カテゴリー別アーカイブ: 鳥の絵

鳥が羽をつくろう姿がカワイイ……見返りガモの図

久しぶりの「観察絵日記」です。
今日は、鳥の羽繕い(つくろい)を取り上げます。

猫が自分の身体や背中をなめるように
鳥も首をぐるりと背中に回して、嘴で自分の羽を整えます。
グルーミング(grooming)とも言いますね。

人間を含んだ哺乳類は頸椎が7つですが、

ケント紙にグラフィックペン

ケント紙にグラフィックペン

鳥にはこのように多数の頸椎があり、種類によって違い、
13個から25個くらいあるようです。
確かに骨格的には、猫より背中に首が回りそうです。(笑)

とはいえ、鳥が猿や猫のようにグルーミングすると発見したときは
驚くとともに、その姿がユーモラスであまりにカワイイので
いつか絵にしようと思っていました。

2014107kamo_mikaeri

これはカルガモです。
首を後ろに回してバランスを取るため、
尾羽を嘴の方に引き寄せているのが分かるでしょうか。
まるで「見返りガモ」の風情ですね。

カルガモは、カモ類で唯一渡りをしない留鳥です。
春に各地で、カルガモの親子が話題になりますね。
親鳥の後を小さな子ガモが隊列を作ってついて行く様は
可愛くて、思わずシャッターを切りたくなります。

8月の初めに子がもたちを見たときは、
もう親鳥とさほど変わらない大きさになっていましたが、
それでも、親鳥が陸から水に移動して泳ぎだすと、
次々とチャポンチャポンと水に入ってついて行ってました。

サギ類は更に長い首をS管のようにして羽繕いしているものもいます。
別の機会に是非描いてみたいと思います。

パンダは学ぶ、アオサギも学ぶ。

面白い記事を見つけました。
Giant panda fakes pregnancy ‘to receive nicer food and round-the-clock care’
この記事、中国で、
パンダが、妊娠すると良い餌と手厚い手当を受けられることを学習して、
妊娠を装って、まんまとエアコン付きの特別室に入って、
おいしいエサにありついていたという話です。

“Phantom pregnancies”(見せかけの妊娠)は
ジャイアントパンダではよくあることらしいですが、
このパンダは、世界で初めて出産をライブ放送する予定だったらしく
そのライブ放送はキャンセルされた、とあります。

この話しを読んで、一番に思い出したのが、
今年の3月にアオサギの観察会に行ったときのことです。

アオサギは私の好きな鳥の一つです。
greyheron

ストリートアカデミーというスキル交換のSNSで、
鳥博士(ほんとうの博士)の方が、
3月の半ばにアオサギの繁殖の様子をご案内下さる観察会を
企画されたので、参加しました。

最初、「なんで多摩動物公園なのかなあ。アオサギを飼育しているのかなあ」
と思いつつ興味津々で参加。
結果、もっと興味津々なアオサギの生態を知ることになります。

アオサギは、野鳥ですから、もちろん多摩動物公園で飼われている訳ではありません。
彼らは、繁殖のときだけ、周りの雑木林に巣を作って
子育てをするのですが、
ペリカン舍で毎日2時に餌が配られるので
そのおこぼれをもらいに来ていたのです。

ペリカン舍には柵はなく、魚の餌には栄養剤も混ぜて
撒かれます。
午後二時前になると、ピンクのペリカンの周りに半分くらいの大きさの
アオサギがワラワラと舞い降りてきます。
彼らはペリカンより先に食べることはほとんど無いみたいですが、
ペリカンが食事を済ますと、餌に群がります。

アオサギと言えば干潟の向こうに
フィールドスコープを通してしか見たことなかった私は、
僅か2、3メートル先のところに次次と舞い降りる群れにビックリ。

中には、そのあたりで交尾を始めるカップルまでいるのです。

実は先日昆虫生態園に行った時にも寄ったのですが、
アオサギは数えるほどしかいませんでした。

繁殖のときだけ、コロニーとして周りの雑木林のてっぺんで巣を作るのですね。
鳥博士の調査では、昆虫や様々な餌も採取しつつ
しかし繁殖では栄養が余計に必要ですから
安定した餌を求めて集まって来るようです。

