カテゴリー別アーカイブ: 二十四節気

二十四節気 処暑 行く夏を惜しむサギたち

久しぶりに、モノクロのスパッタリング技法による
鳥の絵をあげておきます。

20150825

手前がダイサギ、奥がアオサギ。

ちなみにシラサギ、というサギはいません。
白いサギは大きさによって、
コサギ
チュウサギ
ダイサギ

その名の通りの三種類に分かれます。
コサギは足の指が黄色く、
ダイサギはとにかく首が長い!
アオサギも首は長いけど、いっそう長いような感じ。

これから気温が下がりだすと
サギたちの長い首もS字型に曲がりだします。
鳥も寒くなると、肩をすぼめて(?)首を引っ込めるのです。(笑)

季節も、二十四節気は「処暑」。
太陽の黄経が150度になり、
少し暑さも和らいできます。
日の入りが早くなって来ているので、
気温以上に秋の風情が漂って来るころです。
虫の声も大きくなってきました。

↑この「暦の科学」は、国立天文台 暦計算室長 片山真人氏による、おすすめの一冊です。
暦は結局、地球と月と太陽の自転と公転で決まるのですが、
分りにくい3者の関係を図解と丁寧な説明でひもといてくれます。

来月9月は英語でセプテンバー、と言い、「September」と書きますが、
このSeptとは「7」のこと。

どうして9月なのに「7」なのか。

10月、11月、12月もそれぞれ、
本来は、Octo=8、Nove=9、Dice=10です。
タコは8本足でOctopus(オクトパス)。

では、なぜ8月ではなくて10月なのか。

そんなちょっとトリビアで楽しいお話も満載で、
目からウロコの暦の本です。

現在、当たり前の一週間や一ヶ月や一年の長さになるまで
人類は試行錯誤を繰り返して来たのです。

秋の空に澄み渡る月を愛でながら
宇宙の彼方の営みに思いを馳せて読むのも、
秋の夜長にふさわしいかもしれません。
(って書きながら、なんか聴いた事あるフレーズだなあ〜、
って思ったら、そう彼方から・・

ジェットストリーム、
ジェットストリーム、

って聞こえてきそう……)

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大暑 三十五候 「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」

今日はギラギラした太陽が出ていないので
なんとかなるだろうと、
真夏の花、ムクゲのデッサンに行ってきました。

20150729

しかし、私は甘かったです。
下手すれば熱中症にでもかかりそうなくらいの蒸し暑さ。

農作業帽をかぶり日傘をさし、
空にはかなり暑い雲がかかっているのに、
ただただ汗が出て、デッサンの紙までもジットリ。

それもそのはず、
7月29日から8月2日ぐらいまでの五日間は、
一年でも最も暑い「大暑」の次候「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」
に当たります。
「溽」ジョクという字はグーグル先生でもなかなか見つからない字ですが、
汗がじゅくじゅくにじみ出て来る感じがよく出た文字です。
ほんとうに、ただ立っているだけで、体中から汗がジワリ。

で、一計を案じて、近くに東屋があったので、
形をとるとそこへ行って水彩で色を付け、
乾くとまたムクゲのところに戻ってデッサンを続ける、
という感じでした。

ムクゲは、韓国の国花ですが、原産は中国。
非常に多くの園芸品種が作られていて、
私が描いたのは「白小輪」という種類のようでした。
私が一番描きたかった「宗旦(そうたん)」という種類がが見つからず、
それに一番近かかったので、選んだのでした。
「宗旦(そうたん)」はよくお茶席で使われ、
茶人の千宗旦から名付けたそうです。

