カテゴリー別アーカイブ: アトリエ日記

シンプル時間管理術

スティーブン・コヴィーの「七つの習慣」は
ハウツーものとして古典の部類でしょうが、
私は読んだことはありません。

ただ、彼の時間管理の概念を取り入れたと
名うっている手帳を使っています。

たまたま自分の探していた手帳が
フランクリン・コヴィーという会社が
出しているもので、
5年くらい前に見つけてから、
気に入って、以来それを愛用しています。

それまでは、気に入った手帳がなくて
ずっと小さなカレンダーを手帳替わりに使っていたので、
持ち運びが不便でした。

私が使っている手帳はこれと、この年間フォーム

ちなみにこのサイトでは、
オンライントレーニングが受けられます。

このオンライントレーニングにも掲載されていますが、
この手帳の後ろに書いてある、時間管理方法が
シンプルでとても分かりやすいので、
私は物事の優先順位を決める時に
参考にしています。
今日はその話しを書きます。

ほんとうにシンプルです。
自分のやるべきこと、目の前のやるべきことを
①重要である か ②重要でない か
③緊急である か ④緊急でない か

と問い、
以下の4つのマトリックスに当てはめるのです。

A) ① + ③ → 重要かつ緊急である
B) ① + ④ → 重要だが緊急でない
c) ② + ③ → 重要でないが緊急である
D) ② + ④ → 重要でもないし緊急でもない

20130519

具体的に見て行きましょう。
A)重要かつ緊急である
○明日のプレゼン
○危機管理対応
○原稿の締切り

B)重要だが緊急でない
○日頃の勉強
○危機管理予防
○人間関係作り
○計画の見直し
○価値観の構築
○真の趣味

C)重要でないが緊急である
○一部の電話やメール、報告書など
○一部の会議
○雑事/片付け

D)重要でもないし緊急でもない
○テレビを見る
○ダラダラ電話
○内容のない仕事

となっています。

なおこの内容は
前述したようにフランクリンコヴィーのサイトにものっているものですが、
多少言葉は私なりの解釈に変換してあります。

「人生は時間で出来ている」とよく言います。
特にアメリカ式のタイム管理の考え方が広く知られるようになってきて
いかに時間を上手く使うか、が人生の命題みたいにすらなっています。

確かに時間は大切だし、時間は誰にも平等だけれど、
あんまりキッチリ管理した時間を生きると言うのも
「こなしている」感じで、私はあまり好きではありません。

でも、上に掲げたマトリックスだと、
重要かそうでないか、緊急かそうでないか、
をチェックするだけですし、
そしてなるべく自分が重要と思える時間を増やす。
位だったら、時間の奴隷になっている感じはしないでしょう。

特に重要なのが、B)重要だが緊急でないの部分でしょう。
A)が重要であることは誰にも分かりますが、
多分、B)の部分の充実が将来に響いてくると思います。
そのためにも、実行したことは忘れずに「記録」しておきたいですね。

で、なるべく一日のうちの頭の冴えてる時間に
B)を組み込んでおくことも大切です。

私は、テレビは見ないけど、ツイッターとかやっている時間が
結構長くてね。
へへへ……。

時間管理と言えば、セネカの「人生の短さについて」という
古典本があります。

セネカはローマ「ストア派」の哲学者で、皇帝ネロの先生となった人です。
ストア学派は「ストイック=禁欲的」の言葉の語源ともなっています。
こういう古典を読めば
ハウツー本のもとになる多くの理念がのっているような気がします。
特に、セネカはおすすめです。

これも、森有正の「木々は光を浴びて」と同じように、
本屋で出会ったもの。
岩波文庫版では題名が、「人生」ではなく「生」になっていますが、
私が買ったのは薄い単行本の岩波クラシックスでした。
字が小学生の教科書のように大きく、
一時間もあれば読めてしまうのですが、
とても大切なことの詰まった本でした。
中古で買えるようですね。

フランクリンコヴィーのサイトにも
哲学者セネカが紹介されています。

旅鳥と干潟のカニ

今日は、先日干潟で見たキョウジョシギ(京女鴫)
という旅鳥の絵をアップしておきます。
鳥の絵、久しぶりです。

シギやチドリはこの時期、
オーストラリアからシベリアめざして行く途中、
日本の干潟に寄って、小休止。
8月から9月には逆にシベリアの方から
オーストラリアに戻る途中で、また日本に寄るのね。
詳しくはこちらのサイトで見てみてね。
シギ、チドリ展

