昨日はアンズの木を描きに行ってきました。
水曜日に見た時には、花が満開で
数羽のメジロが花の蜜をもとめてひらひら。
昨日は花は少し盛りを過ぎましたが、十分きれいでした。
アンズや椿など昆虫の少ない時期の植物は
鳥が花粉の媒介となることが多いようです。
アンズの花とメジロという、いかにも花鳥風月の絵になりそうな題材です。
しかし、鳥も木も現場に行かないと見ることはできないので、
野外でデッサンすることになり、実はそれは思いのほか体力勝負なのです。
描いている間もほぼ半日立ちっぱなしです。
印象派の画家がイーゼルと折りたたみの椅子を持って野外で制作しましたが、
イーゼルを運ぶとしても、それも一仕事です。
何しろお弁当やら絵の道具を入れた荷物だけでもかなりの重さです。
以前はリュックサックに詰め込んで行っていました。
しかし、お弁当と絵の道具、そして一眼レフを入れるとずっしり。
カメラは一次的にはあまり役に立たないのですが、
やはり動く鳥たちを描くときには、おおいに補助になります。
というわけで、重たくなる一方の荷物を、
今回は試しにキャリーバックにしてみたら、ずっと楽でした。
もちろんこれも、舗装してある道を行く時だけです。
屋久島の森で再びデッサンするとしたら、
特別に筋トレしないと、もう無理かもしれません。
さて、アンズはウメに似ています。
どちらもバラ科サクラ属の落葉小高木。
花びらは丸く、ウメには八重や濃淡いろんな種類があります。
アンズの花は、多少の濃淡はあるものの薄いピンクです。
両者の花の一番の違いは、
アンズは花が開くと額が反り返る点でしょう。
また、ウメの方が少し早い時期に咲きます。
ウメや山茶花はブルブル震えながらデッサンしますが、
アンズの時は少し楽です。
そしてどちらも6月に実を結びます。
ウメの実には毒があるので、梅酒や梅干しなど加工しますね。
アンズはきれいなオレンジ色の実です。そのまま食べられて、
ジャムにも加工されます。
アプリコットジャムです。
ちなみに「梅にウグイス」と言いますが、
あのうぐいす色の鳥はメジロでウグイスではないのです。
ところで、木は縦に長いので、デッサンするとき大きな紙を折り畳んで
少しずつずらしたり、部分を描いて繋げたりしています。
花が咲いていると、複雑に絡んだ枝の見分けが、
冬木立より遥かに楽です。
さくらのたよりもちらほら。
春本番です。