カテゴリー別アーカイブ: 社会や時事関連

風景がきれいに見える交差点《ラウンドアバウト》に期待

交差点に信号を作らず、
円形のスペースを作る交差点「ラウンドアバウト」が
日本でも本格的に導入されるみたいです。

環状交差点ラウンドアバウト 来月施行 改正道交法で整備へ

以前、モンサンミッシェルにパリからバスで行った時
パリ市外を出ると、多くの交差点がこのラウンドアバウトで
「雰囲気良いなあ」と思っていました。

当時は私は「ロータリー」と呼んでいましたが、
交差点の真ん中のスペースや周りに花が植えられていてとてもきれいでした。
それに、信号がないため、景色がとてもスッキリと見えるのです。
特にフランスは平野の多い国ですから
牛が草を食むような広い牧草地に
ヤドリギのある雑木林が点々と連なっている様子は
映画の一シーンのようでした。

車両の交通量の少ない地方の町で
車が来ないのに赤信号で待たなくてはならないのは
時間の無駄だし、イライラするし、
信号に使われる電気代もバカになりません。
信号を作るために、田んぼの真ん中に建てられた不細工な
電信柱と信号機が、周りの景色に残念感を与えています。

だから日本でも交通量は少ないけれど車が必須な田舎こそ
その風光明媚な風景を生かす上にも
ラウンドアバウトを取り入れてほしいものだと思っていました。

リンク先のニュース記事では災害時の混乱減少など
もっぱら実利が説かれて道路交通法改正に至ったようですが、
確実に風景もきれいになると思いますね。

日本は自然はきれいなのに
人工物が風景を壊しているケースが多すぎます。

これを機会に、どぎつい色の広告の看板や
電信柱による風景の価値の減少などにも思いを馳せてもらいたいものです。
そして少しでも「景観」という概念が根付けばいいな、と思います。

憲法より閣議決定が上なんて、ありえない。

やはりこの事はしっかり書いておきます。

今、日本は大きな転機を迎えようとしています。
70年間守って来た
どの国も攻めない、誰も殺さない、
という憲法を、国が「解釈改憲」という邪道で葬り去ろうとしています。

いえ、
実際は政権による憲法違反の行為なのですから、
憲法を葬り去れるはずはないのですが、
既成事実でいろいろ進めようとしています。
国民は「既成事実に弱い」と舐められているのです。

この問題、
第一に私が許せないのは、
今の憲法には公務員(もちろん議員も入ります)は
憲法を尊守する事が義務づけられているのに、(憲法99条)
また改憲したい時には改憲できると書いてあるにもかかわらず、(憲法96条)
憲法改正を発議して国民的議論にするわけではなく、
閣議決定というインチキで、憲法違反をする事です。
閣議決定は閣僚17人で物事を決める事です。
あり得ないでしょう。

憲法より閣議決定が「格が上」なんて、法治国家じゃありえない。

とにかくルールに従わない姑息なやり方です。

私は9条は守るべきだと思うけれど
でも憲法改正を国民で議論し、国民投票の結果、(憲法96条)
9条改正が決まるのなら、引き下がるしかありません。

しかし、国民にはなるべく分からない形で
コソコソと憲法を無効に出来るかごとく振る舞うやり方は
到底許されるものではないです。

これのどこが「美しい国」なのか?

結局コソコソするという事は
やってはいけない、という事を政権は分かっているからなんですね。
だから泥棒猫のように行動するしかない。
自ら不正を白状しているようなものです。 

恥ずかしくないですかね?

