カテゴリー別アーカイブ: 社会や時事関連

歴史?あるいはシナリオ? / 秋映えるリンゴの図

今日の一枚
画用紙に水彩

画用紙に水彩

このリンゴは「秋映」という種類で、
まさに、もみじの秋を映したかのような、赤いリンゴです。

リンゴを丸く立体的に描けることは、
絵を描く人の技量の目安になるといいます。
「お盆リンゴ」という言葉があって、
丸いリンゴが上手く描けずに、赤いお盆になることを揶揄します。

さて、このスケッチが、「リンゴ」に見えることを
願いつつ……。

歴史なのか?あるいはシナリオなのか?

ある分野の勉強をする時に、
おおざっぱな歴史を見ておくことは
全体を把握するのに、とても役に立つと思います。

自分で年表を作る、というのも、様々な事象を理解するのに
必要です。

歴史、というと過去のことですが、
今起きていることを、記録しておくことは、
将来見た時に「歴史」になるかもしれません。

同時代の記録を残すことは、思いのほか重要かもしれない、
と思ったのが、原発事故でした。
 
最初は恐怖が先にたってそんなことも思いつかなかったけれど、
2週間くらいしてから、記録を取っておけば良かった、
と後悔しました。

もっとも原発事故は、
その後たくさんの書物が出たし、
東京新聞も時系列に記録していたので、
やらなくても大丈夫でした。

で、今日は、このところの国会での動きを
淡々と時系列で並べてみました。

あまりに急激に法案審理が動いているので
もしかすると、後の時代に「あの時が転換期だった」
と言われるような事態になるかもしれない、
と思ったのです。

以下の、ニュースは、気になったものを
時系列にメモしたものです。
掲載されているサイトのリンクも書いてあります。

2013年10月25日10時15分
特定秘密保護法案を閣議決定 11月上旬にも審議入り
http://www.asahi.com/articles/TKY201310250016.html
2013年10月25日13時21分
NHK経営委員に百田氏ら 安倍内閣、同意人事案を提示
http://www.asahi.com/articles/TKY201310250121.html
2013年11月8日 10:22 (2013/11/8 13:41更新)
NHK経営委員に百田氏ら、国会同意 衆参が可決
12機関29人の人事
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0800C_Y3A101C1MM0000/
2013年11月22日 21時02分
密保護法案:国連人権理の特別報告者 日本に懸念表明
毎日新聞 
http://mainichi.jp/select/news/20131123k0000m030094000c.html

<参考>
(原文)http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14017&LangID=E
(訳)http://freedexjapan.files.wordpress.com/2013/11/e59bbde980a3e789b9e588a5e5a0b1e5918ae88085e5a3b0e6988ee3808ce7a798e5af86e4bf9de8adb7e6b395e3808de3808d.pdf

2013年 11月 22日 21:08
自衛隊員の携行武器制限撤廃へ 
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2013112201002689
2013年11月23日 19時42分
新防衛大綱、民間輸送力を活用 政府、フェリー契約し演習投入
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013112301001898.html
2013年11月24日
国土強靱化、法案名39文字 ばらまき隠しで長文化
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112402000121.html

2013年11月24日 朝刊
外務省 異例の帰国命令 政務公使、中国に帰任せず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013112402000117.html
2013年11月25日 17:32
在日中国人に登録呼びかけ 防空識別圏設定と関連か
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131125/chn13112517330005-n1.htm
11月25日(月)18時47分
NSC法案可決=参院特別委—27日にも成立へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131125-00000117-jij-pol

人の本質は、
何気ない普段の仕草から見えるものです。

何気なく並んだ、この法案審議のリスト。
私には、歴史になるリスト、というより、
なにかのシナリオなのかも、と思えるほどです。

楽園でイヴがリンゴを食べたから
人間は神のように善悪を知ることになった、
らしいですが、
実際は、善をなすことより、
悪に走ることの方が多そうで、
特に、国家権力は平気で嘘をつくし、暴走します。
権力者がやりたいようにやるのは、どのこの国も同じようなものなのでしょう。
何かあった時に一番被害を受ける私たちが
しっかり監視をしないと、いけない所以です。

もっとも、聖書をかじると、
聖書はよく出来ている、と思うのは、
神が人間にチカラを与えると、最初は殊勝にしている人間もやがて
傲慢になり、酒池肉林と争いの限りを尽くすので、
神に罰せられる、
という話が繰り返し繰り返し出て来ることです。

