ある福島のお母さんの話

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私が原発やエネルギー問題を専門家に任せっきりではいけないと思うのは、お任せにしていると、どの情報が正しくどの情報が間違っているのかの判断すら、私たち自身が見極められなくなると思うからです。

2000年のデータですが、私たち日本人がいかにマスメディアを信用しているか分かるデータがあります。
世界各国における組織制度への信頼度

これを見ると、経済発展を遂げた先進国と呼ばれる国の中で日本が最も高く、発展途上の国々と同じ位のメディア信用度を保っていることが分かります。

はたして日本のメディアは、この信用度に答えうる仕事をしているのでしょうか。

以下のレポートはジャーナリストでブロガーである「かさこさん」の去年の福島訪問記です。
あなたの家が立ち入り禁止になる恐怖

フリーのライターの福島や原発関連の記事はネットにはたくさんあります。
JBPressウオッチング・メディア

多くのフリーライターは自分のお金でやりくりして取材を続け、発信しています。その根底に今のマスメディアへのカウンターとしての気概を感じます。

私はネットの方が信頼出来る、と言いたいわけではなく、ネットもマスメディアもどちらも同じように認識されるべきだと思うのです。マスメディアはネットが嘘ばかりのように喧伝しますが、しかし、基本的に伝達記事とは伝達者の意図のもとに発信されます。そのことは、以前の記事「ルーブル美術館の秘密」でも書きました。

一方、世界のマスメディアは、日本のマスメディアのようにネットを敵対視しません。
むしろ共存し、ともに発展しようとしているかに見えます。

↓この本は、そういう世界のマスメディアの動きを伝えてくれています。

それと、ネットには生のニュースソースがあるのです。例えば各省庁のデータ。これを見れることが、ネットの最大の利点かもしれません。

多くのマスメディアは、各省庁が自分達の作ったデータをピックアップして報道各社に出すものをそのまま載せているだけだから、本来のソースを確かめることの方がより正確なわけです。

そしてネット上にはそういうデータがどこにあるのか探して来ることを仕事にしていたり、上手な人がいるのです。そういう人のブログやツイッターを捕捉しておけば、情報源へ素早くたどり着けます。

例えば、私の場合、原発事故直後の水の基準の問題など、ツイッターで呟いている人がいたので厚生省の通達が出てすぐにそれを読むことができ、その後の対応が素早く出来ました。

さて、去年の一月から、私はある福島のお母さんに今二才半になるお子さんのための水を送り続けています。

私の支援するそのお母さん(仮にAさんとします)の話を少しします。

福島でも、放射線への考え方捉え方は様々なようです。
Aさんは、お子さんの食べる食料と水は外のものを利用しているそうですが、その話を近所の人にすると、驚かれるそうです。

Aさんは、事故直後、全く情報が伝わらず、避難したけど怖いので2週間避難先の家から一歩もでなかったそうです。その後もAさんは、携帯を駆使してツテを使って水などの支援を受けつつ、お子さんを被ばくから守ってきました。幸いなことににホールボディーカウンティングでの検査でお子さんは被ばくしていなかったそうです。

思いはただ一つ「子を守れるのは親だけ」という思いです。私はその言葉と思いだけで支援するに十分だと思っています。というかそれしかないと思っています。

20130312

よく聞くのが「自分だけ助かりたいのか」という言葉ですが、自分や子どもを守ることは人間として生物として当たり前のことで、自分や子どもを守れない人が他の人にやさしいとは思えません。

福島では仕事がなく、鳶職や瓦礫処理の終わった業者は除染に行かざるをえないそうです。しかし、その除染は、原発作業員と違って被ばくに関してほとんど規制がありません。又、その原発の作業員にも福島の人がたくさん行っているそうです。

原発のお金は、誘致に協力した町議などを潤し、彼らの家に行くと御殿のようだ、とはよく聞く話しです。しかし、その他の人たちはどの程度潤ったのでしょうか。電気代などが安くなるのは、まわりの町だけです。実際は風や雨に乗って遠くまで汚染は運ばれました。

東京にいると、もう多くの人は地震の事はともかく原発の問題は「収束した」と思い込もうとしている事がよく分かります。地震は避けようがありませんから、防災用品を揃えたり心構えはするものの、「しかたがない」と思うのはまさにしかたがないのです。しかし、福島の原発事故は明らかに人災です。そこで作られていた電気は、他ならぬ私たち東京に住む者のためのものでした。

つくづく、電気のためにAさんのようなお母さんを二度と生み出してはいけない、と思うのです。

ところで、先の情報源の話に戻りますが、意外なことにAさんはパソコンを持っていなくてインターネットを全く使わないのです。

Aさんの話を聞くと、情報処理能力も結局は、その人の生き方と深い関係があるのかも,と思うようになりました。
権威やマスメディアを鵜呑みにしない、自分の直感を信じる、おかしいと思ったら最大限のリスクを予想し、より安全側にシフトしておいてキチンとした情報が得られたら解除する。
そういった事が出来るのかどうか。
現状認識力なのでしょうか。

私からすれば、こちらの記事で書いた「仕方がない」という精神構造とは逆の深い思いをAさんに感じるから、そのお手伝いが出来ることは気持ちがいいのです。

さて、上のクロッキーは今はすっかりヒゲ面のおっさんになった、甥っ子の3才の時のものです。
Aさんのお子さんがAさんの愛に守られてたくましく育っていくことを祈っています。

では。

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