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役に立つことだけが、役に立つのか?

なんだかトートロジーみたいな題名ですけど、
ブログのアクセス数を増やしたければ
「人の役に立つことを書け」
みたいな言説が蔓延しているので、そうなのかなあ、
ちょっと違うな、と私は思っているので書いてみます。

確かに、役に立つハウツーもの的なブログは
多分アクセス数が増えます。

しかし、実際になにが人様の役に立つかなんて分らないのですよね。

それから、人様は、無名のブロガーの意見なんて興味ないのだ、
欲しいのは情報だ。
と言う人もいます。

ま、たしかにそうです。
誰もがアルファブロガーになれるはずも無いです。
専門の知識と言っても、今はいくらでもネットに転がっています。

では、私は、何のためにブログを書いているのか。

ずばり、「自分のため」です。

だって、お金にもならないのに、一つの記事を一時間くらいかけて
上げるなんて、自分のため以外に、誰が出来るでしょうか?

しかし、実は、ブログを運営する継続と蓄積の威力は、
想像以上にすごいものがあります。
それは、明らかに、発信する側に果実をもたらします。

仕事に結びつく人もいるでしょうが、
結びつかなくても、自分のやったことが、日々蓄積されて行くすごさは
経験すれば実感できるはずです。

ブログを書いたからと言って目だった成果が無いように思えても、
記事を上げ続けて行けば、自分はブログをやる前の自分とは
確実に違うのです。

私の場合、一年半のブログで、個展を開きました。
ネットで見てくれた人が何人か来てくれました。
これはすごいことです。

私は、レンタルサーバーを借りていますから
ブログを維持するのに無料ではないですが、
無料のブログであれば、ほぼ元手無しで
新しい繋がりが生まれるのです。

記事のひとつひとつは100%ではないけれど、
100%のものを作ったり上げたりしようとすると、
結局、一歩も前に進まなくなります。

ドラクロワか誰かの言葉に
「完璧であろうとする画家は、何一つなし得ない」
と言ったような意味の言葉がありました。

確かに、恥さらしの面もあるわけです。
それでも、恥をかいた分、実力がつくし、
こんなに進歩した、という証拠でもあるわけです。

「継続は力なり」です。

他の人には役に立っても立たなくても
書いている人自身には、確実に役に立つのがブログです。

それに不思議なことに、ブログは蓄積ですから、
毎日毎日、検索ワードから未知の人がこのブログに来てくれます。
ネットは24時間営業ですから、私が寝ている間にも
誰かが覗いてくれるのです。

この季節は、「草むしり」という検索ワードが毎年多いのですが、
憲法の話しを書いた記事もあるので「木村草太さん」とか
「伊藤真さん」という検索ワードでも来てくれるし、
「七つの習慣」の感想文もあるので、
その検索でも来てくれます。

このところ10日くらい更新できなかったのだけれど、
毎日、検索で人が来てくれます。
それも3年間の蓄積があるからです。

ところで、最近は、「産業の役に立たないから、文科系を大学から無くす」
みたいな動きもあるようですが、
なんという短絡だと思いますね。
それが役に立つのか立たないのかなんて、現在進行形で分るはずもありません。
社会も人も動いています。
昨日の人は気がつかなかったことに、明日の人は新たな発見をするかもしれません。

「役に立つ」と分ったことだけをやって行くと
とんでもない発見などから疎遠になりそうです。

特に「国の役に立つこと」なんて、前提がついたら
未知の美しさとか、想像もつかない発見なんて
なくなっちゃうでしょうね。
ヒットラーがバウハウスを潰したことは有名です。
しかし、今の建築やデザインの基礎は、あのバウハウスから
生まれたものがたくさんあります。

役に立つかどうか分らないけど、取りあえず面白いから研究している
といったことがすごく重要だと思います。