人間って扱うツールは、弓矢からミサイルになっても
全然進歩しないですね。

いい加減にしてくんしゃい、
と声を大にして言いたいですね。

立場で語る人たち / ムクドリのスケッチ

今日の一枚
スケッチブックに水彩と色鉛筆

スケッチブックに水彩と色鉛筆

ムクドリはどこにでもいる鳥ですが、
群れをなして移動するので、
ビックリする事があります。

今日も、隣の家の前の電線に50羽以上止まっていました。
ジュルジュル、ジュルジュルと
外で変な音がするな、と思ったら、ムクドリの大群でした。

以前は、150メートルくらいはなれた大木に集まって
ネグラにしていたようなのですが、
少し前にその木のところを通ったら、
上の方の枝がバッサリと削られていました。
鳥の都会暮らしも、なかなか大変です。

スケッチは、「鳥の博物館」で剥製を描いたもの。
12月1日まで鳥の博物館では、
「鳥の骨展- 空飛ぶ骨組み-」をやっています。

最近、ようやく鳥がなぜ飛ぶのか、
なぜ風切り羽根は左右対称でないのか、
かなり、その仕組みが飲み込めてきました。

写真でも飛んでいる鳥を撮る事は大変ですが、
仕組みが分かれば、
自在に鳥を飛ばせて描くことができるようになります。

ムクドリは飛ぶと腰の白い部分が目立つので
遠くからでも分かります。
くちばしで羽繕いをしている様子は、
猫の毛繕いにも通じる可愛さがあります。

立場で語る人々が作る未来

311以降の現象を表す言葉の代表格に、
「今だけ、金だけ、自分だけ」とともに、
「東大話法」があります。

その「東大話法」という言葉の生みの親、
安富歩氏の「学歴エリートは暴走する 〜『東大話法』が蝕む日本人の魂〜」
を2週間ほど前に読みました。
示唆にとんだ内容だったので、
まとまった感想を記す事にします。

安富歩氏の「東大話法」関係の著書は4冊ほどあるようですが、
私は今回初めて拝読。
というのも、実は「東大話法」そのものには、あまり関心はなかったのです。
しかし、本屋さんで手に取ってパラパラと見ていたら、
学歴エリート(主に東大出身者)の戦前からの流れが書いてあって、
興味がそそられました。

というのは、今の日本の混乱は、
どう考えても、戦前と戦争の総括が出来ていない事が要因だと
私には思えてならないからです。
そして、この本で、安富氏はこの総括を試みてくれました。

まず、第一章でさまざまなデータとご自身の経験から
「学歴エリート」の定義が行われます。
それによりますと、どうやら
「相手が求めている答えを察知する能力の高い人」
が「学歴エリート」ということになりそうです。

もう少し詳細すると、
「空気を読む」能力が高い上に「気のきく事務屋」で、
自分の意志よりも「自分の生き方を肯定してくれる場所」を目指してる、人々。
ということになりそうです。

ところが、平時ではなく、判断や決断が求められる時には、
「相手が求める答え」がないために、
またプライドがあるために、「気のきく事務屋」は混乱します。
安富氏は「気のきく事務屋」がリーダになって暴走した例として、
長銀(日本長期信用銀行)の末路をあげています。

次いで、第2章で「学歴エリートのルーツを探る」作業です。
安富氏は、学歴エリートは
バブルをいまだに引きずっているのはもちろんの事、
どっこい、バブルだけではなく、戦後も引きずっており、
実は戦争そのものが終わっていなかったのだ、
と喝破します。

え?
と思うでしょうが、
戦前戦中で中心になって動いた学歴エリートが
実は、戦後も立場を変え、役割を変え、
日本を引っ張って行った事実を、
具体的に名前や事例を挙げて説明して行きます。
現総理のおじいさん、岸信介の例もでてきますが、
この章は、今の混乱を知る上で、お薦めです。

そして、戦争を始め、戦争に負けて、
戦争をなかった事にしたい「立場」の学歴エリートが築いた経済成長は
経済戦争という名の新たな戦争であった、
というのです。

さて、この第2章に「立場三原則」という言葉がでてきます。
① 役を果たすためには何でもやらなくてはいけない。
② 立場を守るためには何をしてもいい。
③ 人の立場を脅かしてはならない。

