などが関係していると思います。
また、夏の暑さ疲れで、体力が落ちがちなことも
あるでしょう。

だから、一番日の長い5月6月はとても大切。
ところが、この国は単年度決算で4月始まり3月決算で
その処理で5月6月は怒濤の日々になりがちです。

今年成し遂げたい、と思っていることがあったら
是非、まだ暑くならず日も長いこの6月を
上手に使って、残り半年にうまく繋げてください。

紫陽花だけではない梅雨時の花や実

梅雨と言えば「紫陽花」。
「紫陽花」が色づき始めると、
ああもう梅雨の季節ね、と思うくらい定番です。

しかし、この季節、気をつけて見ていると
様々な花が咲いたり実がなったりする季節でもあります。

今日は、ユスラウメとキンシバイのスケッチです。

ユスラウメ

ユスラウメ

キンシバイ

キンシバイ

キンシバイの花は巴(ともえ)状に重なりあうのが特徴です。
キンシバイに似た花にビヨウヤナギがあります。
もう少し葉が長く、花が反り返るように開平し、
多数の雄シベがつき、公園や駅の植え込みなどでよく見かけます。
どちらも中国が原産。

また、コデマリのピンク版と言ったおもむきのシモツケもこの時期。
花が細かいので、描くのが大変。
今年は描く時間が作れないかも……。

梅酒に使う青梅も6月の上旬だけ。
上のユスラウメはツヤツヤとしてサクランボを小さくしたような実で、
食べられますけど、実が小さくて食べ甲斐はないです。
アンズも今山吹色の実をつけています。

これから、サクランボや枇杷も出回りますね。
実りの秋、というけれど、この時期も楽しみがいっぱい。

蔓延るのであまり好まれないコヒルガオの薄いモモ色や
繁殖力旺盛のドクダミの白い十字の花も
少しあると、緑に映えてとてもキレイだし、
ムラサキツユクサの青紫や、ムラサキカタバミの赤紫色
も小さくて可愛いです。

桜がソメイヨシノばかりになってしまうのがつまらないのと同じで
梅雨も紫陽花ばかりではつまらない。
是非是非あちこち気にかけて歩いてみて下さい。

そうそう、雨上がりの朝は、
シダの緑色が特段にキレイです。
都会だと、イヌワラビをよく見かけます。
もし、銀色に光っているシダがあったら、それは
「ニシキシダ」というイヌワラビの一種です。

是非シダも気にかけてね。
日本はシダの宝庫。
梅雨は特にきれいです。

では。