月別アーカイブ: 2015年6月

ソーラーインパルス と リニアモーターカーにおける オジさんたちの未来の語り方の違い

6月1日、本当は日本に来る予定でなかった
ソーラーインパルスが、悪天候のため、名古屋に到着、
というニュースが夜、流れてきました。

世界一周のソーラー機、悪天候で名古屋に着陸へ

ソーラーインパルスは、ソーラープレーン (Solar Plane) で、
「翼の上面に搭載した太陽電池で発電し、
モーターでプロペラを回転させることによって飛行する航空機」
なのですね。
全然知りませんでした。

ソーラーインパルスのサイト

昨日の名古屋へのランディングの様子。
LIVE: Solar Impulse Airplane – Landing in Nagoya – #RTW Attempt #futureisclean

このプロジェクトの創始者でチェアマン、ベルトラン・ピカール氏は
1958年生まれのスイス人の飛行家、精神科医師だそうです。
1999年に20日間弱の飛行で気球による初の無着陸世界一周飛行を達成。(FAI公認世界記録としては世界一周最短時間記録370時間24分)
コア・ティーム
ピカール氏のお祖父さんオーギュスト・ピカール教授(物理学)は著名な気球飛行家で深海探検者。気球による高度記録を達成。
父のジャック・ピカール氏は有人潜水深度記録を作った海洋探検者。
科学者であり冒険家の一家なのですね。

上のYOU TUBEのビデオは1時間40分以上あって長いですが、
予定外の名古屋へのランディングのライブだけではなく、
このプロジェクトチームがNASAもビックリの設備と安全性への
取り組みをしていることが分かるビデオが途中に挟み込まれていて興味深いです。

飛行機が海に落ちた時のシュミレーションの練習や
コントロールエリアもまるで、スペースシャトルのコントロール室のミニチュア版。

Future Is Clean(未来はクリーン)をキャッチフレーズに
彼らが、なんとか未来に希望を繋げたい、という意気込みが伝わってきます。

ま、実際やっていることは、
ライト兄弟が大西洋を横断した以上のことではないし、
シニカルな人は「太陽電池で飛行機飛ばすなんてお遊び」
というかもしれません。

特に「現実的」なことが大好きな日本のおじさんたちは
「金ばかりかかって、夢追っている」くらいの感想かもしれません。

しかし、「現実的」というかけ声の元におじさんたちが推進している事業、
例えばリニアモーターカー、なんて、南アルプスの下を掘り起にして
水脈をズタズタにするなど計り知れない環境破壊を引き起こしてやろうとしています。
しかも、少子化で経済だって収縮して行くことが分かっているのに
無理に進めれば、国民に負担を強いることになるかもしれません。
原発と同じ構図ですね。
必要不可欠でない上、未来の環境や人間への生活に多大な負荷をかける事業を
顧みることなく進める、経済界や政治家のおじさんたち。

彼らに比べれば、ソーラーインパルスのプロジェクトには
少なくとも未来を守りたい、という「心」があります。

上のビデオを見ると分るけど、
未来世代にもツケを残さないようになんとかしよう、とプロジェクトを進めながら
現実に関わる人たちの安全を様々なシチュエーションを想定して
徹底的に確保する態度は素晴らしいです。

火山が爆発しても原発絶対安全、と言ってのけちゃう首相たちと思わず比べてしまいます。

そういえば、年金情報が125万件も漏れたそうですが、
メールの添付書類を開けるという、
サイバー攻撃ともいえない初歩的ミスです。
セキュリティも何もないですね。
公務員には個人情報保護法は適用されないんですかね?

ところで、上のビデオで最期に、ソーラーインパルスから降りて来た操縦士と握手する
日本人の男性がいます。
きっとこの日本への予期せぬ着陸に尽力された方なのでしょう。
そして、多分日本の技術や研究や民間事業も、
ソーラーインパルスに負けないぐらいの水準があっておかしくないはずです。

でもそういうのを全部ひっくり返しちゃうのが、
今の政治家や経団連のおじさんたちなんですよね。
しかも絶対に責任を取らない。

そういう事を客観的に示したかのようなデータが、下記です。
日本の競争力、27位に低下 首位は3年連続で米

日本は政府部門の財政と移民政策に加え、ビジネス部門の国際経験と経営幹部の競争力が最下位だった。(記事より引用)

笑うに笑えない内容です。
政治ってつくづく重要だなって、思います。

↓こんな記事もありました。
ソーラーインパルスだけではない NASAが開発する“次世代”航空機 注目はその翼にあり

世界は未来を見ていますね!

麦秋、至る。

wheat

麦が収穫されるこの時期を「麦秋」(ばくしゅう)と言います。
むぎあき、と訓読することもあるようです。

いい言葉ですね。

二十四節季(にじゅうしせっき)では、この時期、五月の下旬から6月4日くらいまでを
「小満」と呼びます。

二十四節季はさらに各節季が、初候、次候、末候、の5日ごとに分かれていて、
「麦秋、至る」は「小満」の末候。

麦の穂が金色になるから「秋」とも言うのでしょうが、
もともと「秋」という言葉には実りの時、という意味もあるそうです。

6月の梅雨に入る前、この時期はまさに実りのときでもあるのです。
ウメやアンズの実もこの時期です。
↓アンズの実。
20130610

3月に、昆虫の少ない時期、メジロがセッセと
アンズの花の間を飛び回っていました。

20150601mejiro

麦の秋が終わると、いよいよ田植えです。