日別アーカイブ: 2014年12月15日

きっと彼はそれを我慢出来ない

やたら意味深な題ですけど、今朝の、我が家の選挙総括です。

多分、自民党は(首相は?)改憲を急ぐあまり衆議院議員の任期4年を待てずに、
2016年の参議院選挙は衆参同日選挙になるだろう、
というものです。

とにかく改憲をしたくてしたくて仕方ないけど、
改憲発議には衆参両院で三分の二以上が必要です。
ところが、
むしろ今回は議席数を減らしてしまい、遠のいてしまったのです。

だからきっと、自民党は(首相は?)我慢出来ずに2016年の参議院選挙の時に
衆参同時選挙を仕掛けてくるだろう、
というのが我が家の選挙総括です。

解散時、
アベノミクスしか問わないみたいな事言っていた人が
開票結果が出たとたん、改憲を訴えて行く、
と言い出しているのです。

アベノミクスが隠れ蓑である事は明らかだし、
目的は九条をいじるだけではなく、
そして解釈改憲ではなく明文改憲化。

そして今回の抜き打ち選挙は、
700億円をかけ、 NHKを自民党の選挙公報機関に仕立て、
各メディアに「自民で300議席、三分の二」と言わせて煽りました。
おかげで、史上最低の投票率。

それでも、
自民党は2議席、減らしました。
公明党が4議席増やしたので、
差し引き政権与党が2議席増えましたが。

予兆はあったような気がします。
というのも、
この選挙戦で私が『おや?」と思った事がありました。

先週に入って、北海道の期日前投票が前回より4割増えている、
とニュースが流れたとき。

北海道内の期日前投票40%増 衆院選・中間状況、道選管が発表(12/08 16:01、12/08 16:17 更新)

天候悪化を心配してなのだろう、とも思いましたが、
実は期日前投票が多いときは、自民党は票を減らすし、時には負けるのです。
先の沖縄知事選でもそうでした。

そして、開票当日。
首相の当確が出たのが8時半近かったとき。
単に、開票体制の問題なのかもしれませんが、
しかし、300議席近くをもつ与党の党首が、
8時と同時に当確が出ないのが、とても意外でした。

私たちは70年、今の日本国憲法のもとで繁栄してきました。
なぜそれを今変える必要があるのか。
木村草太氏、國分功一郎氏、伊藤真氏の憲法の話。
でも出てきましたが、
問題は、「変える事」が目的で、その為の議論も何もすっ飛ばしている所。
すっ飛ばしているだけではなく、
自民改憲案が私たち主権者から主権を奪う内容である事は
言い過ぎても言い過ぎる事はない重要な点です。
つまり、議論をすっ飛ばすのは、国民が賛成するはずがないからですね。

とにかく、主権を国民から奪う、という世界でも稀な劣化した憲法改正をめざす
自民党。
今回、その改憲発議を自民党一党では出来ない状態を維持出来たことは
自覚的な国民の、主権者としてのバランス感覚が優れている事を
証明していると思います。

大きな船は急には曲がれません。
右旋回中の船を、急に取り舵一杯、と左に切ったら、
船は沈没してしまいます。

少しずつ少しずつ軌道修正しながら、
一人一人が選挙権、消費者としての購買権を駆使しつつ、
時にはデモや抗議行動で意思表示しつつ
アナクロニズムな方達にご退場願いましょう。

また仕事を通して、正義やフェアネスを重んじ、
嘘や隠蔽が決していい結果をもたらさない事を
伝え具現化して行く事も大切になると思います。

何しろ、311以降、私たちは、特にこの2年のあべ政権で「嘘」に
慣れすぎてしまいました。
人を騙してでも上手くやる事が成功であるかのような空気。
また「過ちを認める」ことが損であるかのように、
認めた人たちを叩きまくる風潮。

しかしこの選挙結果は、
真摯に考えているひと達が少なからずいる事を
教えてくれました。

選挙前には、真っ暗だったトンネルの先に
少しだけ明かりが見えたような気がします。

木村草太氏、國分功一郎氏、伊藤真氏の憲法の話。
という記事に書いたように、
様々な立場の方達が様々な場で真摯に発言もされています。

伊藤塾の伊藤真氏は
「私たち国民は憲法を守るために、本当に努力して来たのだろうか」
と問いかけました。

國分功一郎氏は
「おおいに政治の話しを普段からすべし」
と仰っています。

無理せず出来る事から、そしてやるからには楽しくやって行きたいものです。
2年なんてすぐやってきます。
でも、国民が日頃からしっかり声を上げて行けば、
少しずつ船は真っすぐ前を向いて進み始めるでしょう。

↓先日、本屋さんで平積みになっていて、「おっ!」と思いました。
憲法を暗唱するアイドル 内山奈月×南野森『憲法主義』

YOU TUBE版もあります。
内山奈月×南野森『憲法主義』 (PHP研究所刊)
内山奈月さんってすごいです。お薦め。

あべさんも見た方が良いんではないか??

↓原文と池澤夏樹の寄り添うような訳が読みやすい。お薦め。