あの小さな身体で年に二回も地球を半周するのはすごい、
と思うけど、鳥は気流とか風に乗って上手に飛ぶのね。
省エネ体質。空飛び功者。(笑)
トビがキレイに螺旋を描いて上昇気流にのって
アッという間に空高くまで登る姿は見事です。

20130517

絵の中で
キョウジョシギが見ているのは
ヤマトオサガニ、と
小さなチゴガニ。
ほんとは両方ともキョウジョシギと比べて、
もう少し小さいけどね。

干潟のカニって、
ウェービングと言われるダンスをして可愛いんですよ〜。
どんなものか見たい人はこちらからどうぞ。

キョウジョシギの頭の上の蝶はアオスジアゲハ。
ほんとはレンゲ畑とかにいるけど、
チゴガニの甲の色と響いてキレイでしょ。

干潟の鳥を見に行く時は
双眼鏡を忘れずにね。

ではでは。

ゴスロリとバラ園の不思議な静けさ

いわゆる「ゴスロリ」の雰囲気を
制作に取り入れてみようと思い、
バラ園へスケッチに行ってきました。

もともと、ゴシックやアールヌーボーに限らず
装飾やオーナメント、レース模様は好きで、
本を見つけては買って来たり
自分の作品に取り入れています。
シダが好きなのも、
まるで生きた緑のレースだからです。

「ゴシック」+「ロリータ」が
若い人の間で「ゴスロリ」として人気が高い、
というのはごく最近知ったばかり。
チュチュやレースと黒の組み合わせは
豪華さと可愛さを兼ねています。

レースやオーナメントの本はあるし、
知らない世界じゃないし、
おばさんも、
「流行の、ゴスロリなるものに挑戦してみよう」
と思い立ち、
「ゴスロリなら、やっぱり薔薇よね〜」
「今、ちょうど薔薇の季節ね」
というわけで、昨日はバラ園に行ってきました。

薔薇は、品種によっては世話が大変で、
怠け者の私は育てたことはないですが、
実家には深紅のビロードのような薔薇があったし、
デッサンや作品にもしています。

20130511

またご近所の家では、この季節になると
つるバラや野バラのような小さな白い薔薇が
一斉に咲き出します。

実家ではその薔薇の消毒などしていませんでしたが
特に問題無く咲いていました。
ご近所の薔薇もそれ程、虫対策などしている様子はなく
それでも毎年きれいに咲いています。

・・・・

バラ園は見事でした。
一面、種々の薔薇が咲いていて、
ご婦人のグループやご夫婦で
日がな散策されていました。
きっと週末は人で溢れることでしょう。

その園ではバラコンクールの薔薇なども育てており
業者の人たちが丁寧に見て歩いていました。
私は一通り見て歩いたあとで
昼食をはさんで、一日スケッチをしていました。

しかし、描きだして2時間くらいしてから
ふと気がついたのです。
……なにかが違うのです。
例えば二週間くらい前に行ったレンゲ畑などを描いている時
徹底的に何かが違うのです。

とにかく静かなのです。
……、ああそうか、と思いました。
見せるためのバラだし、品種がいっぱいあり
多分消毒を頻繁にしているためなのか
あまり昆虫やチョウチョを見かけないのです。

これほどきれいに花が咲いているのに
虫たちがひっそりとしている、
そのために妙に静かだったのだと思います。
世話をしている園丁さんに尋ねたら
やはり、徹底して消毒を行っている、という事です。

キレイに手入れされてて
見た目はとてもきれいなんだけれど
本来の自然とは少し違う。
里山を描き慣れているからか、
不思議な静けさに感じてしまいました。

それでも、
ムクドリが私のまわりを走ったり飛んだりして
楽しませてくれました。
スケッチを夢中で描いていると、
気配がなくなるのか、ふと気がつくと
虫やチョウチョや鳥たちに
囲まれていることが、よくあります。

私は虫もチョウチョも鳥もいる「ゴスロリ」
を描いてみようと思いながら、家路につきました。
家に着く頃、ぽつぽつと雨が降ってきました。

今日の絵は、実家のバラを花瓶にさして描いたもの。
背景は金箔を用いています。
大きさはF12号。(たて60.6cm x よこ50.0cm)
この絵のもとのデッサンはこちらからご覧頂けます。
(リンク先の一番下にあります)

↓人の手が入ることによって豊かになる里山の話しはこちらからお読み頂けます。
庭の次は家庭菜園?