原発事故後の御用学者、
と言われる人たちの行動そのものではないですか。

さて、安富氏はこの3原則がこそが真の日本国憲法だとして、
そのルーツを明治維新に求めます。

以下p75より引用。

江戸時代までは日本人は「家」を単位に生きてきました、これが明治維新によって近代国家における「国民」という概念にかわりました。「家」を守るために命をかけて、切腹までしてきた日本人が、今度は、徴兵制度で「お国のため」という事で、一人一人が「国民」という「立場」を与えられ、それにともなう「兵役」を始めとした役を果たさなければいけなくなったのです。これが出来た者は「立場」が守れますし、できない者は「役立たず」と呼ばれました。(略)
こうして「役」を果たすためにはなんでもしないといけないし、そのためなら何をしてもいいという日本独自の倫理観が誕生して、これは現在までなんら変わること無く続いています。

加えて、基本的人権など、「立場」の前には簡単に踏みにじられる、
とも言っています。
思い当たりますよね。

この2章の最後に、陸軍の参謀という学歴エリートがでてきます。
参謀というのは作戦を考えるのが仕事の人で、絶大な権限があったのです。
彼らは超難関の試験を突破して陸軍大学校に入学し、
戦術を中心に学んだらしいのです。

ところが、この「参謀」たち、
驚くべきことに、
「責任を問われない」という待遇を受けていたのです。
参謀はあくまでも「作戦」を考えるのみで
責任は作戦を採用した指揮官というシステムだったそうです。

さて、以前、「陸軍登戸研究所」の映画を見て
記事を書いた時に、まるで、将校がゲーム感覚である印象を受けた、
と私は書きました。
兵隊に兵站を現地調達させるために偽札を作ったり、
和紙とコンニャク糊で直径10メートルの風船爆弾を作ったり、
荒唐無稽とも思える作戦は、
こういう責任をとわれない参謀からでて来たのか、
と本を読んで、妙に納得してしまいました。

以下、p79より引用

どんなムチャクチャなことをしても「立場」が守られる「参謀」という制度は、陸軍のみならず、日本の官僚システムに浸透しているような気さえします。

この問題の根は深いです。
原発事故後も必死に隠蔽して
今度は「秘密保護法」なる法律で
自分たちの立場を守ろうとする官僚ですが、
私たちは選挙で選べない、
つまり、是正する方法が極端に少ないのです。

3、4、5章は、
2章のようなルーツを持つ学歴エリートの
戦後の所業の事細かな観察と分析です。

詳細は本書に譲るとして、
「学歴エリート」がすごいと思ったのは
つじつまが合わないことも自信満々に話すという
「東大話法ルール⑤」で作る、キャッチフレーズです。
「もはや戦後ではない」から始まって、
参謀の面目躍如で国民は見事にその気にさせられてきました。

それから、意外に知られていないのが、
叙勲制度も実は官僚に裁量権がある、ということです。
安富氏は、叙勲などをありがたがるのも
「スペック戦争」と指摘します。

そして「おわりに」で、かなり怖いことを書いています。
アベノミクスは、無意識の破綻願望の現れだというのです。

以下p181より引用

つまり、過去から学べば、崩壊しているものを存続しているのだという“ふり”
をしている時というのは、既にその先にある「心中」を考えているということです。
これは裏を返せば、その「心中」を無意識に望んでいるからこそ、現実からかたくなに目を背けて“ふり”を続けるのです。
翻って今の状況はどうでしょう?アベノミクスという“ふり”を続けながら、中国や韓国に対して強硬な姿勢を崩さない。環境は整いました。あとは、すべてをリセットするため、安倍晋三首相が「一億火の玉」を言い出すだけです。

しかし、そのあと安富氏は、
このような「立場主義」から脱却するにはどうすればいいのか、
についても、まだ思考の途中でありながらも、提示してくれます。
それについては、実際に本書をお読みください。

なお、その答えではないけれど、
本書の中でいい言葉だと思ったフレーズを2つ。
「先祖になる」勇気を持つ。
そして
「私」を視点とした「私の世界史」の歴史を描く」

前者は、「はじめに」の最後の一節で、後者は「あとがき」の最後の方の一節です。

この新書版は、全てが安富歩氏の書き下ろし、ということではなく、
安富氏と編集者の話をライターの方が書き、
最終的に安富氏が手を加えたようです。
満州の経済史研究もされていて、
人間社会はなぜ暴走するのかに興味がある学者の
手軽な「学歴エリート史」として、
簡単に読めて、歴史的な俯瞰もある本でした。
特に2章はお薦めです。
学歴エリートを知ることは
日本社会の仕組みを知ることに他ならないからです。

