今日の一枚
メコン川風景/木炭紙に水彩色鉛筆
このところの雨と暑さや湿気は
10年以上前に行ったベトナムを思い起こさせます。
このスケッチは、ヴィン・ロンという街で
ホテルのバルコニーから描いた記憶があります。
この時、メコン川はフェリーで渡ると一時間以上かかっていましたが
一本だけ橋が出来ていて、帰りに通ったときは
ほんの数分でした。
ベトナム航空ではダナン〜成田往復が
20周年のキャンペーンで9500円とか。
そういえばこの時、往路は、何かの手違いで、私たち夫婦はビジネスクラスで
行ったのでした。
さて、
少し日記的記述になります。
個展を二ヶ月後に控えてラストスパート!
と思っていた5月中旬、
生まれて初めて「突き指」をしてしまいました。
きき手の右の人差し指。
うっそ〜、と思いつつ、騙し騙し使っていたら、
悪化。
仕方ないので、とにかく直すことを先決にし、
近くの柔道整復師(いわゆる骨接ぎ)で見てもらい、
右手に添え木を付けての日日が始まりました。
「普段後回しになっている片付けでもしよう」と
軽く考えていたのですが、
想像以上に何も出来ないのです。
普段、頭でものを考えているつもりだったけれど、
手を動かして考えていたんだなあ、
と思いいたります。
カナダの脳外科医・神経生理学者ペンフィールド(1891~1976)が作成した
「ペンフィールドのマップ」でも
「手はもっとも脳を刺激する器官のひとつ」です。
ところがほどなく、次には背中が痛みだします。
一時は呼吸するたびに痛みが走るくらいでした。
思い当たるふしはないのですが、
骨に異常があったらマズいと思い、
整形外科にかかりました。
10枚くらいレントゲンを撮った結果異常なし。
で、整形外科医は
「骨に異常ないですね。
痛み止めと湿布出しておきましょう。」
と処方箋を書いてくれました。
しかし、人間の骨格の周りには靭帯とか筋肉もあるはず。
釈然としないので、
「マッサージとか電気治療とか効きませんか?」
と尋ねると
「合う人は良いけど、かえって悪くなる人もいるし」
という答え。
意外だったけど、整形外科というのは、
骨中心に診る科目なんだなと、理解。
その後いろいろ見たり人と話して
分かって来たことが、
この医療分野は、上手く西洋医学と東洋医学が
棲み分けが出来ているという事。
西洋医学というのは人体を分析し
マニュアル化し、誰にでも当てはまる
レディーメイドの検査や治療が得意。
命に関わることも手がける。
一方、骨接ぎや鍼灸といった古来からの治療は
個人個人に合わせたオーダーメイド治療。
命には関わらないけど、
クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)に深く関わる。
私の場合、肩凝りがひどくて度々マッサージなどで凌いでいたのだけれど、
突き指で余儀なくされた休憩で
緊張がほぐれた背中が痛みだしたのだろう、
と自分では思っています。
ようやく指の方も添え木が取れてリハビリに入りました。
遅れに遅れている個展の案内状も作らなければ。
個展の直前の怪我で、痛恨の極みですが、
溜めてきた作品もあり、とにかく治療に専念しようと思いました。
それにブログで見て頂いた作品でも実物のマチエールや支持体は、
見て頂かないと分からない部分もあります。
まさにネットで作品を見るのはレディメイドの作品展。
個展で見て頂くのはオーダーメイドな良さでしょう。
個展のための新作は少なくなるけど、前回から10年ぶりというまさに
表現者としての「リハビリ」。
再出発です。