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madamkayoko について

ほそぼそと絵を描き綴り、言葉を書き綴っていきます。

ブログを巡るあれこれ/小飼弾さんの「自分のメディアの時代」が私の原点

今月の25日で、ブログ開設後丸2年経過し、
3年めに入ります。

私がブログをやる上で、いつも念頭に置いているのが
小飼弾さんの「自分のメディアが持てる時代」という言葉です。

その言葉を聞いたのは、「朝まで生テレビ」の中でした。
多分、2003年か2004年くらいだったと思います。
現在の家のリビングで観た記憶があるので、
2003年より前ではないと思います。

その時の鮮烈な印象は今でも忘れません。
個人が発信できる時代の到来なんだ、
という驚き。

あの一言が私をネットに目覚めさせたと言っても過言ではないかもしれません。

その後、既存のブログサービスでブログをもったこともありましたが、
時間管理の難しさから削除してしまいました。

そして2011年の大震災と原発事故。
怒濤のような日々が始まり、
以前少しだけかじったHTMLとCSSをなんとか思いおこして
ホームページを作リ出しました。
その時の心境は「「分析は悲観的に、行動は楽観的に」にも書きました。

結局本格運営が始まるのは2013年1月でしたが、
遅れたのには理由がありました。
ドメイン名が決まらなかったのです。

ホームページを作るにあたってドメイン名に関して、
いくつか考慮したいと思うことがありました。

●覚えやすいこと
●海外の人でも分かりやすいこと
●プライバシーが簡単に分からないこと

ドメイン名は自分の名前や会社の名前を付ける人が多いでしょうが、
日本人の名前は、ローマ字でもなかなか読みにくいものです。
私は、せっかく世界に開かれているインターネットだし、
しかも言葉ではなく「絵」が主役なのだから
英語圏の人にも意味の分かるドメイン名にしたかったのです。

随分と自意識過剰、と思われるかもしれませんが
これにも原体験があります。
2000年に初めて米国のワシントンに行った時に、
あちらで会った人に「絵を描いている」というと
必ず「ホームページはもっているか?」
と聞かれたのです。

そのとき、インターネットが世界に開かれている事を肌で感じました。

「atelierofmadam」というドメイン名は、一般名詞と前置詞だけの組み合わせですから、
英語が読めれば簡単に覚えられます。
また、日本の方には「マダムかよこのアトリエ」と日本語で検索してもらえば問題ありません。
むしろアルファベット文化ではないので、その方が検索しやすいでしょう。

さて、このブログでは自分の書きたい事を書いてきました。
小飼弾さんの言葉を聞いてから10年以上経っても
なかなか「自分のメディア」として使いこなすのは大変です。
それでも、検索ワードを見ると実に様々な方面から検索されている事が分かります。

最近は映画「鳥の道を越えて」の映画評を書いたところ
映画のサイトにご紹介頂きリンクも張って頂いたので、
そこからの訪問者が増えています。
「秀作ドキュメンタリー映画 その①「鳥の道を越えて」」

NHKでポールスミザーが紹介されると
園芸関係のページのアクセス数が増えます。
雑草という名の草はない

また、梅雨くらいになると「草むしり」での検索が増えます。
一年で、庭が大変身!

昨秋は「オペラアイーダ」の検索で来る人も多かったです。
オペラアイーダ、キャンセル騒動

検索ワードを見ると、ネットといえども、
リアルトの関係でアクセス数が増える事が分かります。

というかむしろ、過去記事はリアルとの接点で読まれる事が多いのでしょう。
これも「自分の書きたい事を書いている」からだと思います。

ブログ運営に関しては、
「テーマを決める」という事が金科玉条のようにいわれるけれど、
むしろ「自分のメディア」と考えると
そんなにこだわらずに「全体で自分」そしてそれが読んだ人にも役に立ったり
ヒントになったりすれば儲け物、
くらいに考えておく事が長続きのコツかもしれません。

最近は、少し更新頻度が落ちていますが
やはりブログは更新頻度を上げないと、と思うこの頃。

3年目をむかえて初心に返ってブログを書いて行きます。
挿絵もお楽しみに!

