タグ別アーカイブ: ブログの効用

ブログを書いて思考方法を手に入れる(再掲)

この記事は、約一ヶ月前の2013年5月9日にアップしたものですが、
6月6日以来スパムコメントがすごいので、
いったん削除し、新しいパーマリンクで再掲します。

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最初にこのブログを始めた時の、
このブログの主な目的は、
こちらの記事に書いたように、

①美大を卒業以来、細々と描き続けて来た膨大な
スケッチやデッサンを多くの方に見て頂くため。
②読んだ本や見た映画を紹介し、本やパンフレットの現物は片付けるため。
③考えることが好きなので、その過程をメモ代わりに残すため。

の三つです。

基本的に、このスタンスは変わらないのですが、
最近は特に、③の部分を広げて行きたい、
と思うようになりました。

単純に言ってしまえば、
「書く事は考えること」だから、
ブログを書けば書くほど、
考えがまとまる時間が早くなるようなのです。

これは私にとっては思わぬ余禄です。
私は普通のおばさんですが、
昔から考える事が好きでした。
だからよく、「考えすぎよ」と言われたものですが、
疑問に思ったこと、考えていることを言葉にし、
文章にする事は、すごく「考えを纏める」のに有効なのですね。

実はブログの記事を書く時、
最初から結論が決まっていて記事を書いていることもあるのですが、
書いているうちに、考えが纏まって来て、
言いたい事が纏まる、
という事が結構あります。

20130320

書評を書くというのも、
そういうところがあって、
「タガメ女を読んでみました。
の時に、書いているうちに、
何を書くのか見えて来て、
結果、本に興味のある方たちに多少の助けになったかもしれないのと同時に、
自分の中で、本の位置が確定する、
という事を経験しました。

ところで、今、本の読み方として「多読」が流行中ですね。
一日一冊読み続けるブログも大人気で、管理人の情熱には頭が下がります。
本を読む醍醐味には、いくつかあって、

例えば小説は、
到底味わうことの出来ない体験が出来たり、
物語に引き寄せられてカタルシスを得たり、と多様です。
辻邦生の「背教者ユリアヌス」を読んだときは感動のあまり茫々と涙を流したものでしたし
吉川英治の「三国志」や「水滸伝」は夜寝るのも忘れて読みふけりました。

今なら、東野圭吾やハリーポッターのエンターテインメントに
引きつけられる、という事でしょう。

いっぽう経済や科学分野、ビジネスでは
新書やハウツーものが次々と出て、
手軽に専門的な知識を専門家が授けてくれます。

ハウツーは確かに役に立ちます。
今までで一番役に立ったのは野口悠紀夫の「「超」整理法」でした。
これは初版で読んでいますからもう二十年くらい前です。
この時、私はモノは積まずに立てにして保存すると片づく、
という普遍性を学びました。

それから松岡正剛という読書の達人がいます。
「千夜千冊」というサイトは有名です。
この人には、自分で歴史年表をつくる事を学び実践しています。
どの分野でも歴史を知る事はモノの見方ををがらりと変えてくれます。

でも、自分にとっての究極のハウツーは
結局自分の人生をかけて探すしかないと感じていて、
私はある分野を集中的に読む事によって、
物の本質にどのように迫るか思考方法をを学べる事が、
読書の面白さのひとつだろうだとも感じています。

研究者というのは、このある分野の本を纏めて読んで
その分野の思考方法を手に入れることを最大化して
深化させている人たちですよね。
そしてその分野で新理論なりを打ち出して、研究者としての地位を確立するわけです。

それは「ハウツー」と言うより「シンクウェイ」。
「どうやるか」と同時に「どう考えるか」という事です。

ブログを続けることは大変だけれど、
もしかすると、自分の思考方法を手に入れられるかもしれないし、
読者とともにそれをライブで経験出来る方法かもしれません。

もうひとつ。
絵を描くのも早くなりました。
人生はなかなか自分で選べないことばかりだけれど、
自分で選んだことは、
実行すれば自分に帰って来るものなのですね。

では。