↓似たような記事/虫と花の話し。
野草を描くと昆虫がついてくる

レンゲ畑がなつかしい

今週は昔なつかしいレンゲ畑をスケッチしてきました。

ゲンゲ(紫雲英)とも言います。
漢字が示す通り、集まって咲くと紫の雲みたいです。

20130425

来月半ばには田んぼにするために、
田おこしの前に刈り取ってしまいますが、
連休中は見られると思います。

レンゲソウはマメ科の植物です。
マメ科の植物と共生する根粒菌によって
空気中の窒素を固定するので、
後で稲を植えるときに、
土の中の養分となる窒素量が増えるのです。
学校で習った「窒素、リン酸,カリ」のひとつです。

それにレンゲソウのハチミツは美味しいですよね。
身体の両脇に蜜をつけてミツバチが
飛んでいました。
おっ、仕事しているな、って、
それを横取りしちゃう人間は勝手に思ったり。

レンゲソウはキレイで美味しいわけです。(笑)

昔の人の知恵ってすごいなあ、と思います。
実はかなり古い時代に中国から持ち込まれたらしいです。

それから、アオスジアゲハもその鮮やかなブルーを
優雅に舞わせていて、
花のまさにその名の通りのレンゲ色と
キレイなコントラストを描いていました。

肥料になるし、可愛いし、
今年の秋には私の庭にも種を撒いてみよう、
と思い今から手帳に書き込んでおきました。
普通にネットで買えますね。

絵の中の黄色の花は、
ケキツネノボタン、という野草ですが、
毒があり、食べるのはもちろん、触るのも良くないそうです。
こんなに可愛いのに、残念。
田んぼのあぜ道には良く生えているので気をつけてね。

では。

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一年で、庭が大変身!

昨日は、雨が上がった後に、
我が家の坪庭の草むしりをしました。

草むしりには二つのコツがあります。
①抜く草を決めて草むしりをする。(選択的除草と言う)
②抜いた草は捨てずに土の上に置いておく。

実は……、

去年の今頃の我が家の庭は、
ドクダミとヤブカラシの天国でした。

ドクダミはその葉を乾燥させると
お茶が作れるなど役立つのですが、
実は根からアレロパシーと言って
他の植物の成長を阻害する物質を出すために
放っておくと他の植物が育たず、
ドクダミだらけになってしまいます。

昨年の春、夫に手伝ってもらって、
ドクダミとヤブカラシだけを半日かけて抜きました。
ドクダミは根が四方八方に巡らされているので、
端から引っ張ると、ズルズル根がついてきます。
抜いたドクダミは捨てずにその場に置いておきます。
それから、グラウンドカバーにシロツメクサの種をまいておきました。

その後は、気がついたら抜く程度でしたが、
一年経って今年の春は、見違えるほど違う庭になりました。

まずフキノトウが芽を出し、
ヒメオドリコソウとホトケノザが顔を出し、
ヒメジオンやタンポポが色を添え、

……と次々と可愛い野草で庭が彩られて行きました。

今は、シダが薄緑の葉を広げはじめ
ボタンのピンクと白いコデマリのコントラストが緑に映えています。
カラスノエンドウやカタバミも星をばらまいたように
小さな花を咲かせています。

20130417

また去年、ご縁があって頂いたホトトギスやシラン、ノギクが、
気がつくと2倍に増えて新芽を出しています。

昨年最初にそれらの宿根草を植える時に、
自分で野菜クズからつくって寝かせておいた堆肥を
少し混ぜて数日置いた後に、鉢から植え替え、
時々米のとぎ汁をやる程度でしたが、
去年はマツバボタンとノギク以外は咲きませんでした。

しかしどうでしょう。
気がついたら、ホトトギスもしっかり庭に根付いて、
しかも数を増やして新しい葉を出してくれました。

・・・・
実は最初に述べた草むしりのコツは、
ツイッターで知己を得た専門家の方から教わったのです。
この二つを心がけるだけで、草むしりが数倍楽になります。

①は抜く草を指定する事で、
あまり植物について知らない夫にも手伝ってもらえ
作業が捗りました。

さらに、②は
先生のお言葉を借りれば、以下のような効果があります。

地面に草を置いただけで、土壌昆虫やバクテリア、
ときにはミミズまで増えます。
草の繊維質は土の通気性をよくし、根を健全にするのです。
ほんとうはススキやヨシのように腐りにくいもののほうが
効果が高いのですが、腐るまで二年かかりますからね。

