日別アーカイブ: 2014年12月1日

時間を味方につけるという事/リスクを分散させること

最近読んだ本です。

「投資の大原則 」
バートン マルキール, チャールズ エリス (著)

内容は投資の本ですし、アメリカの事情に合わせているので、
必ずしも日本の状況に合っているわけではありません。

でも、図書館などで借りるなどして、読んで損はないと思います。
投資以外に役に立つ、と言うか、
人生のプリンシプル(行動基準)に当てはめられることを
投資という側面から述べている本だと思います。

ページ数はすくないですし、言っていることは至ってシンプルです。

① 時間を味方につけること
② リスクを分散させること

投資の本ですから、まず貯金の仕方です。
① 時間を味方につけること
若い時から、そして若くない人は今からでも、毎月一定額を貯めること。
そしてそれを複利で増やすのです。
複利というのは、利子を元本に組み入れて増やして行く方法です。

千里の道も一歩から、で、40年後にはそれがどのくらいになっているか。

この本でユニークなのはその複利の計算方法を教えてくれるところです。
最初の資金が二倍になる時間とそのための利率が
72という数字で計算出来るのです。
8×9=72 → 年利8%で資金を運用すれば、9年で二倍になる、というのです。
逆も真で、年利9%なら8年になります。

貯金で年利8%なんて、今はあり得ないですが、
しかし、私が若い頃は、6%くらいの利子がついていました。
それだと複利で預ければ、12年で倍になります。

お金もそうでしょうが、私は教養や経験や勉強や仕事も同じだな、
と思いました。

時間だけは誰にでも平等にある。
同じ時間、パチンコしてもテレビ見ても本を読んでもブログ書いても
同じように過ぎて行く。

40年後、複利で貯めた貯金が増えるように
時間を味方にすれば、自分の中身を
想像以上に濃くすることができるでしょう。

そして
②リスクを分散する。
これは投資する銘柄やファンドを貯金とのバランス
を考えて分散させ、時間的にも、一度に投資するのではなく
時期をずらせて投資せよ、というものです。

このリスク分散の行動基準も
投資だけではないように思いました。

例えば「探し物のリスク」ということがあります。
「探し物」というのは、かなり精神的にリスクが大きく、
せっかくやっていた仕事が中断したり、やりかけたことを忘れたりします。
探し物が見つかって仕事に戻っても、気分はイライラ。

だから、
ついついまとめて片付ければいいや、と思いがちですが、
その少しの積み重なりが、後からトンでもないしっぺ返しになるのです。
毎日こまめに片付けの時間を作るという、リスク分散がお薦めです。

もちろん、これは自分の経験から言っているのですが。(笑)

食べ物などもそうですね。
現代社会で、添加物などを避けて食事をすることは不可能ですが、
なるべく多種類のものを食べるように心がけ、
休日だけでも自炊する、などすればかなりリスク分散になるのではないでしょうか。

投資の大原則とはどんなものだろう、
と思って読んだ本ですが、
地道な貯金とリスク分散による投資、
というとても常識的な内容だったのは意外ですが、
結局、どんなものでも王道はないのでしょう。

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