いつもの光景が戻ってきました

毎年、年が明けると我が家の庭の金柑が熟れて来て、
ヒヨドリがそれを食べに来ます。

それをガラス越しに猫たちが興奮気味に監視する、
という冬の「いつもの光景」が戻ってきました。

2015013

「いつもの光景」と書くのには訳があります。

実は右側の妹猫が、10月の終わりに急に具合が悪くなり
手術入院をして二週間ほど我が家を不在にしていました。

また家に戻ってきても、エリザベスカラーをしているために
姉猫のマーマレードタビーとの間が
上手く行かなくなったり、
飼い主としてはヤキモキのこの2ヶ月でした。

しかも、11月の終わりには、家人も入院。
これは命に関わらない予定が決まっていたものでしたが、
やはりバタバタと年末年始を迎えることになりました。

このところ、ようやく妹猫も完全復活で、
最近は、二匹並んで朝一番でこの監視体制に入ります。

私も少し安心して、そろそろ人間用の金柑ジャムを作ろうかと
昨日、実を摘んでみたら、500グラムくらいしかありませんでした。
ヒヨドリの食欲は旺盛で、大きな熟れた実はあらかた食べられてしまいました。

ヒヨドリはもともとは山間部に生息していた鳥らしいですが、
雑食ということもあるのか、今は都会の代表的な鳥になりました。
尾が長く扇状に開きます。

我が家の周りには、メジロ、ハクセキレイ、
ムクドリ、シジュウカラ、といった鳥たちがやってきます。

人間世界が騒がしく、こんな平凡な動物たちの営みにすら
ホッとさせられます。

ところで、去年金柑ジャムを作るとき、三温糖の茶色の砂糖で煮つけたら、
う○こ色になってしまったという大きな失敗をしでかしたので、(笑)
今年は、しっかり白砂糖で煮ることにします。

<関連記事>
やっぱり猫が好き

今年はあなたも自分LOVE元年。自分を大切にして、行動しよう。

20140104

このイラストは今年の年賀状の図柄です。

さて、
フィギュアスケートの安藤美姫さんが恋人と赤ちゃんのスリーショットを
インスタグラムに投稿。

それが炎上しているみたいです。

また、スケート連盟も「イメージ」というわけのわからないものに
お怒りのようです。

自立して子育てしている女性が、
子どもを抱えて男性と交際する事が
なぜ、スケート連盟のイメージを悪くするのかチンプンカンプンです。

安藤さんは、未婚の母を選んだ時にもずいぶん叩かれました。
あのとき私は、子どもが生まれるのに祝福しない社会って、
かなり深刻、と思ったものです。

思い返せば、昨年は、日本の男尊女卑の体質が露になる事が
いろいろ起きました。

都議会での下品なヤジが問題になりました。
一方で、おにぎり女子が絶賛されました。
また、ホステス経験のある女性が女子アナ内定を取り消されました。
さらに、ろくでなし子さんは、2度も逮捕されました。

これらがなぜ問題なのかが分からない場合には、
逆の場合を考えてみればいいのだと思います。

もし都議会で、男性議員が女性議員に「種無し」とやじられたら
女性議員は、辞職に追い込まれたのではないでしょうか。
もし、女子サッカーの男子マネがおにぎりを2万個作って
進学レベルを下げたら、絶賛されるでしょうか?
成績優秀なイケメン男子アナがホストのバイト経験があるからと
内定取り消しになるでしょうか。
ろくでなし子さんのやった事が犯罪なら
秋祭りに登場する男根のお飾りや神輿はどうなるのでしょうか。
宮司が逮捕されたという話は聞いた事がありません。

