月別アーカイブ: 2014年7月

暑中お見舞い申し上げます

20140730暑中お見舞い

この暑中見舞いの画像は
出典を明らかにして下されば、
自由に使って頂いて結構です。

私はボサノバが大好きです。
あの風にのるような気分、
光に溢れた空気感。
アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトは
まさに天才だったな、と思います。
ボサノバが弾けるようになりたくて
ギターも練習しました。

暑い国の蒸すような緑の草むらの中を
ほおを撫でるように風が吹き抜けて行く。
そんなイメージでこの絵は描きました。
シダの一種タマシダも配してみました。

シダの宝庫、アマゾンにも行ってみたいですねえ。

今日で7月も終わり。
あと10日もしないで暦の上では秋になります。
ふと気がつくと、日が短くなっていたり。
でも暑い日はまだまだ続きます。
スタミナ付けて乗り切りましょう。


ユニークな鳥図鑑

先日の個展の待ち時間に読んでいた図鑑ですが、
ユニークでひと味違い、面白かったので紹介します。

図鑑の写真というのは真横か斜め30度こちらを向いている
ポーズのものが多いように思います。
同定するのに分かりやすさを第一にすると
その方向からになるのでしょう。

でもこの図鑑の写真がユニークなのは
後ろから撮影したものを集めてクイズにしたり、
普段あまり見ない飛翔ポーズの写真があったり。
なんだか人格ならぬ鳥格まで分かりそうな写真の数々。

そして写真も素晴らしいけど、
箕輪義隆さんのイラストも素晴らしい。
鳥の飛翔や身体についても、
図解で分かりやすく描いてあります。

欲を言えば、鳥が羽根を上げ下げする時に
風邪切り羽根がどのように空気を掴み
浮力を作り飛翔するのか、
まで描いてくれたらパーフェクトだったけれど。
(これは今度、私がブログで取り上げようかな……。)

それから、鳥の排泄物についても興味深い考察が繰り広げられていて
トリビア的な面白さもある本です。

私が一番気に入ったのは、
鳥を色別にわけているページがあること。
このありそうでない分類は、
ビジュアル重視の私にはとても便利。

側において置きたくなる写真と絵の詰まった
楽しい図鑑です。

特に私のような少し観察に慣れた人が
ワンステップ上の観察者になるのに多いに役立ちそうです。

鳥や野生生物に関する法律が巻末にまとまっているのも
嬉しいですね。

飛翔の図があと一歩だったので星四つ。★★★★

なお、夏休みに鳥の観察を始めたいという人には
軽くてハンディな下の二冊もお薦め。
水鳥は多い季節ではないですけど、シギ類は夏の終わりに見られるかも。


今年の夏は2度と来ない

当たり前の話しですが、
2014年の夏は、私の人生でもあなたの人生でも
今年一回限りです。
一生に一度の夏がやってきます。

といっても子どもや学生のころは
夏休みは毎年やってくるし、
仕事をするようになっても、
お盆休みは年中行事でした。

やはり、ある程度年を取り、人生の残りが視野に入るようになると
夏休みひとつとっても
「これが最後かも……」
という思いが真実味を帯びて来るようになるものなのでしょう。

しかし、それは悪いことではなくて
「来年はないかもしれない」と思うから
特に311以降は、季節の歩みとともにせっせとスケッチに行ったわけだし、
小品の作品をブログにアップすることも出来たのです。
昨年などは、かんかん照りの8月にすら
野外のデッサンに出かけています。

