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クリエイターEXPOの失敗を乗り越える。セルフマガジンを無料でお配りします。なぜ無料なのか。

昨日書いた、今回のクリエイターEXPOでのセルフマガジン失敗事件は
本当に痛恨の一撃なのだけれど、
悔いていても仕方ないので、前に進みます。
私もかさこさんに習って、セルフマガジンの無料配布に踏み切ります。

無料冊子「時をつむぐ、いのちを愛でる。人生はステキ」、をご希望の方は、
郵便番号、住所(マンション名など省かず)、お名前、希望部数を、
ブログの右の欄にある「ご意見、ご感想、お問い合せフォーム」からか、
madamkayoko@gmail.com までメールをお送りください。
無料でお送りします。

selfmagazine

私も最初は無料って英断だな、と思っていました。

実は今、ある意味セルフマガジン時代で、そういう自費出版の小冊子を「ZINE」といい、
手軽な自費出版を仲介してくれるサイトもあります。
これは100円とか200円とか安い値段で
ネット通販もあるし、全員集合のイベントも開いてくれます。
また置いてあるお店もあるのでそこで実物が見られるのです。
今は作り方も教えてくれる講座もあり、盛況みたいです。

ただ、私のような全く無名のおばさんが造ったものを、
わざわざお店まで見に行ってくれるかどうかは疑問だし、
たとえ行っても、私の「ZINE」が手に取られるかどうかは、偶然に任せることになります。
それに、はたして100円と言えども、赤の他人様が支払ってくれるかというと、
私だったら、ネット通販でも買うような気はしないです。

で、やはりブログと言うのはすごくて
クリエイターEXPOには、私を捜して来てくれた出版社の方もいたし、
昨日は、かさこさんのところからブログ読みました、と言って声を掛けてくれた方が数名いました。

これは、ブログでのセルフマガジンの直配布の方が、
間に人や会社を入れるより遥かに効果的だな、
と思ったわけです。

ただ、私はかさこさんのように若くもないし、夫の助けがないと
発送作業などこなせないな、と思って今朝夫に相談したら、

「まず、欲しいって連絡して来る人がいるかどうかの方が問題だろ」
と軽く看破され、
「はい、そうです」。即決、無料配布することにしました。

ここまでのノウハウ、すべてかさこさんのものです。
感謝の言葉もない。
でも、そのノウハウも実行しなければ、宝の持ち腐れ。
本家本元のかさこさんだって、実行されてこそ
毎日ブログを更新している甲斐があると言うものではないでしょうか。

増刷するので、半月ほどお時間頂くかもしれませんが、
進捗状況はこちらのブログでお知らせします。

かさこさんのクリエイターEXPO関連記事
2013年 08月 19日 忙しい時に営業をしておいてよかった話
2015年 07月03 チラシはすぐ捨てられる。だからセルフマガジン~クリエイターEXPOで感じたマガジンの威力

痛恨の一撃はセルフマガジンの印刷がギリギリだったこと

今回のクリエイターEXPOでとにかく後悔しているのが
セルフマガジンの印刷がギリギリまで出来なかったこと。

近頃のネット印刷なら、
フルカラー8ページは100部も1000部もたいして値段は変わらない。
スプリント印刷の例
最初の計画では、
10日前に出稿して1000部作ってEXPO会場で配るはずだったのが、
結局デザインが二転三転、読み物風にして味のあるものにしたいと欲張ったために
結局ギリギリに出稿することになり、納期が短ければ価格も上がり、
200部しか作れなかったために400部あったチラシに頼らざるをえなかったこと。

昨日書いたようになんとか工夫したけれど、それでも
これは本当に痛かった。

連日登場のブロガーのかさこさんが
チラシはすぐ捨てられる。だからセルフマガジン~クリエイターEXPOで感じたマガジンの威力
で書いていることは本当で、
今から思えば、多少予算オーバーしても1000部作って配れば良かった、
と後悔の極み。