私が特に問題だと思ったのは、おにぎり女子の話しです。
「本人が良いのならいいだろう」という意見があったのは知っていますが、
問題は本人ではなく、周りの大人です。

おにぎりを作るという事が、
進学のレベルを下げてまでやる事なのかどうか、
つまり人生のプライオリティを下げてでもやる意味のある事なのか
本人が判断出来ないのなら、周りの大人が、きちんと判断して
本人の将来への選択の道筋をつけるべきです。
それが教育者でしょう。

安藤さんの件といい、まるで
女性は自分の人生を主体的に大切に扱う権利がないかのようです。

ただ、これが隠しようのない日本の実態ですね。
私が最初に就職した時と何も変わってないです。

だから、とにかく日本の女性には、密かに、でも断固として
自分の人生を生きて欲しいです。

実は、女性だけではないのかもしれません。
男性自身が自分の人生の主役でないから
女性にも端役を担わせたいのかもしれません。

だとしたら、今年は自分LOVE元年。
自分を大切にして、行動しましょう。
他人はあくまでも他人です。

そう書くと、権利ばかり主張してエゴだ、
みたいなトンチンカンな反応がありそうです。

しかし、考えてもみて下さい。
自分を大事にしない人に、他者を大事に出来るでしょうか?
自分を慈しまない人に他者を慈しめるでしょうか。

去年の11月以来、スティーブン・コヴィーなどの
いわゆる人生ハウツーものの代表的な本を何冊か読んでいます。
読まないと批判も出来ませんから。

総じてこれらのテーマは二つあります。
「自分を大切にする」
「行動する。実践にうつす」。
細かい手帳の使い方とかあるけど、基本的には
ほぼこの二点です。

逆に言えば、自分を大切にしないで行動に移せない人がいかに多いのか、
という事でしょう。

安藤さんの記事にコメントを入れてディスる時間があったら
本でも読むか、ブログを書く方がずっと自分のためになります。

一人一人が自分を大切にするようになれば、
自ずと政治や社会の事にも興味が出て来るでしょう。
何故なら、それらが自分の生活と直結している事が
見えて来るからです。

自分LOVE。
それは自分自身を生ききる事です。

些細なことが完璧を作るが、完璧は些細なことではない

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

表題の言葉は、ミケランジェロの言葉です。

「些細なことが完璧を作るが、完璧は些細なことではない」
ネットで調べたら、

サミュエル・スマイルズという人の自助論 ~新訳完全版~」に出て来るようです。
グーグル・ブックスで少し読めます。

しかし、一方ドラクロワは
「何事にも完璧を求める画家は、何一つ成し遂げられない」
と言っています。

ドラクロワは
「民衆を導く自由の女神」で有名な、19世紀ロマン主義を代表するフランスの画家です。

上の二つの矛盾するような言葉ですが、
実は、同じ事を二つの方向から言っているように思えるのです。

「ひとつ一つ、小さな些細な事を丁寧に、積み重ねていけ」

こういう事だろうと思うのです。

一枚のデッサン、スケッチブックの片隅のエスキース、小さなイラスト。

それらは完璧ではないかもしれなけど、
いちまいいちまい些細な事に手をぬかずに描いて
いちまいいちまい積み重ねていけ。

千里の道も一歩から。

そうやって積み重ねていった先に出来る世界は些細な世界ではない。
そういう事だろうと思うのです。

東京港野鳥公園でボランティア活動をしている
グリーンボランティアの機関紙の表紙を描き始めて
3年経ちます。

リソグラフという昔の謄写版印刷のような手作りの機関紙で
表現に制約があり、それ故にいろいろ工夫を重ねて来て、
「スパッタリング」という方法にたどり着きました。

歯ブラシに絵具を付けて網で擦ると
キメの荒いエアブラシのような効果が出ます。
小さい時にやったことがある方もいるのではないでしょうか。
去年の一月から12月までをアップします。

