総論賛成、各論賛成

20130213

都民の半分以上が選挙には行かなかったわけですが、
選挙というのは、やはり面白いです。

今回は細川さんの街頭演説に2度ほど行き、
雪の中チラシのポスティングをしました。
その程度ですが、いろいろ見聞して面白かったです。

結論から言うと、私は脱原発派は一本化は出来た、
と思っています。
こう言うと、両陣営から非難囂々、何を今更状態かもしれませんが。

というのは実は細川さんと宇都宮さんには根本的な違いは無く、
大枠の理念による総論か具体的な各論かの
違いしかなかったように思えるのです。
言い換えれば、同じような政策を理念であらわすか
細かい事例を挙げて提示するかの違いだったのです。

脱原発を第一にあげていた細川さんは「文明の転換点」という
かつて無い言葉を使って理念をあらわしていました。
私にとってはそれが決め手でした。
また記者会見では、暴走する資本主義にも言及していました。

つまり、明らかに、TPPや特区の概念とは相い入れない立場だったのです。
また、細かく言及しなくても脱原発をめざすという事は、
言うまでもなく貧困問題や雇用問題も含みます。

そして、ここがかなり重要なのですが、
「自然ネルギーで発展する」という小泉さんの構想は
実は、特区やTPPと最も遠い概念で、
まさに持続可能な人間的な、宇都宮さんもめざす社会なのです。

話しは違うのですが、実は、
先週とても小さいけど国際会議に参加しました。

参加してみて、認識させられた事のひとつが、
既にビジネスの社会では、
英語を話す修士か博士号を持つ人が、
標準仕様でワールドワイドに競争している事実。

しかも、日本語でビジネスの出来る海外の人が、
日本の会社の課長クラスに雇用され、
英語で仕事をするレベルになっている。

そして実は、私たち日本人も知らないうちにこの
英語学歴標準仕様の世界に組み込まれている。

関係ないのは、日本語で活動しているメディアと出版くらいかも。

既にある意味、世界中が首切り特区になりつつあるんだと
実感させられました。
多分、これは資本主義の本質のような気がします。
まさに弱肉強食。
そして多分もうこの流れは止められないのね。
資本主義である限りは。

でも、誰もが、そんなビジネス社会で暮らしたい
わけではないはずです。
世界に出て過酷な競争を勝ち抜いて
収入の多いビジネスのポジションを
得たいと思う人ばかりではないはずです。

だから国がやる事は、
自国にとどまり普通に生活したい人の生活を維持する事。

その点で、脱原発で国内でエネルギーを賄う、
という小泉構想は理にかなっている。
もちろん一定につましくなるけど豊かなのです。

つまり、確かに、TPPや特区に反対する事は、分かるのだけれど、
実は現状の方が既にそうなりつつある、という事です。
ビジネス社会は非情になっています。

もちろん、この流れを最初に作ったのは小泉さん自身。
小泉政権の規制緩和は、竹中平蔵の名の下に進められ
今や派遣が4割。
ただ、もうその流れは、止められないでしょう。
資本主義の必然の面がかなりあると思います。

そして今回、小泉さんは、その解決策を引っさげて
細川さんの応援に駆けつけたのです。

そういう意味でも、一本化は意味があっただろう
と私は思っています。

さて、じゃあ、一本化は細川さんか、
と言うと、私は、
細川知事、宇都宮副知事、ではダメだったのかなあ、
と思うのです。

細川さんは年齢的にも一期がギリギリでしょう。
だから、具体的な目配りの聞く宇都宮さんが副知事となって、
保守としての政治家経験の豊富な細川さんの手法を学び、
4年後に引き継ぐ、という手もあったのです。
脱原発派の長期政権です。

今回もったいなかったのは、第一に、
宇都宮さんを自発的に市民が後押ししはじめたのに
何となく一定の政党色がついてしまった事です。

政党政治である以上、政党の頚城からは逃れられないけれど、
政党は独自候補ではなく、市民と相乗りで候補を出す時は
超党派のワンノブゼム、に徹する事も考えて欲しい。
またそれが出来ないと、政党として成長しないと思います。

第二に、どちらの支持者も違いばかり言いつのっていました。
でも結局、一方は大枠の理念を提示し方向性を示し、
一方はそれを実現化する具体策を提示していたのだとおもいます。

むしろ考えようによっては理念と具体、総論と各論
保守と左派が調和した都政が生まれていたかもしれません。

こんな事書くと叩かれそうですが、
選挙戦の間中、両者の違いがよく分からなかった私としては
書き残しておきたかった事です。