今日は430円で、ルネッサンスから現代美術まで楽しめる
美術散歩のご案内です。
ただし、12月5日(土)および12月6日(日)までの期間が短い展示が有りますので
ご注意ください。
私自身、期間が短いので、飛んで見に行ったのです。
場所は上野から日暮里駅まで。
下の地図で①から⑦まで行きます。
①上野駅
↓
②国立西洋美術館 常設展(430円)
フェルメールに帰属するといわれる《聖プラクセディス》の展示
↓
③東京都美術館 (どちらも無料で12月6日(日)まで)
ギャラリーA「忘れたと思った?」
ギャラリーB「東北画は可能か?」
↓
④芸大美術館 (無料で12月6日(日)まで)
東京藝術大学大学美術館で藤田嗣治 《舞踏会の前》 修復完成披露展と遺品を公開展示
↓
⑤スカイ・ザ・バスハウス(12月5日(土)まで)
李禹煥リーウーファン展「色のハレーション / 空間のハレーション」
↓
⑥谷中霊園参道散歩
↓
⑦天王寺 日暮里駅
順当に歩いて4時間くらいでしょうか。
以下、スマホ散歩です。
昔は西洋美術館は写真が撮れなかったけど、
今はフラッシュを焚かなければOK。
ただし、所蔵作品に限りますので、
表示に気をつけて下さい。
私のお目当ては、↓こちら。フェルメールに帰属するといわれる《聖プラクセディス》の展示
常設の一番奥に有りましたが、
写真は撮れませんでした。
この絵は、フェルメールに帰属する、
という注釈がついているのは、真贋について
研究者の意見が一致していないからなのね。
2014年に個人収集家がこれを入手して、
西洋美術館に寄託。
皆さんはどう思いますか、という意味を含んでいるらしいです。
説明のリーフレットを読むと、
白色顔料の鉛白の同位体分子からオランダのフェルメールの時代のもの
と極めて近い、ということは分っているけれど、
フェルメールだと言う決め手は無い。
私は、フェルメールにしては上に乗っている左手のデッサンが変ではないかな、
と思ったのね。
さて、真実はどこに?
久しぶりに見た、西洋美術館の常設。
幾つかご紹介します。
この人が、西洋美術館の基本となった松方コレクションの松方幸次郎氏。
松方コレクションの数奇な運命は是非西洋美術館このページを読んで下さい。
美術館の外にはロダンやブールデルがあります。
これらもゆっくり見たいです。
おなじみモネの「睡蓮」
この絵はモネの部屋にあって、
モネは本当に楽しそうに絵を描いていたんだな、
と思わせる作品ばかり。
アイリスやシャクヤクの咲き乱れた、「モネの庭」。
モネは自分でずいぶん庭仕事をして過ごしたそうで、
それをモデルにした公園が高知に有ります。
北川村モネの庭
そして奥の印象派以前の部屋で見つけたかわいい一品。
ルーベンス「眠る二人の子ども」
習作のような筆致ですが、それがまた子どもの寝息まできこえそうで、
可愛い。
でも、よく見ると右側の子どもは、薄目を開けて見ているのね。
ささっと描いているルーベンスを見ていたのかな?
そしてもうひとつのお気に入りは、女性画家の22歳の時の自画像。
このくらい美人だと、自分を描いても楽しいでしょうね。
マリー・ガブリエル・カペ「自画像」
これ以外にも静物画風景画、セガンティー二やドニまであって
私はたっぷり2時間見てしまいました。
これで430円は安いです。
常設はおすすめです。
東京都美術館へ。
「忘れたと思った?」と「東北画は可能か?」のグループ展示です。
「東北画は可能か?」は見に行くつもりでいたら、
たまたまお隣で、美学校出身者によるユニットの作品展があることも知り、
両者のあまりの違いに、表現の奥深さに心打たれたかも。
「東北画は可能か?」
やはり2011年3月11日の東日本大震災抜きには語れないです。
思いのたけが詰まった迫力の一点。
「忘れたと思った?」
ギャラリーは地下3階。地下1階から眺められます。
銀河のよう。
比較するものではないし、偶然とはいえ、
全くアプローチの違う二つの世代の近いグループが
隣り合って展示している、
ということがすごく意味があるような気がするので、
おすすめです。
「東北画は可能か?」は図録が素晴らしい。
「忘れたと思った?」はイベントがあるようなので、上のサイトでご確認を!
どちらも6日まで。
《舞踏会の前》の作品修復過程の解説と修復後の作品の展示。
さらに、美校時代に描いた自画像やお父さんの肖像画。
技法の解析も興味深かった。
実は資料の方は、藤田に関する本を何冊か読んでいたので
既視感があったけど、
修復の方は、色々な技術的なことが分かって
いま自分の試していることにも役立ちそうで、
ほんとに行って良かった。
こちらは6日まで。
芸大を出て、谷中に向かう風景は、
まさに「谷根千」。
左右に面白いお店があるけど、
結構車の通りが激しいので気をつけて。
これはお菓子屋さん。
ただ、昔ほど昭和の雰囲気はないですね。
ちょっとそこが寂しい。
最後は現代美術の大御所。
バスハウスって、昔のお風呂屋さん跡ね。
もちろん、バウハウスももじっているのだろうと思われ。
ハレーションを起こした作品が外からも見えます。
こちらは5日の土曜日まで。
実は、私の両親のお墓がここにあるので、
私は時々来ています。
しばらく来なかったので、今日はお掃除しました。
ここの霊園は有名人のお墓がかなりあります。
珍しいところでは、お茶の水のニコライ堂をたてたニコライさんとか。
上の⑥番のリンク先に詳しいです。
通りの突き当たりは、古刹の「天王寺」。
造り直して、マンションの入り口みたいになっていてビックリ。
谷中霊園の通りは、この天王寺の参道でもあって、
桜並木なので、春はきれいですよ。
天王寺の塀に添って進むと、日暮里の駅が見えてきます。
タワーマンションもいつの間にか出来て、
あまりの変わりようにちょっとクラクラしました。
というわけで、無事日暮里駅に到着。
お疲れさまでした!
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