【憲法98条】
①この憲法は、国の最高法規であって、その条項に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

さて、
もう一つ私がおかしいと思うのが
中国脅威論です。
今は普段あまり政治に関心を持たない人でも
「中国は覇権国家だから」と普通に言います。

私にはそれがすごく不思議に思えるのです。

中国には2度、行った事あります。
一度目は北京、1998年くらいだったと思います。
2度目は皆既月食を見に上海郊外に行ったのですから
2009年の7月でした。

中国はとにかく大きいのです、全てが。
アメリカのワシントンに行った時にも感じましたが、
大陸というのは、やはり想像を絶する大きさがあります。

もちろん、大きい、というだけである種の脅威になりえます。
でも、その時私が思ったのは、
彼らの発想はわれわれ日本人とはかなり違うものになるだろう、
ということです。

ところで、私はテレビはほとんど見ませんが、
街を歩く時には人や町並みの変化を敏感に読み取るようにしています。

今、都心に行くと、どこもかしこも海外からの観光客で溢れています。
例えば銀座。
マックストア、伊東屋の万年筆売り場、
鳩居堂のカード売り場、ユニクロのビル、
松屋や三越の店内、
ベルサーチやシャネルのブランドビル、……etc。
新宿だって、伊勢丹の売り場は2.3割くらいが観光客です。
渋谷の東横のフードショーのイートインには
観光客が並んでいます。
アイスクリームを食べている海外からのカップルもいる。

この5月の海外からの観光客は
前年同月比25.3%増の109万7千人
だそうです。

観光客は世界中からです。
これは311以前には無かった事ですが、
山手線に乗っているとイタリア語、スペイン語、フランス語も聞こえてきます。
中国語や韓国語はもう当たり前です。

経済は正直です。
しかも日本政府が観光客誘致に一生懸命で、
実際海外からのお客が増えているのに、
中国脅威論、って言ってる事も自己矛盾です。

私が中国の政治家なら、
世界中から観光客が来ている国を攻撃したりしませんね。
ましてや自国の民も大挙して押し寄せているのです。
中国からの観光客は16万5千人、103%の伸び率って前年の倍ですよ。

それに、中国はヨーロッパとも関係を深めようとしています。
ヨーロッパから観光に来ている人たちを
危険に陥れる行為を取るはずがありません。
経済でいえば、アジアは華僑の力が強い。
アジアの国々との摩擦はあるようだけれど、
華僑がやりにくい事をむやみに押し進めるとも思えない。

中国が良い国なんて思わないし、
環境問題も酷い。
でも「中国怖い」脅威論は
なんだか、日本からの視点だけで作られているみたいな気がします。

そして、
「憲法より閣議決定が上」なんて、ありえないのですから、
キッチリとNOを言っていきましょう。

6月30日官邸前緊急抗議があります。

家族だからこそ「バカ」と言ってはいけない

以前から気になることがあります。
家族に平気で「バカ」と言うことです。

かなり前、近所の方に絵を教えていたことがあり、
その時、度々主婦の方から
「主人にお前はバカだから、って言われちゃうんですよ〜」
と嬉しそうに話すのを聞かされ、
いつも不思議だったのです。

友人に言わせると「アレは夫自慢の一種」という事なのですが、
自分を貶めることが夫自慢になるのか、私は不思議でした。

半年くらい前のことですが、
土曜開庁している区役所の出張所に書類を取りに行った時、
椅子に座って書類が出て来るのをまっていたら、
すぐ近くから
「お前バカだな、そんなこともわかんないの?」という声が突然聞こえ
飛び上がりそうになりました。

30代後半のご夫婦でした。
書類の説明をご主人がしているらしいのですが、
奥さんはなかなか飲み込めないようでした。
しかし、あの公共の場で「お前バカだな」と言われた奥さんは
どんな気持ちになったことでしょう。

二三日前には、父親が小学校低学年の子どもに
「バーカ」と言っているところに出くわしてしまいました。

夕方、まだ自転車にうまく乗れない子どもと一緒の父親でした。
子どもは女の子で、フラフラしながら、
お父さんの自転車に追いつこうと一生懸命です。
そこへ車が後ろからやってきました。

父親は「気をつけろ」のつもりでしょうが「バーカ」と娘さんに言いました。

案の定、こどもはパニックになって
自転車を上手く乗りこなせません。
狭い裏道でしたから、自動車がとまって待っていました。

危険であれば、「危ない」とか「左に寄って」あるいは「止まって」
と言えばいいだけで、「バーカ」は余計です。

男性の中には、多分、「「バカ」と言うのは愛情表現の一種だ」くらいに
思っている方も多いのかもしれません。

でもどうなんでしょう。
人間って、そう思ってなくても、口に出して言っていると
だんだんその気になったり、
自分で自分に思い込んだりするようになるもんではないでしょうか。

