円安で喜ぶ人たち

我が家で、夕飯時に、経済の話しになりました。
キッカケは、今日の株の下落です。
夫が分かりやすく私の質問に答えてくれました。

そして、実は円安で儲かっているのは誰か。
その誰かさん、どうやら、風が吹けば桶屋が儲かる式のぬれ手に粟らしい。
という話しに、最後はなったのです。

今日の株の下落はアメリカに連動してのもので、
アメリカでは、200ドル以上も下がりました。
エネルギー関連がどっと下がったようです。
為替オンライン

ちなみに夫は、毎日、日経新聞と東京新聞をかなり詳細に読んでいて、
そこからの情報ですから、特定秘密は一つもありません。(爆)

実は、世界の石油の消費量は減っている。
特に中国の需要が減っている。

にもかかわらず、OPECが減産をしないから、
石油価格が下がっている。

中国の減速の影響は石油だけではない。
他の資源国にも及んでいて、資源国は売り上げが落ちている。
資源国であるオーストラリアは、そのため緊縮財政で政権の支持率が急落。
オーストラリアは鉄鉱石の価格などを5月に下げているのですね。

ロシアも資源国だから大変。

産油国は、と言うと、サウジ以外の中東諸国は売り上げが減って
消費が縮みだしたらしい。
バンバンお金を使っていた中東に出稼ぎに行っている
フィリッピンの人たちなども
仕送りが少なくなって困っている。
ここでも使えるお金が少なくなっている。

では、なぜ、OPECは減産しないのか、という点です。
実は現在世界最大の産油国はアメリカで、
それはもちろんシェールオイルなどで増産しているからですが、
日量850万バレルと27年ぶりの高水準となり
輸出も約40年ぶりに一部再開した、という事です。
しかし、シェールオイルは、掘れば出る中東と違って
設備投資がかかっている。

シェールオイルの採算が取れる価格は、幅があるけど
1バレル80ドル前後ともいわれている。
サウジは65ドルくらいまでなら持ちこたえると言っているらしい。

原油安が長引けば、シェールオイルの開発に歯止めをかけられるかもしれない、
という事のようで、
で、エネルギー関連の株が売られて200ドルも株が下がった、
という、はじめの話しにつながります。

さて、日本はどうでしょう。
アベノミクスによると、日本は輸出国ですから円安にして
輸出を増やそう、という事でした。
ところが実際は、今日本は貿易赤字を抱えています。
◎2014年度上半期の貿易赤字、5.4兆円=輸入増で最大

石油輸入国ですから、もし円安でなければ、
こんなに赤字が広がるはずは無かったし、
それに増えるはずの輸出はどうなったのでしょうか。

もう、トヨタなどは海外が拠点ですから、
輸出が増えるはずは無いのです。
しかし、ここですごいトリックが生まれます。

海外での売り上げをそのまま日本に持ってくれば、
円安ですから、なんと為替の差額でぬれ手に粟で、
トヨタにはお金が転がり込みます。

というわけで、円安で食料や生活品が上がって苦しい庶民を尻目に
円安で大喜びしている人たちがいるのですね。

もし輸出で儲けているのなら、関連企業なども潤うでしょうが、
海外での売り上げを移動させているだけですから、
ぬれ手に粟は、トヨタ本体だけ、ということになります。

これがアベノミクスの正体です。

加えて、最近は、株価維持に年金基金までつぎ込んでいますね。

なぜ、自民300議席なのか、理解不能です。

そしてアベノミクスは、当然ながら、真の目的を隠す隠れ蓑。
真の目的、憲法改正の真の目的は、実は9条ではない。
集団的自衛権の容認の閣議決定で、憲法違反とはいえ、
毀損出来る方向に持って行きますから。

実は、国を近代国家から後退させ、私たち国民から主権を奪う事なんですね。
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