週末は、稲刈りでした。
私達大人はもっぱら子どもたちのサポート。
子どもたちが刈った稲を、去年の稲藁を使って束ねます。
稲を刈る作業は鎌の使い方が分かれば
子どもたちでも問題無いのですが、
束ねる作業はかなり力がいるので、なかなか大変。
さて、刈る前の田んぼや周りの草むらは昆虫の宝庫。
子どもたちは、カマキリやイナゴを上手に捕まえて
虫かごに集めます。
これは帰る時に放します。虫のキャッチアンドリリースですね。
で、私はちゃっかり、子どもたちの集めて来た
虫さんたちを、スケッチさせてもらいます。
ところが、描いていた私の絵を覗き込んで、
「下手だね」という男の子がいるのです。
あれれ〜と思っていると、
「足にはもっととげがあるよ」とか
「目はもっと横だよ」と教えてくれるのです。
話を聞くと、
小学校4年生で一年生のときから区の絵のコンクールに
虫の絵を出して、銅賞、銀賞、そして金賞、と総なめにして来たらしいのです。
実は、子どもの中には、
こういう「虫博士」や「鳥博士」がいて
よく知っているだけではなく、絵も上手な子どもが時々いるのです。
鳥博物館でも、
「ワライカワセミはオーストラリアにしかいないよ」などと
教えてくれる男の子がいました。
その子どもは、見ないで、
「これはユリカモメ。こっちがセグロカモメ」
と違いも分かるように描いてくれました。
こういう子どもたちは、一様に図鑑が好きで、よく名前を知っていて、
毎日見ているから、絵も描けるんですね。
そういう子どもたちに会う度に、
好きなことをこのまま続けられると良いな、
と思うのです。
解剖学者の養老孟司さんが、小さい頃は昆虫少年だったと言っていますし、
昆虫や鳥の観察は、科学者の第一歩でしょう。
このあと、中学に行ったり、大学受験など
様々な人生の関所が待ち構えていて、
「末は博士か大臣か」何て言われた子どもも
普通の大人になるのかもしれません。
(最も大臣なんて、今はありがたくもないですけどね。)
ま、人の人生はわかりません。
いろんなノウハウ本が出ていて、
人生は思いのままにコントロール出来るかのような風潮ですが、
実際は、自分が選べることは、そう沢山ではありません。
それでも、今一生懸命、鳥の名前を覚えたり、昆虫の絵を描いている子どもたちを
心から褒めて応援したいと思います。
たくさんの「自慢できること」は子どもたちを元気にするし、
強くもするでしょう。
実は、小さいときから、目上に褒められたこと、
というのがほとんど無い私です。
大学の進路を決める時には、
「色彩の才能がないから絵には行くな」とまで、高校の絵の先生に
言われたくらいです。
実はこの先生、私が美大を出てから、
手紙をよこし、「あのときは悪かった」と謝って来たのですが、
なんて残酷なのか、と怒り心頭になった事もあります。
私の個人的な経験だけではなく、
社会全体が、いいところを見るより、
負の部分を直すことに重きが置かれ過ぎていますね。
「子どもは未来」。
この当たり前なことがこの社会に根付くのはいつでしょうか。
子どもたちとの交流では、
絵を描いているとすぐお友達になります。
一期一会でたいしたことは出来ないけれど、
一緒に楽しめればいいのかな、と思っています。
さて、今日の一枚は、小さな胴回りの直径が8センチくらいのスイカに
ナナホシテントウとショウリョウバッタを配してみました。
そう言えばテントウムシは子どもたちにすごい人気です。
カマキリも大きくて捕まえやすいこともあるのかもしれませんが、
大人気でしたね。
カマキリは以前、こちらでアップしています。