鳥の飛ぶ仕組みを知れば、鳥が描けるようになります。
社会の仕組みを知れば、
社会の未来が描けるようになる可能性はグッと高まるはずです。
私たち一人一人が、誰かの「先祖になる」勇気を持つことで。

↓ 猫好きの方へお薦めカレンダー

子どもを守りたい、とも言えないの? / 子どもたちの稲刈りの図

参議院議員の山本太郎が、
園遊会で天皇に手紙を渡したことが政治利用、
で叩かれています。

確かにルール違反なのでしょう。
軽率でもあったでしょう。
しかし、とても議員辞職する程のこととは思えません。

それに、いつものことですが、
一人の人間をメディアから公人からよってたかって
ボコボコにする様は、異常です。
この国からいじめが無くならないわけです。

そして彼の手紙の内容の通り、
この国の喫緊の課題はふくいちです。
さらに子どもたちの命。
先日も、除染残土の山のそばで遊ぶ子どもの写真に
胸を突かれました。
確かに、子どもたちのことを思うと、いても立ってもいられずに筆をとった、
そのくらいの状況です。

すごいと思ったのは作業員の被ばくにも触れていること。
どれだけの人が、いま、現場でこの国の安全を支えてくれている作業員に
思いをいたしているでしょうか。

その間にもウソと欺瞞の政治が続きます。

「秘密保護法案」なんてトンでもない法案を通そうとしたり、
除染残土の塊のそばで子どもが遊ぶような状況を放置したり、
ダダ漏れ汚染水を「コントロールされている」と世界中にウソついちゃったり、
難病支援を削ろうとしたり、
生活保護費を削減したり、
中国との関係をわざと悪化させたり、
戦後もっとも悪政かもしれません。

子どもを盾に取って平気な政治屋さんたちが、
山本議員を「非常識」といきり立っているけれど、
ふくいちを国家プロジェクトにしない方が非常識。
国会で、一人の新人議員を叩く時間があったら他にやることは
いくらでもあるはずです。

11月8日からは4号機の使用済み燃料が取り出されるようです。
人類始めての作業を一企業がやる事自体が非常識ではないですか。

風向きによっては、避難だって事前に指示する必要がある
作業ではないでしょうか。
黙ってやるの?
まさかね。
ほんとに、怖いです。

ーーーーーー

さて、先月の稲刈りの様子を描きました。

ケント紙にグラフィックペン

ケント紙にグラフィックペン

一粒の種もみが400粒にも500粒になる様は
子どもたちの一生の思い出でしょう。

山本議員は、こういう一生懸命に生きる子どもたちの未来をを救いたいだけなのだと思います。

どこに行くの?

今日、こんなニュースが流れました。

教職員定数の1万4000人削減を財務省が主張 文科省と対立
http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/28/teachers-attrition-ministry-of-finance-_n_4169124.html?utm_hp_ref=japan

こちらはNHKのニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20131028/k10015611311000.html

で、私は、思わず、ツイッターで呟いてしまいました。

ネットでは、なるべく「バカアホ」のような言葉は使わないようにしているのですが、
思わず使ってしまいました。(ああ、恥ずかしい。おほほ)

で、多くの方にRTして頂いたのですが、
しばらくして、もしかすると財務省は、バカなのではなく、
確信犯ではないのか、と思い始めたのです。

この一両日のニュースを拾って集めて来ると、
もしかしてこれは国からのメッセージなのかもしれない、
と思い始めたのです。

例えば、厚生労働省のこのニュース。
難病重症者も自己負担 厚労省素案、医療費無料→年最大53万円
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013102702000142.html

そして、自衛隊の観閲式でのこのニュース。
「力での現状変更許さぬ」 首相、観閲式で中国牽制 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131027/plc13102710450004-n1.htm

総理は自衛隊の観閲式で以下のように述べていますね。

「力による現状変更は許さないとの確固たる国家意志を示すため、警戒監視などさまざまな活動を行っていかねばならない」と述べ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺などで挑発を強める中国を牽制(けんせい)した。
 同時に「防衛力は存在だけで抑止力となるといった従来の発想は捨て去らないといけない」と強調。「防衛体制を強化し、集団的自衛権や集団安全保障に関する事項も含め安全保障の法的基盤の検討を進める。

少し古いニュースですが、
平成25年の税制改正で導入された制度。
教育資金贈与の非課税制度
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku-zoyo/201304/01.htm

こうやって並べるとすごいですね。

この国は軍隊を持ちたい。

徴兵制だと金持ちもいかなきゃいけないから、
公教育の質を下げて、失業者を大量に作って
兵隊を集める。
↓ 
兵隊になれない弱者は、負担を増やすから、払えなかったら
死んでも仕方ないね。

お金持ちは、孫にいい教育受けさせてね。
1%のステータスを維持出来るからね。

というような国からのメッセージに
私には見えて仕方ないのですが、
皆様はどう思われますか?