都議会で、 塩村文夏都議(35)が、
質問に立った時「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」と
男性都議からヤジを飛ばされた件は、抗議の電話が千件以上いっているようです。
当然と言えば当然です。

しかし、正直言ってウンザリです。
この程度の人権意識も無い人たちに
私達の代表として税金から俸給が支払われていると思うと
ガックリです。

この塩村議員の件「セクハラだ」とも言えますが、
基本的には人権問題でしょう。
結婚や出産は個人の問題です。
だいたい「セクハラ」という言い方事体が
揶揄めいた響きを持っていて嫌いです。
「ほんとはセクハラなんて気にしたくないんだけど最近やたらそういうのうるさいから気にしてやっている」的なニュアンスです。

こんな風に
公共の場で他者の人権を尊重できない人は
家では家族とどのように接しているのでしょうか。

人間は毎日毎日の行動がふとしたことで
露になります。

私が就職したての20代初め、
営業と上司の課長2人と話していた時にプライベートな話になり
「嫁さんまた妊娠してさ、さっさとおろしてこいと言ったんですよ」
と営業の課長が言い出た時には目が飛び出ましたが、
なんだかそのころと男性の意識ってどのくらい変わったのかなあ、
と、塩村都議の件で思ったわけです。

日本の少子化は宜なるかな、です。

可能な女性は、日本から逃げればいいし、
出来ない女性は、とにかく個人的に人権意識のある男性と
繋がっていくことでしょうね。

私は、いま家庭でストレスを感じることはほとんどありません。
でも、そうなるまでには、何かあっても決して「バカ」とお互い言わなかったし、
私自身は受け入れられないことがあると、
1)何が受け入れられないか、
2)なぜ受け入れられないか、
3)相手にどうして欲しいか、
をキチンと話してきました。

家族だからこそ「バカ」とは言ってはいけないと思います。
もちろん女性(妻や母親)もですよ。

そんなところから直していかないと議会の下品なヤジも
根絶されない気がします。

ウミウの警告を無視した東電

先日の日曜日6月1日に、
フリージャーナリストのまさのあつこさんの
ふくいち報告を聞いてきました。

まさのあつこさんのブログ

まさのさんは、去る2月21日に
フォトジャーナリスト山本宗補さんとともに、
ふくいちのサイトに入っています。

写真はフリー枠で一台という事で
山本宗補さんのブログにたくさん公開されています。

まさのさんは河川行政が専門で博士号も取っている方。
八ツ場ダムもずっと追っています。
私は10年ほど前ちょっとしたことで知己をえていて
全然知らない方ではないので、良くブログも読んでいました。

ブログでふくいちに行ったことを書かれていて
お話を聞く機会があれば、是非聞きたいと思っていました。
今回は「気候女子トーク」という温暖化問題のイベントでした。

今回のまさのさんのお話で、私自身、非常に興味深かったのが、
「ウミウの巣とそれを発見した地質学者の警告を東電が無視した」
という話でした。

福島第一原子力発電所の建設された場所は、建設される前は、
長者原といわれる海面から40メートルくらい切り立った崖の上の台地でした。
第二次大戦中は少年航空兵の訓練用の飛行場だったそうです。

しかし、誰もが知っているように、今のふくいちは海岸から直接入れる場所にあります。
実は東電が、ある地質学者の警告を無視して、崖を切り崩して建てたからです。

ある学者とは関陽太郎埼玉大学名誉教授のことで、
まさのさんは取材に訪れています。

それによりますと、関名誉教授は1964年、長者原の下の富岡層の調査に度々訪れていたそうです。
その調査中、岸壁にとりついて試料を集めている時に、
海面から25メートルくらいのところに「ウミウ」の巣が並んでいるのを発見したそうです。

