月別アーカイブ: 2013年2月

ルーブル美術館の秘密

今日は「パリ・ルーヴル美術館の秘密」というドキュメンタリー映画のご紹介です。
DVDが出ているようですが、中古しかないみたいなのが残念ですね。

ヨーロッパ文化の(そして多分政治や外交にも通じる)強さと精神の厚さの秘密に迫る秀逸なドキュメンタリーです。

絵や芸術に特段の関心がない人でも、面白く見られる映画です。
ただ、中古が高いので、地域の図書館などで借りられると良いですね。

内容は、ルーブル美術館の裏方の取材です。
ルーブル美術館について何かを語るのは不要でしょうが、しかし、美術館がどのように運営されているかは、意外に知られていません。

あの巨大なルーブル美術館の展示室は実は、10キロ以上に渡る裏の廊下の方が長くて、迷路のようになっていて、一万段以上の階段があり、1200人もの人が働いているのだそうです。

ルーブル美術館は昔は宮殿でしたから、裏側があるのは当然ですが、その裏通りにまるで一つの街があるみたいです。

迷路の先の部屋でコツコツと古い絵を修復する人、
裏打ち職人や大理石職人に金メッキ師、
パルテノン神殿の柱のように巻かれた巨大な絵を前にどうやって運ぶか悩む人たち、
実に沢山の絵が立てかけられたり、巻かれて、保存されている倉庫の様子、
巨大な絵を乗せられる工事現場のようなエレベーター、
電気工事の担当者に音響の専門も、
そして夜だけ働く人たち、
消防士、
2800室分の鍵もあるので錠前師もいます。

ルーブル美術館の真の担い手は、モナリザやレンブラントの絵を守るこの専門家集団なのだ、と納得するはずです。

映像がきれいです。そしてほぼ全編で映像が主役です。コメントはほとんど入っていません。
ライトを使わずに撮ったという画像は柔らかです。
夜の場面は、美術館には昼間しか入れないのですから、実際には見ることの出来ない貴重な映像でしょう。夜ですら、監督はライトを当てなかったそうです。

監督のニコラス・フィリベールはドキュメンタリーでは実績がある人ですが、最初に頼まれた仕事の撮影にルーブルに行き、その仕事が終わってもしばらく許可なく撮り続けたというエピソードには驚きですし、許可が降りた後も美術館側から条件や圧力はなかったといいます。最も、ヨーロッパの美術館は基本的にフラッシュさえたかなければ写真撮影OKですし、許可を取れば模写も出来ます。教育機関としての位置づけがしっかりしているのだと思います。(日本だと国立民俗学博物館は写真撮影が出来たはずですが。)

ただ、それでは資金調達などが出来ないので許可を取り、それまでに撮影した画像を編集して企画書を作成して、「アンテンヌ2」と「ラ・セット」の二つのテレビ局から資金が出るようになり、撮影を継続したそうです。

ルーブルは別格としても、振り返って日本の美術館でも同じように運営されているはずです。
それを考えると、「文化の継承」とか「芸術の保存」と簡単に私たちは言うけれど、実はこういう地道な見えない仕事があってはじめて成り立つ言葉なのだと、実感出来る映画です。

「美大」というと作る側の輩出ばかりが脚光を浴びます。でも、こういう地味だけれど特殊な能力を必要とされる仕事にもっと脚光を浴びせていく必要があるでしょう。美術大学や文化庁などもこういう仕事をもっと創出し、広報していってほしいです。

その点、各地の美術館で「指定管理者制度」が取り入れられる事に問題はないでしょうか。ちなみに現在の導入状況はこちらのようで、やはり継続性が重要視される分野なのであまり進んではいないようですが。

ところで、監督のニコラス・フィリベールがパンフレットのインタビュー記事でこう述べています。

「残念ながら、多くの人が未だにドキュメンタリーとは「現実そのもの」で、客観的視点を持つもの、とかたくなに思い込んでいますが、すべての伝達行為が既に解釈行為だという事を忘れています」
と。

ドキュメンタリーだけではないでしょう。テレビも新聞も雑誌も映画もそしてネットも(もちろんこのブログも)、いわゆるメディアに乗った情報には「伝える側」の意図があるのです。
常にメディアに接するときはこの意識を持ちたいものだと思いました。