今後セルフマガジンを活用しようとする人は
今回の私のようにお金を出すべき時に出し惜しみしない方がいいですよ。
2、3万円の違いなら、1000部刷って配った方が、長い目で見ればずっと効果的です。

それから、自分の仕事ばかりのプロモートっぽいものより、
読み手に何か残るものの方がいいと思う。

それは、読み手のことを考えて作る=手元に置いてもらえる
ということもあるし、それに
読み手の反応を想像した方が、自分が作っていても楽しいのです。
読み手のホッとする様子を想像するとか。

実は、クリエイターEXPOでもお隣の水墨画さんはすっかり私の冊子を気に入ってくれて
「私(水墨画さん)が配っているパンフレットは今回だけのものだけど
かよこさんのはずっと使えるね。」
と言ってくれました。

そう。
確かに印刷が遅れたのは痛恨の極みなのだけれど、
今後の大事な基礎はできたと思っています。

まず冊子の題名は
 「時をつむぐ、いのちを愛でる。人生はステキ」
とポジティブで心やすらぐエレガントなものにしました。

絵もイラストも題名にあわせたものを自分の作品から選んで配置。

またイラストエッセイを見開きに持って来ました。
過去のブログ記事を選んで推敲したものとスケッチやイラストを組み合わせて
読み手がホッと出来る2ページにしてみました。
日々ブログを書いていれば、蓄積があるので、決してむずかしいことではないです。

selfmagazine

で、せっかく作ったので、セルフマガジンの無料配布を検討します。

——————
追記です。無料配布を決めました。

クリエイターEXPOの失敗を乗り越える。セルフマガジンを無料でお配りします。なぜ無料なのか。

無料冊子「時をつむぐ、いのちを愛でる。人生はステキ」、をご希望の方は、
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ブログの右の欄にある「ご意見、ご感想、お問い合せフォーム」からか、
madamkayoko@gmail.com までメールをお送りください。
無料で郵送します。

セルフマガジンは、増刷するので、半月ほどお時間頂くかもしれませんが、
進捗状況はこちらのブログでお知らせします。

出展準備は完了していなかった。ただ座っていては誰も来ない。

展示会が始まりました。

昨日の晩更新しなかったのは、
展示会初日から帰って来て、
様々な作業をして、寝たのが2時半過ぎでしたから。

展示二日目

怒濤の二日間でした。

初日、私の右隣は水墨画の本も出している中国系のシンガポールの方で、
水墨画を出している方はお一人だけだったためか、
初日から名刺交換されていました。

そして、左手の方は、スチール棒でモビールを作っていらして
それが風が吹いたり指で触ると揺れてカエルがチェロを弾いているように見えたりする物を
出展されていました。
動くものを出されている方は他にほとんど無かったこともあって、
初日からお仕事に繋がる名刺交換がされていました。

そういうお二人に囲まれた私は、
よく見てもらえば、A4二枚のイラストに100種類の動物がいたり
地球の歴史を事細かに描いたイラストだったり、
渾身をこめて描いたはずのものなのにお声がかからない。

しかし、左右のお二人は、ただ座っているだけではなかった。
パンフレットを作っていらして
右の水墨画さんは、1000部を配りきりたい、
持って帰りたくない、ということで、
とにかく手当たり次第パンフレットを通る人に渡していました。
ピンクの牡丹の表紙のパンフレットは一目を引くし、
パラパラと中をめくる人は興味深気に商談席に着きます。

左のモビールさんは、すべての人ではないけど、
人が通る時に、指でモビールをゆらすと興味を持つ人がいて
その人にパンフレットを渡していました。

私は、自分のセルフマガジンを作るのが精一杯で、
とにかく作品数だけは持って行ったし、5月の事務局が配布してくれたときのチラシの残りが
400部くらいあったので、それを持って行ったけど、
そのチラシにはサイトのURLも連絡先も載っていない。
さて、困った、と名刺をホチキスで止めて渡すことにしたけど
名刺の重さで上手く手渡せない。