漁師に聞くと「津波経験からあそこに作っているのではないか」
と言っていたそうです。

同時期、東電がふくいちを作る為のボーリング調査をしていて、
それを試料として貰い受けに行った時、
崖を切り下げる話しを聞いたので、
ウミウの巣の話しして「津波が来たらどうするのか」と
後の副社長となる豊田正敏氏に意見したそうですが、
聞き入れられなかったと。

「高い津波が来るという証拠はない」
「東京電力で、東京土木ではない」
「鳥の保護に使う金はない」
などと言われたそうです。

そして、その切り下げた崖の残土を積んだところに
「夜の森線27号鉄塔」を建設。
地震であえなく倒壊し電源喪失の一因になった、のだそうです。

この電源喪失の話しは、実はかなり複雑です。
まさのさんが「週刊金曜日5月16日号(991号)」にレポートしているので
ご興味のある方は是非レポートを読んで頂きたいと思います。

「ウ」には、「カワウ」と「ウミウ」がいます。
カワウは東京周辺でもたくさん見られるし、
スカイツリーがカワウに糞だらけにされたという話しまであるほどです。
なお、長良川の鵜飼いは「ウミウ」の方です。

少し調べて見たら、「ウ」でも「カワウ」と「ウミウ」は
生息域が違うのですね。
私のもっている日本の野鳥 (山渓ハンディ図鑑)
によると、

「カワウ」は
「内湾や湖沼、河川、池など」

一方「ウミウ」は
「岩棚や、岩場のある海岸付近の海上。
局地的だが河川にも入る」
とあります。

写真を見る限り、カワウとウミウの違いはあまり無く
ウミウは飛翔時に羽がやや後方に付いているように見えるらしい。
泳ぐときも身体を沈めて泳ぐのは一緒みたいです。
下の絵はカワウですが、こんな感じでウミウも泳ぐのでしょうか。

20140604cormorant

それにしても
鳥に限りませんが、野性の動物の能力は
想像を絶するものがあります。

3000キロを休まず飛ぶ鳥とか
南北アメリカを縦断するチョウチョとか
あげたら枚挙のいとまがありません。

今となっては、後悔先に立たずですが、
ウミウが津波を知っていた可能性は多いにあります。
「自然保護」というのは実は「人類保護」に繋がるのかもしれません。

再稼動に前のめりになる政治家のおじさんたち。そして
この秋にはリニアの工事も着工なんていう話しも聞きます。
地下水脈を断ち、国土をボロボロにすることは、
私たち自身に帰ってくるような気がします。

女性の貧困

311以降、いくつかのはっきりした事の一つに
この国の男性中心社会の根深さがあります。

私自身は年齢なりの経験から、
そのことはイヤと言うほど思い知らされています。
直近でも、2月には小さな国際会議に参加しました。
途上国も欧米も参加企業の男女の構成比は半々で、
女性もプレゼンターとして話します。

しかし、日本だけ、ネズミ色の背広の男性集団なのです。
多分これは、企業集団において顕著です。
官僚やアカデミーでは、以前に比べ女性の幹部は増えているように感じます。
また、赤松良子氏や緒方貞子氏のようにトップを極める
女性は数えるほどですが、いないわけではありません。

しかし、そういうエリートではなく、
ごく普通の企業や小さな組織、そして政治(特に地方政治)は
ほんとうに女性の進出が遅れている、
と感じますし、実際、OECDなどからも是正勧告がでているようです。

で、7月に政府の対応が大綱で出されるようですが、
しかし、現実は、私の想像以上に過酷だと思い知らされました。

昨日の深夜、NHKスペシャルの
調査報告「女性たちの貧困 ~”新たな連鎖”の衝撃~」
の再放送を見ました。

普通の生活が出来ない女性が増えているのです。
これはほんとうに衝撃の内容でした。
またNHKの取り上げ方にも驚きを禁じ得ません。

番組の冒頭で日本女性の貧困が深刻な事を
数字で示します。
OECDの中で、日本女性の貧困率は50.8%で33位。最低です。

年収200万円以下が289万人。
6割が非正規雇用。
15才から34才の女性にいたっては、200万円未満が81.5%。

番組では、何人かの19才の女性が出て来ますが、
どの女性も過酷な生活を生きています。
ほとんどが母親が離婚していたり、
自分が離婚していたりします。

たとえば、最初に出てくる19才の女性(Aさんとしましょう)は
朝5時からコンビニで働いて月8万円稼ぎ、
49才のコールセンターで働くお母さんを助け、
通信制の高校で勉強し、一日500円の食費で家族の食事も作ります。