ケント紙にグラフィックペン ケント紙にグラフィックペンと水彩 20140215

20140325 20150101_4  20140807

20150101_1 20150101_2 20150101_3

20150101_5 20150101_6 20150101_7

どちらかというと、年末企画風ですね。
でも、
今年の目標を何にするにせよ、
疲れたり行き詰まったら、
「些細な事が完璧を作るが、完璧は些細な事ではない」
という言葉を思い出して欲しいと思い、
元旦の今日のテーマとしました。

何かを急にやり遂げられる人はいません。
ピカソですら、ただただ、ひたすら数をこなして
積み重ねていったからピカソになったのです。

絵だけではないのはもちろんです。
世の中が政治の不安定さやグローバル化で息苦しいですが、
どんな時も、目の前の事を丁寧にやって積み重ねていけば
何かあったときでも、自分がその時点での最高の状態でいられるはずです。

もちろん
最悪の事は考えておいた方が良いでしょう。
「突然事故にあったら……」
「家族が病に倒れたら……」(去年、10月から12月は我が家でも)
「大地震が来たら……」
「巨大な台風が来たら……」
「大雪に見舞われたら……」
原発が本当に再稼働するとしたら、近くの人はイヤでも
「事故が起きたら……」
と考えざるをえないでしょう。

そして避難経路の確認や水や食料の備蓄
家族の連絡方法、
手元のお金はすぐ引き出せるのか(これが意外に重要ですね)
そういった事はしっかり備えておいて、

でも備えたら、普段は忘れ
あとは楽しく、やるべき事やりたい事をひとつひとつ丁寧にやっていく。

忘れるなら、最初から考えなくても良いのでは、
という人もいるかもしれませんが、
備えておけばイザという時の機動力が違いますから
サバイバル力が1万倍くらい違うでしょう。

「どうせいつか死ぬから」という人もいるようですが、
備えれば生き残れる確率がずっと高くなるのですから
自分を粗末にしてはいけません。

というわけで、
しっかり備えて、あとは楽しく、
夢中になって目の前の仕事や課題を「丁寧に」
積み重ねていく。

もちろん、
何も起きないのが一番ですが。
それは祈るしかないというか、祈っても無駄なので、
備えて気にしないのが一番です。

2015年がみなさまに取って、幸多き一年であることを
祈念してやみません。

見て描いて、心でデッサンする

今年は12月に入ったとたんいきなり寒くなりました。
冬は、葉が落ちて木の枝ぶりや姿を描くにはちょうど良いですし、
去年は装備を整えてノスリなど鳥も見に行きましたが、
今年はのっけからとにかく寒くて、野外スケッチに行く気力が湧きません。

で、今年の冬は少し趣向を変えて、時々
「仕組みを知って、想像でデッサンする」練習をしています。

特に人間を見ないで描きたいので、
大学時代に習った美術解剖学を、
改めてやっています。

美術大学では、専攻によっては、見ないで描く事は推奨されませんが、
しかし、「想像で描ける」という事は獲得しておくべき
能力だと、近頃強く思うようになりました。

人間の骨格や筋肉の着き方はとても複雑です。
しかし、最近は、コンセプチュアルアートやアニメ
マンガなどの分野で「想像で描ける』ことが要求されるので、
美術解剖学が改めて注目されていて、
良い本が次々と出版されるようになりました。

私は以下の二冊を中心にボチボチやっています。

このウィンスロウ版は昨年の4月に出版され、評判が良いのか
一年で既に5刷です。
非常に詳細ですし、大学の授業で使える内容で、
超お薦めです。
ただ、独学でやる人には特に第一章がハードルが高いかもしれません。

もう一冊。

このヴァレリー版が出版されたのは四半世紀以上前。
私は以前からこちらを持っていて、
しかし正直言うと難しくて、全く使いこなせなかった。
が、今回、上のウィンスロウ版の不足を補ってあまりあり、
この二冊があって、人体の美術解剖学はほぼ網羅されたと言えるでしょう。

ダヴィンチもミケランジェロも膨大な「想像によるデッサン」を残しています。
もちろん、同じくらい沢山の「見て描いたデッサン」もあるわけで、
見て描く事と、想像して描く事は、創作の両輪です。

