タグ別アーカイブ: 岩本久則さん

鳥の繋がり、人の繋がり

個展もあと二日。

今回は、小さい作品ですが鳥の絵をいくつか展示しています。
アオサギ
キンクロハジロ
ホシハジロ
ハクセキレイ
オオヨシキリ
ノスリ
カワウ
などです。

さて、
準備ではあたふたとスケジュールをこなして
なんとか搬入を終わらせると
会期の間は、訪ねて下さる人を待つ事が仕事になります。

前半戦で、画廊にあった一冊の本を
読んでしまいました。

実はこの本の訳者の松浦さんが、
今回お借りしている画廊のオーナーなのです。

本の主人公のご両親は、傷ついた野性の動物たちを治して
再び野性に戻す保護センターをボランティアでやっています。

ある時一羽のモリフクロウが両親の元に預けられますが、
それが野性を残したまま人になついてしまい
数々の騒動を引き起こすのです。
それが前半の「モリフクロウのボズ」の話しです。

お客さんがお茶を飲んでいると
カーテンレールの上に飾ってある剥製だと思っていたボズが
突然飛んで来たので、お客さんがひっくり返る話し。
その人は2度と家に来なくなったとか。
ボズが主人公の肩に乗って野山を自転車で走ったり。

一方で、
ボズはテリトリーを犯したと感じた他のモリフクロウへは容赦ない攻撃を加えます。
野性がしっかり残ったままなのです。

そのあたりの著者の描写が的確で
また岩本久則さんの挿絵がとても暖かく
時には笑いながら、時にはしみじみしながら
接客の合間に二日で読んでしまいました。

ちょっと考えさせられたのは、
ナショナルトラスト運動の発祥の地であるイギリスでも
「野生動物を野生に返す」意味が多くの人に理解されていないという事。

珍しい動物は人に見せるべきだと
押しかける人や
こんな危険な動物は殺すべきだと言う人たち等々。

主人公の両親が実に巧みに人々との摩擦をかわす様子は
野性の動物や鳥への愛に溢れています。

福音館書店から出版されている子ども向けの本になっていますが
大人にも一押しでお薦めです。

ところで、挿絵を描かれている岩本久則さんは
今回私がテーマにしている「東京港野鳥公園」とも
繋がりをお持ちであることが分かりました。

鳥の繋がりが、人の繋がりであることを感じています。
実は私がこの画廊を知ったのも
ツイッターで鳥の絵を描かれている方からでした。

ところで、実はネットにもこのような「鳥と人の話し」の
実体験を書いている方がいるのです。
究極の手乗り野鳥?コムギさん
タイに移住した方の実体験ですが
ハタオリドリのヒナを助けて野性に戻す話しで
ボズの場合と共通点があります。
以前「ハタオリドリ」で検索して見つけたサイトです。
こちらの話しも可愛いです。

よろしければ、画廊に私の鳥の絵を見に来て下さい。
お待ちしています。

会期 2014年7月16日(水)から21日(月・祝)
   11:00~19:00 (最終日は17:00まで)   
場所 原宿 積雲画廊