では。

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羊歯のエバンジェリスタ

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もうすぐ三月です。

春の味覚の代名詞にゼンマイやワラビがあります。でも、道端にワラビが生い茂っていると振り返られる事もなく雑草として片付けられてしまうし、ゼンマイが大きくなるとどんな葉になるのか知らない人もいるのは残念です。

kogomi
(これはクサソテツの芽のコゴミ)

時々デッサンに行く狭山にはなかなか良いシダスポットがあり、道端でゼンマイをデッサンしていると「ああこれがあのゼンマイですか」と言われることがあるくらいです。

確かにシダは雨の多い日本には特に梅雨があるので、「はびこる」のですが、食べるだけではなく是非その美しい緑も楽しんで欲しいと思います。

それでも、この美しいシダには熱烈なファンがいて「日本シダの会」という団体があり、専門家も愛好者も「シダを愛でる」という一点で集います。

また、園芸種は人気があります。
ハコネシダの一種のアジアンタムや、最近はリュウビンタイの盆栽も売られているのを良く見ます。やはりあの透き通るような緑とレースのような美しい葉に人々は魅せられるのでしょう。

是非是非、道端のシダも愛でて下さい。

私は最初はただただその美しい緑とレースのような繊細な葉を写し取りたくて描いていましたが、キチンと種類も同定して描けた方が良いなと思いはじめ「シダの会」に入会。今は勉強の真っ最中です。観察者としてはビギナーもビギナーです。

シダは花のような華やかさはないので、絵の脇役として取り上げられる以上の事はありません。私は羊歯のエバンジェリスタ、というのもおこがましいけれど、あの美しさを正面から捉えていきたいと思います。

今日の英語のブログにもシダの事を取り上げました。
良かったら読んで下さい。
I have always been attracted to the beauty of ferns.

幸い日本画には緑青などきれいな緑があってシダの表現にぴったりです。

下のデッサンが作品になると……。

上のデッサンはこちら
下のデッサンは、こちらです。

fernsketch

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2月前半のサムネイル

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ホームページに2月前半のサムネイルをピックアップしてのせました。

20130225

だんだんページがサムネイルで埋まって行くのを見るのはなかなか壮観です。

一年くらいしたら、人気投票をしてみようかな。(笑)

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ニャンともデュエット(6)家族の肖像/中

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猫の家族の肖像、の第二回目です。

今日は「おばさん」の話です。

catfamilycol

「おばさん」はサビとかベッコウ(鼈甲)と呼ばれる毛色で、顔も目も顎も三角の猫でした。可愛いというより黒豹のような精悍さがありました。

彼女はかなり辛い経験をして我が家にやって来ました。聞く所によると、生まれてすぐ他の兄弟と共に箱に入れられ捨てられていたのだそうです。ところが、あまり可愛くなかったので、たらい回しにされ、最後に来たのが我が家でした。既にかなり大きくなっていて、しかも、人間不信に陥って二週間以上シャーシャー言っていたので最初はケージに入れていました。

それでも不思議なことに「おばあさん」は全くシャーシャー言うことなく、最初から「おばさん」を受け入れてくれたので、私は飼うことに決めたのです。

「おばあさん」が「おばさん」の命の恩人かもしれません。
たらい回しにされて来たせいか、この「おばさん」がそれなりに我が家の猫になりきるには2年くらい掛かりました。
愛情薄く育ったものはなかなか心を開かないということなのでしょうか。結局彼女は、生涯人の手から食事をとる事は決してしなかったので、どの程度心を開いていたのかは疑問ですし、その事を彼女の晩年に私は思い知らされることになります。

「おばあさん」の方は、布団で一緒に寝ると嬉しい嬉しい、とゴロゴロ喉を鳴らすのが雷のようにうるさいほどのなつきようでしたから、本当に対照的でした。

さて、引っ越しなどありましたが、18年近くこの二匹が我が家の一員でした。15歳を過ぎると地元の獣医師会から見本的な飼い主として表彰状がもらえ、家にはそれが二枚あります。

「おばあさん」は12歳を過ぎた頃、老猫のバセドー氏病と言われる「甲状腺機能亢進症」に掛かります。手術をしないと半年の命、すれば5年は生き延びると言われ、私はペットにお金をかけるべきか、かなり悩みました。しかし当時は親の介護中で、いつも私を追っかけているのに余り「おばあさん」を構ってやれず、その事が気がかりだったので手術を受けることにしました。そして、獣医の言った通り5年後の2011年の2月、老衰で私の足下で「おばあさん」は静かに死んでいきました。