……で、、、、

夕食の時の我が家の会話。

私「国は本当に中国と戦争する気みたいだよ。やだよ。怖いよ」

夫「出来るわけないじゃん」
「やっても、尖閣諸島でチョロチョロくらいで、
アメリカは助けには来ないから」

私「え?アメリカは日本を助けてくれると総理も幹事長も言っているよ」

夫「ああ、なら、中国は膨大なアメリカ国債を売りに出すね。」

あ、なるほど。そういうわけなのね。
アメリカは中国とことを交えることは絶対にしないわけね。

なら、一体この国はどこへ向かおうとしているのでしょう。

こっそり通します。

秘密保全法(特定秘密保護法)の話はやっぱり避けて通れません。

こちらが、参議院議員川田龍平氏の今日のブログです。
『省庁からのヒアリング!「秘密保護法を考える勉強会」』
http://ameblo.jp/kawada-ryuhei/entry-11646003674.html

川田氏のブログから引用すると、

特定秘密に指定されたこと、
そして、特定秘密が記録されている文書が廃棄されたことも
公開されないとの説明が内閣情報調査室からされ、
特定秘密であることは、扱う行政機関内のみでしか
分からないということになること。

え、え、え、なに、これ。

同じことを山本太郎参議院議員が分かりやすく演説しているのがこちら
http://twitcasting.tv/yamamototaro0/movie/22970807

この法案の問題点は、山のようにあるみたいだけど、
とにかく、第一に行政機関(要するに官僚)しか知らない秘密を
好きなように作れる、というところでしょう。

しかし、法案は国会を通さないと作れないので、
それにきっと自民党も、「おい、何でも秘密に出来るぞ」
ってなわけかもしれません。

しかし、NHKの世論調査によると、
この法案のことを知っている人は23%だけ。
74%の人が知らないと答えているらしいです。
秘密保護法 内容知らず74% NHKニュース http://nhk.jp/N49y6Q62

そしてパブリックコメントを募集したら9万件も意見提出があり、
そのうち8万件が反対でした。
9万件もあって意見をまとめるだけでも2、3ヶ月かかりそうなのに、
出て来た報告はA4二枚だけ。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903&Mode=2

国民がおとなしいのをいい事にやりたい放題ですね。

で、緊急に明日から抗議行動があります。
そのお知らせをのせておきます。

しかし、一国の首相が世界のあちこちでウソを、
それも明らかなウソを平気で突くって、
しかもそれをメディアも報道も国民も批判しないって
あまりの情けなさに脱力しちゃいそうです。

秘密保護法NO! 国会前アピール
★10月22日(火)午後6時30分~8時
★場所 首相官邸前
★内容 リレートーク(1人3分間アピール)
      ジョニーHさんの替え歌:ひみつの保全法 ( ひみつのアッコちゃん )
替え歌の動画は、こちら
★呼びかけ 田嶋泰彦(上智大学教授)
     連絡先:090-2302-4908(白石)

最新情報は、こちら で、確認をお願いします(29日は、デモもあります)。
(参考)
2013年10月4日
「秘密保護法案」秘密肥大化 意のまま 田島 泰彦教授に聞く (東京新聞)

秘密保護法NO! 国会前アピール
STOP!特定秘密保護法案!!首相官邸前アクション
★日付 10月23日(水)、24日(木)
★時間 午後6時30分~8時
★場所 首相官邸前
★呼びかけ 安部芳裕(プロジェクト99%)
詳細・最新情報は、下記で、確認をお願いします。

STOP!特定秘密保護法案!!首相官邸前アクション

特定秘密保護法?絶対止めたい!絶対止めよう!首相官邸前大集会

特定秘密保護法(秘密保全法)絶対反対!
知らせろ。伝えろ。真実を我等に。自由を我等に。
是非とも大参集を!

