今日の東京新聞第5面の投稿欄に
私の大学の大大々先輩、日本画家の堀文子さんが
「政府の暴走をとめよう」という投稿をされています。
著作権の関係で、そのスキャン画像を載せることは出来ませんが、
ツイッターで呟いている方がいたのでリンクを張っておきます。
https://twitter.com/soloshika/status/421119141211144192/photo/1
東京新聞は、秘密保護法「言わねばならないこと」という
各界のインタビュー記事の連載を一面に載せていて、
劇作家の平田オリザさんや作家の浅田次郎さん
も登場しています。
秘密保護法案審議の時には、各界から反対の声が上がりました。
私自身は
特定秘密保護法案に反対する音楽・美術・演劇・映像・出版など表現に関わる人の会10+ 件(略称:表現人の会)
に賛同しました。
しかし美術家集団の反応はあまり見かけない中、
今回の堀文子さんの画家個人による投稿に
私は勇気をもらいました。
堀さんは投稿の冒頭で、
国民に相談もせず、瞬く間に法案を通した政権の独断を許せないし、
これは治安維持法そのものだ、と述べられ、
そして、政府が憲法改正が難しいと思って、
平和を装いながらこの法案を作ったと喝破されています。
現行憲法に関しては
「私たちが得た平和憲法は、日本人の血と命から生まれた世界史に残る戦争放棄の誓いでした。」
と位置づけ、
最後に、今なら自民党の軍事路線を変えられるし、
それは今を生きる国民の義務で
賢い日本人になる必要がある、と言われています。
堀さんは、現在95歳。
80歳過ぎてからアマゾンに行ったり、
ヒマラヤに青いケシの花を描きに行ったり、
精力的に制作を続けておられます。
堀さんがすごいのは、
とにかく「ひとり」を生き抜かれていること。
もう少しお若い頃、軽井沢にひとりで住んでおられて、
わざわざ寒い冬にお風呂を隣家に借りに行くなど
自らを厳しい環境において制作されている姿が
すごいです。
人間は弱いものです。
私なんてへなちょこだから、
怠けて言い訳を探したりする。
ところが、311以降、
こんな私でも「孤独だな」と思うことがしばしば。
一番の原因は、原発事故や昨今の自民党政治で、
政治に関する考え方が
親しい友人との間でもかなりの乖離が生まれてしまったことでしょうか。
不思議なことに、ある程度距離を保ちながらつきあっている友人とは
あまり、その事で疎遠になったりしないのですが、
親しければ親しいほど、関係は難しいです。
しかし、「孤独だな」と思うけれど、
知ってしまったことは誤摩化せない。
でも、絵を描いていれば、
ひとりが平気なんですね。
結局、もう描いて行くしかないわけです。
私もこうやって描いて行けば、
堀さんの爪のアカを煎じて飲むくらいは出来るほどに
強くなれるかも。
堀さんが95歳ということは、
終戦を20代でむかえられています。
戦争をこの目で見た世代の重い言葉。
一世紀近くをひとりで生き抜いてきた女性の
平和と命への思いが詰まった絵。
私たち一人一人が噛み締めて
未来世代に平和な日本を手渡さなければ、
と強く思います。