「おばあさん」が死ぬと「おばさん」は二度ワラシと言うか、家に来たときのように人間を拒否し始めました。「おばあさん」の存在が「おばさん」の盾になっていたことに私たち夫婦は思い知らされ、「おばさん」が一番安心するコーナーにケージを作り、以後、好きなようにさせたのです。「おばさん」は餌ときれいなトイレさえあれば安心して一日寝ていましたが、人間との接触は一才拒否。「おばあさん」が死んでから半年後には静かに死んでいきました。

ほどなく我が家には「お姉さん」がやってきます。
「お姉さん」と「いもうと」のいきさつはこちらにも少しありますが、次回詳しく書くことにしましょう。

最後に私のお気に入りの紹介。このカレンダーの写真は猫の飼い主、つまりプロでない人が撮った写真ですが、飼い主にしか撮れない写真ばかり。可愛いだけでないのがいいし、英語ですが添付のテキストも具体的で役に立つ内容です。例えば、「猫とドライブするときのコツ」なんてことが書いてあります。これは、本当に売れているみたいです。


では。

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英語のブログを始めてみました

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英語のホームページが出来たので、英語のブログも作ってみました。

英語は、得意じゃないけど、はじめてインターネットを使ったときから、使えないと(話せなくても)悔しい思いをするだろう、と思い、コツコツと勉強してきました。大変だったけど、インターネット見る度にモチベーションを確保出来たのは大きかったです。

このところようやく英文を塊として読めるようになってきました。

と言ってもほとんど仕事で使うわけじゃないし(全然じゃないけど)、レベルを維持するには、自分で使う機会を作らねばならないので、週に一回200ワードくらいなら、なんとかなりそうなので、ブログを作ってみました。

200ワードというのは、実は、某英語教室で1ポイントで添削してもらえる字数です。やはり、まだネイティブのチェックが入らないととても載せられないので。

今日上げた記事が180ワードくらいです。

二年くらい前からチェックしてもらったものがたまっているので、それも上げてしまおうと、いう魂胆。

ワードプレスを英語仕様に変えるのに、結構大変で疲れたので、絵は簡単なデッサンです。

皆さんよい週末を!

02130223

では。  

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春の風

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春一番が待ち遠しくなってきました。

dream003

そして、
マダムかよこのアトリエには、一足早く春一番がやってきました。

というのは、
先日リアルでおつきあいのある方達にこのブログやホームページのお知らせをメールや封書でお送りしたら、なつかしい方達から次々と温かいお言葉と共に返信が届いているのです。
また、新しく知己を得た方達も増えました。

みなさま、本当にありがとうございます。
そして、これからも是非ごひいきに、よろしくお願いいたします。

一方で、何通かの封書は「宛どころ訪ねありません」と赤いハンコと共に戻ってきました。
私は年賀状というものを出しそびれてしまう不届き者なので(毎年出さなきゃ、とは思うのですが……)、個展のお知らせが季節のご挨拶替わりでした。ところが、親の介護生活に入ってからは、個展を開くどころではないですから、多くの方と音信不通になってしまったのです。ほんとに皆さんごめんなさい。もしこのブログやサイトを見つけたら、是非ご連絡をいただけると嬉しいです。

この一ヶ月、無名の個人がサイトを作って運営するということは、企画から営業、広報まで自分でやるようなものだと痛感。でも、個人が何か仕掛けるのには当然限界があるので、目的をはっきりとさせて、自分が楽しみつつ自分のペースで淡々とやる、というスタンスを持ち続けることがサイト運営のコツかなあ、と思っています。

何しろ、私の場合、製品製作まで自分でやるわけですから。

時間管理能力がとても問われるな〜、とも思っています。
でも、毎日コツコツやるのが好きな私には向いているかもしれません。

また、少しずつでも描き続けて来たことの積み重ねの大きさも感じています。
ブログで今まで描いて来たデッサンをどんどん見てもらって空になるまで出し尽くす。そして乾いたスポンジが水を吸うように新たなインプットに拍車がかかる、言わばターボエンジンですね。過給器を搭載しながら走るとパワーが出る、みたいな感じでしょうか。