秘密保護法NO! 国会前アピール
★日付 10月25日(金) (法案上程予定当日)
★時間 20時半~21時半
★場所 首相官邸前
★呼び掛け 火炎瓶テツと仲間たち

タネの話(2)/ヒマワリのタネを食べるカワラヒワの図

タネの話「その2」です。
自分の復習もかねて書いていたら、
少し長目の記事になってしまいました。

アルシュ紙に水彩、ガッシュ、色鉛筆

アルシュ紙に水彩、ガッシュ、色鉛筆


絵は、花が終わったヒマワリのタネを食べるカワラヒワの様子です。
食べる食べられるの関係で、自然界は繋がっています。
人間だってその一部です。

遺伝子組み替えの話をする前に、
17日のブログの最後に

ヒマワリの種は、昨年咲いたヒマワリから採取したもの。
この種は蒔くと花が咲くのかな?

え、タネを蒔けば芽を出すのが当たり前じゃないの?

……のはずが、どうも最近は様子が違うのです。
 人間はお金と効率のためには、いろんな事を考えるのです。

と書きました。

この話からしましょう。
野口勲氏の「タネが危ない」から取り上げます。

少し複雑な話になるのですが、
昔は農家では、その年に育てた作物から翌年のためのタネを取って翌年植え、
またその翌年(つまり翌々年)には前年の作物から取れたタネを植え、
と言う風に毎年毎年タネを引き継いで来ました。
代々の性質が変わらないので「固定種」と呼び、そこからタネを取ることを
「自家採種」と言います。

昔はこれが一般で、タネ屋では「一粒万倍」として売られていたようです。
タネの話(1)で一粒の種もみが500粒になる事を書きましたが、
まさに、永続農業ですよね。

ところが、この固定種は「商品」になりにくい、
という面があるのです。
というのは、

大きさが揃わない、
一斉に収穫出来ない

のです。

昔の八百屋さんは一キロ幾ら、で売っていたので、
大きさが揃わなくても問題無かったのですが、
今はスーパーなどの小売り形態が増え、大きさが決まっていないと
出荷納品などがロスが出ます。
また量も同じ時期に一定量が取れないと「商品」として取引出来ません。

と言うわけで、登場したのが「F1」(エフワン)と呼ばれる、
大きさが揃って一斉に収穫も出来る作物です。
今は市場にはF1種しか無いくらい、席巻しているタネなのですが、
遠縁の交配種で同じ形質を持った二代目は作れないのです。
つまり、自家採種が出来ないのです。
ということは、今の農家は毎年タネ屋からタネを買って
作物を栽培しているのです。

この話は私にとっては、かなり衝撃的でした。

検索してみたら、交配種とそうでない品種とはどう違うの?というサイトを見つけたので
もっと知りたい方はご覧下さい。

それから、少し脱線しますが、
タネの話は「メンデルの法則」そのものです。
おさらいしたい、という方は、
こちらの生物学基礎のホームページはいかがでしょう。
遺伝の法則のページ
このサイトの作者、和田勝氏の本

この本は、高校で生物を履修しない医学生のための本なので、
懇切丁寧に、詳細を図入りで生物学入門から分子生物学まで学べます。
それでも私なぞにはまだ難しい。
一度電子顕微鏡で細胞見てみたいなあ、と思ったり。

さて、その市場を席巻しているF1種はどのように作られるのでしょうか。
F1種は現在は「雄性不稔」(ゆうせいふねん)というやり方で
作られています。
「雄性不稔」というのは言ってしまえば、タネのインポテンツ。
野口氏は本の中で、以下のように述べています。

ミトコンドリアが傷つくことによって、動物も植物も子孫を作る能力がなくなってしまう。ミトコンドリア遺伝子の異常を起こした植物が雄性不稔のF1になった。我々はそのF1野菜を食べている。我々は日常的に、生殖能力を失った、ミトコンドリア異常の野菜を食べている。玉ねぎのミトコンドリアは玉ねぎ全体の重さの一割を占める。玉ねぎの異常遺伝子は脈々と受け継がれていくのである。
「タネが危ない」P.120より

ミトコンドリアってなんだっけ、という方は生物学基礎のページをご参照ください。
細胞の構造
「パラサイト・イブ」の作家瀬名秀明さんが書いた本もあります。

そして「雄性不稔」を利用したF1のタネは、
子孫が出来ないため、タネが盗まれることがなく新種を独占出来る、
というタネ企業にとってはおいしい「商品」。

しかし、野口氏は、本の中で警鐘を鳴らします。
科学的な研究がなされたわけではないので、あくまでも氏の推論と断りつつも、
最近ミツバチが一斉に消えた話や人間の精子が激減していることなど
もしかすると、この「子孫を作れない植物を食べること」と関係があるのではないか、
しかし、今はそれを証明出来ない、と言っています。