この「今しかない」と思うのは
相当強力な自己暗示だと思いますし、
また、かなり高い効果が得られます。

私は「今しかない」と思って
7月の個展を4月に決めました。
思わぬ怪我をしたこともあり大変だったけど、
「今しかない」と思わなければ出来なかったでしょう。

8月が終わると、秋は足早です。
今年も残り4ヶ月となります。

今年限りの2014年の夏。
「今」を有効に使いましょう。


鳥の繋がり、人の繋がり

個展もあと二日。

今回は、小さい作品ですが鳥の絵をいくつか展示しています。
アオサギ
キンクロハジロ
ホシハジロ
ハクセキレイ
オオヨシキリ
ノスリ
カワウ
などです。

さて、
準備ではあたふたとスケジュールをこなして
なんとか搬入を終わらせると
会期の間は、訪ねて下さる人を待つ事が仕事になります。

前半戦で、画廊にあった一冊の本を
読んでしまいました。

実はこの本の訳者の松浦さんが、
今回お借りしている画廊のオーナーなのです。

本の主人公のご両親は、傷ついた野性の動物たちを治して
再び野性に戻す保護センターをボランティアでやっています。

ある時一羽のモリフクロウが両親の元に預けられますが、
それが野性を残したまま人になついてしまい
数々の騒動を引き起こすのです。
それが前半の「モリフクロウのボズ」の話しです。

お客さんがお茶を飲んでいると
カーテンレールの上に飾ってある剥製だと思っていたボズが
突然飛んで来たので、お客さんがひっくり返る話し。
その人は2度と家に来なくなったとか。
ボズが主人公の肩に乗って野山を自転車で走ったり。

一方で、
ボズはテリトリーを犯したと感じた他のモリフクロウへは容赦ない攻撃を加えます。
野性がしっかり残ったままなのです。

そのあたりの著者の描写が的確で
また岩本久則さんの挿絵がとても暖かく
時には笑いながら、時にはしみじみしながら
接客の合間に二日で読んでしまいました。

ちょっと考えさせられたのは、
ナショナルトラスト運動の発祥の地であるイギリスでも
「野生動物を野生に返す」意味が多くの人に理解されていないという事。

珍しい動物は人に見せるべきだと
押しかける人や
こんな危険な動物は殺すべきだと言う人たち等々。

主人公の両親が実に巧みに人々との摩擦をかわす様子は
野性の動物や鳥への愛に溢れています。

福音館書店から出版されている子ども向けの本になっていますが
大人にも一押しでお薦めです。

ところで、挿絵を描かれている岩本久則さんは
今回私がテーマにしている「東京港野鳥公園」とも
繋がりをお持ちであることが分かりました。

鳥の繋がりが、人の繋がりであることを感じています。
実は私がこの画廊を知ったのも
ツイッターで鳥の絵を描かれている方からでした。

ところで、実はネットにもこのような「鳥と人の話し」の
実体験を書いている方がいるのです。
究極の手乗り野鳥?コムギさん
タイに移住した方の実体験ですが
ハタオリドリのヒナを助けて野性に戻す話しで
ボズの場合と共通点があります。
以前「ハタオリドリ」で検索して見つけたサイトです。
こちらの話しも可愛いです。

よろしければ、画廊に私の鳥の絵を見に来て下さい。
お待ちしています。

会期 2014年7月16日(水)から21日(月・祝)
   11:00~19:00 (最終日は17:00まで)   
場所 原宿 積雲画廊


お取り引きについて

今回の個展、思いのほか
お買い上げ頂いており作家冥利に尽きます。

本当にありがとうございます。

ただ、初めての方は、現金でのお取り引きのみと
させて頂いておりますので、
ご了承くださいませ。

リピーターの方はその限りではありません。
奥の展示部分の作品については、
会期終了後に着払いでお送りします。

お持ち帰りコーナーもありますので、
ご利用いただければ幸いです。

本日もよろしくお願いいたします。


一点ものの絵の価格についての試算

一点物の絵の価格の設定に関して、
今まであまり議論されてきませんでした。

専門のギャラリーを通して買う、
というのがごく一般の方法だったからです。

それをインターネットが一変させました。
どの分野でもそうですが、インターネットの発達により、
遠く離れた個人と個人が繋がる事が容易になりました。

また、「作品の価値」が歴史的なそれから
「個人の志向」に移行している部分もあります。
「私が好きだから、気に入ったから買う」という価値観への移行です。

芸術の大衆化は20世紀の大きな流れですが、
多くは印刷物などのマスメディアに乗るものでした。
インターネットの出現により、
芸術作品でも作り手と買い手を直接結びつける
パーソナルメディアによる売買が可能となりました。