で、よく見ると、チラシを渡されると人は裏を見るのですね。
これだ、今夜帰ったら、住所ラベルにサイトのURLを印刷して
明日持って来て、裏に貼ろう。

それまでは、あとで見るためにパンフレットを集めている人たち(が実際いるのです)
や出版社に的を絞って冊子を渡すことにしました。

さて、背中の展示も今ひとつアピールしません。
通る人を見ていると、どの人もパネルの一番上のクリエイターの名前
とその下の作品しか見てないことに気がついた。
改めて自分の展示を見ると、飾り付けのときは存在感が感じられた
日本画二枚が、照明の光を吸って重たく感じる。
ああこれではダメだな、と思ったことが一つ目。

昼前に、何人かの通る人と話をして、
1)あなたは何でも描くのね、と言われた。
2)上手いけど驚きがないね、と言われた。

つまり、市場経済においては、上手いより、差異。
何でもありより、これが得意。
が「強み」なんだな、と思って展示替え。

それから、水墨画さんのポートフォリオがよく見られていたので、
家帰って作るぞ、と二つ目。

で、日本画ははずし、イラスト、それもマップ系のイラストと
モノクロに絞り、上の写真のように変えてみた。

それから昨日は雨で来場者も少ないこともあるので、
他の出展者のリサーチに会場内を徘徊。

帰宅後は冒頭にあるように、
ポートフォリオを作り、連絡先をワードの住所ラベルに印刷して
寝たのが2時過ぎ。

今日は行ってまず、チラシの裏にラベルを貼る作業をしました。
そして人に渡すと、裏をめくった人は、裏のど真ん中に貼ってある
ラベルを、見るんですね、これが。

で、今日は100枚くらいチラシを受け取ってもらったし、
以前は私の展示に目をやる人を中心に渡していたのを、
チラシを渡すと展示を見ることが分かって
積極的に渡し、また、その際、
「このイラストには100種類の生き物が描き込んであります」
と付け加える。

さらに興味深気な人には、冊子を渡す、
という二段構えで頑張りました。

そして午後早い時間に、
小さな出版社の人が、「里山活動で検索して来ました」
と私を訪ねて来たのです。

これにはビックリ。
その方とは数分のやり取りで、日頃の活動の話をして冊子を渡しましたが、
先方から私を訪ねて来て名刺を置いていくわけですから、
私にとっては結構なインパクト。
ネットがリアルと繋がったとき最強であることを実感。
しかもブログだから起こりうること。

ブースの回りを見ていると、営業にチカラを入れている人といない人では
空間の空気が違うのね。
クッキリふた手に分かれる感じ。
ただ、お金を出したあの空間で、やれるだけのことをやらないで
ただボンヤリ座っていてはもったいない。

チラシや冊子はゴミ箱行きになるかもしれないけど
一人でも検索してくれたら、めっけ物。
そこから世界が開けないとも限らない。
だから、「マダムかよこで検索」と入れておく。
アルファベットが苦手な日本人に、アルファベットのURLはハードルが高いと思うから。

来場者は、大手出版社の決定権のありそうな人から
単なる冷やかし半分の退職者までいるわけ。

ネームタグを見て適度に分別しながら、
チャンスの種をまいていく。
その場で決まることばかりではないけど、
名刺交換するだけで違うもの。

というわけで、明日はもう最終日。

ところで、水墨画は、日頃から私もたしなんでいて、
でも、とにかくむずかしいのね。
で、折角右隣に水墨画の大家がいるのだからとおもって、iPhoneで、水墨画さんに
私のホームページの猫の墨によるクロッキーを見てもらい、アドバイスを受けました。
私ってちゃっかりだね。(笑)

dscatvariety

で、斜め前には、アイルランドから来ている女性がいたので
話しかけて英語の練習。
英語を話す最初のフェイスブックのお友だちになりました。

少し話をすると「フェイスブックやってますか」という人がかなりいるのにも
驚きましたが、日頃繋がれない人と繋がるには悪くないツールなんだと、改めて思ったり。

ではでは、明日の最終日も出きるだけのことをして
種を撒いておきたいと思います。

これらの記事は、かさこさんの示唆に富んだクリエイターEXPO体験記。
2015年 07月 01日 なんだおまえは。ただ待っているだけじゃないかと気づいて僕は立ち上がった
2015年 07月 02日 成功に近道を求めるから失敗するんだよ。地道な作業の積み重ねこそ成功への階段

