先日の日曜日6月1日に、
フリージャーナリストのまさのあつこさんの
ふくいち報告を聞いてきました。
まさのあつこさんのブログ
まさのさんは、去る2月21日に
フォトジャーナリスト山本宗補さんとともに、
ふくいちのサイトに入っています。
写真はフリー枠で一台という事で
山本宗補さんのブログにたくさん公開されています。
まさのさんは河川行政が専門で博士号も取っている方。
八ツ場ダムもずっと追っています。
私は10年ほど前ちょっとしたことで知己をえていて
全然知らない方ではないので、良くブログも読んでいました。
ブログでふくいちに行ったことを書かれていて
お話を聞く機会があれば、是非聞きたいと思っていました。
今回は「気候女子トーク」という温暖化問題のイベントでした。
今回のまさのさんのお話で、私自身、非常に興味深かったのが、
「ウミウの巣とそれを発見した地質学者の警告を東電が無視した」
という話でした。
福島第一原子力発電所の建設された場所は、建設される前は、
長者原といわれる海面から40メートルくらい切り立った崖の上の台地でした。
第二次大戦中は少年航空兵の訓練用の飛行場だったそうです。
しかし、誰もが知っているように、今のふくいちは海岸から直接入れる場所にあります。
実は東電が、ある地質学者の警告を無視して、崖を切り崩して建てたからです。
ある学者とは関陽太郎埼玉大学名誉教授のことで、
まさのさんは取材に訪れています。
それによりますと、関名誉教授は1964年、長者原の下の富岡層の調査に度々訪れていたそうです。
その調査中、岸壁にとりついて試料を集めている時に、
海面から25メートルくらいのところに「ウミウ」の巣が並んでいるのを発見したそうです。
漁師に聞くと「津波経験からあそこに作っているのではないか」
と言っていたそうです。
同時期、東電がふくいちを作る為のボーリング調査をしていて、
それを試料として貰い受けに行った時、
崖を切り下げる話しを聞いたので、
ウミウの巣の話しして「津波が来たらどうするのか」と
後の副社長となる豊田正敏氏に意見したそうですが、
聞き入れられなかったと。
「高い津波が来るという証拠はない」
「東京電力で、東京土木ではない」
「鳥の保護に使う金はない」
などと言われたそうです。
そして、その切り下げた崖の残土を積んだところに
「夜の森線27号鉄塔」を建設。
地震であえなく倒壊し電源喪失の一因になった、のだそうです。
この電源喪失の話しは、実はかなり複雑です。
まさのさんが「週刊金曜日5月16日号(991号)」にレポートしているので
ご興味のある方は是非レポートを読んで頂きたいと思います。
「ウ」には、「カワウ」と「ウミウ」がいます。
カワウは東京周辺でもたくさん見られるし、
スカイツリーがカワウに糞だらけにされたという話しまであるほどです。
なお、長良川の鵜飼いは「ウミウ」の方です。
少し調べて見たら、「ウ」でも「カワウ」と「ウミウ」は
生息域が違うのですね。
私のもっている日本の野鳥 (山渓ハンディ図鑑)
によると、
「カワウ」は
「内湾や湖沼、河川、池など」
一方「ウミウ」は
「岩棚や、岩場のある海岸付近の海上。
局地的だが河川にも入る」
とあります。
写真を見る限り、カワウとウミウの違いはあまり無く
ウミウは飛翔時に羽がやや後方に付いているように見えるらしい。
泳ぐときも身体を沈めて泳ぐのは一緒みたいです。
下の絵はカワウですが、こんな感じでウミウも泳ぐのでしょうか。
それにしても
鳥に限りませんが、野性の動物の能力は
想像を絶するものがあります。
3000キロを休まず飛ぶ鳥とか
南北アメリカを縦断するチョウチョとか
あげたら枚挙のいとまがありません。
今となっては、後悔先に立たずですが、
ウミウが津波を知っていた可能性は多いにあります。
「自然保護」というのは実は「人類保護」に繋がるのかもしれません。
再稼動に前のめりになる政治家のおじさんたち。そして
この秋にはリニアの工事も着工なんていう話しも聞きます。
地下水脈を断ち、国土をボロボロにすることは、
私たち自身に帰ってくるような気がします。