月別アーカイブ: 2014年7月

日常の意味が変わる時

個展のDMハガキのために絵を描いている時に
集団的自衛権の容認の閣議決定がされました。

その結果、この子どもが虫取りに興じているシーンの
持つ意味が劇的に変わってしまいました。

スクリーンショット(2014-07-09 1.52.29)

個展では、
里山活動を通して描いた子どもたちや
自然の移ろいがご覧頂けます。

「KIDS & NATURE」というテーマは
ここ数年描いて来たそれらの絵の総称で
ごくごく自然に決まりました。

作品の数はあるので、最初はその中から選んで
DMハガキにするつもりでしたが、
あれこれ選んでいるうちに
その総称にふさわしい新しい絵を描こうと思い至りました。

個展までの時間はあまり無く、かなり無謀な試みだったし、
直後に突き指をこじらせ、全く右手が使えない状態になってしまいました。

実際、個展の会期の一週間前に絵が出来上がる
という事で、広報的にはNGな訳ですが、
絵描きとしては、描いて大正解でした。

で、この絵、題を付けるとすれば
「夏の午後」とか「虫さん大好き」
といったような題名にするつもりで描いていました。

ところが、あの許し難い閣議決定です。
一つ前の記事に書いたように
今回の閣議決定は安全保障の問題以前に、
立憲主義という国の形を壊す暴挙です。

しかし、同時に、中高生の間には
「僕たち戦争に行かされるのか」
という6月30日までには考えもしなかった
不安が広がり始めていると言います。

たった一つの政府の横暴な選択で
若い人たちの人生の意味がガラリと変わってしまったのです。
それまでの日常の意味が変わってしまったのです。

政治とはそういうものなのです。
権力とはそういうものなのです。

このところ選挙の投票票率は戦後最低水準ですし
「政治なんて誰がやっても同じ」
というシニカルな反応も蔓延しています。

しかし、違うのです。
真剣に政治を考えないと
一晩で戦争に連れて行かれる事にもなるのです。

今この絵に題名を付けるとすれば
「この子たちを戦場に送らない」
という題名にしなければならないと思っています。

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マダムかよこ展
会期 2014年7月16日(水)から21日(月・祝)
   11:00~19:00 (最終日は17:00まで)   
場所 原宿 積雲画廊
テーマ 「KIDS & NATURE」
印刷物になったものの原画と新作を中心に展示する予定です。