カテゴリー別アーカイブ: 生き物観察

やっぱりパンダは可愛い / パンダの10秒クロッキー

今日は、と言っても日付が変わったので、
昨日21日には、久しぶりに上野動物園に行ってきました。

仕事でライオンを描こうと思ったからです。
でも、やっぱりその前に、パンダ舍に寄ってみたら、
やっぱりパンダ可愛いですね。

で、早速写真だけではなくクロキーブックを持ち出して、
10秒クロッキーです。

動物や赤ちゃんは、寝ている時以外、0.5秒と同じ格好ではいませんから、
クロッキーの練習には持ってこいです。

クロッキー(croquis(仏)というのは対象を素早く描画することで、
スケッチのうち、特に短時間(人物なら5分程度)で描かれたものを
クロッキーとよんでいます。

人間のようにデティールが複雑だと、どれほど速く描いても
3分から5分が最短でしょうが、
パンダはシンプルなので、10秒くらいで描けます。

明らかに、パンダを可愛い、と思うのは人間の勝手な感情です。

体全体が丸くて、耳も丸くて黒く、目は本当は小さいけど黒い隈取りで垂れ目に見える。
すべてが丸くポワポワしている。
狐や狼を見て精悍に見える、というのと逆ですね。

でも、抗し難く、可愛いパンダ。
そのパンダ舍の前で10秒で描いたクロッキー3枚です。

20141021panda001

20141021panda002

20141021panda003

関連記事
パンダは学ぶ,アオサギも学ぶ

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<お知らせ>
西脇市岡之山美術館で開かれるサムホール大賞展に入選しました。
会期は11月16日〜12月14日です。
詳細は後日掲載します。

鳥が羽をつくろう姿がカワイイ……見返りガモの図

久しぶりの「観察絵日記」です。
今日は、鳥の羽繕い(つくろい)を取り上げます。

猫が自分の身体や背中をなめるように
鳥も首をぐるりと背中に回して、嘴で自分の羽を整えます。
グルーミング(grooming)とも言いますね。

人間を含んだ哺乳類は頸椎が7つですが、

ケント紙にグラフィックペン

ケント紙にグラフィックペン

鳥にはこのように多数の頸椎があり、種類によって違い、
13個から25個くらいあるようです。
確かに骨格的には、猫より背中に首が回りそうです。(笑)

とはいえ、鳥が猿や猫のようにグルーミングすると発見したときは
驚くとともに、その姿がユーモラスであまりにカワイイので
いつか絵にしようと思っていました。

2014107kamo_mikaeri

これはカルガモです。
首を後ろに回してバランスを取るため、
尾羽を嘴の方に引き寄せているのが分かるでしょうか。
まるで「見返りガモ」の風情ですね。

カルガモは、カモ類で唯一渡りをしない留鳥です。
春に各地で、カルガモの親子が話題になりますね。
親鳥の後を小さな子ガモが隊列を作ってついて行く様は
可愛くて、思わずシャッターを切りたくなります。

8月の初めに子がもたちを見たときは、
もう親鳥とさほど変わらない大きさになっていましたが、
それでも、親鳥が陸から水に移動して泳ぎだすと、
次々とチャポンチャポンと水に入ってついて行ってました。

サギ類は更に長い首をS管のようにして羽繕いしているものもいます。
別の機会に是非描いてみたいと思います。

パンダは学ぶ、アオサギも学ぶ。

面白い記事を見つけました。
Giant panda fakes pregnancy ‘to receive nicer food and round-the-clock care’
この記事、中国で、
パンダが、妊娠すると良い餌と手厚い手当を受けられることを学習して、
妊娠を装って、まんまとエアコン付きの特別室に入って、
おいしいエサにありついていたという話です。

“Phantom pregnancies”(見せかけの妊娠)は
ジャイアントパンダではよくあることらしいですが、
このパンダは、世界で初めて出産をライブ放送する予定だったらしく
そのライブ放送はキャンセルされた、とあります。

この話しを読んで、一番に思い出したのが、
今年の3月にアオサギの観察会に行ったときのことです。

アオサギは私の好きな鳥の一つです。
greyheron

ストリートアカデミーというスキル交換のSNSで、
鳥博士(ほんとうの博士)の方が、
3月の半ばにアオサギの繁殖の様子をご案内下さる観察会を
企画されたので、参加しました。

最初、「なんで多摩動物公園なのかなあ。アオサギを飼育しているのかなあ」
と思いつつ興味津々で参加。
結果、もっと興味津々なアオサギの生態を知ることになります。

アオサギは、野鳥ですから、もちろん多摩動物公園で飼われている訳ではありません。
彼らは、繁殖のときだけ、周りの雑木林に巣を作って
子育てをするのですが、
ペリカン舍で毎日2時に餌が配られるので
そのおこぼれをもらいに来ていたのです。