葛飾北斎も膨大な想像による「北斎漫画」を残しています。
直しの聞かない墨でちょいちょいと描いてしまう能力は
ミケランジェロもビックリでしょう。

実は今回、もう一冊参考にしているのが
マンガの神様、手塚治虫の「マンガの描き方」という本です。
見ないで描く、と言ったら北斎だけでなくマンガですから、
きっとヒントがあるだろう、と思ったわけです。

そして、この中で、手塚治虫も、写真なんか見て描くよりも、
本物のデッサン(見て描く事)と心のデッサン(想像で描く事)
の両方を薦めています。

以前、安野光雅の「絵の教室」という本にも同じような事が書いてありました。

この中で、安野さんの知り合いのイラストレーターの方が
爬虫類が好きで、
見ないでそのウロコが身体の流れに添ってカーヴしている様子を描き分けて
感心したという記述があります。

今は普通に写真を使って絵を描く事が行われています。
しかし、仕組みを知れば、想像で描けるわけです。
仕組みを知らずに、写真に写った部分だけ写真の通り描く事より
想像でも仕組みが分かって描くことの方が説得力がある絵が描けそうです。

最初にその事に思い至ったのが、鳥を描こうと思った時です。
なぜ鳥は飛ぶのか、どうやって飛ぶのか、
それを知るためには、どうしても骨格を知る必要がありました。

鳥の博物館へ行って、何体もの鳥の骨格をデッサンしているうちに
見ないで鳥は描けるようになってきました。
最初はまったく分からなかった羽の畳まれ方や
羽ばたくときの羽の動き、
そういったものが少ずつ見えて来るのです。

もし、鳥を描いていなかったら、
人間の美術解剖学にこれほどすんなりと馴染めたかどうかわかりません。

今日はスズメとムクドリの違いを描いてみました。
20141223d

人間の骨格は頭から肩までのつながりを描いてみました。
人間は首と肩の骨格が複雑に絡み、そして実に巧みに出来ています。
第七頸椎の下から一番上の肋骨が出ていて、
その上に肩甲骨からの骨がまたいで鎖骨につながっています。
二次元に描くのはなかなか難しいですが、
3次元を頭で想像しながら描いていました。

こうやって、想像力を養いつつ、
実物を見て描いてく事も怠りなくやらなければなりません。
20141223_2
電車の中で描いたものです。
電車の中は意外に揺れるのですね。

人間への謙虚さが、人間を強くする

クリスマスカード用の絵を描くのに
資料の中から出て来たのがこの写真。

robamieni

サンタクロースの町、ロヴァニエミの空港で撮影したもの。
このときサンタクロースの町には行かなかったけど、
オーロラを見にトナカイツアー、っていうのに参加したのよね。
残念ながらオーロラは見られなかった。

この時、ドイツで働いているオランダ人の彼氏とポーランド人の彼女、
というカップルとも一緒で、途中でログハウスで休憩中に
いろんな話しをしたの。

ヨーローッパ、って広そうだけど、
よく見れば、主要都市間は飛行機で一時間もあれば行けるし、
週末にちょっとフィンランドまで、とか
来月はスペインのバルセロナまで、
とか普通に行ったり来たり出来る。
そのカップルも、週末には飛行機で非日常を楽しみつつ
平日には寿司バーで昼食をとる。
週に一回は寿司バーに行くと言っていましたね。
ヘルシーヘルシー、と連発。

それも平和だからね。
ヨーロッパが、二度の戦争で懲りて、紆余曲折がありながら、
二度と戦争をすることが無い体制を作り上げたのは
やはり、「知恵がある」と思うのね。

