懲りない面々のオリンピック

オリンピックが東京に決まりました。

最後の首相のプレゼンが決め手になった、
という報道を見ました。

一応先進国の日本の首相が「責任を持つ」
と言ったのですから、
それが嘘であろうとなかろうと、
IOC委員には関係ありません。

これで景気が良くなるかどうかは分かりませんが、
東京にミニバブルが来るのは間違いないし、
築地の移転や新国立競技場の建築ラッシュで
ゼネコンが潤うでしょう。
21世紀になって十年以上経つというのに
またぞろ全盛期の自民党政治の復活です。

これに群がる人たちは、
稼げる時に稼いでおこうと必死になるはずです。

ま、私のところに回ってくるはずもないので、
私は自分のやり方で淡々とやるだけです。

一方、今回の誘致合戦でいくつかの重要なことが見えてきました。

①「原発立地は原発が事故れば、国から捨てられる」ことが明らかになりました。
これは肝に命じたほうがいいでしょう。
泉田新潟県知事は正しい選択をしていることになります。
他の立地も、このことは真剣に考えたほうがいいとおもいます。

安倍首相はIOC総会で、
ふくいちは東京から250キロ離れていて完全なコントロール下にあり、
「健康問題は『将来も』まったく問題ない」と言い切りました。
つまり世界に明らかに嘘を言って、福島を切り捨てたのです。
安倍首相は、オリンピックを使って、福島をバッサリきりました。
右往左往の対応をしていた民主党が可愛く見えます。

②国家は国民に対しても平気で嘘をつくけど、
外に向かっても平気で嘘をつくし、外国も自分達に大きな影響がでない限りは
それを容認する、ということ。
自国の嘘は自国の民で暴くしかない、ということですね。

③人間は懲りない、ということ。

以前の記事「中東の歴史を聖書から読んでみた」
で書きましたが、
私が、ひと通り旧約聖書と新約聖書の外観を眺めて分かったことは、
聖書は何が優れているかというと、この人間の懲りない様を描いているところです。

大雑把に言うと、罰を与えられると人間は反省するんだけど、
3世代も経つと忘れて、ソドムとゴモラ化して、
また神に罰せられるということの繰り返しの話が、
旧約聖書の中身になります。
主役は変わっても、ひたすら通奏低音のように
「懲りない面々」の歴史なのです。
「人間」というものが分かっているのですね。

今の日本などまさに「「懲りない面々」によって
ボロボロになりそうです。

私は今後も明確にオリンピックに反対していきます。
非国民呼ばわりされるかもしれませんが、
同じお金を使うなら、福島の人たちの再スタートに使ってほしいのです。

福島の汚染の程度について議論する気はありません。
むしろ、今後、メルトダウンした核燃料が地下水などに
触れて行くことの方が問題だと思います。

2020年の7年後までにメルトダウンした燃料を取り出せるとは思えません。
スリーマイルの事故でも6年かかっています。
こちらはメルトダウンしたものが3つあって、
あと1500本もの使用済み燃料が宙に浮いています。

福島の人たちで福島の外で再出発したい人の希望をかなえるために
お金が使われる方が、ずっと意味があると私には思えます。

国家は嘘をつくものです。
それでも、先進国なのに日本ほど自国の民を慈しまない国があるでしょうか。
他国を陥れるのならまだ分かるけど、
自国民を大切にしない国が、これからも繁栄するとは思えないのです。

世界もそれを知ってて、最後の一儲けに一番お金のある東京を
選んだのかもしれません。