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実物が持つチカラ

タケノコ

タケノコ

個展まであと一ヶ月になりました。
ぜひ,実物の持つ力を見に来て下さい。

いま私たちは歴史上、空前絶後の量の創作物に囲まれて暮らしています。
その創作物は意識するしないにかかわらず、
ほとんどが複製です。

雑誌の広告から、美術雑誌の作品の写真、
クマモンのようなキャラクター、
絵師と呼ばれる超絶級のイラストレーターの作品が
ネットに、紙媒体に、街に溢れています。

古典で言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」を知らない人は
いないはずですが、ルーブル美術館に行ったことのない人は本物を見たことがありません。

例えば、自分の部屋に絵が欲しいなと思った時
好きな有名な画家の作品の写真を額に入れて飾るだけでも雰囲気が出ます。
だとしたら、世界に一枚しかない本物を飾るのは
もっとステキなことではないでしょうか?

たとえそれが無名の作家のものでも、
あなた自身が気に入って買ったものであれば、
値千金です。
やはり本物には、複製にない存在感というものがあるのです。
イタズラ描きのような作品にすら、作者の息づかいがこもります。
これはスキャンや写真のデジタル画像では再現しにくいものです。

デジタル画像を印刷したものをジクレー版画、と言います。
3Dプリンターも精巧になって来たので、
そのうちマテリアル感なども出るようになるかもしれません。
その時は、データでやり取りするのでしょうか?

といってもまだまだ、そこまでには至ってないので、
「世界でただ一枚の作品」はその輝きを失いません。
もし、私の絵がちょっとでも気になったら、
ぜひ気軽にギャラリーに見に来て頂きたいと思います。

そのために場所は原宿駅竹下通り口目の前、
という好条件のギャラリー。
しかも、土曜日曜も開いています。
今回は月曜日が海の日で連休だと言うのも私にとってはラッキーです。
原宿積雲画廊

ブログでご紹介する以外の作品ももちろんあるので
掘り出し物があるかも、です。

さて、作品は40点くらいにのぼりますが、
その中には、東京港野鳥公園で自然保全や里山保全の活動を続けるグループ
「東京港グリーンボランティア」の出している「コアジサシ」という機関紙
の表紙があります。
これは2011年の12月から手がけています。

2009年に会のチラシをお手伝いして以来のご縁で
私から申し出て描いています。
一番の動機は様々な鳥を描けるようになりたいからでした。
そして、定期的に人様に見てもらうことがとても重要だと思ったからです。

絵も文章も、見てもらってナンボ、読んでもらってナンボ、です。
ひらすら作品を描き溜める、あるいは書き溜める、という事も必要ですが、
とにかく倦まずたゆまず描いて、見てもらう、
これがすごく大切。

ボランティアグループの機関紙ですから、リソーのリソグラフという印刷機で印刷されます。
モノクロですしオフセットなどのようにキレイには出ませんが
それはそれで、いろいろ工夫して作品を作るモチベーションになります。

作品を手がけるために
自然観察会や畑や稲作りの作業をお手伝いして
いろいろ教えて頂きます。
それも楽しみです。

始めた当時は、知らないことばかりで、
ついて行くのがやっと。
丸二年が過ぎたあたりから全貌が見えて来て
「もうすぐ、キンランが咲くから、デッサンにいこう」
とか
「去年の今頃に、キョウジョシギを見たけど、確認して来よう」
と,野鳥公園に出かけて行きます。

時期が来ると判を押したように咲く花。
毎年南と北をわざわざ往復する鳥たち。
それでいて、ひとつとして同じものがない自然。
つくづく、自然というのは偉大で愛らしいものだと思います。

ぜひそんな私の思いがこもった作品を
見て頂ければ幸いです。

今日の絵は2012年6月号のコアジサシの表紙です。