ペリカン舍には柵はなく、魚の餌には栄養剤も混ぜて
撒かれます。
午後二時前になると、ピンクのペリカンの周りに半分くらいの大きさの
アオサギがワラワラと舞い降りてきます。
彼らはペリカンより先に食べることはほとんど無いみたいですが、
ペリカンが食事を済ますと、餌に群がります。

アオサギと言えば干潟の向こうに
フィールドスコープを通してしか見たことなかった私は、
僅か2、3メートル先のところに次次と舞い降りる群れにビックリ。

中には、そのあたりで交尾を始めるカップルまでいるのです。

実は先日昆虫生態園に行った時にも寄ったのですが、
アオサギは数えるほどしかいませんでした。

繁殖のときだけ、コロニーとして周りの雑木林のてっぺんで巣を作るのですね。
鳥博士の調査では、昆虫や様々な餌も採取しつつ
しかし繁殖では栄養が余計に必要ですから
安定した餌を求めて集まって来るようです。

面白いのは、ここが動物園である、という事は知ってか知らずか、
ペリカン舍の中には飼育係しか来ないこと
来園者はどれほど近づいても危害を加えないこと
そういったことを学んでいることです。

もう何年も前に、自動車教習所でカラスが
クルミの実を車のタイヤに引かせて中身を取り出して
食べているのを、テレビの番組で見たことがあります。
必ず同じところしか通らない自動車教習所だから出来ることです。
頭良いなあ、と思いました。

よく、あまり記憶力のない人を鶏並みの記憶力、
と言ったりしますが、
鳥と言うのは、私たちが思う以上に利巧なのではないか、
と私は最近思うことしきり。

そして、動物園の人気者、パンダも、何となく
のんびりした風貌からは想像がつかないけど
おいしいエサや快適な環境を得るために
学習しているのですね。

ところで、博士の研究のお話を聞かせて頂いて、
今、何かと「博士」が話題ですが、
やっぱり博士になるのは並大抵ではないです。

アオサギのコロニーのある一定の広さの雑木林の
直径10センチ以上の木を全て調べあげるとか。
アオサギを捕まえて足に「黄26」「緑36」といったマークをつけて放し
そのマークのついたアオサギが現れたと聞くと
自転車を漕いで秋川の方まで追いかけに行ったり、とか。
10年に渡って、マークのついた複数のアオサギの足跡を
毎月毎月観察して記録するとか。

10年以上に渡る研究の結果が示された資料を拝見しながら
お話を伺ってて、頭が下がる思いでした。

「STAP細胞」ですっかり「博士」が怪し気になってしまいました。
しかし、やっぱり「博士」ってすごいですよ。
以前記事にしたシカの研究者の方も、
まず、シカに名前を付けるところから始めたと言います。

すぐお金になるわけではないけど、人間社会に厚みを加えてくれる
こういう基礎研究、ほんとうに大事です。

夏休み観察日記(3)多摩動物公園、昆虫生態園

先日、多摩動物公園に行ってきました。

お目当ては、ダイオウサソリが子どもを産んで
幼虫を背中に乗せて育てているところを見ることでした。

親は黒いのに、子どもたちは白くて、しかも大きさは親の30分の一くらい。
でも小さくても形はサソリで
しっかりシッポの先も尖っていました。
昆虫生態園という展示館の洞窟の中です。
8月6日生まれだから、
はたして今日現在もまだ背中に乗せているかは不明。

ところで、この昆虫生態園、蝶の舞う中をお散歩出来ます。
ハイビスカスなどの温室でよく見るような植物の間を
白やオレンジ、瑠璃色の蝶がヒラヒラと舞っています。

20140824オオマダラ001
この蝶は、オオマダラ。
白に黒い筋がハッとするほど鮮烈です。
大きくていかにも南国の蝶という風情。
エサ台の水を吸っているところをアレンジしてみました。

昆虫生態園の蝶は、飼育員さんによって育てられたものも多くて、
人慣れしているので、写真好きにはたまらないのではないでしょうか。

囲われている動物を見るのではなく、
動物が生活している中を見てあるく展示は
今は様々な動物園で取り入れられているのでしょうが、
多摩動物公園のアフリカ園のライオンエリアは
1964年昭和39年に開園し、
当時世界で初めてのバスによるライオンのサファリ式観覧「ライオンバス」
が始まりました。

いまでもライオンバスの人気は高く、
長蛇の列が出来ていました。
私はもっぱらバードウォチング用の双眼鏡で
ライオン観察。

たてがみの立派なオスライオンは我が家の猫のように
ほとんど寝ていましたが、
メスライオンは、躾けてあるのか、ライオンバスの窓をペロペロなめるのね。
きっと車内は大賑わいだったでしょう。