また、愛媛の大学に自力で行っている19才の女性(Bさん)は
休みの度に時給の高い東京に出稼ぎに出て来て
学費を稼ぎます。
43才のお母さんは、離婚後ビデオ店で週5日、
夜は弁当屋で9時まで働いて、月15万円がやっと。
電話でお互いを気遣います。見ているだけで涙が出そうです。

しかし、もっと衝撃的なのが、
ネットカフェで暮らす母親と19才と14才の姉妹。
ネットカフェで母子が暮らすなんて、想像を超えています。
その姉妹は、一日に一食コンビニ弁当を2人で食べるのです。
14才がネットカフェで暮らすなんて、
児童福祉とか児童保護法とかどうなっているんだ、という感じです。

さすがに、再放送時には
「現在姉妹は保護施設にいます」というテロップが出ていましたが。

しかし、放送ではさらりと言いますが、
驚くべき事に、
ネットカフェの長期滞在者の7割が女性だそうです。
住民票をそのビルに移せて郵便も受け取れるそうです。

番組の途中から、私の頭にはむくむくと疑問がわき出します。
「父親はどうしているんだろう?」
子どもは女親だけでは生まれない、
父親は何しているのだろう?
離婚したら、全部母親に押っつけて養育費も出さないのか、
という点です。

知人の離婚した女性は、都営住宅でつましい生活を送っていましたが、
子どもの養育費は18才までは父親が出して、受け取っていました。
多くの母親は受け取っていないのですね。

27才の三才のお子さんのいる女性は
一人親世帯の資格助成の制度を使うのですが、
資格を取っている間の生活を楽にしようと
頑張ったおかげで、助成金が減らされ、かえって暮らしが大変になります。
なんと言う制度!

で、もう一つの私の疑問がここで湧きます。最初に出て来た
Aさんも、この27才のお母さんも資格を取ろうと頑張るのですが、
何故か、資格というと、保育士ばかりです。
たまたまなのでしょうか。
保育士の専門学校の学費が三年間で300万円と意外に高いのですね。

保育士は立派な仕事だけれど、
少子化だし、将来のキャリアを考えたら、
もっと、IT技術とか、プログラム作りとか
キャリアに繋がるなるような事も選択肢に出来ないのでしょうか。

番組でコメンテータとして出て来た中央大学の教授が
資格を取ってピンチをチャンスに、
みたいな事を言っていたのにも驚きました。
もし本当にそう思うなら、もっと女性たちにいろんな情報を出してほしい。

それから、24才の大学出の女性は、
奨学金500万円の借金を抱えながら、
就職ができず、アルバイトをしています。
ここでも、お金の問題です。

というか、結局、一人の人間が自立できるようになるには
一定のお金をかけなければならないわけです。
今の日本の母子家庭ではお母さんの年金すら払えません。

すごいのは、最初に出て来たAさんは
保育士の資格の学校にはいる為に、自分で入学式用のスーツを買います。
立派だとは思うのですが、
しかし、放送では、彼女が頑張っている、と伝えるだけです。
ほんとうは、彼女はそこまでしなくても
好きな勉強を出来る状態にするのが、国であり
社会制度のはずなのに、その事は言いません。

最低限の健康な生活を送る権利が国民にはあり、
その事は憲法で明言されていますし、
国はそのために努力しなければならないのです。

NHKは、生活保護制度や年金補填制度などについてすらも伝えません。
生活保護制度を改悪したり額を減らしている政権に配慮したのだ
と思われても仕方のない番組作りです。

