世紀末のウィーンと言えば、クリムトです。
クリムトと言えば
「接吻」
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しかし、
意外に知られていないのが、
クリムトはたくさんの風景画を残しているのです。
私が持っている画集は、
1989年にリブロポートから出されたS4号くらいの大きさの画集です。
リブロポートは、
当時は西武美術館と共に
堤清二が肩入れした文化事業の一端をになっていて、
美術・写真系関連で良い本を出していました。
アマゾンで探しても同じものはマーケットにもなかったので、
別の画集になります。
クリムトの代表作とされる
「接吻」や「ダナエ」の背景には
不思議な模様が描き込まれています。
装飾と言っても、
ミュシャのような具体的に花の名前が分かるようなものではなく、
むしろアブストラクト(抽象的)な装飾性で、
クリムトが何をヒントに描いていたのか
分かりませんでした。
たまたま、本屋さんで風景画の画集を見つけて
パラパラとめくってみたら、
そこにはあの不思議な模様の
原点がありました。
リンゴの木や、ポピーの庭が描かれています。
「ああ、これがあの不思議な模様になっていったのね」
と一目で氷解です。
クリムトは女性像もよく描いていて、
その背景もこれらの不思議な模様で埋められています。
でも、よく見てみると、あのクリムトの庭なのですね。
クリムトのような時代を画する絵描きにとっても、
自然というのはイマジネーションの宝庫なのですね。
さて、先に名前を出しましたが、ミュシャ展が5月19日まで開かれています。
ミュシャはサラベルナールのポスターであまりに有名になってしまいましたが、
今回の展覧会は、<スラブ民族への愛>という
ミュシャのもうひとつの面にもしっかり焦点が合っているようです。
見応えありそうですね。
クリムトやミュシャの話しの後になんですけど、
私の描いた女性像を最後に載せておきます。
私もシダや花と女性を、
金の屏風に仕立てたこんもりと繁る木々を
背景に描いてみました。
ちょうど20年前の作品。
大きさはF30号(910mm×727mm)です。
こちらから女性のデッサンもどうぞ。