ところが、帰りに入り口のポスターを見たらあるみたいなので、
暑さで見逃したかもですね。

postar

この暑さの中でも植物は元気で、
蓮は咲くし、スイレンももちろん、
モミジアオイも真っすぐな背筋から五弁の真っ赤な花を延ばしていました。

それでも、夏至から一ヶ月以上経っているので、
日暮れも少し早まっています。
時は巡る。
ほんとうに不思議です。
時間って何なのでしょうね。

過ぎ去った時間は戻らない、それだけは分るのですが。

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芒種/末候「梅子黄(うめのみきばむ)」

6月16日から21日までは、
24節気72候の「芒種(ぼうしゅ)」の末候第27候「梅子黄(うめのみきばむ)」です。
20150618

前回は小満の第24候「麦秋、至る」でした。
このペースだと、
72候を一巡するのに、3、4年かかりそう。(笑)
というわけで、気長におつきあいください。

さて、「芒種(ぼうしゅ)」の「芒(のぎ)」は
イネやムギなどイネ科の植物の持つ細いヒゲのような部分のことです。
wheat
この時期、ムギは刈り取り、イネは田植えです。

「梅子黄(うめのみきばむ)」はまさに青い梅が黄色く熟して来ること。
青梅には毒があるので、生では食べず、梅干しにしたり
梅酒にしたり。

私は、梅酒作りとともに、花から描いていたアンズを
絵にするだけではなくジャムにもしてみました。
黄色い花は「昼咲き月見草」。最近はエノテラ・レモンドロップ、という
洒落た名前がついています。
アンズも梅も露地物で栽培物ではないので、
余りキレイではありませんが、
ジャムにも梅酒にも特に問題はありませんでした。
20150618apricot

↓砂糖とレモン汁を入れて煮始めます。
20150618_1

↓結構アクが出ますね。丁寧に取ります。
20150618_2

↓20分くらいでほぼジャムになります。
20160618_3

出来上がり!
20150618_4

金柑ジャムのときのように、是非ラベルを作りたいと思っています。

参考サイト
暦生活

麦秋、至る。

wheat

麦が収穫されるこの時期を「麦秋」(ばくしゅう)と言います。
むぎあき、と訓読することもあるようです。

いい言葉ですね。

二十四節季(にじゅうしせっき)では、この時期、五月の下旬から6月4日くらいまでを
「小満」と呼びます。

二十四節季はさらに各節季が、初候、次候、末候、の5日ごとに分かれていて、
「麦秋、至る」は「小満」の末候。

麦の穂が金色になるから「秋」とも言うのでしょうが、
もともと「秋」という言葉には実りの時、という意味もあるそうです。

6月の梅雨に入る前、この時期はまさに実りのときでもあるのです。
ウメやアンズの実もこの時期です。
↓アンズの実。
20130610

3月に、昆虫の少ない時期、メジロがセッセと
アンズの花の間を飛び回っていました。

20150601mejiro

麦の秋が終わると、いよいよ田植えです。

大寒に トンボの枝先 春を待つ

俳句風の題名ですが、
今日1月20日は二十四節気(にじゅうしせっき)で言うと、一番寒いとされる「大寒」。
二十四節気は陰暦、と勘違いしそうです。しかし、
実は二十四節気は、太陽の運行をを元に一年をわけています。

陰暦は月の満ち欠けの28日を元にしています。
ただ、それだと、季節とのズレが出るので、
地球が太陽を公転する一年を24分割した二十四節気を目安としたようです。
もちろん実際には動いて見える太陽の運行をもとに
決めたのでしょう。
ですから、旧暦を正確に言うと「太陰太陽暦」となります。

一方、いま私たちが使っている新暦は
1582年ローマ法王グレゴリオ三世が導入したので
グレゴリオ暦、と呼ばれています。

すでに知られているように、二十四節気は立春から始まります。
その立春まであと2週間。
その来る春を待つかのようにトンボが擬態して越冬中のところを見ました。

ホソミオツネントンボ

このトンボは「ホソミオツネントンボ」というそうで、
オツネンは越年、つまり成虫で年を越す種類なのですね。
絵だとしっかりトンボだとわかるけど、
実際は長さ3.7〜4センチくらいで、
木の枝の色と同じなので、昆虫に詳しくないと見つけられません。
私ももちろんベテランの観察者に教えてもらいました。
その方曰く、3日前から同じところにいる、のだそうです。

夏にはキレイなブルーになるようで、
図鑑にはブルーの写真が載っていました。

今の時期は枝の茶色に擬態して、とても地味。
しかも、上の絵のように、
4枚の羽根が一ヶ所にキレイに畳まれ
からだの片側に寄せられ、離れたところから見ると
まさに小枝の延長にしか見えません。

