この頃つくづくユーモアって大切だな、
って思っています。
311以降日本で一番減っちゃったのがユーモアかもなあ、
と、我が身を振り返っても思うわけ。
そんな風に考えていたとき、
図書館で何気なく見つけた本。
「ユーモアと脱力のすすめ」みたいな本です。
南伸坊著「仙人の壷」。
ユーモアは、まさに
ウソと欺瞞と同調圧力のこの時代にこそ必要かもなあ。
こちらは文庫版。
続編の「李白の月」
次にはこれを借りたい。
内容は、中国に伝わる仙人や妖怪の話しを
伸坊さんの脱力感満杯の漫画で楽しく読ませてくれると言うもの。
でもその楽しさが、不思議な浮遊感というか
雲に乗って連れて行かれるような心地よさ。
起承転結ですらなかったりする話もあるのだけれど、
茫洋とした大陸ならではのおおらかさ。
何しろ最近は、
電車に乗ってもギスギスしているし、
自己責任ではどうしようもない事まで
自己責任の一言で片付けられたり。
あげくに生活保護が叩かれたりとか。
ネットの中もテンション上がりっ放し。
だから、猫画像などや感動小話に癒しを求めたりもするのでしょう。
もちろん、現状の日本は、笑える状況ではない事が続いている。
福島の第一原発は、収束どころか線量が増える日もある。
オリンピックは予算の6倍の費用で一兆円越えるとか、
普通の事業なら撤退でしょう。
日本は、先の大戦を例に出すまでもなく、撤退戦がへたよね。
間違いを認める、ってことが出来ないからなのね。
とても子どもじみていると思う。
ユーモアというのは、大人の知恵だと感じる。
子どもの仕草や、猫がフニュフニュいうのはもちろん可愛い。
でも、人間のユーモアって多分、もっと知的で
にやりとするもの。
真実を見ないのは強くないから、と思っていたけど
むしろ心に弾力がないからかもね。
笑いとペーソスは心の弾力には欠かせない。
そういうユーモアが欲しいなあ、と思ってた時に見つけた一冊。
おすすめです。
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