60歳からの挑戦、8年かかってフランスの美術館で個展。現在92歳。

今日は、大学の恩師で、染色家柚木沙弥郎氏のお話を聞いてきました。

92歳にエネルギーをもらってきました。

若い頃のお話もされましたが、
最も言いたいと思われた部分を書いておきます。
60歳から挑戦して、海外の美術館に自分の作品を所蔵してもらうまでになる話しです。

氏は二十代の終わりから大学教員として後進の指導に当たりながら
創作を続け、学長も務めたあとに定年。

定年後、これまでと同じ仕事をして自分の模倣になるのはイヤだから、
どうしようと思っていた時に
ある作品に出会い、生命力と自己肯定が重要であること、
そしてもっと自分をオープンにすることが大事だと気付かされます。

そこで、自分をオープンにするために
海外に出て個展をやろうと挑戦することにします。

というのも、日本で個展をやると、知り合いばかりに見てもらうことになるので
純粋に知らない人に見てもらいたいと思ったと。

場所はパリ。
パリが好きだから。

そして、パリには、専門家もまた個人でも美術に目を開かれた人たちが少なからずいるから、
ということでした。

パリの画廊を自分で歩いて、自分の作品展を開くように説得します。
しかし、染色、つまり布を芸術として扱ってくれるところは無く、
門前払いを食らいますが、諦めずに、パリに行く度に
ギャラリーを回り説得をし続けます。

その結果ようやく一件ギャラリーが説得に応じてくれ、
開催の運びとなります。
個展も好評を博し、「another of art」と扱ってくれるようになったそうです。

で、普通の人は、パリで個展を一回やると満足しちゃうけど、
柚木氏は3回ギャラリーで個展をやったそうです。

そしてついに、クラフト関係の美術館で展覧会を開くことになります。
それまでに8年かかっていました。
そして美術館の館長はその間、4人替わっていたそうです。

そして、2014年にはフランス国立ギメ東洋美術館に作品が所蔵され、
展示会も開かれました。(既に終了)

実は私の友人が、一回目の個展にパリ見学を兼ねて行っていたので、
当時断片的に話しは聞いていましたが、
そういう事だったのか、と今日の話しを伺って納得。

柚木氏は
「若い人は野心を持つべき」
といいます。

私もそう思う。

今は格段に世界への挑戦へのハードルが低くなっています。
ネットを見ると、世界中にクリエイターが溢れています。
あの中からどうやって取り上げてもらうようにするのか、と思うけど、
ひたすら作り、ひたすら現実に動くしかないでしょう。

ところで、以前このブログで取り上げた河井寛次郎の話しを
柚木氏が今日もされていました。

河井寛次郎が人前で器に筆で模様をサッサと描いて仕上げたのを見た人が
「30秒で出来るのですね」と言ったら、
「60年と30秒です」と答えたというのです。
一生に渡ってのたゆまぬ精進こそが、作品に反映するのだという事です。

悲しいことだけれど、下手すれば、再び戦争に巻き込まれる可能性も
出てきました。
「海外に自分の作品を分散させる」という事も重要になるかもしれません。
あんまり考えたくないですけど、真実から目はそらせません。

いずれにせよ、作品を作り続けましょう。

そして、人間として、戦争に抗いましょう。

あ、言葉の勉強もしておいた方が良いですね。
頑張りましょう。

<参考記事>
一点ものの絵の価格についての試算

ピュアな色彩を支える重層の仕事。ムカイヤマ達也さんの個展

同時代のアーティストの紹介、
現在、個展と長野の高遠美術館での企画展の両方に出品されている
ムカイヤマ達也さんです。
今日、個展『黒箱を信じる』展 を見て来ましたのでご紹介します。