人間世界の方は、冬の時代に入ったまま
立春が来ても春の雪解けが来るのか、と思われるような
混乱ぶりです。
すぐ不安定になる。
私は自然の営みに救われる日々です。

↓一年はなぜ365日なの?暦は人間の英知の賜物。国立天文台の暦計算室長の暦のあれこれ。

↓作詞家によるキラキラした言葉とキレイな挿絵。手元においておくと心が和むかも。

わたのはなしべひらく

ご存知のように、
「残暑お見舞い申し上げます」と言うのは、
二十四節気の立秋を境に暦の上では秋だからです。

立秋は8月7日あたり。
8月下旬になると、「処暑」。
処暑には「綿柎開く」という言葉があります。
「わたのはなしべひらく」と読みます。
綿のガクが開く頃、ということです。

で、今日は、綿の花が咲いている、と聞きつけて、
スケッチに行ってきました。

湿度が少なく日陰にいると風が気持ち良いのですが、
日が射しているところは、厳しい暑さです。

私の方も、いささか暑さ疲れをしているので、
炎天下にいるのはちょっときつかったです。

家の近くでは、センニンソウが満開で、それは
夕方日の沈む少し前に行って少しずつ描き進めていました。

デスクトップをネットに繋げないので、古い画像を取り出せないため、
あたらしいスケッチは、順次上げて行きます。

お楽しみにあれ。

ところで、あまりの暑さに、ペットボトルの飲料水も
持ち歩いていると、すぐぬるくなってしまいます。
明日は出かける、30度は越えそうだ、という前の晩に、
古いペットボトルに麦茶を8部目ほど入れて冷凍庫に
一晩置きます。

翌朝、すっかり氷の塊になって、持って歩いているうちに溶けて行く、
という具合。

暑い時に冷たい麦茶はおいしいですが、
意外に身体に負担になるので、飲み過ぎないように。

また、冷凍庫に入れる時、8部目にしないと氷が膨れちゃって大変です。

季節の変化の中で。

ちょっとブログ休もう、と思ったら
選挙やらなんやらであっという間に10日近くが経ってしまいました。

人間世界は、呆れるほど身勝手な人たちが
議員になり、カイケン、カイケン、
と言い出しましたが、
選挙が終わるのを待っていたかのような、
ふくいちの3号機の蒸気漏れのニュース。

自民党が勝ったのも、カイケンやTPPより、
自分達で増やした原発の後始末をやりなさい、
という事じゃないでしょうか。

さて、自然界は、そんな人間世界を尻目に
淡々と花が実になり、虫が脱皮し
季節が巡っています。

6月に植えた稲はすくすく成長中。
10日ほど前に稲の様子を見に行ったら、
ちょうどシオカラトンボが羽化したばかりの様子を描くことができました。

20130728

二十四節気で言えばいまは「大暑」。
一番暑い頃ですが、季節はしっかり動いていて、
もうススキも顔をのぞかせはじめています。

「アベノミクス」で一見景気が良くなった風で
「ねじれ解消」で、やりたいように出来る数を手にして、
今度は消費税増税を前にして、どんなキャンペーンを広げるのかな、
と思っていたら、
昨日、日経新聞を読んでいて見つけたのが、

「良いインフレ」

なるフレーズ。

既に円安で値上げが始まっているから、
その不満を抑え込む次なるキャンペーンは
これだろうと、直感!

しかし、非正規雇用がさらに増えている今、
賃金が上がらずにインフレになる事は
生活が苦しくなる事を意味します。

大勢は変わらなかったものの、
山本太郎の当選や都市部における共産党の躍進
などの選挙結果が意味するところは、
若者が動くと、変化が起きる、という事です。

自民大勝と言うけれど、
野党への投票総数の方が自民への投票総数より
500万票くらい多いのです。

静かな社会変化の胎動は起きているかもしれません。
目にははっきりとは見えないけれど、
暑さの中にも季節が少しずつ動くように。