とはいっても、経営という視点を考えたとき、
F1を否定出来るものでは無い、と野口氏も書いています。

さて、雄性不稔のF1の話のあと
ようやく遺伝子組み替えの話になります。
長かった〜。でもこれから先の話はさらに考えさせられます。

遺伝子組み替えと言うと、組み替える植物の遺伝子を取り出して
人間が操作するのかと思っていたら、違うのね。
生きているバクテリアを使うらしいのです。
えええ、って感じですが、なので、
「アグロバクテリウム法」と呼ぶらしいです。

以下は、「タネが危ない」の152ページを要約してみます。
アグロバクテリウムはバクテリアの一種です。
土壌細菌で世界中どこにもいて、その辺りの土の中にもいっぱいいるらしい。
細菌というのは自分の大元の遺伝子は渡さないけれど、
「プラスミド」という小銭のような遺伝子をお互いにやり取りして、
例えば、ある細菌が除草剤に強い耐性を獲得すると、
除草剤に強い耐性をプラスミドに入れて、隣の細菌に渡す、
のだそうです。
これでドンドン除草剤に強い細菌が増えます。
そしてアグロバクテリアが植物の中に入ると異物とは見なさずに
取り込んでしまい、ガン細胞のように増え、植物は枯れてしまう。

この植物がプラスミド遺伝子を取り込んでしまう性質を応用したのが
遺伝子組み替え作物、というわけです。

遺伝子を組み替えるには、葉っぱを切り抜いて、
遺伝子組み替えされたプラスミドが培養された液に浸すと、
葉っぱの傷口からプラスミドがすべての細胞にはいり、
その葉っぱは一つの植物として成長。

すごいのは、
出来上がった植物細胞の一つ一つ、花粉の一つ一つまで
すべて遺伝子が組み替えられるということ。

そして、なんとなんと、
花粉がまた外に飛び出して、
交配した他の植物を遺伝子組み替えにして行く、のだそうです。
一度遺伝子が組み換えられると、花粉が飛ぶ限りエンドレスですね。

で、このホラーのような遺伝子組み替え技術で、
今のところは封印されているけど、超ど級に怖い技術に
「ターミネーター・テクノロジー」というのがあるそうです。
「自殺する遺伝子」と呼ばれるターミネータ遺伝子を組み込んだものだそうで、
遺伝子操作によってタネの次世代以降の発芽を押さえるのが目的。

農家の自家採種を何が何でもさせないぞ、
というテクノロジー。
強欲な技術であると同時に、
野口氏は、この「自殺する遺伝子」を持った植物が
根の細胞を通じて、寄生する細菌とプラスミドを交換しあったら、
とんでもないことになるのでは、と書いています。

今は封印されている技術だけれど、もし解禁されて、
このターミネーター遺伝子を持った花粉が世界中にまき散らされたら、
植物は次世代が作れないことになります。

野口氏は

植物の死は動物の死と直結する。一時しのぎの経済戦略が地上を死の世界に変えてしまう危険性を秘めている。(「タネが危ない」P.156より引用)

と述べています。

さて、生物学的な面だけでなく、社会的には、
遺伝子組み替え産業が世界の種苗メーカーの株を買って
ドンドン傘下に収めている、
という事実もあります。

2007年には、世界の種子会社は
一位モンサント、二位デュポン、三位シンジェンタという
バイオメジャーに占められました。

日本の種苗会社もいつ買収されるか戦々恐々。
タキイは上場せずに一族で株を持ってなんとか凌いでいるそうです。
検索したら、今日の日付で、世界の種苗会社のランクがのっていました。
種苗業界の世界勢力図

「タネを支配するものは世界を支配する」のでしょうが、
世界を滅ぼしかねない技術で儲けて、同時に自分達の生き物としての足下をも
蝕んでいることになります。
もし意識的に「我が亡き後は洪水来れ」と思ってやっているのでなければ
自分で自分の首を絞めているように思えるのです。