面白いのは、ここが動物園である、という事は知ってか知らずか、
ペリカン舍の中には飼育係しか来ないこと
来園者はどれほど近づいても危害を加えないこと
そういったことを学んでいることです。

もう何年も前に、自動車教習所でカラスが
クルミの実を車のタイヤに引かせて中身を取り出して
食べているのを、テレビの番組で見たことがあります。
必ず同じところしか通らない自動車教習所だから出来ることです。
頭良いなあ、と思いました。

よく、あまり記憶力のない人を鶏並みの記憶力、
と言ったりしますが、
鳥と言うのは、私たちが思う以上に利巧なのではないか、
と私は最近思うことしきり。

そして、動物園の人気者、パンダも、何となく
のんびりした風貌からは想像がつかないけど
おいしいエサや快適な環境を得るために
学習しているのですね。

ところで、博士の研究のお話を聞かせて頂いて、
今、何かと「博士」が話題ですが、
やっぱり博士になるのは並大抵ではないです。

アオサギのコロニーのある一定の広さの雑木林の
直径10センチ以上の木を全て調べあげるとか。
アオサギを捕まえて足に「黄26」「緑36」といったマークをつけて放し
そのマークのついたアオサギが現れたと聞くと
自転車を漕いで秋川の方まで追いかけに行ったり、とか。
10年に渡って、マークのついた複数のアオサギの足跡を
毎月毎月観察して記録するとか。

10年以上に渡る研究の結果が示された資料を拝見しながら
お話を伺ってて、頭が下がる思いでした。

「STAP細胞」ですっかり「博士」が怪し気になってしまいました。
しかし、やっぱり「博士」ってすごいですよ。
以前記事にしたシカの研究者の方も、
まず、シカに名前を付けるところから始めたと言います。

すぐお金になるわけではないけど、人間社会に厚みを加えてくれる
こういう基礎研究、ほんとうに大事です。

ウミウの警告を無視した東電

先日の日曜日6月1日に、
フリージャーナリストのまさのあつこさんの
ふくいち報告を聞いてきました。

まさのあつこさんのブログ

まさのさんは、去る2月21日に
フォトジャーナリスト山本宗補さんとともに、
ふくいちのサイトに入っています。

写真はフリー枠で一台という事で
山本宗補さんのブログにたくさん公開されています。

まさのさんは河川行政が専門で博士号も取っている方。
八ツ場ダムもずっと追っています。
私は10年ほど前ちょっとしたことで知己をえていて
全然知らない方ではないので、良くブログも読んでいました。

ブログでふくいちに行ったことを書かれていて
お話を聞く機会があれば、是非聞きたいと思っていました。
今回は「気候女子トーク」という温暖化問題のイベントでした。

今回のまさのさんのお話で、私自身、非常に興味深かったのが、
「ウミウの巣とそれを発見した地質学者の警告を東電が無視した」
という話でした。

福島第一原子力発電所の建設された場所は、建設される前は、
長者原といわれる海面から40メートルくらい切り立った崖の上の台地でした。
第二次大戦中は少年航空兵の訓練用の飛行場だったそうです。

しかし、誰もが知っているように、今のふくいちは海岸から直接入れる場所にあります。
実は東電が、ある地質学者の警告を無視して、崖を切り崩して建てたからです。

ある学者とは関陽太郎埼玉大学名誉教授のことで、
まさのさんは取材に訪れています。

それによりますと、関名誉教授は1964年、長者原の下の富岡層の調査に度々訪れていたそうです。
その調査中、岸壁にとりついて試料を集めている時に、
海面から25メートルくらいのところに「ウミウ」の巣が並んでいるのを発見したそうです。

漁師に聞くと「津波経験からあそこに作っているのではないか」
と言っていたそうです。

同時期、東電がふくいちを作る為のボーリング調査をしていて、
それを試料として貰い受けに行った時、
崖を切り下げる話しを聞いたので、
ウミウの巣の話しして「津波が来たらどうするのか」と
後の副社長となる豊田正敏氏に意見したそうですが、
聞き入れられなかったと。

