立体を作り、3D感覚をみがく

今年に入って私が作った立体作品です。

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去年の7月に「片桐裕司彫刻セミナー」で立体を少しかじり、
今年に入って3月下旬に経験者クラスに参加。
その前後で作って来た人体です。

時系列に並んでいて左の方が過去になります。
一番左のスカル(頭骨)が3月はじめ。
男性胸像は3月中旬。

3月下旬の彫刻セミナーで真ん中の全身像を制作。

4月に入って、右側の女性の胸像と男性の顔を作りました。

上から見たところ。

20160603_2

去年の作品はこれですが、実はこれには片桐さんの神の手がかなり入っています。
20150727_2

これは既に粘土に戻してしまいました。

さて、今ネットを見れば、人体デッサンの描き方ハウツーサイトが
たくさんあります。
漫画やアニメの人間を描くにはデッサンが重要、
であると信じられているからです。

もちろんデッサンは重要です。
ただし、それは、実物を見て、という話だと思っていました。
ところが漫画やアニメの場合は、ハウツーがあって
それをもとに描くのですね。

ところで、先月東京都美術館で「若冲展」が開かれ大混雑の人気ぶりでした。
実は若冲のあの迫真の絵は「実物」を見ることなしには
成し遂げられませんでした。

若冲は絵を始めた当初、模写を恐ろしい数を描いたそうですが
絵を真似ている間は絵を越えられない、と気づき、
鶏を買って来て庭に放ち3ヶ月間観察したのち
ようやく絵筆を握った、と言います。

私が311以降、長い休眠のあと絵を再開した時、
とにかくブランクを埋めるには急がば回れだと思い、
「実物を見てのデッサン」に励んだのも、
この若冲の鶏を庭に放ってひたすら見る行為、
に通じるものです。

漫画家の手塚治虫も「絵から絵を描いてはいけない」
と言っています。
彼はまた、写真から描くこともやめた方がいい、と書いてます。

しかし、人物は、本物のモデルを雇うのは大変です。
といっても、実物や立体を見ないと分らないことはある。
ハウツーのサイトを見ると、上手に描いているけれど、
実物を見ていない人の描くものは小手先の作業、という感じが拭えない。

出来ることなら見ないで人物も描けるようになりたいものだし、
と思って美術解剖学で骨格を学びなおしたり、
確認の為にクロッキー会に参加したり

そんな風にあれこれやっていた時、
ジェームス・ガーニーというイラストレーターのこの本を知りました。

ガーニーは空想の動物や建物を描く時にマケット(小さな立体)を作って
光の具合などを確認するのだそうです。
本にはかれの作ったマケットも掲載されていて、
「こういう方法があるのか!」と、私は目からウロコでした。
ガーニーも言っていますが、誰でも見たことの無いものは描けないのです。

そこで私も立体でモデルを作る練習を始めました。
しかし立体作りは分からないことだらけ。
大学の授業でやったのは遥か昔。
材料もよく分からない。
最近は樹脂系の粘土があることはネットで調べたら分って来た。
そこで去年の7月片桐セミナーに参加し概要を掴み、
今年に入ってから自分で本格的に作り始めました。

とにかく
最初は四苦八苦。当たり前ですが、最初に作ったスカルは
片桐さんの本では6時間を目安に、と書かれているのに
とんでもなくて30時間くらいかかってしまいました。

しかし、あれ不思議、二作目の男性の胸像はほぼ丸一日12時間くらいで完成。

そしてこの胸像を作っている時に、
立体の見方や作り方のコツのが掴めた気がしました。

そこで、3月の経験者クラスでは全身像に挑戦。
顔の部分などは家に帰ってから手を入れましたが
人間のモデルを作れる感触はしっかり把握。

右側の女性の胸像は、エミリー・ブラウニングをモデルにしたもので
これはほぼ6時間くらいで作りました。

右下の男性の顔は、パートナーがモデルです。
これは顔の部分だけなので、隙間時間を見つけていじっていたら出来てしまいました。

いま人間を描いていて、何か分らないことがあるときは
これらのモデルを見て確認しています。

想像で描くには限界がある。
そんな時3Dのモデルが側にあることはとても助けになります。

おまけに、立体像を造ることもとても楽しい。
楽しいことは続く。
続く限り上達する。

今は猫が頭をかいているポーズを隙間時間に作っています。

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