西脇市 サムホール大賞展、始まりました。私も出品しています。

兵庫県西脇市、と言えば、日本の「へそ」として有名です。
西脇市には、東経135度・北緯35度の交差点があり、
ここが「日本列島の中心」に当たることから、
「日本のへそ」のまちといっているようです。

また、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公、黒田官兵衛の
生誕地が、西脇市黒田庄町黒田、ではないか、と言われているようです。
豊臣秀吉の天下統一を支えた稀代の軍師、黒田官兵衛。
その生誕地は・・・西脇市黒田庄町黒田。

その西脇市にある岡之山美術館で現在
サムホール大賞展が開かれています。
会期は11月16日(日)から12月14日(日)まで
公式サイト 開館30周年記念 第10回全国公募西脇市サムホール大賞展

サムホール大賞展は、ビエンナーレで二年に一回開かれる公募展です。

サムホール、とは絵の大きさの規格の一つです。
紙にA4とかB3といったような規格があるように、
絵画では、主に「号」という基準でキャンバスやパネルの大きさが決まっています。
一番小さいのが「0号」で18センチ×14センチになります。

サムホールというのはそれより少し大きく細長く、
22.7センチ×15.8センチ になります。

面白い事に、少し細長いだけなのに、
表現の幅が広がる不思議な大きさなのです。

私はこの大きさが好きで、よく作品にします。
そして、今回、私も応募してみたところ
作品が入選し展示されることになりました。
と言っても自分の目で見たわけではないのですが、
事務局からお知らせ頂いているので、そのはずです。

で、入選作品を、公開しちゃいま〜す。

和紙に水干絵具や岩絵具

和紙に水干絵具や岩絵具

題名は「Linkage」(繋がり)。

人も動物も生き物すべて、虫も微生物も、
「繋がり」の中で生きています。
ひとりや一匹で、あるいはその種だけでは決して生きられません。

例えば、食べるか食べられるか、という繋がり。
鳥が、羽化前のチョウチョの幼虫を食べて栄養を取るという繋がり。
その幼虫も実は、大好きな植物の葉っぱを食べて、大きくなります。
そして木の実を鳥が食べて、その種子(seed)を運ぶ事によって
その木は離れた別の場所で芽を出す、という事も起こります。
いずれにせよ
その種(species)だけでは生きられません。

さらに、種と種もそうですが、
種の中の世代間の繋がりもあります。
子を生み育て、年老いて死ぬが、その遺伝子は孫へと継がれて行く。

この視点で見ると、生態系の中でも、種の中でも
「死」は悲しいだけのものではない、と言う気がします。
「死」がなければ、次の「生」はないのが、地球上の生き物です。

描かれている頭骨は鹿のものです。
伊豆にシダ観察に行った時、川縁で拾ったもので、
拾ったときは泥に埋まっていました。
絵の中では確かに「死」の象徴ではありますが、
同時に、植物やそれと関わる昆虫たちなどの
生への場所も提供しています。

私はそんなことを考えながら描いていました。
鳥はアカハラ。
この絵はアイボリーの頭骨を活かすために背景の色を最初に決め
それに合う羽を持ったアカハラを配してみたのです。

さて、この公募展の入賞作品は立体もあり、バラエティーに富んでいます。
実は、美術家横尾忠則氏が西脇市の出身で、
氏はこの公募展の審査員でもあります。
この美術館は、横尾氏の作品の収蔵も目的としているのです。
1200点以上の応募の中から選ばれた200点。
多彩な作品を見るのが楽しみです。

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