「高い津波が来るという証拠はない」
「東京電力で、東京土木ではない」
「鳥の保護に使う金はない」
などと言われたそうです。

そして、その切り下げた崖の残土を積んだところに
「夜の森線27号鉄塔」を建設。
地震であえなく倒壊し電源喪失の一因になった、のだそうです。

この電源喪失の話しは、実はかなり複雑です。
まさのさんが「週刊金曜日5月16日号(991号)」にレポートしているので
ご興味のある方は是非レポートを読んで頂きたいと思います。

「ウ」には、「カワウ」と「ウミウ」がいます。
カワウは東京周辺でもたくさん見られるし、
スカイツリーがカワウに糞だらけにされたという話しまであるほどです。
なお、長良川の鵜飼いは「ウミウ」の方です。

少し調べて見たら、「ウ」でも「カワウ」と「ウミウ」は
生息域が違うのですね。
私のもっている日本の野鳥 (山渓ハンディ図鑑)
によると、

「カワウ」は
「内湾や湖沼、河川、池など」

一方「ウミウ」は
「岩棚や、岩場のある海岸付近の海上。
局地的だが河川にも入る」
とあります。

写真を見る限り、カワウとウミウの違いはあまり無く
ウミウは飛翔時に羽がやや後方に付いているように見えるらしい。
泳ぐときも身体を沈めて泳ぐのは一緒みたいです。
下の絵はカワウですが、こんな感じでウミウも泳ぐのでしょうか。

20140604cormorant

それにしても
鳥に限りませんが、野性の動物の能力は
想像を絶するものがあります。

3000キロを休まず飛ぶ鳥とか
南北アメリカを縦断するチョウチョとか
あげたら枚挙のいとまがありません。

今となっては、後悔先に立たずですが、
ウミウが津波を知っていた可能性は多いにあります。
「自然保護」というのは実は「人類保護」に繋がるのかもしれません。

再稼動に前のめりになる政治家のおじさんたち。そして
この秋にはリニアの工事も着工なんていう話しも聞きます。
地下水脈を断ち、国土をボロボロにすることは、
私たち自身に帰ってくるような気がします。

ハクセキレイの散歩

今日の一枚
アルシュ紙に水彩とグラフィックペン

アルシュ紙に水彩とグラフィックペン

田んぼのあぜ道を尾っぽと首をひょこひょこさせて
歩いているハクセキレイを発見。

なんだか、


…… おや?

   あれはなんだろう?……

       行って確かめてこよう・・・。

というような感じに見えませんか?

ハクセキレイは尾が長く、歩かないと優美な感じなのに
歩くと首をひょこひょこさせてとても可愛くユーモラスでもあります。

実はノスリはこんなところに居た

今日の一枚

1月18日の記事、
冬枯れの木の上のノスリの図では、
高い木の上にいるノスリを描きましたが、
実はノスリがいたのは、このような場所でした。

ケント紙にグラフィックペンと水彩

ケント紙にグラフィックペンと水彩


この時、実は私はノスリ、アオサギ、カワウの
三重奏を見ることができたのです。

ノスリの下では、
アオサギは羽に空気を入れる為か、
羽を丸く持ち上げ片足で立っていました。
アオサギは、私が好きな鳥のひとつです。
ひらひらと風に舞う白やグレイの羽は優美ですが、
片足で立った姿は威厳に満ちています。
左右を眺めつつ、やがて、15分もすると飛び立って行きました。

手前の池では、カワウが潜ったり二羽で追っかけっこ。
カワウは他の水鳥と違って、
身体の半分以上が水の下に沈みます。
何となく潜水艦とその潜望鏡を連想させる姿です。
羽の撥水力が弱いため、
よく杭の上などで羽を広げて乾かしています。

ところで、カワウが、スカイツリー周辺で増えたので、
対策に細いワイヤーを張って、防御しているとか。
カワウの糞は緑の木々を真っ白に変えるほどなので、
きっと対策に困っているでしょう。
と言っても、カワウに罪は無いわけですが。

釣り堀でのアオサギの出現に悩んでいる人もいるようです。
漁業被害と駆除
このサイトを読むと、苦労しながらも、
アオサギを駆除する事無く、上手く釣り池から退散してらえるように
工夫している様子が分かります。