買い手はネット上の多くの作品と見比べて
「自分の好みの芸術作品」を選べるわけですから、
素晴らしいと同時に、
作り手に取ってはかなり厳しい時代が来たと言えます。
その時に不明朗なのが、価格設定でした。

それに対して一定の基準を設けたのが、
一点もの作品の販売サイトです。
この試みは大変素晴らしいので評価に値すると思います。
ただ、作品を制作する事によって生活する人たちよりも、
絵によって生活する必要のない
日曜画家のための価格設定ではないか
と思われるほどの低い設定になっています。
この価格設定の問題点は、「面積」で出している事です。

実は、一点ものの絵が出来るまでには膨大な時間と費用がかかっています。
一枚の絵が出来るまでには、
作家は膨大な数のスケッチやエスキースを試していきます。
それらにかかった時間を算入すると、
目の飛び出るような価格になりかねません。

そしてそれは作品の大小や面積とは
必ずしも相関関係があるわけではないのです。
小さな作品でもデティールを細かくしたら、
その作品の2倍の大きさの作品の3倍の時間がかかった、
ということもあるのです。

大きくて簡単に見える作品の影には膨大なエスキースがあるかもしれません。
例えとして、河井寛次郎という陶芸家が言ったとされる逸話があって、
河井寛次郎が人前で器に筆で模様をサッサと描いて仕上げたのを見た人が
「30秒で出来るのですね」と言ったら、
「60年と30秒です」と答えたというのです。
一生に渡ってのたゆまぬ精進こそが、作品に反映するのだという事です。
そしてそれは、他者に目に見える形では現れないわけですが、
作品には確実に反映されていきます。

さらに、絵描きも霞を食べて生きているわけではありません。
ですから多くの作家さんはアルバイトしたり学校の先生をやったり
イラストレーター(商業美術)やホームページ制作で生活を立てるなど、
涙ぐましい努力をされています。
またそのような活動も作家としての社会性を育む上で重要でしょう。

ただ、自分の作品制作で生活出来る事を望んでいる個人作家も
少なくないはずで、個人作家が絵の制作で生活出来るとしたら、
どの程度の価格設定ができるのだろうかと、
今回、私は自分なりの「一点もの作品」の試算をしてみました。
これはあくまでも試算ですから今後の議論が必要ですが。

企業に勤める人は、一日7時間週五日、一週間に35時間労働です。
東京だと月収25万円から30万円位はないと
生活出来ないのではないでしょうか。

絵描きには一生に渡ってスケッチや模写、資料集めが必須ですから、
35時間の三分の一をそれらに当て、
残り週約24時間を制作に当てるとします。
週五日「時給2500円」で30万円です。

買い手のコストパフォーマンス感と
作り手の安心感のその落しどころとして、
この試算はいかがでしょうか。

インターネットで気軽に取引が出来る時代に、
多くの人に「洋服を着替えるように作品を楽しんで欲しい」と思う私からの
小さな問題提起でした。

今後も考えていきたいと思います。


お持ち帰りコーナーを作りました

いよいよ明日から個展です。

今回の個展では、
「お持ち帰りコーナー」を作りまtした。

絵も出会いです。

例えば、
たまたま入ったお店でステキな洋服を見つけたら、
持ち合わせがあれば、
たいがいの人は買うのではないでしょうか。

絵は見てもらうために展示してあるため、
すぐ自分の物にならない事がよくあります。

その時は「後でくればいい」
と思うのですが、たいてい人は未来に進んでしまうために
1、2時間すれば忘れてしまします。

絵の描き手にとっても、絵を欲しいと思った人にとっても
機会逸失で、経済的にも出会い的にも残念になりがちです。

今回は、ブログにアップした作品を中心に
「お持ち帰りコーナー」を飾りました。

気になる作品があったら、
早い者勝ちですので、
ぜひ、電子データとは違う、額装を施して
ちょっとおすましな姿を見に来て下さい。