付け加えると、
先に名前の出たバイオメジャーを始め、世界の600ぐらいのグローバル企業に
日本市場を明け渡す、のが、いわゆる「TPP」です。

さて、最後に「タネが危ない」を書かれた野口勲氏の会社のホームページをご紹介します。
野口種苗

自分でタネが取れる野菜。いいですね〜。
作るのもワクワクしそうです。
私はなかなか本格的に野菜作りは始められないのだけれど、
楽しみが増えました。

   

タネの話(1)/ 3葉のイネの図

半年前、4月から田んぼ作りに参加してきました。
ついに昨日はハザ掛けから降ろして
脱穀でした。

脱穀機も足踏み式の古いもの。
次々と黄金色の粒がバケツに集められて行きました。
最後まで現場にいられなかったので、
総量はどのくらいになるのかわかりませんが、
軽く60キロは越えたのではないでしょうか。

今年は、雨が少なかったけれど、ギリギリ足りて、
また、刈り取りの前に台風が来る事も無く豊作だったと、
毎年行事のお手伝いをされている方が仰っていました。

もとはと言えば、一粒のタネもみ。
それが、水と太陽の力で、400粒にも500粒にもなるのです。

20130415
↑ これを蒔くと、
↓ 一ヶ月くらいでこうなって、田植えをして水をはり、
20130821001
↓ 最後はこうなります。

紙に水彩と色鉛筆

紙に水彩と色鉛筆

一粒のタネから、鈴なりの実を成らす植物。
品種改良されているとはいえ、
まさに自然の恵みです。

しかし、この「一粒が500粒になる」タネ、人間から見ると、
一万円が500万円になる、と見えるのでしょう。
放っておく訳がありません。
「タネを制するものは食料を制する、食料を制するものは人類を制する」
と世界のタネ企業は、世界市場を支配しようとしのぎを削ります。

そのタネのお話を、タネ屋の3代目である野口勲さんが書かれた本が
タネが危ない」です。


何やら人を煽るような題名ですが、読み進むうちに、
タネをめぐる人間の飽くなき欲望が推進する技術には、
デンジャラスな匂いが立ちこめてきます。

その代表格が「遺伝子組み替え」(GM作物)です。

実は2週間ほど前に、映画「世界が食べられらなくなる日」を見て来たばかりです。

この映画は、カーン大学のセラリーニ教授が
モンサントのGM作物をラットに食べさせる実験を行い、
それを、ジャン=ポール・ジョーが映画にしたもの。
モンサント社の実験は3ヶ月までしか行いません。
それで安全と言って売っているのですが、
映画では、実は4ヶ月目からラットは死に出すのです。
ラットの寿命は2年。
2年かけた実験結果は恐ろしいものです。

で、この映画を作っている時に、ふくいちの事故が起き、
監督は必然的に原発問題もこの映画で取り上げることになります。
映画にはフランスの原発の実態も映し出されます。

そして、映画では、
「これは命の問題」
「政府は必ず嘘をつく」
「私達はモルモット」
「子どもたちのために戦う」
などという言葉がインタビューで頻繁に出てきますが、
原発の状況ととまったく同じです。

そして、ジャン=ポール監督は
原発と遺伝子組み替えという二つのテクノロジーには
三つの大きな共通点があると言います。
①取り返しがつかない。
②一度汚染されたら元に戻らない。
③世界中にすでに存在している。

ところがもっと恐ろしい事を、セラリーニ教授は説明します。
この二つは、似ているだけではなく、実際に「遺伝子組み替え作物」と「核技術」を開発したのは
250の同じ企業グループで、しかも彼らは世界の富の半分を支配していて、
この体制が支配層を生み、民衆を犠牲にしてきている。
彼らの利益のために、すべてが犠牲になっている、と。

まさに、1%と99%。

しかしですね、
私は思うのですが、確かに1%の人たちは核技術や遺伝子組み替えで、
莫大な利益を得ているかもしれないけど、
同時に他者の足下だけではなく、生態系という自分達の足下も崩しているように
私には思えるのですよね。

それはさておき、
映画のラットの実験は公表され、
その結果は「ヤバいぞ」ということになり、
ヨーロッパでは遺伝子組み替えは拒否されてきています。

それでも、先の野口勲さんの「タネが危ない」を読むまで、
私の「遺伝子組み替え」への怖さは漠然としたものでした。
腫瘍ができたりするから怖いものなんだ、というイメージ。

しかし、その技術「アグロバクテリウム法」を知ると、
もうイメージではなく、ほんとにやっちゃいけない事やっている、
という思いが強くなります。

この問題は、引き続き次回に取り上げようかな、
と思っています。