ヨーロッパは中東に首突っ込んでメチャメチャにしたし
アフリカの問題とか糾弾されるべきことはいっぱいある。
確かに都合いいな、とは思う。

ただ、彼らが世界をリードするには理由があって、
彼らは常に歴史から学んで、
人間の暴走を止める「システム作り」をしようとしている。

民主主義とか立憲主義とか法治主義といったシステムは、
そういう中から生まれているのね。
根底には、ソクラテスから脈々と続く人間観察の力。

常に「人間とは不完全である」「権力は暴走し腐敗する」
という人間への謙虚で且つ第三者的視点を持つことが
結局は人間を強くし、人間社会を安定させる、という事を学んで来て
それを前進させようとしているのだと思う。

だから彼らは強い。世界のヘゲモニーを掌握する力がある。

「7つの習慣」を読んだ時に
●感情ではなく原理原則に従って判断する

という項目があって、これは
「人間は不完全で判断を間違うから法や憲法に判断させる」
という立憲主義にすごく通じる理念だな、と思った。

でも考えてみたら、人生の判断を下すのに、すべてを考えていたら
迷うばかり。
ある価値観に照らし合わせて判断を下せば、ずっと楽になる。

だから、今の政権が迷うことなく嘘でも何でも判断を下せるのは、
「改憲して皇国史観の国体を作るのだ」
というトンデモ価値観に基づいているからなのね。

でも、それがとんでもないのは、それが嘘と隠蔽から出来ていること。
しかもそれは一度失敗して自国民だけでも300万人とも言われる犠牲者を出して終わっている。
それなのに、自分たちの先の戦争での所業を反省するという謙虚さも、
世界的文脈を考慮した第三者的視点もない。

「独自の政治体制があっても良いはずだ」
という一見筋の通ってそうな見解も、
だったら、NHKを支配したり、メディアに圧力かける事無く
堂々と国民に問うてほしい。
選挙の争点は経済政策だけです、なんて欺瞞はやめて欲しい。

結局自分たちの歴史観や政治体制が国民や世界に受け入れられない事が分かっているから、
こういう事をやるのよね。

いみじくも引退を表明した石原慎太郎が記者会見で
「国民は憲法には興味ない」と、言いました。
興味ないと言うより、日本国憲法が当たり前ですから。

これからも憲法については書いて行きます。
国に自分の人権を剥奪されるのはまっぴらですからね。

でも、私のブログは、あくまでも「のんびり社会派」。
普段は楽しく読んだ本の読後感や見た映画のはなし、
また里山活動や鳥の観察会などを中心に
デッサンやエスキースをアップして行きます。
家にいろんな写真がある事に気がついたので、
今日みたいに写真も時々。

興味のある事や好きな事をブログを書くのはとても楽しい。
何でもやるなら楽しくやりたいですから。

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↓先日、本屋さんで平積みになっていて、「おっ!」と思いました。
憲法を暗唱するアイドル 内山奈月×南野森『憲法主義』

YOU TUBE版もあります。
内山奈月×南野森『憲法主義』 (PHP研究所刊)
内山奈月さんってすごいです。お薦め。

あべさんも見た方が良いんではないか??

↓原文と池澤夏樹の寄り添うような訳が読みやすい。お薦め。

きっと彼はそれを我慢出来ない

やたら意味深な題ですけど、今朝の、我が家の選挙総括です。

多分、自民党は(首相は?)改憲を急ぐあまり衆議院議員の任期4年を待てずに、
2016年の参議院選挙は衆参同日選挙になるだろう、
というものです。

とにかく改憲をしたくてしたくて仕方ないけど、
改憲発議には衆参両院で三分の二以上が必要です。
ところが、
むしろ今回は議席数を減らしてしまい、遠のいてしまったのです。

だからきっと、自民党は(首相は?)我慢出来ずに2016年の参議院選挙の時に
衆参同時選挙を仕掛けてくるだろう、
というのが我が家の選挙総括です。

解散時、
アベノミクスしか問わないみたいな事言っていた人が
開票結果が出たとたん、改憲を訴えて行く、
と言い出しているのです。

アベノミクスが隠れ蓑である事は明らかだし、
目的は九条をいじるだけではなく、
そして解釈改憲ではなく明文改憲化。

そして今回の抜き打ち選挙は、
700億円をかけ、 NHKを自民党の選挙公報機関に仕立て、
各メディアに「自民で300議席、三分の二」と言わせて煽りました。
おかげで、史上最低の投票率。

