カテゴリー別アーカイブ: シダ、野草、花の絵

模倣あっての個性② パクリにならないアイデアは編集力で決まる

模倣あっての個性、パクリと言われない唯一の方法

という記事では、
現代のようにビジュアル商品が溢れた中で、
ゼロから何かを作ることは不可能に近いから、
パクリにならないためには、対象を自分の手でしっかり描くことが大事。

と書きました。

さて、アイデアの出し方はどうでしょうか。
これは編集力が大切になってくると思われます。

もちろんクリエイターによって千差万別の方法があります。
ゼロからオリジナルを作って行く人もいるでしょうが、
8割以上の人は、何らかの模倣を取り入れるのではないでしょうか。
自然や歴史上の作品、また流行を取り入れて、
自分なりのアレンジをして行く、というのが多くの人がとる手法と思われます。
つまりアイデアの編集力によって新しい切り口を作っていくのです。

そして作り続けることによって、模倣がオリジナルになっていく、
ということが往々にしてあります。
また、その過程でオリジナルな技法を手にすることでオリジナルになって行く、
ということもあります。
その話しはまた別の機会にして、
模倣をどのように自分の作品に取り入れるのか、
どのように編集していくのか、
ということを、私の例で紹介してみたいと思います。
(あくまでも私の例です。)

今回の例は、
音楽の総譜(いわゆるミュージックスコアー)の表紙でした。

で、天使が弾く竪琴で猛獣のライオンすらスヤスヤ寝てしまった、
という場面にしようと思いました。

天使とライオンという組み合わせは、昔からあります。
特にライオンは、エジプトのスフィンクスがそうですし、
また、福音書記官マルコの象徴として、
マルコが守護神のヴェネチアには至る所にライオンがいます。
ロマネスク寺院の入り口にライオンが置かれていることが多く、
それが、中国経由で日本では狛犬になった、
と言われています。
(宮下規久朗著「モチーフで読む美術史」p43より)
そう言えばお神社さんの狛犬、目が大きくて獅子みたいですよね。

まず、自分で描いたライオンやシダのスケッチ。
20141024_2

20150826_3

全体のイメージは7年ほど前ににイタリアに行った時に撮影したローマのフォロロマーノ。
20150826_2

また、その時にシエナで撮影したアカンサスの模様が彫刻していある大聖堂の柱。
(下のエスキースの中の写真。)

↓で、こんなエスキースを作りました。
20150826

じつは、これは、いくつか描いたうちの一つで、
結局、もうすこし、要素の少ないバージョンが採用されました。
なので、このエスキースは折角なので、時間を見つけて彩色したいと思います。

そして、こうやって、様々な要素を自分なりに組み合わせて、
作品をひとつ一つ仕上げて行きます。
ある面、アイデアの編集力です。
編集で出来上がったものは、新しい切り口を持った作品です。
このあと大事なことは、ただひたすら作って行くこと。
そうすると、その人の血となり肉となって真のオリジナルに化ける時もあるわけです。

絵に限らず、多くのクリエイターがひたすら日々黙々と作り上げていっているのに、
わずかに突出した人が平然とパクったりすることで、
もの作り全体の信用が落ちる、そのことが私は心配です。

漫画やアニメにしても、その背景画一つとっても、膨大な時間をかけて描かれます。
それは、多少コピー機能があるとはいえ、デジタルでも同じことです。

一つのデザインや作品の裏に多くの隠れた作業があります。
そのことをクリエイター以外の人にもっと気付いてもらいたいです。

参考文献

<関連記事>
アートとネット、未来へ向けて / Season’s Greetings

一点ものの絵の価格についての試算

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この度、ウェブ制作会社のサイトで、マダムかよこをご紹介頂きました。
株式会社 オフィス友惠様のサイト 

