夏休み観察日記(2)渡りの鳥、ソリハシシギ

干潟でシギやチドリが見られる季節になりました。

20140819
ソリハシシギ(画用紙に墨汁とグラフィックペン)

水鳥は固定のフィールドスコープで見やすいので
初心者でも楽しめます。

ただ冬は、寒いです。
カモ類や猛禽類は、みなさんブルブル震えながら見ています。

その点、シギやチドリは気候の良い春と秋に見られるので、
嬉しいですね。
シギやチドリはシベリアとオーストラリアを行ったり来たりする途中で
日本に寄るのだそうで、私がよく行く東京港野鳥公園は、
そういった鳥たちを保護しようと言う国際ネットワークである
「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」
いわゆる「シギチドリネットワーク」の参加地です。

鳥に詳しい人たちと話すと
「ここにはソリハシシギが出る」とか
「メダイチドリが出たよ」という言い方をします。
最初聞いた時、「なんだか幽霊が出るみたいだなあ」と思ったものです。
一種の業界用語ですね。(笑)

で、ひとりで観察に行くときは、
周りの会話に耳を澄ませます。
そうすると……、

「○○が出た。」
「どこにいる?」
「あの高い木の下の方」

といった会話が聞こえて来たら、そっちを見ます。
そして携帯用の図鑑と見比べて確認します。

それでも分からなければ、聞けば皆さん教えてくれますよ。
分からないことは、
聞いちゃうのが一番早い!

ところが一度だけ、
私しか飛んでいる鳥を見てなくて
同定に四苦八苦したことがあります。

たまたま双眼鏡で見ていたら飛んで来た鳥が
見た事もない不思議な鳥。
目の周りがパンダみたいに黒いのです。
「パンダ鳥!」と思ったのですが、
誰も見ていませんでした。

家に帰って調べたら「ミコアイサ」というステキな名前の鳥でした。
漢字では「神子秋沙」と書くようです。
秋が深まると皇居のお堀にも来るようですね。
どんな鳥か、検索してみて下さい。

さて今日の絵のソリハシシギは、分かりやすい鳥です。
だいたい嘴(くちばし)の長いシギ類の嘴は下に向かってカーブしているのに
このシギの嘴は端の方だけ上に向かって反っているからです。
背中に焦げ茶色の羽の部分があってそれが二本の線に見えるのも特徴です。

側のカニはヤマトオサガニ、のつもり。
カニは素早いし泥にまみれているので絵にするのは難しいです。

公園でカニの観察会があるみたいなので、
夏休みの自由研究がまだの人はいかがでしょう。
★2014年8月24日(日) 干潟のカニを調べよう

海辺で遊べる日もありますよ。
★2014年8月29・30・31日(金・土・日) 野鳥公園のうみべであそぶ日

カニやシギのほかの絵
キョウジョシギ
海辺と観察会