それでも、
自民党は2議席、減らしました。
公明党が4議席増やしたので、
差し引き政権与党が2議席増えましたが。

予兆はあったような気がします。
というのも、
この選挙戦で私が『おや?」と思った事がありました。

先週に入って、北海道の期日前投票が前回より4割増えている、
とニュースが流れたとき。

北海道内の期日前投票40%増 衆院選・中間状況、道選管が発表(12/08 16:01、12/08 16:17 更新)

天候悪化を心配してなのだろう、とも思いましたが、
実は期日前投票が多いときは、自民党は票を減らすし、時には負けるのです。
先の沖縄知事選でもそうでした。

そして、開票当日。
首相の当確が出たのが8時半近かったとき。
単に、開票体制の問題なのかもしれませんが、
しかし、300議席近くをもつ与党の党首が、
8時と同時に当確が出ないのが、とても意外でした。

私たちは70年、今の日本国憲法のもとで繁栄してきました。
なぜそれを今変える必要があるのか。
木村草太氏、國分功一郎氏、伊藤真氏の憲法の話。
でも出てきましたが、
問題は、「変える事」が目的で、その為の議論も何もすっ飛ばしている所。
すっ飛ばしているだけではなく、
自民改憲案が私たち主権者から主権を奪う内容である事は
言い過ぎても言い過ぎる事はない重要な点です。
つまり、議論をすっ飛ばすのは、国民が賛成するはずがないからですね。

とにかく、主権を国民から奪う、という世界でも稀な劣化した憲法改正をめざす
自民党。
今回、その改憲発議を自民党一党では出来ない状態を維持出来たことは
自覚的な国民の、主権者としてのバランス感覚が優れている事を
証明していると思います。

大きな船は急には曲がれません。
右旋回中の船を、急に取り舵一杯、と左に切ったら、
船は沈没してしまいます。

少しずつ少しずつ軌道修正しながら、
一人一人が選挙権、消費者としての購買権を駆使しつつ、
時にはデモや抗議行動で意思表示しつつ
アナクロニズムな方達にご退場願いましょう。

また仕事を通して、正義やフェアネスを重んじ、
嘘や隠蔽が決していい結果をもたらさない事を
伝え具現化して行く事も大切になると思います。

何しろ、311以降、私たちは、特にこの2年のあべ政権で「嘘」に
慣れすぎてしまいました。
人を騙してでも上手くやる事が成功であるかのような空気。
また「過ちを認める」ことが損であるかのように、
認めた人たちを叩きまくる風潮。

しかしこの選挙結果は、
真摯に考えているひと達が少なからずいる事を
教えてくれました。

選挙前には、真っ暗だったトンネルの先に
少しだけ明かりが見えたような気がします。

木村草太氏、國分功一郎氏、伊藤真氏の憲法の話。
という記事に書いたように、
様々な立場の方達が様々な場で真摯に発言もされています。

伊藤塾の伊藤真氏は
「私たち国民は憲法を守るために、本当に努力して来たのだろうか」
と問いかけました。

國分功一郎氏は
「おおいに政治の話しを普段からすべし」
と仰っています。

無理せず出来る事から、そしてやるからには楽しくやって行きたいものです。
2年なんてすぐやってきます。
でも、国民が日頃からしっかり声を上げて行けば、
少しずつ船は真っすぐ前を向いて進み始めるでしょう。

↓先日、本屋さんで平積みになっていて、「おっ!」と思いました。
憲法を暗唱するアイドル 内山奈月×南野森『憲法主義』

YOU TUBE版もあります。
内山奈月×南野森『憲法主義』 (PHP研究所刊)
内山奈月さんってすごいです。お薦め。

あべさんも見た方が良いんではないか??

↓原文と池澤夏樹の寄り添うような訳が読みやすい。お薦め。