IMG_0387
↑会場の様子 ご本人に撮影して頂きました。

『黒箱を信じる』展 2015年5月20日〜6月12日 A・Corns Gallery

『高遠エフェクト』 2015年5月28日〜7月12日 信州高遠美術館

ムカイヤマさんの仕事は、
絵具がチューブから出たままの美しさを最大限に活かしています。
パレット上でほとんど混色されていないので、
油彩の透明感がストレートに出て、とにかく色が美しい。

そして、カラフルなのに浮ついていないのは、
描写する対象を自分で作り上げ、
さらにそれをキャンバスに描き上げる、
という二重の作業が作品の根底にあるからでしょう。

しかも、キャンパスに描いて行くときも
モチーフの立体性や空間性を意識して
スピード感を生かせるように、
緻密に細かいマスキングを施すのです。

この「マスキング」という技法、
非常に面倒なのですが、実は私もかなり多用します。

鳥の羽を描くようになった時、
全体では塊なのに、羽一枚一枚がミクロの薄さで独立して動くために
羽と羽の間に空気があって、
その空気感を出す方法としてマスキングにたどり着きました。

ムカイヤマさんのメインの作品は
100号(162センチ×130センチ)で、マスキングには相当の時間がかかるはず。
(というのも私が50号の作品でやった時は、特段に細かかかったのだけれど、
一日7時間やって10日くらいかかりました。)
しかも乾きの遅い油彩では、待つ時間が長くなり、
でも、その抑えた待ちの時間があるからこそ
一気に絵具が置かれ、独特の躍動感と立体感が生まれるのでしょう。

ムカイヤマさんは店舗の壁画なども手がけておられて
壁をつくる左官屋さんからも様々な技術のヒントをもらったそうです。
筆を使わない独特のタッチは、そういう職人さんたちとの
横断的な交流から生まれて来たようです。

で、今日は、そのマスキングの話しと、壁に絵を描くことについて話しに花が咲き、
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の話しにまで及びました。

そして、話しているうちに私も壁に絵を描きたい!って強烈に欲求が芽生えて来たのにはビックリ。

さて、高遠美術館の企画展の方は、
お仲間と企画を持ち込んだら採用されたそうで、
アーティスト自身がキュレーション的な感覚を持つことが
現在とても重要になって来ていて、ドンドン実行されていてすごいです。

私は、『黒箱を信じる』というなぞの言葉を残したまま、
エネルギーいっぱいもらって帰ってきました。
(写真に写っているのが黒箱です)

個展の方は、平日の10時から17時(18時くらいまでは大丈夫みたいだけど)だけのオープン
というのがお勤めしている方には少し残念かもです。

さて、色彩について書きましたが、なぜ混色しないと色がピュアなのか、
色彩に関しては以下の本がお薦め。

また、現代美術について本を読んでみたい方には以下の本を薦めます。

さらに、キュレーションに関しては最近出たこの本が分かりやすいです。

「体幹トレーニング20」(長友佑都著)は効く。どうすれば継続できるか?

すでに50万部売れているという、サッカー選手の長友佑都氏の
「体幹トレーニング20」を買って、さっそく始めました。
売れるだけのことはあります。

この本が優れているのは
①長友氏の失敗やら試行錯誤が元になっていて、なぜ失敗したのかがきちんと分析されている。
②継続の重要性を具体的に示している
③コース別、難易度別に無理なく継続できるプログラムなっている
④DVD付きである
と言った点だと思います。

①に関して引用すると、

僕は高校時代ウェイトトレーニングをたくさんやりました。腹筋は割れ、ベンチプレスも100キロ上げるような筋骨隆々な体をしていました。しかし、それでも試合でのパフォーマンスは向上しませんでした。(中略)ついには腰を痛めてしまいました。(中略)僕は腹筋が十分にあったはずなのに、腰痛になってしまったのです。(p.25より)

