日別アーカイブ: 2016年5月21日

5月31日火星が近づく。映画「オデッセイ」の原作はブログ小説。原題は「火星の人」。

リドリー・スコット監督の「オデッセイ」を見てきました。

火星にたった一人で取り残された宇宙飛行士のサバイバル物語。
おすすめです。面白い。

まず見所は、
かなりのお金をかけて火星をセットで出現させているところ。

私はグランドキャニオンとサハラ砂漠の映像をCGで合成した、
とかそんな方法なのかなあ、と思って見ていたけど
実際に砂を運んできてセットを作ったらしい。
そのセットを見るだけでも充分に見応えあり。

そして、NASAが全面協力したという
テクノロジーの数々が実にリアリスティック。

つまりSF映画としては、ほぼ完璧で、それだけでも
見る価値ありなのですが、
何しろひねくれ者の私、
NASAの危機管理や情報公開、女性幹部といった
現在の社会的課題を何気なく織り込んでいて、
そちらが気になって仕方なかった。
この件に関しては、別に記事を書きます。

さて、宇宙での危機を扱った映画としては
トム・ハンクス主演の「アポロ13号」があります。

こちらは実際にあったお話。
こちらもおすすめ。

この映画を見た時にも、そして今回も思ったのが、
その組織の実力が発揮されるのは危機の時、
ということ。

「アポロ13号」は実話ですから、圧倒的なリアリティで
NASAや科学者や関わる人々の実力と熱意を伝えてくれます。

一方、「オデッセイ」の方は、全くの新人作家のブログの連載小説が
原作です。

原作者のアンディ・ウィアーは、2009年から小説を書き始めて
ブログに上げていったそうです。
しばらくすると読者がつき、
やがてキンドル版が発売され、35000もダウンロードされたとか。

その後はエージェントが代理人をするようになり
映画化まで長い時間はかかりませんでした。

アンディ・ウィアーは、もともとはプログラマー、
父親が素粒子物理学者だそうです。
素質も環境もあったのでしょうが、
そのリアリティは彼のこだわりだそうです。

原題は「The Martian」。日本ではハヤカワ書房から「火星の人」
として出版されています。

それをわざわざ「オデッセイ」という日本の題名をつけたのは
やはりスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅、スペースオデッセイ」
にちなんだのかもしれないです。

でも、それはちょっと違うな、と思うのです。
というのも、
映画「2001年宇宙の旅、スペースオデッセイ」が作られた当時、
全くの絵空事で叙事詩であった宇宙探査が、
現在そのテクノロジーは確実に進展していて、
もう絵空事ではなくなりつつあるからです。

実際NASAは「Journey to Mars」というサイトを作っています。
NASAのサイト
Journey to Mars

映画にも出て来るのですが、地上を走るローバーが撮影した火星の写真

この写真を巡っては、
火星に草が生えている、というサイトがあるほどです。
NASAは否定しているようですが。
火星の砂丘に植物が群生

実際、太陽系で地球に近く、
生物が生きられそうな、
つまり水がありそうな惑星は火星しかないわけです。

ところで、私は読んだ事ないですが、
人類を火星に移住させる計画を扱った「テラフォーマーズ」という人気漫画の
実写版がかなりの酷評です。
映画「テラフォーマーズ」レビューが大荒れ

映画自体を見ていないので、論評は出来ないのですが
宇宙空間という設定の割にお金が足りているかな、という疑問はあるし、
また、上の「〜大荒れ」のサイトにある海外批評の「最初のシチュエーションの説明の失敗」
というのは、日本映画にありがちですね、残念ながら。
このことも機会があれば記事にしたいです。

話しを「オデッセイ」に戻すと、
リドリー・スコットは割合と台詞が少ない監督です。
「ブレードランナー」は、台詞より雨の落ちる音の方が多かった。

ところが、この映画は、
主人公が死ぬかもしれない自分の生きた証しを記録するために
コンピュターに語りかけるモノローグ場面が多用されます。
その多いモノローグは
火星でひとりぼっち、という極限状況にありながら、
ユーモアたっぷりに脚色されています。

火星に人が行く、というのは確かに夢物語ではなくなっているけれど、
行ったらどうやって帰って来るのか、
という大問題があるとか。
そうですよね。火星に降りたら、また、地球にむけてエンジンを噴射しないと
戻れないですもの。

ところで、約10日後の5月31日、約2年2か月ぶりに火星と地球が最接近するそうです。
関連サイト 火星を見よう

地球と火星は2年2ヶ月ごとに接近して、
最も近いときが約5600万㎞。
最も遠いときで灼4億㎞。
今回は、約7500万kmまで近づく中接近で、
この前後の期間は比較的大きく見えるので、火星の模様を観察する好機だそうです。

ちょっと楽しみですね。
是非あなたもチェックしてみて下さい。

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