税が給与から天引きのうちは民主主義は根付かない

この一週間、ほぼ毎日10時間くらい立ちっぱなしで
画面に向かっていたのでさすがに今日はお疲れ。
なんとか今週中に仕上げようと頑張りました。
まだ細かいところはいろいろあるけど
全貌は見えてきました。

こうやって積み上げながら、
少しずつ個展のためにの作品を溜めて行きます。
どれほどネットが発達し、ブログやホームページで
スキャンした作品を見てもらえても、
本物を見ることにはかないません。
これで今年前半の大きな目標はほぼクリアです。

制作中の作品のデッサン。 鳥の子和紙に木炭。モデルはヒカゲヘゴ

制作中の作品のデッサン。
鳥の子和紙に木炭。モデルはヒカゲヘゴ

てなわけで、6月もあと一週間。
6月は納税やら健康保険料やら年金の支払い通知書が届いたりする月ですが、
給与所得者(サラリーマン)は、ほとんどすべてが天引きされるので、
あまり関心が無いのではないでしょうか。
天引きされない人たちのところには、一年分の納付書が「ドン」と送られてきます。
その納付書を見るとほとんどの人が頭に血が上るはずです。

ところが、サラリーマンは月々天引きされるから、
自分がどの位払っているのか分かりにくくなります。
もちろん年末調整やらで源泉徴収票があとから、
総務部などから回って来るはずですけど、
もう払っているから、あまり注意して見ない人が多いのではないでしょうか。

今日、ツイッターで知ったのですが、この給与の天引き制度と言うのは
戦時中の制度なのだそうです。
徴兵で人手が不足していたという話で、戦時の応急措置だったそうです。

税務署からすれば、この代行徴収制度はやったらやめられないほど便利なはずです。
私は小さいとはいえ法人の事務をしていますから、
法人の源泉徴収制度も概観をわかっています。
本来は税吏がやるべき徴収事務を「取られる側」が替わりにやってくれるのですから、
税務署(財務省)は笑いが止まらないでしょう。

かくして、この制度は戦後70年経っても残り、
これのおかげで国民は税金へ意識が低くなり、
再配分に関しても、生活保護を叩いたりする割に
復興関連予算が横流しされることには甘くなる、
という歪んだ意識になりつつあります。

実は米国など先進国の多くは、自分で確定申告するので、
はるかに納税意識が高いようです。

政治とは、究極はイデオロギーでもなんでもなく、
この集めた税金の再配分の決め方そのものです。
納税意識が低いと、当然再配分にも意識が行かなくなります。
つまり、政治に意識が行かなくなります。
今日の都議会議員選挙の投票率も惨憺たるものだったようです。

政治の側からすれば、これほどラッキーな事はないでしょうから、
国が天引き制度をやめるとは思えません。

反対にいえば、天引き制度があるうちは
真の民主主義国家とは言えないのでしょう。
納税は「義務」だと思わされていますが、
実は「権利」なのだ、という考え方もあるようです。
だとすれば、私たちは「権利」を放棄していることになります。

多くのサラリーマンは、便利だから天引きでいいや、
と思っているかもしれませんが、
そう思っている間は、国や自治体はやりたい放題でしょうね。