掃除機を買いに行って日本企業が心配になる

少し前の事なのですが、
我が家の幾つかの家電を買い替えなければならず、
電子レンジ、掃除機、洗濯機、などを新調しました。

その時、ちょっと感じた「日本企業ヤバくない?」
という消費者としての感想です。

電子レンジと洗濯機は日本のメーカーのものを買いましたが、
掃除機は、北欧のエレクトロラックスにしました。

掃除機は、コードレス、サイクロン型、もあり
かなり迷って、結局エレクトロラックスのパワフルな集塵袋のあるタイプにしました。
決め手は、そのパワフルさと集塵袋の交換だけでいい事、
そして15年耐用を謳っている事です。

ダイソンのサイクロン型も最後まで迷ったのですが、
やはり集塵袋を捨てれば良いという簡便さを選びました。

日本製は、パワーも機能も中途半端。
お店の人も勧めません。

で、コードレス型の掃除機も進化していて、
これもダイソンとエレクトロラックスに押されています。
もちろん日本製はあるけど。

ただ、コードレスは想像以上に重かったので、
キャニスター型のものにしました。

そして最後の決め手は耐用年数。
正直言って、この15年耐用を聞いたとき、
7年で買い替えを想定してる日本の家電製品は惨敗だと思いました。

電子レンジはどれもこれも機能が過剰な点にビックリでしたが
一部中国製があったものの、ほとんどが日本製なので
一番シンプルなものを買いました。

で、洗濯機。
これは家で使いだしてからイライラする事がしばしば。
一番腹が立つのが、動いている時にはストッパーがかかって、
蓋を自由に開けられない事。
これは本当に困るのは、洗濯機を手で洗えない事。
もちろん、お掃除ボタンはついているけど、
自分の目と手で確かめて掃除が出来ないのは非常に困る。
安全のためなのだろうけど、
全くユーザーフレンドリーではない、と思いました。

こういう過剰なセキュリティーは
消費者の安全を美旗に消費者を子ども扱いにし、
同時に自分たちの製造者責任を問われないための
エクスキューズ以外何ものでもない。

毎回毎回、蓋をストッパーにロックされるのは本当に不便。

こういう消費者への親切めいたお為ごかしって、
日本中に溢れていますよね。
電車の遅延のしつこいアナウンスもそうだし。

なんか心配になったのは、
日本企業の製品には、蓋ロックや
電子レンジのメニューのように微に入りさいにいるものはお得意なのに、
何となく作り手の情熱を感じない事。

ダイソンは色も形も機能もデザインも「掃除機を越える」意気込みが感じられたし
エレクトロラックスは、無骨だけど長持ち、そして強力パワーで家中きれいにしちゃうぞ
という意気込みが感じられた。

日本企業はルーチンワークを上手くこなしている感じ。
背後には「たかが掃除機」という思惑が見え隠れする。
掃除機にイノベーションなんて起こせっこないと
ハナから決めてかかっている感じ。
そんなんで、なんとか進化した掃除機を作ろうとしているメーカーに勝てるのかしら?

ガラパゴス化、って言うけど、一番のガラパゴス化はその精神ではないですか?

実は2008年に夫とイタリアに行ったとき、
既に携帯電話は日本製はほぼ使われておらず、
ほとんどがサムスンかモトローラだった。
結構私には衝撃だったので、忘れられません。

今週の週刊ダイヤモンドを見ると
車だけは日本は本当に強い。
トヨタとフォルクスワーゲンが世界のシェアの11%ずつ。
でもその車を日本人の若者は買えない状況になってきている。
自分が買えないものを人は一生懸命作るかな?
イノベーション起こそうと思うかしら?

遥か昔にSONYのウォークマンが出たとき、
あれは本当のイノベーションだった。
それまで部屋で聴くのが当たり前の音楽を持ち運べるようにしたのだから。
はたして、そんな
「もの作りニッポン」っていつまで維持出来るのでしょうか。

情熱を感じない日本の掃除機を見てすごく心配になったのです。