上記制作会社の作製による私の絵が使われたサイトがオープンしました。
NPO法人ストップ・フロン全国連絡会様のサイト

ヒマワリ畑が真っ盛り!オリンピックはトラブル真っ盛り。

夏休みも後半。
今は各地でヒマワリ畑が真っ盛りのようです。

20150817

このヒマワリ畑は群馬の岩宿という旧石器時代の遺跡のある町で昨年10月に描いたもの。

去年は9月まで反戦展などの制作で動きがとれず、
しかし、どうしてもヒマワリ畑を描きたくて
検索したら「ヒマワリ畑ネット」というサイトを見つけました。

岩宿は他の地域より少し遅く種を撒くようで、
1日だけ都合つけて、朝5時にうちを出て描いてきました。

みどり市観光ガイド

お近くのヒマワリ畑の情報は、下記の「ヒマワリ畑ネット」に纏められているかもしれません。
是非チェックを!
ヒマワリ畑ネット

鳥のカワラヒワがヒマワリの種を大好きです。
花が終わりかけたヒマワリは要観察ポイントですよ。
ヒマワリと同じような黄色の羽がきれいです。

アルシュ紙に水彩と色鉛筆

アルシュ紙に水彩と色鉛筆

ところで、オリンピックがらみのトラブルも真っ盛り。

オリンピックのエンブレム、
ベルギーのデザイナーがIOCに使用差し止めの提訴をしましたね。

20年東京五輪:エンブレム、ベルギー側提訴 使用差し止め求め

一方、佐野氏はサントリーのトートバックについては謝罪したものの、
オリンピックのエンブレムは問題ないと記者会見しました。

佐野研二郎氏は報道陣に対応せず 広報担当を務める妻が謝罪

訴訟抱えながら、オリンピックの準備するんですかね?

ウソから始まったオリンピックです。
やめちゃえば?

「始めちゃったから」とか
「信用が落ちる」などとグダグダ言って
引き返せなくなり、最終的には膨大な被害をや損失を「国民が」被る、
といういつもの無責任体質、なんとかしてほしいものです。

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立秋 三十七候 涼風至る(すずかぜいたる)

二十四節気では8月8日くらいが立秋にあたり、
これ以降の時候の挨拶は、「残暑お見舞い」になります。

確かに朝晩の風が少しだけ熱を孕まなくなってきますし、
一番違うのは、日の暮れるのが急速に早くなることでしょう。

スケッチの方は、モミジアオイです。(紅葉葵/アオイ科)
学名は、Hibiscus coccineus。
確かにハイビスカスに似ていますね。
紅蜀葵(こうしょっき)、とも呼ばれるようです。

20150810-3

花のかたちが似ていて、この時期に咲く
フヨウ、ムクゲ、そしてこのモミジアオイ、ついでにハイビスカスも
すべてアオイ科。

と言っても、花のかたちが似ているから同じ科とは限らず、
サクラやウメはバラ科です。

花の名前や鳥の名前がなかなか覚えられなかった私ですが、
以前、シダの研究をされている大学教員の方に
「個々の名前より、科で覚える方が早いですよ」
と教わり、それ以来、個の種類と一緒に必ず科を覚えるようにしています。

確かに、大きな括りで覚える方が、記憶の定着がいいみたいです。

上のモミジアオイのスケッチは暑そうで、
全然「涼風至る」って感じではないですけど、(笑)
残暑お見舞いにさせて頂きます。
皆様ご自愛ください。

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猛暑でのオリンピックへの懸念、国会でも取り上げられる

暑っちちー。大暑 三十六候「大雨時行る(たいうときどきふる)」
で指摘した、
猛暑でのオリンピックへの懸念が
表面化して来ています。

本日の国会、参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」でも
アントニオ猪木氏が質問しています。
インターネット審議中継アーカイブです。
4:47:30あたり。
(質問者を選択して聞くことも出来ます。)

猪木氏も、マラソンや競歩の選手、
またパラリンピックの車椅子の選手、
観客も心配だと質問しています。

下村大臣は関係省庁で「暑さ対策関連協議会」
を作ったので、万全の対策をして行く、とお決まりの答弁。
道路の路面対策などを検討しているようです。

それでも、やめた方がいいのではないか、
と私が思うのは、やはり地震のことがあります。

政府 地震調査委員会 首都直下地震 最終報告(PDFファイル)

もし関東大震災級の地震が来て、
ビルの倒壊などに至らなくても
停電とかあり得ますから、
その時、冷房が止まったり、コンビニのショーケースの電源が切れたら
相当悲惨なことになります。

例えば、上の政府の最終報告では、震度6以上の地震がくれば
水道などの復旧に一ヶ月はかかる、とあります。
猛暑にトイレや飲み水が止まり、冷房の効かないビル、
なんてことになれば、冗談ではなく死ぬ人も出て来るでしょう。

アスリートたちの安全の確保も全力で行われるでしょうが、
地震を経験したことの無い選手だっているはずです。
観客に至ってはパニックになるかもしれない。

海外の人も巻き込みますから「想定外」ということは
言えるはずもないです。

ただ、民間の方が優れているから、ホテルなどは相当準備するでしょうし、
関連省庁からお達しも出るはず。

しかし、それで、やり過ごせるような規模の地震、
という保証はどこにも無いのです。

先の国会質問で、猪木議員は地震の点は質していないようですが、
誰か質問してほしいです。

それにしても、「安保法案』国会で野党が質問すると次々とボロが出て来ますね。

最近は、弾丸は武器ではないし、ミサイルは兵器ではなくて弾丸だとか、
ついには核兵器まで後方支援で運べちゃうとか、
明日8月6日広島の原爆の日を前に、めちゃくちゃです。