日本女性は男性の7割の賃金しか受け取っていません。

しかし、一旦、子どもを持って離婚をすると
すべてが母親の肩にかかります。
先に言ったように、
父親はどうしているのでしょう。

番組の最後の方で、妊娠したのに
パートナーの男性の同意が得られず、
生まれて来る子を里親に出す女性の話しが出て来ます。

テレビでは、タレントの「出来ちゃった婚」が派手に伝えられます。
そして多くは離婚しますが、彼女達は
再び稼げるからいいけれど、普通の女性は
万が一離婚したら、育児と生活で困窮して行きます。

例えば、離婚しても子どもの養育費は、
一定額男親の給料から天引きにするとしたらどうでしょう。
男性も、もう少し女性との付き合いに慎重になるのではないでしょうか。

また、母子家庭には、子どもが学業を終えるまでだけでも、
住居を提供したらどうでしょう。

この番組を見て、いちばんに思うのは、
これほど男性中心社会なのに
男性の責任が全く問題にされないのは、おかしい、という事でした。

もしかすると、逆なのかもしれませんね。
原発事故などを見ても分かるように
責任を取る、という意識が日本男性に根付いてないのかもしれません。

学校での性教育なども敬遠されがちな日本ですが、
妊娠出産が女性しか出来ない事実を
社会全体が受け止めて、男性も、自分が関わる女性の
人生を左右する事に思いを馳せられるように
なって欲しいです。

若い女はセクシーでいなければいけないが
痴漢にあうのはセクシーにしすぎるのが悪いから。
結婚したら、いつ子どもを産むのかと周りから圧力をうけ、
子を生んでも、バギーで電車に乗ると邪魔者扱いされ、
子育て中に何かあれば非難され、
でもいつまでも若くきれいでなければ女ではないと煽られ、
生活に疲れれば、ばばあ呼ばわりされ、
年を取れば、夫の親の面倒まで見ろ、と言われる。

結局、日本が少子化なのは、
基本的な男女間の性の問題があまりに認識されていないうえに
女性だけが、多くを背負わされる事への
女性自身の暗黙のストライキなんだと思います。

いろいろ改悪されている、とはいえ、
日本には福祉制度はまだまだあります。
申請しなければならないシステムが多いはずですが、
でも、権利は使いましょう。

いろんな権利も使って行かないと、
国は必要ないと判断して、無くそうとします。

生活保護だけではなく、年金も補填制度があるし、
私たち女性も、もっともっと情報を集めましょう。

では。

 

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個展をやります。
<7月16日から21日>
テーマは「KIDS & NATURE」です。
原宿 積雲画廊

都美館の作品撤去要請と宙に浮く「石」

雪の影響もあったのですが、少し難儀な作業に取りかかっていて、
スケッチに行くことが出来ず、新しい画像があげられません。

3月の半ばくらいまでこんな状態が続くかもしれません。

記事も気になる事はいろいろあるけど、
アトリエ日記としては気になるのが、
都美館の作品撤去要請のニュースでした。

都美術館作品撤去要請 撤回求め署名活動

私もこの署名には署名しましたが、
同時にいろんな視点からも考えてみたいと思っています。

もちろん、ここでは第一義的に「表現の自由」が問われるわけです。
今回政治的である事が忌諱されているわけですが、
そもそも、政治的でない事が世の中にどれほどあるのか、
とは思うわけです。

個人の恋愛を扱うだけなら、政治的でないかもしれませんが、
個人と言えども社会と接点を持っている以上
日々、政治的に思考しなくても、
政治的存在である事はむしろ当然だと思えます。

税を払う行為も、学校に行く行為も、
国家というシステムの中で運用されており、
その国家というシステムの運用方法を決めるのが
政治なのですから。

私たち日本人は、ことさらに政治に関わる事を避けるように
教育されますが、実はこれ自体が、実に政治的な側面を持ちます。

つまり政治に関わらないでいてくれたら楽だという
政治や行政の「政治的な」思惑以外何ものでもないからです。

その事は端に置いておいても、
自分の作品を社会に発表する時点で、
ある程度の社会性は内包していて、
社会性には当然政治性も含まれているから、
作品を世に問うた時点で多少の「政治性」は
作者が意図しなくても、
見る人によっては生まれます。

