日別アーカイブ: 2014年2月13日

「文明の転換点」のエバンジェリスタ

strawberry

ふって湧いたような都知事選。
そのふって湧いたチャンスに
細川護煕さんが立候補してくれました。

残念ながら、敗退したけれど、
ほぼ準備の無いまま、しかも「脱原発こそ文明の転換点」という
概念を掲げ、ゼロの状態から95万票を掘り起こしました。

選挙は勝たなければ意味はないのですが、それでも
今まで左翼の専売特許と思われていた「脱原発」に
保守が名乗りを上げた事の意味は
計り知れない影響力があると同時に、
実は同じように思っている人が、100万人近く居た、
という事実を可視化してくれました。

また、多くの文化人や有名人が応援として
名乗りを上げました。

これを「有名人を使うなんて、市民運動にあるまじき事」
と声を荒げる人も居るようです。
しかし、お金持ちも労働者も、無名も著名人も、声を上げないと、
「脱原発」という大仕事は成し遂げられ無いのではないでしょうか。

そしてなにより、「文明の転換」という
とても大きな目標が掲げられた事が今回の選挙の
最大の特徴だったと思います。

選挙というのは一種のポピュリズムですから
どうしても、「あれをやります」「これにお金回します」
という政策の提示になります。

もちろん、政治は税金の配分の問題ですから
当たり前です。

だから、反対にいうと、
今の生活を変えようよ、という方が遥かに勇気が必要だし
難しいわけです。

政治家として総理まで上り詰めて、悠々自適な生活を送っていた人が、
どうも変だぞ今の世の中、と
身を呈して日本の未来像を提示してくれたわけです。

今はグローバル企業が国家をも凌駕しようとして、
格差も広がっています。
それ自体も問題だけれど、
それを推進する人たちはすごく重要な事を
忘れている気がします。

地球は有限だ、という事です。

そして既に世界では、それに気づいて、
未来を見据えて新しい世界を作ろうと
多くの人が動き始めています。

日本も早くそういう新しい生き方にシフトして行こうじゃないか、
それでも、経済的にやって行ける、という新しい概念の提示だったのです。
脱原発はそのスタート、出発点。

残念ながら、新しい概念であったうえ、
メディアも「脱原発ワンイシュー」という矮小化に始終したので
消化不良の感は拭えませんが、
それでも、二週間の選挙戦で60回の街宣で20万人くらいの
人が演説を聴いています。

新しい価値の種はまかれ始めたばかり。
気づいたひと一人一人が、
もっともっと種を撒き、育てなければなりません。

でもこれは、確かに小泉さんが言うように
「夢のある仕事」なのです。

屋久島へ行って森の言霊を聞いたり、
里山公園でイネ作りをしたり、
鳥の美しさを描きとめたり、
といった今までの経験を生かしながら、
私もそんな夢のある仕事のエバンジェリスタになって行きたいな、
と思うのです。

以下にいくつか関連記事をまとめておきます。

小泉さんののオンカロ報告
↑56分位から40分ほど。非常にうまく原発の状況と自然エネルギーについてまとめています。

Listening:殿、次の一手は 東京都知事選で敗北、細川護熙元首相

脱原発は文明の転換を求める戦いです。日本人の生き方の問題です。ずっと訴えていかなくちゃいけない。うねりをもっともっと大きくしないと。小泉さんもまったく同じ思いです。

「小泉頼み、やめた方がいい」=脱原発、機運しぼまず-細川氏参謀・古賀茂明氏

「『原発即ゼロ』は、単なるエネルギー政策でなく、成長戦略でもある。欧米の企業が原発をやめて自然エネルギーに猛然とシフトしているのに、日本だけが原発に回帰しようとしている。今、競争力を持つ産業は自動車しかない中で、これから飛躍的に伸びる自然エネルギー産業に集中投資して勝負する。それによって雇用と所得を生み、福祉にもお金を回す循環をつくっていく考え方。鉄とコンクリートで自然を破壊する大量生産・大量消費型の成長の仕方から、脱原発で環境を維持しながら、生活水準も落とさない新しい生き方だ。ただ、そこが都民にきちんと伝わらなかった」

「現在既に『原発ゼロ』が実現していて一番大変な時だが、今後は自然エネルギーが増えて省エネが進み、どんどん楽になってくることを国民に認識・理解してもらうことが重要だ。原発ゼロはいばらの道ではない。風力、太陽光、バイオマスによって、疲弊した地域や山村に新しい産業が生まれ、大都市と地方が共存するシステムができる。脱原発は国の在り方を変えていく新しい時代の流れだという、『世界の常識』を浸透させていく必要がある」

ブログ「黒森庵の、こんくらい」さんから
感動の二週間の記録です。
2014都知事選日記。