「憲法違反」そのことだけでも、廃案にすべきなのに
出発点が間違っていると、先へい行けば行くほど、現実との乖離が広がって
答弁があり得ないものになって行きます。

これが我が国の国会なのかと思うと、
悲しいやら嘆きたいやら。



お口直しに、白いムクゲのデッサンをアップしておきます。
「大徳寺白」と言われる園芸種で、直径14センチくらいの一重の大輪です。
好みの問題でしょうが、私はムクゲは一重が好きです。
八重はティッシュペーパーで作ったコヨリが花心についているみたいで。(笑)

20150805

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草叢を見ると心が騒ぐ私は、前世は虫だったのかしら

今日は午前中やるべきことを片付けて、
午後から神代植物園にムクゲなど夏の花を描きに行きました。

猛暑日連続5日目ということで、暑くて汗ダラダラでしたが、
今日は気持ちのいい風が吹いていて、
日陰は幾分か、ホッと一息つけました。
夏の風は熱風になりがちなのに、
今年は不思議と夏の初めから風が心地よい。

そして気持ちよく風に吹かれながら園内を歩いていたら、
大〜好きなゼンマイを見つけました!

20150804-2

もちろんこの芽が、春の山菜の「ゼンマイ」です。 
春の山菜シダのリストには、先日のワラビのほかに、コゴミがあります。
コゴミはクサソテツの芽です。

さて、ムクゲを描こうとふと木の回りを見ると
ツユクサやイヌワラビの草叢がいい具合に出来上がっていて、
引き寄せられるように、そのデッサンに取りかかってしまいました。

なぜか、草叢を見ると心が騒ぐ私は、
前世は虫だったのでしょうか。

20150804

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暑っちちー。大暑 三十六候「大雨時行る(たいうときどきふる)」

暑い暑い暑い。

と言うとますます暑くなりそうですが、
命に関わるくらいの暑さですねえ。

ところで、揉めに揉めているオリンピック、
1964年のオリンピックと同じように10月に開催されると思っていたら、
違うのです。
なんと、今この時期、この猛暑の最中に開催するのだそうです。
もうこれは決まりみたいです。
2020年東京オリンピックの競技日程
室内はガンガンに冷房効かせればなんとかなるかもですけど
マラソンとか、競歩とか大丈夫でしょうか?
最近はゲリラ豪雨もありますし。

昔は「夕立」とよんだ「ゲリラ豪雨」ですが、
二十四節気三十六候は、まさに「大雨時行る」。
たいうときどきふる、と読みます。
夏の夕方の大雨は昔からなのですね。
ただ、極端になっている感じはしますが。

暑さ凌ぎに、スイレンとハスのデッサンを載せておきます。

スイレン(睡蓮)は葉が水に浮いています。
20150803

色違い
20150803-2

こちらはハス(蓮)。葉が立ち上がっています。
20150803-3

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大暑 三十五候 「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」

今日はギラギラした太陽が出ていないので
なんとかなるだろうと、
真夏の花、ムクゲのデッサンに行ってきました。

20150729

しかし、私は甘かったです。
下手すれば熱中症にでもかかりそうなくらいの蒸し暑さ。

農作業帽をかぶり日傘をさし、
空にはかなり暑い雲がかかっているのに、
ただただ汗が出て、デッサンの紙までもジットリ。

それもそのはず、
7月29日から8月2日ぐらいまでの五日間は、
一年でも最も暑い「大暑」の次候「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」
に当たります。
「溽」ジョクという字はグーグル先生でもなかなか見つからない字ですが、
汗がじゅくじゅくにじみ出て来る感じがよく出た文字です。
ほんとうに、ただ立っているだけで、体中から汗がジワリ。

で、一計を案じて、近くに東屋があったので、
形をとるとそこへ行って水彩で色を付け、
乾くとまたムクゲのところに戻ってデッサンを続ける、
という感じでした。

ムクゲは、韓国の国花ですが、原産は中国。
非常に多くの園芸品種が作られていて、
私が描いたのは「白小輪」という種類のようでした。
私が一番描きたかった「宗旦(そうたん)」という種類がが見つからず、
それに一番近かかったので、選んだのでした。
「宗旦(そうたん)」はよくお茶席で使われ、
茶人の千宗旦から名付けたそうです。

ところが、帰りに入り口のポスターを見たらあるみたいなので、
暑さで見逃したかもですね。

postar

この暑さの中でも植物は元気で、
蓮は咲くし、スイレンももちろん、
モミジアオイも真っすぐな背筋から五弁の真っ赤な花を延ばしていました。

それでも、夏至から一ヶ月以上経っているので、
日暮れも少し早まっています。
時は巡る。
ほんとうに不思議です。
時間って何なのでしょうね。

過ぎ去った時間は戻らない、それだけは分るのですが。

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