今回は、美術館側が、見る側の気持ちを
「政治性」と言う言葉で忖度した結果が
撤去要請だったのだろうと思います。
だから、私は、署名をしたのですが……。

「……が。」と言うのには訳があります。
もちろん撤去要請撤回に署名したのは、政権が変わるたびに
忖度されて「政治性」が問題になる事が、
「表現の自由」からはあり得ないからですが、
しかし、撤去要請を受けた作品自体を写真で見た時、
その「表現」に諸手を上げて賛成、とは思えなかったからです。

本当は実物を見ないで論評は避けたいのですが、
どうやら、灰色のカマクラみたいな半円形のオブジェに
ペタペタと新聞の切り抜きや「反戦」と言ったような
直裁な言葉を書いた紙を貼っているようなのです。
立体コラージュとでもいうのでしょうか。

確かに今急激に政治が悪化していて、
思わず日頃の思いを貼ってしまったであろう事は想像に難くないし、
コラージュ自体は昔からある表現方法ではあります。

しかし、ネット見ただけでもキラ星のごとくの表現が溢れているこの時代に
あまりひねりも感じられず、格段に美しいとも思われない方法が
はたしてどの程度見る人の心を動かしたでしょうか。

実は反戦やら反核では、
U.G.サトーさんという作家さんが
面白いアイデアでポスターなどを作っています。

作品解説は ↓ こちらから読めます。
多面体U.G.サトー、笑いのDNA

そして今日、偶然に、
カナダのパフォーマー マイケル・グラブ (Michael Grab) の
「重力接着 (Gravity Glue)」
Gravity Glue
という作品を目にしました。

こちらからは動画が見られます。
【重力接着】「にわかには信じられん」はこのためにある言葉。石が奇跡のバランスで、あり得ない風景を作り出している

石を積み上げて行くだけなのに、すごく不思議な力を持っています。
重力とバランスだけでこういうことができるのですね。

一方、石ではなくて小枝や羽でバランスをとる日本女性も居ます。
Miyoko Shida Rigolo – an incredible performance

どちらもパフォーマンスとして素晴らしいけれど、
マイケル・グラブさんのパフォーマンスは
重い石が微妙なバランスで宙に浮いているかのごとくに見える点で
より見るものに異界を覗かせてくれるようです。

そして、重力と言うどこにでもあるものの力を
引き出してくれたような感じがするのと同時に、
万物とか森羅万象とかそういったものへの圧倒的な信頼感を感じました。

人間は飛行機を作ったり、宇宙探検に行ったり、いつもその重力から
解き放たれようとして来たけれど、
実はその重力自体がこれほどの神秘であったとは。

そういう事を思うと同時に、
マイケルさんの作った石のあまりの不思議な美しさに
戦争とか競争といったような事が
とても些末な事のように見えてきます。

もしかすると、人々から戦意を失わせるこの「表現」こそが
一番の「反戦」かもしれない、
と思うのです。

是非一度、この人のワークショップに参加したいものです。

関連記事
ルーブル美術館の秘密

↓ 現代アートって何?という人にお薦め。

↓ 美術館の役割は?という人にお薦め(子ども向けの初歩的な事が書いてありますが、学芸員の仕事など知らない人には案内になります)

「文明の転換点」のエバンジェリスタ

strawberry

ふって湧いたような都知事選。
そのふって湧いたチャンスに
細川護煕さんが立候補してくれました。

残念ながら、敗退したけれど、
ほぼ準備の無いまま、しかも「脱原発こそ文明の転換点」という
概念を掲げ、ゼロの状態から95万票を掘り起こしました。

選挙は勝たなければ意味はないのですが、それでも
今まで左翼の専売特許と思われていた「脱原発」に
保守が名乗りを上げた事の意味は
計り知れない影響力があると同時に、
実は同じように思っている人が、100万人近く居た、
という事実を可視化してくれました。

