ハウツーものの古典とされている、スティーブン・R・コヴィー著「七つの習慣」、
前回の「投資の大原則」に続き図書館で借りたので、
感想文を。
かなり良質な、お薦めの内容ですが、
具体例などが長く厚く場所を取るので、(つまり少し冗長)
エッセンスやマトリックスだけでも、
メモを取りながらにすれば、
買わなくても、借りるだけでも十分かもです。(笑)
作者が書いているように、いわゆるハウツーものではないですね。
ハウツーものによく書かれている
態度やスキル、イメージの作り方、といったことではなく
原理原則そのものが重要なのだ、としていて、
それを作者は「人格主義」と呼んでいます。
さて、私が重要だと思った部分をいくつか書いておきましょう。
1)間違いを認めて行動を正して行かないと、更なる大きな問題になる。
2)習慣こそが人間性を作る。
3)「原則中心」にすれば、判断が感情に左右されることは減り、まちがった判断が少なくなる。
4)自分が影響を与えられる部分において全力を尽くせ。
5)「自立」した人間は、生態系のように相互依存関係でこそ、更なる相乗効果を生む。
6)時間管理の重要性
以前、「シンプル時間管理術」という記事で書いたように、
私は、この著者の考え方に基づいて作られた手帳をずっと使っています。
↓私が使っているのは、レフィルではなく、最小最軽のタイプ。
この手帳を見つけた時は、「こういう手帳が欲しかったんだ」と
思わず買い求めました。
欲をいえば土日欄が平日と同じ広さが欲しいのですが、でもこの軽さと大きさで充実の内容です。
(肩凝りの私にとって「軽い」と言うのは重要な条件)
で、11月に入って、この手帳の来年度版を買いに行ったとき、
この「七つの習慣」の完訳版が出たことがお店の中に告知してあって、
ずっと手帳使っているから試しに読んでみるかな、
と思ったわけです。
が、図書館は予約満杯でしたので、
旧版を読むことに。
一番気に入った部分は、
著者は、ひとりの人が他者依存の状態から脱することが第一歩、
そして、自立することが次のステージ、
としながらも、自立した者同士が、
更に共助という相互依存の状態になることが第三ステージで、
最も大切と説いている点です。
自立さえすれば良いのではなく、
更に助け合えることが大切だ、と説いているのですね。
そうなるために、どのようなステップを踏めば良いのかを
「七つの習慣」で説明して行きます。
それを生態系のつながりと結びつけているところは、
繋がりが描ければ、と思っている私の視点と似ていてビックリ。
以下最後の方の424ページの部分から引用します。
生態系という言葉は、基本的に、自然界の持つ相乗効果を表現するものである。あらゆるものが、他のすべてのものと関係しあっている。そうした関係の中で、創造的な力が最大限に生かされる。「七つの習慣」の本当の力は、個々の習慣にあるのではなく、その相互関係にあるのだ。
別の言い方では、
「全体の合計は各部分の和より大きくなり得る」
とも言っています。
また、「約束」という概念も、他者への約束以前に
「自分への約束を守ること」がまず大切、と説いていて、
この部分もインパクトがありました。
若い頃、三島由起夫の、作品を読んだとき
「禁色」だったかなんだか覚えていないのですが、
「自分を欺けば、神をも欺くのも平気になる」と言う一節に衝撃を受けたことがあります。
「人格主義」といいうのはそういう事をいうのでしょう。
そういえば、国民に嘘ばかりついているどこかの宰相は
それ以前に、自分自身を裏切っているのでしょうね。
良い本なので
内容的には★5つ上げたいけれど、冗長なので、
★★★★。
実行出来れば人生劇的に変わるだろうという
良い内容なのに、とにかく長い。
具体例が多すぎて、飽きるし、かえって分かりにくかったです。
また翻訳が、何となくこなれていない日本語なのも残念でした。
さてさて、今年も三週間ちょっと。
↓定番、ご愛用「猫の日めくり」。
飼い主たちが撮ったとっておきのショットばかり。
可愛いだけではない、猫と飼い主の息づかいが分かる写真が楽しいです。猫好きにはお薦め。