本当にその通りになりました。
我が家の庭が実証例です。
今日庭を掘り返したら、いろんな虫がいました。
ミミズにはまだお目にかかっていませんが。

もともと私は、
シダが好きで庭作りを始めました。

いわゆる人気のガーデニングは一年草が多く、
怠け者の私には向いていないので、
植えているものは宿根草や多年草のものばかり。

草むしりと、花掻き、時々の選定くらいですが、
今年は本当に情緒のある良い庭になりました。

まさにナチュラルガーデンです。
今年は庭にいる時間が増えそうです。

さて、こちらの本は、雑草と言われている植物の名前と写真、
それらとの楽しいつきあい方が書いてあります。

著者はオーガニックガーデンを得意とする植木屋さんご夫妻。
カタバミやヘビイチゴのような可愛い花をつけるものから
タケニグサやセイタカアワダチソウのように大きくなるものまで
写真付きで見分け方や対処法が掲載されています。
こちらも参考になるかもしれません。

ところで今日のデッサン、
今盛りの庭のボタンが今週二度目の登場です。
デッサンとはいえ、時間掛かってますから
何度でも見て頂きたいです。(笑)

他のボタンのデッサンはこちらからご覧頂けます。

英語の記事ですが、野草のスケッチをご覧頂けます。
Wildflowers Come Out One After Another

では。

シャクナゲと自然遺産の屋久島

ツツジやシャクナゲの季節がやってきました。

家のお隣に立派なシャクナゲがあって、いつも楽しませてもらっています。
これは西洋シャクナゲの一種で、
アジア原産のものがヨーロッパで品種改良された園芸種ようです。

右上を飛んでいるのは多分オオハナアブだと思います。
描いていると必ずやって来るのですが、
昆虫はなかなか覚えられないです。

最近は知らない花や鳥や昆虫は写真を撮るようにしていて、
あとから図鑑で調べます。
でも人に聞くのが一番早い。(笑)←これほんとう!
デジタルカメラだから出来ることですね〜。

20130405

日本の自生のシャクナゲのひとつにヤクシマシャクナゲがあります。
その名の通り屋久島で咲くのですが、
シャクナゲの季節は宿を取るのは大変で、見たことありません。

屋久島と言えば、縄文杉。
ただ、意外に知られていませんが、
屋久島が世界自然遺産になったのは、縄文杉があるからではないのです。

亜熱帯から冷温帯までの多様な植物相の垂直分布と
「人と自然の共生」のモデルとなりえる地である点、
などが評価されてのことです。

海岸にはガジュマルやメヒルギなどの亜熱帯の植物が生育し、
一歩山へ入って行くと照葉樹林で覆われ
さらに登ると屋久杉の森となり、
そのさきには空中湿原もあり、
九州一の高さの宮之浦岳を取り囲む山容は海に浮かぶアルプスで、
冬には雪がつもります。

島の中に沖縄から北海道まで日本中がすっぽり入っている感じですね。

海も潜れるし、きれいですよ〜。
一度晴れ渡った日に潜ったことがあります。
海の中に光の波が反射して,別世界でした。

また、孤島であることも、
豊かな自然が残った理由であることは確かでしょう。

実は、屋久島の電力はすべて水力で賄われています。
「人と自然の共生」が実践されている島なのですね。

屋久島の絵はこちらからどうぞ。

なお、屋久島登山はツアーでなければ、ガイドが必須です。
小さい島だけど、山の深さはアルプス並みです。
屋久島観光協会のサイト

中古しかないですけど、植物のことがばっちり。
屋久島にこれから行くかたは是非ご一読下さい。

山と渓谷社からはムックも出ているようです。

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気ままにドローイング

英語のサイトに最新記事をアップしました。

前回から英語のサイトは、
「ドローイング」と称した、いたずらがきで飾っています。

20130406

このいたずらがき、意味づけや形は全く考えず、
なるべく真っ白な気分で作業します。

コツは何も考えない、こと。
心の赴くまま……。

これがかなり難しいのです。
私たち、いろんなことに思いが捕われていますから。

でも、楽しい。
心が解放される感じです。

あなたもやってみませんか?

<やり方>
市販のハガキ大の紙、何でもいいです。
画用紙、和紙、色紙、水彩紙、などなど。

ハガキの大きさは絵手紙がちょうどいいのと同じで、
大きすぎないのがいいのです。

色鉛筆、クレヨン、筆ペン、サインペン、
好きなものを使ってやってみて下さい。

とにかく何でもいいから一色いろを置いてみる。
点でも線でも、丸でも四角でも。

そこにサインペンで線を入れてみる。
そうするともっと何かが必要な気がしてきます。

それを続けて行くと、何となく紙が色と線で埋まります。
それで良いのです。

昔、イラストレーターの黒田征太郎氏が「はやがき」
というのをやっていました。

考えないで腕の向くまま手の動くままに、アッという間に
絵を仕上げるのです。
その沢山のいたずらがきの個展の様子がネットに残っていました。
黒田征太郎の特別個展

量質変換の法則を見ているようですね。圧巻。

ではでは。

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