ところで、
私は反原発ですが、反原発派の人たちが
エコ風船を飛ばして原発事故時の放射能の流れを調べる
という事を計画してると聞いて、
私は鳥や野生動物に危害が及ぶと危惧しています。
脱原発の風船、大間から 函館や青森などの有志、3月に千個飛ばす計画

ところが、こちらのサイトを見ると、(閲覧注意)
鳥が風船の破片を餌だと思いこみ、
風船の木綿糸がくちばしに絡まった例や
風船を飲み込んだウミガメが報告されています。

エコ風船と言っても一瞬で分解するわけではないでしょうから
やはり野生動物への影響を真摯に考えてほしいな、
と思わざるを得ません。

このように
野生動物と人間が衝突しているかのように見える
様々な例ですが、
違う側面から見ると、
スカイツリーのカワウも
釣り池のアオサギも
風船飛ばしで被害を受ける鳥や動物も
私たち人間の行為の結果の私たちが気がつかない部分を
可視化しているものかもしれません。

そして可視化された問題点を解決出来るのは
人間の側にしかないことは確かです。

冬枯れの木の上のノスリの図

今日の一枚

20140117

冬になると木々の葉が落ちて
鳥の姿がよく見えるようになります。
鷹や鷲類が高いところから左右を睥睨している姿が
見るものを引きつけます。

このノスリも、1時間くらい動かず首だけ動かしていました。

猛禽類は視力が非常によく2キロくらい遠くのものも見えるそうです。
他の鳥類も、目の光がすごいです。
このことは野生動物全般にいえることかもしれません。

クラクラするニュース / 鳥の骨組みパート②

今日の一枚
ケント紙にグラフィックペン

ケント紙にグラフィックペン

鳥の骨組みのスケッチ、その2。
左はキジ,右は飛び立つスズガモです。
上はスズメですが,縮尺は少し大きめです。

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師走で忙しいのに、
アンテナを高くして気をつけていないと
とんでもない方向に行きかねないニュースが
続いています。

9万ものパブコメや各界からの反対声明を無視しての
秘密保護法可決とか
原発再稼働へ舵を切り始めたこととか
さらに共謀罪創設するとか、
憲法の96条をいじるとか……。

一方で、
来年春には消費税8%にあげるとか
オリンピック予算に省庁が群がってトンデモないおもてなし予算が増えているとか
がん患者の情報を国が一括して管理する法律が出来たりとか
国民年金の保険料を払わない人は差し押さえされるかもしれないとか
……。

アリストテレスに
法律ばかり増えるのは、悪政の兆候である。
と言う言葉があるそうですが、地で行っている感じです。

しかし,法案ではないですが、
クラクラしたというか脱力のニュースはこれでした。
AKBも!日・ASEAN晩餐会でJ-POP初ライブ

潜在的に女性差別が横たわっている日本ではあまり言われないけれど、
実はAKBは海外では性的搾取として捉えられることもあるグループです。
政府からしてこういうパフォーマンスを容認する、
というのは、意図しないメッセージになります。

ASEANには2兆円のODAが用意されているということで、
表立っては誰も何も言わないでしょうが、
海外からの要人が、果たしてどんな感想をもったことやら。
もちろん知る由もありませんが。

性的な問題もさることながら、
歌唱力もパフォーマンスも幼稚なAKB。
まるで学芸会です。
少なくとも私にはそうみえます。

せめて、津軽三味線の吉田兄弟とか
和太鼓の鼓動とかを紹介してほしかった。

ただでさえ、秘密保護法では
自由を脅かす先進国で最も酷い法律,とまでいわれているのに、
なんだか、自分の国がドンドン、ドンドン、劣化して行くのを見るのは
ほんとに辛いです。

ところで、
秘密保護法に関して各界の声を連載している東京新聞。
今朝の秘密保護法に関する平田オリザ氏のインタビューが面白かったです。

「例えば、特定秘密を知る政府高官の家に、サンタクロースが入ったら罪になるのか」という風に権力の問題をちゃかすことが大切と。

こういうスタンス、これからすごく大切な気がします。
私も修練つみたいです。

東京新聞ウェブページ

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