多摩動物公園は、8月の土日は
夜8時まで開園しています。
あ、昆虫生態園は夜間開館してませんからご注意ください。

最近は、学校の夏休みが短くなっている傾向があるようですけど、
今週で8月も終わり。
行く夏を惜しんで、トロピカルな蝶を見に行くのはいかがでしょう。

夏休み観察日記(2)渡りの鳥、ソリハシシギ

干潟でシギやチドリが見られる季節になりました。

20140819
ソリハシシギ(画用紙に墨汁とグラフィックペン)

水鳥は固定のフィールドスコープで見やすいので
初心者でも楽しめます。

ただ冬は、寒いです。
カモ類や猛禽類は、みなさんブルブル震えながら見ています。

その点、シギやチドリは気候の良い春と秋に見られるので、
嬉しいですね。
シギやチドリはシベリアとオーストラリアを行ったり来たりする途中で
日本に寄るのだそうで、私がよく行く東京港野鳥公園は、
そういった鳥たちを保護しようと言う国際ネットワークである
「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」
いわゆる「シギチドリネットワーク」の参加地です。

鳥に詳しい人たちと話すと
「ここにはソリハシシギが出る」とか
「メダイチドリが出たよ」という言い方をします。
最初聞いた時、「なんだか幽霊が出るみたいだなあ」と思ったものです。
一種の業界用語ですね。(笑)

で、ひとりで観察に行くときは、
周りの会話に耳を澄ませます。
そうすると……、

「○○が出た。」
「どこにいる?」
「あの高い木の下の方」

といった会話が聞こえて来たら、そっちを見ます。
そして携帯用の図鑑と見比べて確認します。

それでも分からなければ、聞けば皆さん教えてくれますよ。
分からないことは、
聞いちゃうのが一番早い!

ところが一度だけ、
私しか飛んでいる鳥を見てなくて
同定に四苦八苦したことがあります。

たまたま双眼鏡で見ていたら飛んで来た鳥が
見た事もない不思議な鳥。
目の周りがパンダみたいに黒いのです。
「パンダ鳥!」と思ったのですが、
誰も見ていませんでした。

家に帰って調べたら「ミコアイサ」というステキな名前の鳥でした。
漢字では「神子秋沙」と書くようです。
秋が深まると皇居のお堀にも来るようですね。
どんな鳥か、検索してみて下さい。

さて今日の絵のソリハシシギは、分かりやすい鳥です。
だいたい嘴(くちばし)の長いシギ類の嘴は下に向かってカーブしているのに
このシギの嘴は端の方だけ上に向かって反っているからです。
背中に焦げ茶色の羽の部分があってそれが二本の線に見えるのも特徴です。

側のカニはヤマトオサガニ、のつもり。
カニは素早いし泥にまみれているので絵にするのは難しいです。

公園でカニの観察会があるみたいなので、
夏休みの自由研究がまだの人はいかがでしょう。
★2014年8月24日(日) 干潟のカニを調べよう

海辺で遊べる日もありますよ。
★2014年8月29・30・31日(金・土・日) 野鳥公園のうみべであそぶ日

カニやシギのほかの絵
キョウジョシギ
海辺と観察会

海辺と観察会

夏真っ盛り。
そして夏休みも、真っ盛り。

今日は海辺での観察会などのご案内です。

★2014年8月24日(日) 干潟のカニを調べよう
★2014年8月29・30・31日(金・土・日) 野鳥公園のうみべであそぶ日

20140807
この絵は、4月29日の干潟の観察会の様子。
午前10時58分に11センチという大干潮の日でした。

上記の案内の日の潮の満ち引きはどうなっているでしょう。

気象庁/潮位表のページ

8月24日は午前10時23分に41センチですね。

カニは、砂の中に潜ったり、岩の陰に隠れていて、
身近で観察するのはなかなか難しいです。

しかも横歩きなのに、その素早いこと!
ササササッー、って移動します。

カクベンケイガニ、クロベンケイガニ、コメツキガニなどの他に
ボラが跳ねていたり、シギ類も見られるかもしれません。

鳥を描けるようになりたくて、野鳥公園に行くようになりましたが、
様々な自然を楽しんでいます。
自然は多様ですね〜。

実は4月の観察会の時には
干潟の浄化力の実証実験もしたのです。
牡蠣類を入れた水槽と何も入れずに海水だけを入れた水槽を
放置して2時間。。。

牡蠣を入れた水槽は透き通るようにきれいになりました。
干潟の実力はたいしたものなのです。