デッサンは筋トレ、ブログはターボエンジン。
圧力高めながら、いい絵を描いていきたいです。

今日は22日。毎月22日は「夫婦の日」だそうです。
だからというわけではないですが、最後に、いろいろな助言をしつつ励ましてくれる夫に感謝の言葉を送ります。このプロジェクトは、私一人では挫折していたに違いないのです。

では。

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意識と無意識、線と塊

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わかりやすい絵の話、というカテゴリーを作り、絵について表現について書いていきます。自分の考えをまとめる意味もありますので、少しずつ言っている内容が変化していくかもしれません。

トップページの「やさしい絵画論」にもリンクさせていきます。

芸術に技術というのが重要であることはこちらの「見えるものと 見えないものと」という記事で触れました。

ここで書いたように、絵だけは技術がなくても通用しそうです。でも、それは事実でしょうか?
確かに、子どもの描いた絵に感動することがあるのですが、その絵には「意識」が入っていません。芸術が人間の営みである「意思」の歴史の中で捉えられる時、それは科学や思想と同じ捉えられ方をします。「意思」の無い科学や思想が無いのと同じに、意思の無い絵は芸術とは呼びません。つまり、子どもの絵は「芸術」ではないわけです。

しかし、私たちは心を揺さぶられることがある。なぜか。それは子が持つ無意識さが捉えた絵が、意識ばかりになった我々大人に隠れている根源的な感覚を呼び起こすからかもしれません。その子供たちの「無邪気さ」や「無垢さ」に私たちは感動するのでしょう。一方でその「無邪気さ」がとても残酷な行為いを引き起こす事もあります。そして、子どもの無邪気な絵というのは、一時期だけのことです。「子ども」という未発達がゆえの人間の本質を隠さない存在のみが捉えられる一瞬があるのだと思います。

ピカソなどはそれに気づいて作品に応用しているのです。

私は時々、人物クロッキーデッサンなどで、一ポーズ3分でモデルさんにお願いして、意識を消して手になりきる練習をします。3分で目の前の形を捉えるとしたら、考えている間など無いわけです。

そんな人物デッサン、特にクロッキーではさまざまな技法も試すことにします。
womantec

この写真の場合、描写時間は3分から20分まで。

技法の説明をすると、左上から時計回りに

チャコール鉛筆とクレヨン
鉛筆と水彩
色鉛筆
マーカー

womentec2

これはパステルだけでボリュームを出していて、西洋的な物の見方、という感じです。
西洋的な物の見方、とわざわざ言ったのには理由があります。

我が葛飾北斎は「北斎漫画」といって十五編の線描画集を残しました。
そしてそれらが、印象派のモネやゴーギャンに影響を与えた話はあまりにも有名です。

パソコンの進化でバーチャルリアリティが深化しています。その進歩は目覚ましいものがあるけど、立体的に見え本物らしいことだけが「絵」に求められることは淋しい気がします。やはり人間が3次元を切り取って2次元に表現する基本は「線」ではないか、と考えるのです。そして真にデッサン力がある、とすればそれは、線で描いても表現出来るはずなのです。

この「人物デッサンのすべて」という本はとても良い本ですが、基本的には「塊」という概念が中心です。

葛飾北斎がこういうデッサンの指南書を書いたら、どんなものになるだろう、というのはすごく興味深いことです。

日本で漫画が隆盛なのは実は、北斎翁の線描画がDNAとして連綿と続いているからかもしれません。

ただ、今の漫画はプロトタイプに落ちいってるものが多いのが残念。ダイヤモンドのような輝きを持つ大きな目と服からはみ出しそうな乳房、が闊歩しすぎてます。観察せずに描いているからでしょう。

そして最初の話に戻ると、「人と同じ」が重要な日本社会では、無意識が無くなった子供たちも似たようなアニメや漫画顔の絵ばかりを描くようになります。これは本当に残念だなあ、と最近思います。

だって、本当は子供たちの才能はこんなに豊か。「Doodle 4 Google 2012」子供たちの才能に脱帽、乾杯。

せっかく「クールジャパン」と売り出したりするアニメですから、大人ももっと豊かなこどもたちの才能に気づきましょう。そして育てて下さい。

ではでは。

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