という衝撃の告白があります。
思わず「へえ〜、そうなんだ」と思うくだりですよね。

ではなぜ失敗したのか。
いくつかありますが、そのひとつにインナーマッスルを鍛えなかった、
という事を反省しています。
そのことがきちんと分析されているために、
本の後半で提示されるプログラムを素直にやろうという気になります。

しかし、一番の問題は、どうすれば継続できるか、です。
そのことは長友氏も指摘していて、
「モチベーションをしっかり持つこと」と書いています。

これはトレーニングだけではなく、英語などの語学の本でも
必ず取り上げられている問題で、多くは「モチベーションの維持」と指摘しています。

長友氏のモチベーションは「バロンドールを取る!」ことだそうで、
それが書いてあるページの裏に、読者のモチベーションを書くページがあります。

私の場合は「屋外でスケッチしても疲れないからだにする」です。

実は今年に入ってから、屋外のスケッチ中、
足や腰が痛くなることが多いのです。
以前は3時間くらい屋外でスケッチを飲まず食わずで敢行しても
何ともなかったのに、です。

で、その話しを指圧の先生にしたところ
ハチミツレモン水を作る方法と
インナーマッスルを鍛えることの重要性を言われました。

前者はすぐやってみましたし、クエン酸が疲れに効くのは確かです。
しかし、インナーマッスルを鍛えるにはどうしよう、
と思っていたところ、この本を当の指圧の先生から紹介されたので、
早速始めたわけです。

さて、実は私は、
「やると決めたことを継続することが得意」でして、
継続するには、モチベーションとともに、
「成果が体感できる」ということも、とても重要なポイントではないか、と思っています。

そして、実は「成果が体感できる」ためには、ある程度継続する必要があります。

なんだ、それじゃ継続するコツでもなんでもないじゃないか、
と言われるかもしれないけど、
やはりトレーニングや語学のような、ちょっと大変な事を継続するのはそんなに簡単な話ではなくて、
「ある程度我慢して続け、いかに自分のライフスタイルの中でルーチン化するか」
に尽きるのだと思うのです。

で、その成果が感じられる時間ってどのくらいでしょうか。
とにかく我慢して頑張ってやれば、そのあとは継続が楽になる時間。
それまではとにかくモチベーションをひたすら唱えてやるしかない、
という期間。

つまりモチベーションというのは、ルーチン化するまで自分を引っ張っていくためのもののような気がします。
ルーチン化されると、その後は継続が楽になりますから。
そして、やらないと不安になるくらいになれば、多少間が空くようになっても大丈夫です。

そのヒントにTEDの2本のビデオがあります。
マット・カッツの30日間チャレンジ (TEDTalks)

The first 20 hours — how to learn anything | Josh Kaufman | TEDxCSU

最初のビデオは何か興味があったら30日間だけやってみよう、
というもの。
後者は、新しい物事を始めた時、その基礎は合計20時間くらいで
出来るようになるのではないか、という内容です。
こちらには一日45分一ヶ月30日で20時間、という数字が出て来ます。

どうやら
「とにかく30日、一ヶ月間頑張ってみる」と何らかの答えが出そうです。
ただ、何が何でも30日間、休まずやる、となると難しいかもしれないので、
週五日くらいを4回続ける、という感覚がいいかもしれません。
忘れないために記録することも大切かも。
3日くらい出来ないと諦めちゃう人も出て来るので、
記録していれば、4日目の諦めない自分を見つけられるはず。

さて、体幹トレーニングプログラムは全部で8つあって、
目的にあわせて選べます。
10のストレッチと20の体幹トレーニングの
すべてをやらなくてもいいようにメニューが組んであります。

このコンパクトなメニューもとても良く出来ていて、
ちなみに「疲れにくい体を手に入れたい」メニューは
ストレッチから最期の連動トレーニングまで、9種類。
二回ほどやればだいたい覚えてしまえるものです。

このメニューが簡単だというのも継続を可能にしてくれますね。
ダイエットしたい人、腰痛を治したい人向けのメニューもあります。

では、私の結果報告、楽しみにして下さい。