また、多くの文化人や有名人が応援として
名乗りを上げました。

これを「有名人を使うなんて、市民運動にあるまじき事」
と声を荒げる人も居るようです。
しかし、お金持ちも労働者も、無名も著名人も、声を上げないと、
「脱原発」という大仕事は成し遂げられ無いのではないでしょうか。

そしてなにより、「文明の転換」という
とても大きな目標が掲げられた事が今回の選挙の
最大の特徴だったと思います。

選挙というのは一種のポピュリズムですから
どうしても、「あれをやります」「これにお金回します」
という政策の提示になります。

もちろん、政治は税金の配分の問題ですから
当たり前です。

だから、反対にいうと、
今の生活を変えようよ、という方が遥かに勇気が必要だし
難しいわけです。

政治家として総理まで上り詰めて、悠々自適な生活を送っていた人が、
どうも変だぞ今の世の中、と
身を呈して日本の未来像を提示してくれたわけです。

今はグローバル企業が国家をも凌駕しようとして、
格差も広がっています。
それ自体も問題だけれど、
それを推進する人たちはすごく重要な事を
忘れている気がします。

地球は有限だ、という事です。

そして既に世界では、それに気づいて、
未来を見据えて新しい世界を作ろうと
多くの人が動き始めています。

日本も早くそういう新しい生き方にシフトして行こうじゃないか、
それでも、経済的にやって行ける、という新しい概念の提示だったのです。
脱原発はそのスタート、出発点。

残念ながら、新しい概念であったうえ、
メディアも「脱原発ワンイシュー」という矮小化に始終したので
消化不良の感は拭えませんが、
それでも、二週間の選挙戦で60回の街宣で20万人くらいの
人が演説を聴いています。

新しい価値の種はまかれ始めたばかり。
気づいたひと一人一人が、
もっともっと種を撒き、育てなければなりません。

でもこれは、確かに小泉さんが言うように
「夢のある仕事」なのです。

屋久島へ行って森の言霊を聞いたり、
里山公園でイネ作りをしたり、
鳥の美しさを描きとめたり、
といった今までの経験を生かしながら、
私もそんな夢のある仕事のエバンジェリスタになって行きたいな、
と思うのです。

以下にいくつか関連記事をまとめておきます。

小泉さんののオンカロ報告
↑56分位から40分ほど。非常にうまく原発の状況と自然エネルギーについてまとめています。

Listening:殿、次の一手は 東京都知事選で敗北、細川護熙元首相

脱原発は文明の転換を求める戦いです。日本人の生き方の問題です。ずっと訴えていかなくちゃいけない。うねりをもっともっと大きくしないと。小泉さんもまったく同じ思いです。

「小泉頼み、やめた方がいい」=脱原発、機運しぼまず-細川氏参謀・古賀茂明氏

「『原発即ゼロ』は、単なるエネルギー政策でなく、成長戦略でもある。欧米の企業が原発をやめて自然エネルギーに猛然とシフトしているのに、日本だけが原発に回帰しようとしている。今、競争力を持つ産業は自動車しかない中で、これから飛躍的に伸びる自然エネルギー産業に集中投資して勝負する。それによって雇用と所得を生み、福祉にもお金を回す循環をつくっていく考え方。鉄とコンクリートで自然を破壊する大量生産・大量消費型の成長の仕方から、脱原発で環境を維持しながら、生活水準も落とさない新しい生き方だ。ただ、そこが都民にきちんと伝わらなかった」

「現在既に『原発ゼロ』が実現していて一番大変な時だが、今後は自然エネルギーが増えて省エネが進み、どんどん楽になってくることを国民に認識・理解してもらうことが重要だ。原発ゼロはいばらの道ではない。風力、太陽光、バイオマスによって、疲弊した地域や山村に新しい産業が生まれ、大都市と地方が共存するシステムができる。脱原発は国の在り方を変えていく新しい時代の流れだという、『世界の常識』を浸透させていく必要がある」

ブログ「黒森庵の、こんくらい」さんから
感動の二週間の記録です。
2014都知事選日記。